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さよならいおん「…ありがとうさぎ」
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1:🎏 :2011/10/12(水) 18:10:39 ID:DjGow5sBJA
ぼくの名前は
さよならいおん

「さよならいおん」


ぼくはそれしか呟けない




131:🎏 はりお ◆kd.jynLh5M:2011/11/2(水) 20:50:16 ID:qWiM/K5756
すかんく「あと3日もしたらココも出て新しい旅でもするかな〜www」

らいおん「……」

すかんく「一緒にくる?」

らいおん「!?」

すかんく「嘘www」

132:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/2(水) 20:50:43 ID:0YxcWEDMGI
すかんく「ていうかさ、お前の話も聞きたいんだよね。俺の話だけじゃなくて。」

らいおん「……?」

すかんく「昔の話とか、わにん家にくるまでの話とか」

すかんく「ん。書けよ」

133:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/2(水) 20:52:10 ID:qWiM/K5756
すかんくさんが紙とペンを差し出した。ぼくはちょっと戸惑ってから、ひらがなばかりの文章を一生懸命書いた。
お母さんとお父さんがいないこと。こんにちわん君の家を追い出されたこと。『さよならいおん』以外喋れないこと。色んな人に会ったこと。

134:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/2(水) 20:52:46 ID:qWiM/K5756
ぼくはちょっとだけ泣いてしまった。すかんくさんは黙ってぼくの書く文字を見る。
嬉しかった。声が出なくても伝えられた。


すかんく「いろいろあったんだなw」

らいおん「…」コクリ

すかんく「まあ俺もいろいろあったからな…w」

らいおん「…?」

135:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 20:53:11 ID:C3eyzHWtYU
更新きたっ!
136:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/2(水) 20:53:26 ID:0YxcWEDMGI
すかんく「俺の暗い話はココを出るとき、お前がついてきたら話してやるよw」

らいおん「…」


頷こうかと思ったけど、頷けなかった。旅をするのは楽しそうだけどわにさんとも一緒にいたいんだ。
幸せを求めたり、誰かと一緒にいたいと思うのはワガママなことなんだろうか。
137:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/2(水) 21:13:27 ID:0YxcWEDMGI
話が終わるとすかんくさんは酒を飲んでくると言ってどこかへ言ってしまった。
お家へ入るとわにさんがホットミルクを作ってくれていたからそれを飲んでお布団へ行く。いろいろ考えてしまって良く眠れなかった。

138:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/2(水) 21:16:40 ID:0YxcWEDMGI
太陽がのぼってきたころ、ドアがゆっくり開く音がうっすら聞こえた。すかんくさんとわにさんの話し声が小さく聞こえる。
わにさんが近寄ってきてぼくの布団をぽんぽん叩いた。顔を上げるとわにさんは恐い顔をしていた。でもどこか悲しそうだった。


わに「ここを、出ていってください」


心臓がズキリと痛くなった。
139:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 21:24:16 ID:AUzjhvMyrc
━イヤ━(;д;)━ヤメテ━━!
140:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 21:34:39 ID:zrmPsL1RCc
う、そだろ…
やだぁらいおん可哀想だぁあああ(´;Д;`)つCCC
141:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 22:08:44 ID:zrmPsL1RCc
雑談スレであなたを探してる方がいますよ―



っていうか
わにぃぃぃなぜだぁあああつC


142:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 07:56:02 ID:sD77sy2OF2
わにさんの気持ちはわからんでもないけど…
らいおんんん(;◇;`)っC
143:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 14:45:18 ID:KdRzS59wow
>>141
雑談スレ行ってきた!気づかせてくれてありがとう!

支援多くてびっくりしたwwありがとうさぎなんだぜ!

144:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 14:46:29 ID:KdRzS59wow
ぼくは前にも似たような状況を体験している。似てるけど、違う。誰も泣いていない。
こんにちわん君の家を出るときはこんにちわん君のお母さんもお父さんも泣いていた。でも、今日はわにさんもすかんくさんも泣いていない。

145:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 14:47:22 ID:l5Pa902z2Y
わに「はやく布団から出てください。あなたの荷物はまとめましたから。」


わにさんがぼくのリュックを差し出した。こんにちわん君のお父さんから貰ったリュック。ぼくがここに来たときに背負っていたリュック。ぼくが来たときよりもパンパンに膨らんでいる気がした。


146:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 14:48:01 ID:l5Pa902z2Y
わにさんがぼくの手を掴んでぐいぐい引っ張る。その強い力に逆らえなくてぼくは外に放り出された。


わに「朝ごはんだけ作りましたから、食べたらどこか遠くに行ってくださいね」


目の前に置かれた朝ごはん。ドアが素早く閉まる。


147:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 14:48:34 ID:KdRzS59wow
ゆっくりゆっくり食べた。いつも通り美味しかった。食べ終わった食器を持ってぼくとわにさんが出会った池に行った。そこで食器を洗ってまたわにさんの家に戻る。ちょっとだけ足が震える。

怒られたらどうしよう。

悲しいのになぜか涙は出ない。泣けないのがこんなにツライとは思わなかった。

148:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 14:49:36 ID:l5Pa902z2Y
コンコン。ドアをノックする。わにさんの家のドアをノックしたのは初めてだとふと思った。ドアを開けてまだ濡れてる食器を床に置いた。気配はするのに、わにさんもすかんくさんも出てきてくれなかった。


らいおん「さよならいおん!」


大きな声で叫ぶように言ってぼくは走ってその場を去った。

149:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 15:09:55 ID:l5Pa902z2Y
リュックが重たい。涙は出ない。心臓がズキズキ痛い。走っても、目的地も帰る場所もないんだ。歩こう。
ひとけのない所へ行こう。
ぼくはそう思ってゆっくり歩いて行った。

150:🎏 はりお
◆kd.jynLh5M:2011/11/3(木) 15:10:36 ID:KdRzS59wow
いっぱい歩いて夜になった。ついたのは家も人も街灯もない森の中だった。背の高い木がいっぱいある。真っ暗だけど、ぼくにはなぜか快適に感じた。星がすごくキレイに見えるからかもしれない。

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