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私は私
[8] -25 -50 

1: ◆R.iBuJXktQ:2011/9/22(木) 23:41:14 ID:sZFT6sQ9z2
注意

このスレには捕食、虐殺、首跳ねのようなグロ成分が含まれています。

直接的な表現は極力減らしていますが、苦手な人はすぐに戻ってください。



25:
◆MEIDO...W.:2011/9/27(火) 06:49:28 ID:ec6YgYxxRE
「私は……誰だ?」

ふと頭をよぎった言葉が口から出てきてしまった。確かに私という存在は今ここに存在しているが、私が誰であるか私は知らない。それは私が名前を持ってないからなのかもしれない。

私は人間になるのだから、名前を持っておかないと、怪しまれるだろう。記憶の中から私に一番合う名前を探すことにした。

26: 名無しさん@読者の声:2011/9/27(火) 07:02:06 ID:jIWxKTGpJQ
支援
27:
◆MEIDO...W.:2011/9/28(水) 07:04:54 ID:krZyOmcs06
>>26
ありがとうございます




「私はミシェル・アンデルセン」

何故かはわからないが、一番しっくりくる。私の体も知識もあの女性が元になっているから、あの女性の名前だったのかもしれない。

誰かの名前だったとしても良い。これが一番合うのだから、これが私の名前だ。

後で、名前を連呼しながら、くるくる回っていた私の姿を思い出すと、実に馬鹿らしい。
28:
◆MEIDO...W.:2011/9/28(水) 07:06:13 ID:rYWbqL4UpM
私が最も長期間やっているが、なかなかうまくいかない練習がある。それは、転んだ時に形を崩さない練習だ。スライムがいくら物理攻撃が効かないとは言っても、強い衝撃を受ければ、体が飛び散ってしまう。そんな所見られたら隠しようがない。

しかし、これが面白いくらいにうまくいかない。歩けなかった頃はまあ良い。歩けるようになると、意識的に転ぶのに少なからず恐怖を覚える。別に痛くもないが、どうも二の足を踏んでしまう。私自身がこの練習で核に傷がつくのを恐れているのかもしれない。練習してたら、核が傷ついて、死にました。なんてなったら笑い話にもならない。

策が無いわけでもないので、この練習はこれまでとしよう。
29:
◆R.iBuJXktQ:2011/9/29(木) 14:15:47 ID:cqmj3kLBho
とりあえず、私が必要だと思う限りの事は全てやった。そろそろこの森での生活も終わりになるだろう。

森での最後の食事という訳ではないが、兎を捕まえて食べた。今必要なのは兎の肉ではなく、血だ。

まず、自分の手を刃のように鋭くして、自分の体を傷つける。そして、傷口に兎の血を塗っていく。これで一応は森で何かに襲われた人間の出来上がりだ。後は、人間が良く薬草などを取りに来る場所で倒れてればいい。

最近、私は倒れてばかりではないかと思ったが、気のせいだろう。
30:
◆MEIDO...W.:2011/9/29(木) 14:16:58 ID:cqmj3kLBho
予定通りに行き過ぎて、少し怖いくらいだが、人里に保護された。まずは私の怪我の手当てをするらしく、家に連れて行かれて、体を拭いて、傷口に薬草を塗って、包帯を巻いてもらった。それだけなのに、私の中にあった寂しさが、一気に減ったように感じた。

裸で歩き回るのは良くないという事で、下着と服をもらった。体に張り付いてくるのが気持ち悪くてしょうがない。思っていた感覚とはだいぶ違う。

これならば体を変形させた方がまだ良かったかもしれない。
31: 名無しさん@読者の声:2011/9/29(木) 16:43:02 ID:4b4SDuYzXc
文の書き方が好き
C
32:
◆MEIDO...W.:2011/9/30(金) 19:39:40 ID:C0YOy.2UQk
>>31
一人称形式はまだ勉強中です。ありがとうございます。




「お前さんはどこからきたんじゃ?」

「覚えてません……」

私は今村長と呼ばれている老婆に色々聞かれている。不思議なことに、最初の方に聞かれるであろう名前を未だに聞かれていない。

「ふむ……名前は?名前は覚えているかね?」

「ミシェル。ミシェル・アンデルセン。これだけははっきりとわかります」

しばらくの沈黙。もしかして、変なことを言ってしまったのだろうか。

「……お前さんは記憶喪失という奴だろう。もし良かったら、ここにしばらく住んでみるのは」

「お願いします」

私が一番欲しかった答えを得ることが出来た。馴染むための一歩目というのにちょうど良いだろう。
33:
◆MEIDO...W.:2011/9/30(金) 19:40:45 ID:t6uracRKfM
部屋を貸してくれるのかと思っていたら、まさか家をまるごと貸してくれるとは。

危険はあるかもしれないが、誰かと一緒に暮らす方が寂しさが減るから、私としては部屋を借りる方が良かった。

わがまま言うのは失礼だが、これはわがままなのだろうか?まあ良い。文句を言う暇があるなら、新しい生活に慣れるとしよう。
34:
◆MEIDO...W.:2011/10/1(土) 20:40:01 ID:gctR7TVIS.
女性の下着や服をもらったのは良いのだが、やはり張り付くのが嫌でしょうがない。

スライムは本来、体全体で呼吸しているから、そういう事が、私に嫌悪感を持たせるのだろう。

かと言って、裸で生活するというのはただの変質者でしかない。そんなことになったらとてもここにはいられなくなってしまう。大人しく着るとしよう。

35:
◆MEIDO...W.:2011/10/1(土) 20:41:12 ID:gctR7TVIS.
着替えが終わって、何をしようかと考えていると、ドアを叩く音が聞こえた。すぐに出てみると、私の体を拭いてくれた少女が立っていた。

「あ、こんにちは」

「こんにちは……」

「私隣に住んでいるルーシーです。ミシェルさん服も着てなかったから、お金持ってないですよね?もし良かったら、これ食べてください。言ってくれれば、しばらくはおすそ分けしますよ。あ、バスケットは後で取りに来ます。それでは」

ルーシーが早口で何かを言っていると思ったら、いつの間にかバスケットを渡され、いつの間にか消えていた。なんという早業だろうか。バスケットの中にはサンドイッチが二つ入っていたので、ありがたくいただいた。

こんな私でも味覚は存在する。サンドイッチは簡素だったが、とても美味しかった。

36:
◆MEIDO...W.:2011/10/3(月) 20:08:29 ID:ZoYc6yK4vU
どうせやることもないので村を歩き回る事にした。

これからはお金が必要になるから、どこかで働かないといけないな。などと考えながら特に当てもなく歩いていると、森にたどり着いた。

働かなくても、以前と変わらず森で狩りをするのも良いかもしれない。しかし、それではせっかく人里にいる意味がない。そう思って、森を後にした。

37:
◆MEIDO...W.:2011/10/3(月) 20:09:37 ID:ZoYc6yK4vU
「ミシェルさーん」

声がした方を向いてみると、片手に数本の剣を抱えたルーシーが手を振っていた。大声を出すのが嫌だったので、近くまで行って話すことにした。

「なんで剣を?」

「私これでも道具屋の店主なんですよ。これは仕入れたばかりの剣です」

名前は覚えていないが、通りに道具屋が確かにあった。店に誰もいなかったので、不用心だなと覗いてみたが、品揃えはまあまあだろう。

「サンドイッチのお礼に持とうか?」

「じゃあ、半分お願いします」

五本の剣を持ってみると、何気に重い。それに、足に当たって非常に鬱陶しい。ルーシーを見習って、抱えるように運ぶことにした。
38: 名無しさん@読者の声:2011/10/3(月) 20:35:31 ID:OKTsxd6gOQ
しえん('∀'●)
39:
◆MEIDO...W.:2011/10/4(火) 22:53:14 ID:1h9cqhfM4c
>>38
ありがとうございます。



「ありがとうございました」

剣を運んだお礼にと運んだ剣の一本を無理矢理押し付けられた。これではいつまで経ってもお礼が返せそうにない。

「一人でやってるの?」

店の中には私とルーシーだけで、他に人がいる気配が全くしなかった。

「はい。元々父がやっていたんですが、数年前に他界してからは私が」

「お母さんは?」

「私を生んですぐに他界しました」

「ごめん……」

ちょっとした疑問を聞いたつまりが、全くちょっとしていなかった。

「良いんですよ」

そう言って、ルーシーは笑っているが、どこか悲しみというものを感じた。

40:
◆MEIDO...W.:2011/10/4(火) 22:54:08 ID:1h9cqhfM4c
「ねえ、私を雇ってくれない?」

「えっ?」

私の言葉を理解できなかったのか、ルーシーは目を白黒させていた。

「私もここで働きたいって言ってるの」

どうせ働くならば、知り合いがいる方が気が楽だと私は思う。その権利を得るかはルーシー次第なのだが。

「……明日まで考えさせてください」

「わかった。じゃあ、私はお先に」

押し付けられたら剣をこっそり返そうとしたが、結局バレて、しょうがなく持ち帰った。

41:
◆MEIDO...W.:2011/10/6(木) 21:01:13 ID:jR1JaAuaqs
家に帰って、壁に剣を立てかけてから、イスに座った。どうせならば、剣よりも本を譲ってほしかったが、わがまま言ってもしょうがない。

もう一度外に出ようかと思ったが、さっきほとんど見てきたがら新しい発見は見つからないだろう。

ならば食事をというと、まだ日が沈むまで小一時間ほどある微妙な時間であり、それに私は食材を持っていない。

ルーシーが帰ってくるのを大人しく待つとしよう。

42:
◆MEIDO...W.:2011/10/6(木) 21:02:20 ID:jR1JaAuaqs
「ごちそうさま」

「お粗末様です」

夕食のメニューはパン、サラダ、スープ、そしてハム。決して豪華ではないし、記憶にはあるが、私自身が見たことは無かったので、とても真新しかった。

「ミシェルさん」

ルーシーは食器を水を張った桶の中に沈めてから、真剣な顔で私の前に座った。

「明日までと言いましたが、今言います」

沈黙。こういう時は引き延ばさないで、さっさと言ってくれた方がありがたいのだが、なかなかそう言うわけにもいかないのだろう。

「明日からよろしくお願いします」

「ありがとう」

ルーシーが笑顔で手を伸ばしてきたが、私はそれを無視して、立ち上がり、不思議そうな顔をしているルーシーをバグした。

43:
◆MEIDO...W.:2011/10/8(土) 20:40:24 ID:WPw5dFjMQg
「うちは雑貨屋です。鍛冶屋や薬屋などから商品を仕入れて、それを売っています。店側との交渉はミシェルさんにはまだ無理ですから、しばらくはうちの店の事をやってもらいますね」
早口で説明される一つ一つの言葉をなんとか聞き取り、理解する事は出来たので、大きく頷いた。

「店でやることはそれほど難しくないです。店番、掃除、在庫の確認とかですから」

言われた事を小声で復唱した後、再び大きく頷いた。

「とりあえず、店については終わりです。今からはこれの話です」

そう言って、ルーシーは親指と人差し指で円を作った。

44:
◆MEIDO...W.:2011/10/8(土) 20:41:46 ID:WPw5dFjMQg
その後、しばらく給料論争になった。私が食事を恵んでくれるだけで良いと言うのに対して、ルーシーは食事と高額な賃金を払うと言い出した。普通は逆じゃないだろうか。

結局、食事と無難な金額の賃金で話はまとまった。怒鳴ったり、テーブルを叩いたりと、端からみたら、完全に喧嘩しているようにしか見えなかっただろう。

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