***
壱国城、謁見の間
***
壱王「よくぞ参った……魔力を持つ者、勇者よ」
魔者「……お呼びくださったこと光栄に思います、陛下」
壱王「そう畏まらずともよい、楽にせよ」
魔者「……おそれいります」
838: 少女:2012/3/28(水) 22:03:28 ID:QGhM1jtmRs
女頭「魔者」
魔者「うん」
女頭「村娘」
村娘「……ん……」
女頭「……がんばれ、私らはいつでもアンタらの味方だよ」ニカ
魔者「おう」ニカ
村娘「……私も……」
女頭「ん、ありがと」ガシガシ
村娘「…………」ボサボサ
839: 少女:2012/3/28(水) 22:07:29 ID:QGhM1jtmRs
>>835-838
今日はここまでに!
長かった夜も明けて、とうとう出発です。
盗賊が当初考えていた以上に空気+ヘタレで私がびっくりです。
それではまた明日、よろしくお願いします
840: 少女:2012/3/29(木) 21:33:20 ID:25K21tG77g
こんばんは!
今から投下しますー
841: 少女:2012/3/29(木) 21:35:22 ID:25K21tG77g
女頭「ほら! アンタからも代表で一言!」
盗賊「うう……行くなよう」グス
女頭「この期に及んで言うことがそれかよ!」ゲシッ
盗賊「うう……痛い……寂しい……」グスグス
魔者「大げさだな……」
村娘「……一生の別れじゃあるまいし……」
盗賊「あれお前ら魔王討伐とかいうたいそうなもんに行くんじゃなかったっけ」
842: 少女:2012/3/29(木) 21:36:09 ID:25K21tG77g
魔者「まあ……でも、そんなもんで死なねーよ」
盗賊「……」ジト
村娘「……信じろ……」ヨシヨシ
魔者「無理かどうかは、やってみないとわからないんだから」
盗賊「……、そうだな」プ
女頭「ま、寂しいのはどうにもなんないけどね」ケラケラ
盗賊「うん……あーなんか今、娘を嫁に出す父親の気分がわかった気がする」
魔者「娘でも嫁でも父親でもないけどな?」
843: 少女:2012/3/29(木) 21:37:35 ID:dup4gf7dzA
壱姫「……ふーん」
側近「どうかなさいましたか?」
壱姫「いや、……ここに来る前の会話を覚えてるかい?」
側近「……どの会話のことでしょう」
壱姫「彼らと二人の間柄が、何といえばいいかわからないって」
側近「はい、記憶しております」
844: 少女:2012/3/29(木) 21:38:13 ID:dup4gf7dzA
壱姫「簡単じゃないか、昨日の女頭殿の言葉にぴったり当てはまる」
側近「?」
壱姫「……ああ、君が勇者を説得しに行ってる間に、村娘ちゃんと三人で水浴びしたんだよ」
側近「……左様でございますか」
壱姫「うん……見てごらん」
壱姫「まさしく、『家族』じゃないか」
845: 少女:2012/3/29(木) 21:44:51 ID:dup4gf7dzA
>>841-844
今日はここまでに!
一応これで里帰り編(?)は終了です。
…が、実はちょっとしたおまけがあります。
明日の更新をお待ちくださいなノシ
846: 名無しさん@読者の声:2012/3/29(木) 22:59:17 ID:BbaxKm3gIw
明日の楽しみができました
つCCCCC
847: 少女:2012/3/30(金) 21:57:21 ID:Y038A0Kxjs
>>846
ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*ノノ)
悪ノリしすぎておまけというには少々長くなってしまったのですがw
遅くなってしまいすみません、今から投下しますね!
848: 少女:2012/3/30(金) 21:58:18 ID:RXvz35mO86
盗賊「……でもやっぱ寂しい」ウルー
村娘「……まだ言うのか……」
魔者「一言どこいった」
壱姫「そうですわね……それでしたら、こちらに良いものがございますけど」ニッコリ
女頭「?」
壱姫「ボイスレコーダーと言いまして、人の音声を録音、再生する我が国の機械ですわ」
村娘「……そんなもんがあるのか……」
849: 少女:2012/3/30(金) 21:59:20 ID:RXvz35mO86
壱姫「こちらをプレゼント致します」
盗賊「……それで何すりゃいいんだよ」グス
壱姫「再生は何度でも出来ますから、寂しい気分になったときなどに勇者様方のお声をお聞きください」ニコニコ
盗賊「……へーえ」
**「ええー、兄貴だけずりーなあ!」
盗賊「やらねえからな、俺のだぞ」フフン
850: 少女:2012/3/30(金) 22:00:06 ID:Y038A0Kxjs
魔者「あーよかった、盗賊の機嫌治って……」
側近「それでは、録音をしなければ」
壱姫「いい、もうしてある」
側近「…………、もしや」
盗賊「え? これもう聞けるのか?」
壱姫「お聞きになります?」ニーッコリ
側近「…………」
851: 少女:2012/3/30(金) 22:00:30 ID:Y038A0Kxjs
壱姫「こちらが再生ボタンになります」
盗賊「……、押すぞ?」
…カチャッ………ザー…
盗賊「……? 何も……」
壱姫「しーっ」
…………ム………
**「あ、今!」
……ムラムスメ…………
女頭「すげえ、魔者の声だ……」
852: 少女:2012/3/30(金) 22:01:16 ID:RXvz35mO86
……ハイ………………
村娘「……私だ……」
魔者「いつこれ録ったんだ?」
壱姫「今わかる」ニコー
…………ニ……
女頭「……『に』?」
……ニアッテユゾ…!………
盗賊「……え?」
853: 少女:2012/3/30(金) 22:01:43 ID:RXvz35mO86
──ガタガタドサーッ
壱姫「あらどうなさったんですか、いきなり椅子から落ちたりして」ニッコリ
魔者「い、い、今のまさか……」
……キ……キレイダ…………
魔者「うわああああああああああああああああああああ!!?」
側近「……姫様、やはりあれは」
壱姫「そ、昨日言ってた最終兵器。 ……ね、非人道的でしょ?」
854: 少女:2012/3/30(金) 22:02:55 ID:RXvz35mO86
盗賊「ありがとうお嬢さん、これを毎晩寝る前に聞いて耐えてみるよ」キラキラ
魔者「毎晩って元からそんな頻度で会ってないだろうが!!」
壱姫「いえ、つまらない物ですが、お心をお慰め出来たようでよかったですわ」ニコニコ
魔者「本当につまらないと思ってるなら贈るな! つーか贈らないでくれ頼むから!」
盗賊「頑張れよ魔者、俺はいつでもお前を応援してるぞ!」キラキラ
魔者「お前もさっきからその無駄に爽やかな笑顔やめろ!!」
855: 少女:2012/3/30(金) 22:04:00 ID:Y038A0Kxjs
女頭「あー、魔者も成長したなあぁ……」グスグス
**「まだ子どもだったあの頃が懐かしいですねえ」オイオイ
魔者「そこはそこで泣くな! 昔を懐かしむな! なんとも言えない表情で俺を見るな!!」
**「大きくなって……」
魔者「待てお前新入りだろ! むしろ小さい俺を知らねえだろ!」
盗賊「」ニコニコキラキラ
魔者「……まじで今からでいいから、データ消してくれええええええっ!!!!」
856: 少女:2012/3/30(金) 22:04:25 ID:Y038A0Kxjs
側近「相当恥ずかしがってらっしゃいますね」
壱姫「いざというとき役に立つかなと思って録音しといたんだけど、やっぱり知人が一番ダメージ大きかったみたいだね」ニコー
側近「ご婚約者様の方はなんということもなさそうですね」
村娘「………………」ボソ
壱姫「え?」
村娘「…………は、恥ずかしい……」///カアア
側近「…………」
壱姫「…………、なんかごめん……」
857: 少女:2012/3/30(金) 22:16:16 ID:Y038A0Kxjs
次から、下山中の会話を少しだけ。
262.43 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】