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壱国城、謁見の間
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壱王「よくぞ参った……魔力を持つ者、勇者よ」
魔者「……お呼びくださったこと光栄に思います、陛下」
壱王「そう畏まらずともよい、楽にせよ」
魔者「……おそれいります」
841: 少女:2012/3/29(木) 21:35:22 ID:25K21tG77g
女頭「ほら! アンタからも代表で一言!」
盗賊「うう……行くなよう」グス
女頭「この期に及んで言うことがそれかよ!」ゲシッ
盗賊「うう……痛い……寂しい……」グスグス
魔者「大げさだな……」
村娘「……一生の別れじゃあるまいし……」
盗賊「あれお前ら魔王討伐とかいうたいそうなもんに行くんじゃなかったっけ」
842: 少女:2012/3/29(木) 21:36:09 ID:25K21tG77g
魔者「まあ……でも、そんなもんで死なねーよ」
盗賊「……」ジト
村娘「……信じろ……」ヨシヨシ
魔者「無理かどうかは、やってみないとわからないんだから」
盗賊「……、そうだな」プ
女頭「ま、寂しいのはどうにもなんないけどね」ケラケラ
盗賊「うん……あーなんか今、娘を嫁に出す父親の気分がわかった気がする」
魔者「娘でも嫁でも父親でもないけどな?」
843: 少女:2012/3/29(木) 21:37:35 ID:dup4gf7dzA
壱姫「……ふーん」
側近「どうかなさいましたか?」
壱姫「いや、……ここに来る前の会話を覚えてるかい?」
側近「……どの会話のことでしょう」
壱姫「彼らと二人の間柄が、何といえばいいかわからないって」
側近「はい、記憶しております」
844: 少女:2012/3/29(木) 21:38:13 ID:dup4gf7dzA
壱姫「簡単じゃないか、昨日の女頭殿の言葉にぴったり当てはまる」
側近「?」
壱姫「……ああ、君が勇者を説得しに行ってる間に、村娘ちゃんと三人で水浴びしたんだよ」
側近「……左様でございますか」
壱姫「うん……見てごらん」
壱姫「まさしく、『家族』じゃないか」
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