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チェシャ「リメンバー・アリス」
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1: ◆AlicexxO96:2011/9/11(日) 00:07:28 ID:EXtZ5v8wjc
白兎「アリス! 私達のアリス!」の番外編的なものでございまする

本編に入れたかったけどサイズオーバーにより断念したチェシャ猫の過去編等

本編の時ほどの更新率は無理ですが、放置するようなら直ぐ削除希望を出しますので、御了承ください

完全に蛇足と自負しておりますので
ひっそりと穏便にsage進行で行きたいと思いますので、どうかよろしくですm(_ _)m


53: 名無しさん@読者の声:2011/9/14(水) 00:30:44 ID:aqZvmbwtMY
本編一気に読んできました
世界観がすごいです…時に涙しながらとても楽しく読ませていただきました

というわけでこちらを支援させてくださいな!
54: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 00:31:23 ID:XXyIM9TlNE
それ以来、アリスが不思議の国に帰ってくる事はありませんでした

しばらくして住民達は皆、女王の城に呼び出されました

まず聴かされたのは女王の謝罪

自分の考えは甘かった
やはりあの時アリスを帰した判断は間違っていた、と

住民達は誰一人として騒がず、女王の話に耳を傾けていました

が、その後伝えられたのは「アリスへの献上」の事

これには住民達の誰もが驚き、戸惑いを隠せないようでした

正確には、猫を除く住民達の誰もが、でしたが
55: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 00:43:07 ID:Nl1BkT2ffc
猫は独り、そのある種横暴な仕組みに希望を見出していました

チェシャ「もしかしたら…」

チェシャ「ボクはこれを機に、何か変われるかも知れないじゃないか」

住民達は一列に並び、城の裏に置かれた裁判所へと流れ込みます


生命の概念の無い空、大地などの景色から「色」が、最初に献上されました

突如として空の青が、野原の緑が消え失せました
56: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 01:02:42 ID:hZatukS3eA
焦る人々 頭を抱える大人達 事の重大さすら分からずはしゃぐ子供達

『次は誰だ?』 『そりゃ勿論』 『我らが女王様じゃないかな』

チェシャ「……」ピクッ

裁判所の中の様子は分かりませんでしたが

猫は一瞬、もの凄い緊張感のようなものに襲われたような

そんな気がしました

チェシャ「…何?」

裁判所の中で、恐らく何かがあった
57: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 01:09:33 ID:3aE7tu1jnQ
女王に下された献上内容は「体」

問題は、それが女王自身の望んでいたものではなかった事

女王「……」

裁判所の中にいた住民達は取り消しを訴えかけますが

女王「……構いませんよ」

裁判長「…申し訳ない…」

女王「アリスにこの体を捧げられるのなら、何も悲しい事などありません」

裁判長「…これは、アリスの意思。受け入れる他、ないのだ…」

女王「でしたら、尚更ですよ…」
58: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 01:18:24 ID:XXyIM9TlNE
女王「じゃ、あなたはどうします?」

ビル「私、ですか…?」

女王は隣に立つ蜥蜴の執事に問います

ビル「…そう、ですね『体温』なんて如何でしょう」

女王「体温?」

ビル「えぇ。陛下が献上なさった御体を、少しでも暖めて差し上げられればと」

女王「…ですって」

裁判長「…許可」

ビル「ありがとうございます」

二人は被告人席を立ちます

惜しみない拍手に送られ、そのまま奥の部屋へ

続くは公爵、その夫人

猫が裁判所に入ったのは、日が暮れ始めた頃でした
59: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:06:49 ID:EXtZ5v8wjc
未だに猫は献上を決めかねていました

先程までの期待は少しずつ、焦りへと変わります

その時ちょうど、ドラゴンの番がやってきていたのに気付きました

その大きな体で、裁判所に入る訳にはいかないので

鼻と口を窓から突っ込んで話し始めました

ドラ「僕に必要の無いものをあげればいいの?」

裁判長「あぁ」

ドラ「そっかー。じゃあどうしようかな」
60: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:20:07 ID:.P9Ds9FMzQ
ドラ「じゃ、僕は『孤独』が要らない!」

裁判所内は一瞬で静まり返ります

ドラ「……あれ? 僕なにか変な事言ったかな」

裁判長「…構わんよ、許可しよう」

ドラ「ホント!? ありがと!!」

「そんな利己的なものでも許されるのか」と人々がざわつく中

恐らく一番驚いていたのは猫

チェシャ「…凄いや」

チェシャ「なんて素敵な考えなんだろう…!
何で思いつかなかったんだろ…!」フリフリ

唯一の友達が教えてくれた、とっておきの願い

嬉しくって、尻尾も小躍りしてしまいます
61: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:26:33 ID:49xkdw3Uyk


裁判長「…次」

チェシャ「あ、はい!」ピョン

裁判長「チェシャ猫さん、ね…」

自分の名を告げられた途端、何人もの、おおよそ鼠や平和主義者達の憎悪を孕んだ視線が

猫の背中に突き刺さった、ような気がしました

あとの人々はまるで自分になんか全く興味などないような

でももう、それもお仕舞いだ
62: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:36:08 ID:3dwiETMrNI
チェシャ「ボクは…ボクはね…!」

ボクはこの他人からの拒絶を、嫌悪を、無関心を。その全てを捨てたいと

そんな猫の訴えを、裁判長の声が遮りました

裁判長「…不許可」

猫「…へ?」

裁判長「チェシャ猫さん、ね
君の献上する物は既に決まっている」

裁判長「君の望むものにはならんだろうが
アリスの意思だ、従って貰う」

チェシャ「……???」
63: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:46:38 ID:2RxliD3ePc
意味が分からない

献上する物は自分の必要でないもので構わないと、女王はそう言ったじゃないか

チェシャ「…なに…?…言ってんの…?」

裁判長「…君が献上するのは『存在』だ
君のお陰でアリスはそこに居る事ができる」

裁判長「そしてそれは、とても誇るべきことだと思ってくれ」

何だよ存在って

チェシャ「…何だよ…存在って」

猫は声を絞り出します
64: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:58:34 ID:hZatukS3eA
チェシャ「…何だよ…何だよ存在って!」

それを捨てたら今よりもボクは

チェシャ「今よりボクは独りになるじゃないか!!」ガンッ

勝手だ! 残酷だ! あんまりだ!

チェシャ「認めない…! 存在なんかくれてやらない…!!」

誰でもいいんだ 誰でもいいから、ボクを見て

チェシャ「独りに…しないでくれ…」

裁判長「…分かるまで何度も言う。 これはアリスの意思だ」

嗚呼、駄目だ

ちっぽけな自分には、これに刃向かう術は無いんだ

そう気づいて、猫はその場にへたり込んでしまいました

いつの間にか、裁判所はまた静かになっていました
65: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 01:07:15 ID:SreLzOfR6w
「…何時までそこでいる気だ」

「後がつかえているというのに」

罵声

「我らが女王様は体を失うというのに」

「それも直ぐに受け入れたのに、あの猫ときたら」

空っぽの脳味噌に直接ねじ込まれるような

チェシャ「…あ…ぁ…」ガクガク

「そんなに一人が嫌なら戦争へ出向けばいいさ」

「お前の仲間がわんさかいるぞ、種の為働いてくればどうだ」
66: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 01:11:27 ID:2RxliD3ePc
それからの事は、猫はよく覚えて居ません

どこかに連れて行かれ、『存在』を献上し

半ば放り出されるように、裁判所の外へ

チェシャ「……ッ」ベシャ

チェシャ「……流石に」

チェシャ「…流石に酷いんじゃないかな…」ジワァ

チェシャ「う…くぅ…」

チェシャ「ううううううううっ!!!」ポロポロ
67: 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 19:39:54 ID:c8SUwpix1c
チェシャちゃん…(;ω;)
俺がついてるよ!
つC
68: 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 23:34:46 ID:a0WZwT0NP.
俺だってついてるよ!
つC
69: 名無しさん@読者の声:2011/9/16(金) 01:24:49 ID:1DXJMNtkDc
じゃあ俺は抱き締める
つC
70: 名無しさん@読者の声:2011/9/16(金) 01:28:20 ID:qIrVN1pmJs
じゃあ俺は恋人になってあげる
つC
71: ◆AlicexxO96:2011/9/17(土) 00:00:23 ID:yQM7sYVCM6
じゃあ自分は嫁ごう

はい、そんな事言ってる場合じゃないですね

すみません凄い忙しい…言い訳乙過ぎますね

忙しいのにスレ立てんじゃねぇ!と言いたい方もいるかもです。最もです
明日、頑張って更新致します

申し訳ない……
72: 名無しさん@読者の声:2011/9/17(土) 00:01:59 ID:j/7oWVUdTU
まったりいこうぜ
つC
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