白兎「アリス! 私達のアリス!」の番外編的なものでございまする
本編に入れたかったけどサイズオーバーにより断念したチェシャ猫の過去編等
本編の時ほどの更新率は無理ですが、放置するようなら直ぐ削除希望を出しますので、御了承ください
完全に蛇足と自負しておりますので
ひっそりと穏便にsage進行で行きたいと思いますので、どうかよろしくですm(_ _)m
144: 名無しさん@不思議の国:2011/9/30(金) 00:32:34 ID:LKWhokV37M
まず言っている事もいまいち理解できませんし
だいたい少年は人間が嫌いでした
人間からしたら自分は狩りの対象、空飛ぶ食糧としか見られていませんし
なにより子供心に、自分の好きな子が知らない誰かの自慢をしているのが嫌で嫌で仕方無かったのです
誰かに取られてしまったような、そんな感じがして悔しかったのです
145: 名無しさん@不思議の国:2011/9/30(金) 00:44:36 ID:3aE7tu1jnQ
そんな日が毎日のように続いたから
ついに少年は口を開きました
鷹「…もういい」
鷹「もう、いいってアリスの話は」
白兎「…へ?」
鷹「もうそんな、嘘っぱちの話なんか止めろよ」
空気が凍ります
少女は真っ赤な瞳孔を開いて固まり
その沈黙は、長く続いたように感じました
146: 名無しさん@読者の声:2011/9/30(金) 23:50:20 ID:nJMzfKgh/E
こっそりしえん
147: 名無しさん@不思議の国:2011/10/2(日) 00:24:54 ID:u.qZdwGW4Q
白兎「え…え…?」
鷹「……」
少女は、少年の間違いを正してあげるように問い直します
白兎「…う、嘘っぱちって…何、ですか?」
そんな反応に微かな苛立ちを覚え、刃向かうよう口を開きます
思えばそんな気持ちを兎の少女に向けるのは初めて
鷹「嘘っぱちは嘘っぱちだ、訳分かんねぇ」
148: 名無しさん@不思議の国:2011/10/2(日) 00:39:17 ID:u.qZdwGW4Q
鷹「俺達はその見たことも聞いたこともない奴の為だけに生きてるとか…」
白兎「だって…だってホントですもん!」
二人の意地は折れることなく
それは少年にとって、とても辛い大喧嘩
大好きな少女の大好きな人を貶す為の喧嘩
本当はそんな事したくない、というのは多分嘘
所詮は子供です。ただ好きな子が誰かに取られるのが嫌なだけ
149: 名無しさん@不思議の国:2011/10/2(日) 00:44:56 ID:klZmCv3cl2
白兎「女王様が…女王様が言ってたんですよ!?」
鷹「じゃあその女王様も嘘吐きなんだろ!
信じられる訳ないじゃん!アリスなんている訳がっ!」
パンッと乾いた音は、少年の頬から
少年はすぐ理解しました
というより、こうなる事は言う前から、なんとなく分かっていました
150: 名無しさん@不思議の国:2011/10/2(日) 00:53:36 ID:ltP/Ll0.T2
けれど、やるせなさが一気に胸を包み
情けなくも涙が目から溢れてしまいました
気づけば向こうも、目の周りまで真っ赤に腫らして此方を睨み付けていました
白兎「…嘘じゃ…ないですもんっ…!」グスッ
鷹「……」
譫言だ。妄言だ。戯れ言だ。
そう言い切ってしまえばどんなに楽でしょう
分かっています
これ以上言える訳がない
少女を泣かしておいて更に追い討ちをかけられる訳がない
どちらにしろ涙で視界がぼやけて、ちゃんと喋れる気もしないですし
151: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 01:00:13 ID:0xGhRsTZCU
鷹…
確かに好きな子がそんなことばっか話してたらいやだよね
こっそり支援
152: 名無しさん@不思議の国:2011/10/2(日) 01:08:52 ID:u.qZdwGW4Q
白兎「……帰ります」スッ
泣き止んだかと思えば立ち上がり、少年に背を向ける
鷹「…あ」
白兎「…もう、あなたとは会いたくないです」
鷹「…ぁ」
白兎「…嫌いです、だいっきらい」タッ
鷹「…ぅ」ジワァ
せっかく泣き止んだのにまた目頭が熱くなって
少年には帰る以外の選択肢はありません
弟達に顔を見られないよう、グッとゴーグルを目に下ろして
鷹「…う…くぅ…」バサッ
住処に着く頃にはゴーグルの中は文字通り涙で溢れていました
153: ◆AlicexxO96:2011/10/2(日) 01:16:13 ID:6ATZQoPsn.
と言うわけで今日はここまで!
あと二回に分けて終わらせます多分!
こう見たら白兎ちゃんちょっとクレイジーな悪役だね!良い子なんだよ本当は! 多分!w
>>146
こっそり支援感謝
ありがとう…!
>>151
ありがとうです!
なんか書いてたら鷹君に愛着湧いてきたのです
数少ない悪役キャラ?として考えたのにおかしいなーw
さぁもう1時です!自分はもうおねむの時間です
また明日頑張って来ますね
それではよい夢を
おやすみなさい
154: チェシャ猫ファン:2011/10/2(日) 19:00:08 ID:NvGMdMA3eI
追いついた!!!
やはり白兎可愛い…
支援!!!
155: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 22:18:31 ID:bWHnpuYhps
それからは今までが嘘のように
2人が会う日はぴたりと無くなりました
鷹「……」
勿論後悔はあります
悔やんでも悔やみきれない程に
本当に言うべきだったのだろうか
正解はどうであれ、少年は大好きな少女との確かな繋がりを、自らの手で断ち切ってしまったのですから
弟「…兄ちゃん」
鷹「……どした」
弟「元気ないね…」
鷹「…うん、無い、な」
156: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 22:26:28 ID:uBvkOa71RM
弟「……」
この子達はどう思うだろうか
そのアリスの話を聞いて弟達はどう思うんだろうか
鷹「なぁお前ら」
弟「…?」
鷹「もし、もしさ」
自分達は誰かの為に生かされてるとしたら、と言う前に
それは突然、脳を貫いたように
鷹「…!?」ビクッ
『アリスが帰ってきたよ』
声が聞こえた訳ではなくて
もっと直接頭に刻みつけられた、そんな感覚が少年を襲いました
157: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 22:37:24 ID:klZmCv3cl2
鷹「…な…に、これ?」
弟「ねぇ兄ちゃん」
鷹「…え? あ…」
弟「アリスって、だあれ?」
鷹「!?」
鷹「お前らも、聞こえたの?」
弟「?? 兄ちゃんが喋ったんじゃないのー?」
鷹「ち、違うぞ? 俺じゃ…ない」
弟「じゃあ今のなあに?」
本当にそれはこっちが聞きたいと言いたいところでしたが
少年は幼いながらも必死で考え、一つの仮定に辿り着きました
158: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 22:43:33 ID:bWHnpuYhps
「アリスは本当に居る。そしてこの国に帰ってきた」
「そしてその事が恐らく、全ての住人達に伝わった。アリスはそれ程の存在である」
少年にとって、一番認めたくない想像
それは全部白兎の言った通りでしたから
嘘っぱちだと、そう吐き捨ててしまった、少女の空想そのままでしたから
鷹「…っ…」グッ
少年はまたゴーグルをずり下ろす
それは少年が、空へと飛び立つ合図
159: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 22:51:26 ID:GYH9D2.JxU
鷹「……」スッ
弟「兄ちゃん?」
鷹「…行ってくる」
弟「…どこに?」
鷹「アリス、捜してくる」バサッ
この目で確かめてやる
本当にいたのなら、その時はその時だ
ついでに白兎に居場所を教えてやろう
あんなに会いたがっていたもの
少年は風に乗り、アリスを目指す
160: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 22:54:39 ID:mLQbycA2bc
人探しは得意のつもりでした
不思議の国一の視力をもってすれば、すぐに見つけられるだろうと思っていました
鷹「…どこにもいねぇじゃん」
鷹「…上から見下ろすだけじゃまぁ、無理か」バサッ
少年は森の中へ
小鳥達なら何か知っているかも知れない
161: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 22:58:35 ID:mLQbycA2bc
鷹「なぁお前ら!」
「! 鷹!鷹!」
「どうした鷹!」
鷹「アリス、来たの知ってるか?」
「知ってる! なんかビビビッときたから!」
「僕もビビビッときた!」
ここまではやはり想像通り
鷹「じゃ、誰かさ! アリスの居場所知ってる奴はいねぇか?」
「知ってる?」
「知らなーい」
「ボクも」
「知ってるよ?」
鷹「マジか!?」
162: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 23:10:32 ID:klZmCv3cl2
「東の森の井戸で見つけたって仲間が!」
鷹「東の森ってあれか…
年がら年中大雨降ってる…」
「その向こうの森だよ!」
鷹「……遠」
遠いけど行かない訳にもいきません
そこから白兎のいる城までなら其処まで遠くはありませんし
鷹「ありがと!」バサッ
翼を震わせ土を蹴る
出来るだけ早く、早く
まずは一つ目の森、遠回りする暇はありません
163: 名無しさん@不思議の国:2011/10/3(月) 23:19:02 ID:pVAPXBCwz2
その森は地形の関係上、土砂降りの雨が降り続いています
鷹は雨が嫌いでした
翼が雨を吸って重くなりますから
それでも、森を回り込むよりかは幾らか早いでしょう
ずぶ濡れになりながらも、ゴーグルのおかげで、視界はしっかり開けています
最後の木々を抜けた途端、嘘のように雨は止みました
鷹「…うー」ブルブルッ
鷹「風邪ひくっつの」バサッ
アリスの所まで、あと少しです
118.09 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】