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白兎「アリス! 私達のアリス!」
[8] -25 -50 

1: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


710: ◆AlicexxO96:2011/8/11(木) 23:44:19 ID:HpksKtXyz2
鯖落ちの影響で不定期更新だからなかなかレス返できませぬ
申し訳ない…

>>680
支援おおきにですわぁ

>>681>>682
正直日本語曖昧かもですw
広い心で受け入れてくださればw

>>683
最高の誉め言葉ktkr
ありがとうございます!

>>697
aがいっぱいでビックリしましたwww
確定事項ですか、ふむ…

>>698
山鼠ちゃん人気衰えないですね
ありがとうございますね!

>>699
はやくこっちに寄越すんだ!

>>700
キリ番レスおめでとうございます
次は777目指して…そこまでいくかしら…?

>>709
しえんありがたう!
711:
◆AlicexxO96:2011/8/11(木) 23:49:17 ID:K4ESg4cJk.
さて、本日の更新はここまでです

えぇ、まだまだシリアスが続きます

ですがもうクライマックスなんでね!
最後まで見ていって下されば!

という事で

支援して下さってる方々、本当に力になっております
終わりも近いので改めてお礼を
ありがとうございます!

それではこの辺で
また明日の夜お会いしましょう
おやすみなさいませ
712: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 00:11:17 ID:EI9.gqRaNU
そういう礼は、終わった時に言わないといけないぜ
(`・ω・)ゝC
713: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 01:33:32 ID:iMSC8HMKaM
支援を申し込む!

   /⌒ヽ
`⊂[( ^ω^)
  / (⌒マ
 (⌒\ヘ」つ
  > _)、
  じ \_)\\\
      CCC
     CCCC (
         (⌒
      ⌒Y⌒


714: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 14:29:43 ID:e/Z68U8bwI
えげつねぇお・・・
白兎ちゃん派の俺涙目
C
715: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 21:08:26 ID:jS78wtrYmY
終わるのか…
いと寂し(´・ω・`)
716: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 21:44:50 ID:uz77L901sc
もう兎の目に、愛する人達は映りません

『精神的に衰弱したら献上の進行はどんどん早まるみたいでね』

もう兎の目に、光は届きません

『おちおち怯えてられないんだよ、ボク達は』

猫の言葉が少年の頭をぐるぐると回ります

白兎「…嫌だ…」

ぽつりと呟く

赤い目は虚ろに、誰も居ない方に向いています

山鼠「シロ…シロ!
大丈夫だからな!
ちゃんと俺も男も、お前の傍に居るから!」

白兎「…嘘…居ないじゃないですか…どこにも…」
717: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 22:03:49 ID:iNLuW6B7Vg
山鼠「…おい、お前も何か言ってやれ!」

男「……」

本当にかける言葉がない

だって、ここまでどうしようも無くなった人を、少年はまだ見た事が無かったから

そして、自分がかけた言葉が
兎をそこまで堕としてしまったように思えたから

これは夢だと、そう願うことしか少年にはできない

ですがここは、夢のような現実の世界

夢が現実になることがあっても
けしてその逆は無いのです
718: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 23:01:17 ID:HpksKtXyz2
山鼠「…どうだ、落ち着いて来たか?」

白兎「…少しは…はい」

きっと嘘だろう。でも、ずっとここにいる訳にもいかない

男「…とりあえず、下に降りようか」

白兎「…は、い」


転ばないように、鼠の少女が手を引いて進む

螺旋階段は少年がおぶって降りる

この住み慣れた城の中ですら
誰かの力を借りなければ歩くことも叶わない

白兎「…ご…めん…なさい…」ボソボソ

男「……ん」

山鼠「…気にすんなって」
719: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 07:29:36 ID:HpksKtXyz2
男「…これから、どうしようか」

山鼠「……あ?」

男「今日はこの城で泊まるとしてだ。
明日から白兎連れてとうするか…」

白兎「……」

山鼠「…んなもん明日決めればいいだろ」

男「そうかね。白兎大丈夫か、怖くないか?」

白兎「…えぇ…」

この城には、さっきまで沢山の人達が居たはずなのに

今では全く人の気配がしませんでした

門を守るトランプ兵も、城を掃除するメイドも、ビルも女王も
720: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 09:14:21 ID:0JTMROl5ps
男「……ここでいいか」

山鼠「お、ベッドが2つ」

男「…誰も居ないみたいだし、いいんじゃない」

山鼠「まだ夜まで時間あるぜ」

男「あぁうん、飯漁ってくるから
待っててくれよ」

男「白兎もここ最近何も食ってないんだろどうせ」

白兎「……え、あ、はい…」

男「……」

男「…じゃ」
721: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 11:21:14 ID:l1GoSPKBsY
私怨
722: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 15:43:28 ID:R0seOgtGOQ
男「…飯…厨房かな…どこだっけか」

男「……本当に…!」

本当に誰も居ないな、と言おうとしたその時、目の前に人影が

壁にもたれかかった見覚えのある姿

男「…ビルさん?」

ビル「……おや」

男「…大丈夫ですか?」

ビル「…えぇ」

男「この城には人は必要ないと言うもんだから、どっかに行ったのかと…」

ビル「そう簡単に離れられる所ではございませんから、この城は」

ビル「…ここ以外に私の居場所なんて、ありませんし」

男「……」
723: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 16:11:21 ID:R0seOgtGOQ
ビル「どうかしましたか…?」

男「あ、城の食料をくすねに厨房を探してて」

ビル「……あの、私一応城の人間なんですが」

男「あ」

ビル「もの凄い自白ですね」

男「あ、わわ」

ビル「…まぁ別にもうこの城に主も盗みを咎める人もいませんし」

ビル「このまま真っ直ぐ、突き当たりで左ですよ」

男「…!」

ビル「どうぞ、いくらでも」

男「どうも!」
724: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 17:04:29 ID:uz77L901sc


男「大漁だ大漁、どっこいせ」ドサッ

山鼠「すげー量だな」

男「腹が減っては戦はできんよ」

山鼠「誰と戦うんだよ」

男「ほら白兎、お前の好きなにんじんだ」

白兎「……」

山鼠「…シロ?」

白兎「…いらない、です…」

男「……」

白兎「食欲…ありませんし…」

男「食え」ズイ

白兎「……」

男「飯食わなきゃ明日から保たないぞ」

白兎「……明日から?」

男「あぁ、明日からな」

白兎「……」シャク
725: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 20:42:38 ID:0JTMROl5ps
男「…美味いだろ?」

白兎「……」シャクシャク

男「……」

白兎「……」ポロポロ

山鼠「…おい」

白兎「…う…ぅあ…ああぁ…」ポロポロ

男「……」

山鼠「お、男!」

男「…辛いなら、好きに泣けばいいよ」

男「俺はもう寝るから、うん」ゴロン

山鼠「…シロ、俺達は気にしないから
甘えたい時は言ってくれよ?」ゴロン

男「2つベッドあんだから、こっち使わないで向こう行けよ」

山鼠「俺が何処で寝ようが勝手だろ」
726: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 20:50:03 ID:YROlhhOGxU
白兎「…あの…」

男「ちょっと視線がずれてるけどどうした」

山鼠「早速甘えたくなったか、へへ」

白兎「…うん、甘えると…言いますか…」

白兎「…私が、男さんと一緒に寝たいです……」

山鼠「」

男「あーん?」

白兎「…駄目…ですかね…?」

男「だってよ」

山鼠「ぅえ!? あ、や…えっ!?」キョドキョド

男「何キョドってんの」

白兎「…今夜だけ…今夜だけでいいですから…」

山鼠「あ…うー」
727: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 20:58:45 ID:uz77L901sc
山鼠「む、むー…お、男が決めればいいだろ!」

男「出たよ無茶振り」

白兎「男さん…」

男「今夜だけならいいんじゃねぇの、白兎」

山鼠「……」

山鼠「あぁそぉ! いいよ俺があっちで寂しく一人で寝りゃいんだろ!
いやまぁ寝れねーけどよ!」ケリッ

男「拗ねんな拗ねんな」

白兎「…ありがとう、ございます…」

男「どうせ向こうでも寝てないんだろ?」

白兎「……」コクッ

男「ならさっさと寝るぞ」

山鼠「ふんっ!」
728: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 21:21:37 ID:FAT/SEDfLU
男「…じゃあ山鼠、おやすみ」

山鼠「……」ツーン

男「……白兎も」

白兎「……はい、ありがとう、ございました」

男「……気にするな」


夜はゆっくりと更けて行きます

少年の静かな寝息が聞こえる

顔は見えないけれど、もう寝ているのでしょう

手探りで少年の頬に触れる

それはそれは良く眠っているようで

兎は消え入るように言葉をもらしました

白兎「……ごめんなさい」
729: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 21:30:43 ID:YROlhhOGxU
この国に連れて来てしまってごめんなさい

死を奪ってごめんなさい

迷惑をかけてごめんなさい

アリスを見つけれなくてごめんなさい

約束を守れなくてごめんなさい


頬から体をなぞり、少年の腰に手を下ろす

少年のズボンのポケット
そこに強引に突っ込んだ拳銃があることを
兎の少女は知っていました

起こさないように引き抜くのです、ゆっくりと
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