少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
705: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 19:47:45 ID:kKLv8s9J86
男「……」
山鼠「……」
二人には、かける言葉がありません
白兎「……なんで…なん、で…!」
白兎「…なんで、放っておいてくれなかったん、ですかぁ…!」
山鼠「…だってそりゃ!」
白兎「女王様が亡くなられたのに…私はここでどうしたらいいんですか……」
白兎「…アリスも見つけられない…女王様にも会えない」
白兎「私はこれから…何の為に…」
706: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 20:14:34 ID:FAT/SEDfLU
男「…その、あの」
男「…お前はアリスに、女王に固執しすぎだと、思うんだよ」
白兎「……」
男「…もうお前は自由なんだって」
男「これからは、俺や山鼠や、お前自身の為に生きれば……あ」
ふと少年の耳に届いた不協和音
ギリ…ギリ…と何かの軋むような
白兎「…きッ…いッ………ひィ…」ギリギリ
あぁ、これは兎の少女の歯軋りだったのか
まずい。今のこの子は、『まとも』じゃない。
707: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 21:00:31 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「お…おい…!」
白兎「私の…私の大事な人が…生きる意味が全部無くなったのに…!」
男「……」
白兎「…今さら…それを全部捨てろと…!?
じゃあ私の今までは何だったんですか…!」
男「白兎…!」
白兎「…ふ、ざけないで…」
白兎「ふざけないでくださ………い?」バッ
勢い良く顔を上げた兎の少女
泣きはらして真っ赤っか
白兎「……あれ」
708: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 21:01:35 ID:FAT/SEDfLU
白兎「……あれ?」ゴシゴシ
白兎「……あれ……あれ?」
山鼠「…シロ?」
白兎「……や、山鼠…ちゃん…? 何処…?」カタカタ
山鼠「おい…お前…」
白兎「……目が…見えません…何も…」
アリスへの『視力』の献上が、たった今、終了しました。
709: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 21:41:54 ID:IKjjjix3W.
白うさちゃん…
しえん
710: ◆AlicexxO96:2011/8/11(木) 23:44:19 ID:HpksKtXyz2
鯖落ちの影響で不定期更新だからなかなかレス返できませぬ
申し訳ない…
>>680
支援おおきにですわぁ
>>681>>682
正直日本語曖昧かもですw
広い心で受け入れてくださればw
>>683
最高の誉め言葉ktkr
ありがとうございます!
>>697
aがいっぱいでビックリしましたwww
確定事項ですか、ふむ…
>>698
山鼠ちゃん人気衰えないですね
ありがとうございますね!
>>699
はやくこっちに寄越すんだ!
>>700
キリ番レスおめでとうございます
次は777目指して…そこまでいくかしら…?
>>709
しえんありがたう!
711: ◆AlicexxO96:2011/8/11(木) 23:49:17 ID:K4ESg4cJk.
さて、本日の更新はここまでです
えぇ、まだまだシリアスが続きます
ですがもうクライマックスなんでね!
最後まで見ていって下されば!
という事で
支援して下さってる方々、本当に力になっております
終わりも近いので改めてお礼を
ありがとうございます!
それではこの辺で
また明日の夜お会いしましょう
おやすみなさいませ
712: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 00:11:17 ID:EI9.gqRaNU
そういう礼は、終わった時に言わないといけないぜ
(`・ω・)ゝC
713: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 01:33:32 ID:iMSC8HMKaM
支援を申し込む!
/⌒ヽ
`⊂[( ^ω^)
/ (⌒マ
(⌒\ヘ」つ
> _)、
じ \_)\\\
CCC
CCCC (
(⌒
⌒Y⌒
714: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 14:29:43 ID:e/Z68U8bwI
えげつねぇお・・・
白兎ちゃん派の俺涙目
C
715: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 21:08:26 ID:jS78wtrYmY
終わるのか…
いと寂し(´・ω・`)
716: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 21:44:50 ID:uz77L901sc
もう兎の目に、愛する人達は映りません
『精神的に衰弱したら献上の進行はどんどん早まるみたいでね』
もう兎の目に、光は届きません
『おちおち怯えてられないんだよ、ボク達は』
猫の言葉が少年の頭をぐるぐると回ります
白兎「…嫌だ…」
ぽつりと呟く
赤い目は虚ろに、誰も居ない方に向いています
山鼠「シロ…シロ!
大丈夫だからな!
ちゃんと俺も男も、お前の傍に居るから!」
白兎「…嘘…居ないじゃないですか…どこにも…」
717: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 22:03:49 ID:iNLuW6B7Vg
山鼠「…おい、お前も何か言ってやれ!」
男「……」
本当にかける言葉がない
だって、ここまでどうしようも無くなった人を、少年はまだ見た事が無かったから
そして、自分がかけた言葉が
兎をそこまで堕としてしまったように思えたから
これは夢だと、そう願うことしか少年にはできない
ですがここは、夢のような現実の世界
夢が現実になることがあっても
けしてその逆は無いのです
718: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 23:01:17 ID:HpksKtXyz2
山鼠「…どうだ、落ち着いて来たか?」
白兎「…少しは…はい」
きっと嘘だろう。でも、ずっとここにいる訳にもいかない
男「…とりあえず、下に降りようか」
白兎「…は、い」
転ばないように、鼠の少女が手を引いて進む
螺旋階段は少年がおぶって降りる
この住み慣れた城の中ですら
誰かの力を借りなければ歩くことも叶わない
白兎「…ご…めん…なさい…」ボソボソ
男「……ん」
山鼠「…気にすんなって」
719: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 07:29:36 ID:HpksKtXyz2
男「…これから、どうしようか」
山鼠「……あ?」
男「今日はこの城で泊まるとしてだ。
明日から白兎連れてとうするか…」
白兎「……」
山鼠「…んなもん明日決めればいいだろ」
男「そうかね。白兎大丈夫か、怖くないか?」
白兎「…えぇ…」
この城には、さっきまで沢山の人達が居たはずなのに
今では全く人の気配がしませんでした
門を守るトランプ兵も、城を掃除するメイドも、ビルも女王も
720: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 09:14:21 ID:0JTMROl5ps
男「……ここでいいか」
山鼠「お、ベッドが2つ」
男「…誰も居ないみたいだし、いいんじゃない」
山鼠「まだ夜まで時間あるぜ」
男「あぁうん、飯漁ってくるから
待っててくれよ」
男「白兎もここ最近何も食ってないんだろどうせ」
白兎「……え、あ、はい…」
男「……」
男「…じゃ」
721: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 11:21:14 ID:l1GoSPKBsY
私怨
722: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 15:43:28 ID:R0seOgtGOQ
男「…飯…厨房かな…どこだっけか」
男「……本当に…!」
本当に誰も居ないな、と言おうとしたその時、目の前に人影が
壁にもたれかかった見覚えのある姿
男「…ビルさん?」
ビル「……おや」
男「…大丈夫ですか?」
ビル「…えぇ」
男「この城には人は必要ないと言うもんだから、どっかに行ったのかと…」
ビル「そう簡単に離れられる所ではございませんから、この城は」
ビル「…ここ以外に私の居場所なんて、ありませんし」
男「……」
723: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 16:11:21 ID:R0seOgtGOQ
ビル「どうかしましたか…?」
男「あ、城の食料をくすねに厨房を探してて」
ビル「……あの、私一応城の人間なんですが」
男「あ」
ビル「もの凄い自白ですね」
男「あ、わわ」
ビル「…まぁ別にもうこの城に主も盗みを咎める人もいませんし」
ビル「このまま真っ直ぐ、突き当たりで左ですよ」
男「…!」
ビル「どうぞ、いくらでも」
男「どうも!」
724: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 17:04:29 ID:uz77L901sc
男「大漁だ大漁、どっこいせ」ドサッ
山鼠「すげー量だな」
男「腹が減っては戦はできんよ」
山鼠「誰と戦うんだよ」
男「ほら白兎、お前の好きなにんじんだ」
白兎「……」
山鼠「…シロ?」
白兎「…いらない、です…」
男「……」
白兎「食欲…ありませんし…」
男「食え」ズイ
白兎「……」
男「飯食わなきゃ明日から保たないぞ」
白兎「……明日から?」
男「あぁ、明日からな」
白兎「……」シャク
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