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白兎「アリス! 私達のアリス!」
[8] -25 -50 

1: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


601: ◆AlicexxO96:2011/8/1(月) 12:04:58 ID:FAT/SEDfLU
えー、えっとおはようございます

何というか、何でしょう……何これ??と言う状態です

>>600さんのレス見て驚き、掲示板の上見て驚き、人気投票本スレで驚いておりましたwww
ポルナレフもびっくりです

うわー!!嬉しいです!!うへー!!

投票本スレでもありがたい言葉を貰っているのですが
なんというか本スレに顔出すのは恥ずかしいので、ここで言わせていただきます
本当にありがとうございますっ!!

>>600さんもありがとう!あとキリ番レスおめでとうです!

次は一位!……は無理かなーw
順位とか関係なく、皆さんに楽しんでいただけるよう頑張りますの!
602: 名無しさん:2011/8/1(月) 12:11:29 ID:R0seOgtGOQ



ビル「まだスープが残っておりますが…」

男「…いや、うん」

女王を見た途端、食欲など失せた、とは言えずにお茶を濁します

ビル「…分かりました
下げておきます」スッ

男「…山鼠」

山鼠「なに?」

男「ごめんな」

山鼠「何が」

男「よくよく考えたら、お前を無理矢理連れ出したの俺だったから」

山鼠「んなこと気にしてねぇよ
そう言ったのもお前だろうが」

山鼠「…ついて来て良かったって、思ってるよ色々と」

男「……」
603: 名無しさん:2011/8/1(月) 12:19:36 ID:uz77L901sc
メイド「あ、の…」コソ

男「あ、え?」

メイド「すいません、その…今からこの部屋を掃除…」コソコソ

男「あ、はいはい」スッ

男「山鼠、どくよ」

山鼠「へいへい」スッ

メイド「す、すみません…」


男「さ、追い出された訳だけど」

山鼠「シロの姿が見えねーが」

男「あいつは人間界に行く準備中らしい」

山鼠「今日から行くのか?」

白兎「えぇもちろん!一分一秒も無駄には出来ませんから!」

男「どっから湧いた」
604: 名無しさん:2011/8/1(月) 12:25:07 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「結構な荷物だな」

男「もう準備は終わったの?」

白兎「万端です!女王様のお部屋、行きますよ!」

山鼠「あんまり急ぐとこけるぞ」

白兎「へぶっ!」ベチャ

山鼠「ほら見ろ」

男「婆ちゃん家に向かってた山鼠みたい」

山鼠「俺はあんなにまぬけじゃない」



ビル「……陛下」

女王「…大丈夫よ、大丈夫」

ビル「…もって、どの位ですか」

女王「……3日ね」グジュグジュ
605: 名無しさん:2011/8/1(月) 13:05:38 ID:vnsiBmoeJ6
おめでとう>>1!(*´∀`*)

女王…(´;ω;`)ブワッ
606: 名無しさん:2011/8/1(月) 18:56:34 ID:mU2kqLTL3A
おめでとう!!
このSSならもっといけるとおもうよこれからもがんばれC
607: 名無しさん:2011/8/1(月) 23:08:37 ID:FAT/SEDfLU
女王「…ごめんなさいね白兎ちゃん。急かしてしまって」

白兎「いえ!一刻を争いますから!」

女王「…頑張ってね?」

白兎「はい!」

女王「もう繋げてあります、そこの鏡から」

白兎「……」

兎の少女は、ハート模様で装飾された姿見の前へ

鏡を触れたはずの右手はすり抜け、空を掴みます
608: 名無しさん:2011/8/2(火) 08:03:54 ID:Guo50azY9o
白兎「この鏡に入るのは三回目なんですが…」

白兎「あはは…今回ばかりは足が竦みますよ」

男「そうか」

白兎「…ほら!別れ際ですよ!何か言って下さいよ!」

男「んー…無事に帰って来なさいよ
勿論アリスも連れて」

白兎「…了解しました!
山鼠ちゃんをお願いしますね」

山鼠「……」

鏡は光を放ち、兎の少女の体を飲み込んで行きます

女王が一瞬、とてもとてもつらそうな顔をしていたように蜥蜴の男は思いました

表情を読み取れた訳ではありませんが、そんな気がしました
609: 名無しさん:2011/8/2(火) 21:54:58 ID:kKLv8s9J86
鏡は完全に、その白い体を飲み込みました

もう、兎の少女はこの世界には居ません

四人はしばらくそれから目を離すことが出来ませんでした


沈黙を破ったのは、蜥蜴の男

ビル「白兎が帰ってくるまでは、あなた方もここに居て下さって結構です」

男「あ、はい」

女王「まだ空き部屋、ありましたよね」

ビル「えぇ、ご案内致します」

ビル「女王も少し休まれて下さい。喋り過ぎですよ」

女王「えぇ、ありがとう」
610: 名無しさん:2011/8/2(火) 22:47:17 ID:Guo50azY9o
ビル「もう遅いですから
お疲れでしょう、こちらでゆっくりお休み下さい」

男「……」

山鼠「お、ベッドだ」

男「一つしか無いんだけど」

ビル「…まぁなんとかやりくりなさって下さい」

男「丸投げっすか」

山鼠「俺ベッド、お前床」ポフッ

男「寝れねえ癖にベッド占拠とは何事か」

ビル「……それではおやすみなさいませ」スッ
611: 名無しさん:2011/8/3(水) 02:14:35 ID:8WIraI29tM
支援支援
612: 名無しさん:2011/8/3(水) 08:46:43 ID:uz77L901sc
男「よいしょ、お邪魔しますよ」モソモソ

山鼠「結局上がってくるのな」

男「横にフカフカのベッドがあるのに床で寝られるかっての」

山鼠「…襲ったりすんなよ」

男「誰を?」

山鼠「蹴落としてやろうかお前」


山鼠「男ー?」

男「……zZZ」

山鼠「腹立つ位寝付き早ぇ」
613: 名無しさん:2011/8/3(水) 10:28:59 ID:FAT/SEDfLU
山鼠「さっさと寝られたら困るんだぞ馬鹿」グイ

男「……zZZ」

山鼠「…朝まで暇なんだぞ馬鹿」

男「……zZZ」

山鼠「……つまんね、悪戯してやる」

鼠の少女もまだまだ子供なのです

山鼠「えへへ、変な顔だ」グイー

山鼠「おらおら勝手に寝てんじゃ…」ビヨンビヨン

山鼠「ね…ぇ…」ピクッ
614: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 20:56:06 ID:FAT/SEDfLU
山鼠「あ…」

頬をつねって遊んでいたら、少年の口元に目が止まりました

もう少し詳しく言えば唇、でしょうか

山鼠「あ…わわ…」

鼠の少女もやっぱり恋する乙女です

一度気になると、もう目が離せません

山鼠「あ、い…悪戯だから…!」

山鼠「俺の相手をせずに勝手に寝たから…!」コクコク

山鼠「だから、悪戯する…だけ…」ソッ
615: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 21:30:08 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「…んー…」ソロソロ

もう少年の顔が目と鼻の先に

少年の静かな息遣い、少し濁った瞳

山鼠「……」

男「……」

瞳…?

山鼠「……なんで目ぇ開いてんの」

男「起きてるからじゃね」

山鼠「あぁ、そうか」

男「そうだね」

山鼠「どうしようか、頭殴ったら記憶飛ぶかな」

男「とりあえずその握り締めた拳を開こう」
616: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:02:11 ID:0JTMROl5ps
男「そうかー寝れないから夜は暇なんだなー」

山鼠「すげぇ他人事みたいに言いやがるな」

男「体を休めなきゃいけないんじゃねぇの?」

山鼠「今日それ程歩いてないから別に疲れてないし」

男「で、結局どうしたいの」

山鼠「…暇だ!」

男「お前も丸投げかよ」
617: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:16:05 ID:R0seOgtGOQ
男「という訳で城の中を探検だ」

山鼠「いいじゃねぇか」

男「とりあえず最上階を目指す
あんまり大きな音たてるなよ」

山鼠「あいあい」


男「あのビルって人ちょっと苦手なんだよな」コソコソ

山鼠「あぁ分かるわ。なんか雰囲気がな」コソコソ

男「暗いっつうか不気味っつうか」コソコソ

?「あの…」

二人「」ビックーン
618: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:20:59 ID:0JTMROl5ps
メイド「あ、お客様方…でしたよね…?
どうしてこんな遅くに…」

男「なんだあんたかよビビらせんな馬鹿!」

メイド「ふぇっ?」ビクッ
山鼠「本当だよ気を付けろよ馬鹿!」

メイド「ふぁ…」

男「ほら行くぞ、城の人に見つかったら怒られちまう」スタスタ

山鼠「分かってるっての」スタスタ

メイド「……」グスッ
619: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:37:00 ID:K4ESg4cJk.
男「螺旋階段…」

山鼠「うわ面倒くせ」

男「ここまで来たら引き返しは出来んよ」タッタッ

山鼠「待て待て走んな」タッ


ぐるぐるぐるぐる、目が回りそう

螺旋階段はどこまでも続きます

男「……!」

やがて階段は途切れ、レースのカーテンがかかったガラスの扉の前に

山鼠「…ここが、てっぺん?」

男「多分な」ガチャ

扉を開いた途端涼しい夜風が吹き込み、二人の顔を撫でます
620: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:46:53 ID:Guo50azY9o
男「……!」

山鼠「…すげ」

目の前に広がるは、不思議の国の全て

下を見下ろせば足が竦み

上を見上げれば雲さえ掴めそう

紫色の空の下

街ではポツポツとオレンジの光が灯る

あれ程大きく見えた鼠のお婆さんの大樹も

苦労して歩んで来た湖や山さえも

ここまで小さく見えては、少し複雑な心持ちになってしまいました

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