少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
564: 名無しさん:2011/7/28(木) 20:49:34 ID:JZ308n9LZ6
男「よしっ!」ビシッ
白兎「ひゃい!」ビクッ
山鼠「うるせぇなお前ら」
男「さっさと迷路出るぞ。キリキリ歩けキリキリ」キリキリ
白兎「は、はい!」キリキリ
山鼠「男ー」
男「おんぶは駄目
最近甘え過ぎ」
山鼠「む…じゃ、手、繋げ。んで引っ張ってけ」
男「なんで一々命令形なん」
山鼠「しょうがねぇじゃん歩幅違うんだから」
男「はいはい」スッ
山鼠「…へへ…」タッ
565: 名無しさん:2011/7/28(木) 20:56:04 ID:t57GnFDOYg
男「城って自由に出入りできるの?」
白兎「一応門番はいますよ。トランプ兵の皆さんが」
男「ほう」
白兎「ま!私はこれでも女王様直属の配下ですから!」
白兎「お二人も私が話をつければ、なんとかなりますよ」
山鼠「ん…!」
男「あ…ゴールじゃね?」
白兎「…!」
566: 名無しさん:2011/7/28(木) 21:14:56 ID:SBxlnoh5O6
城の門を見つけた途端
兎の少女は目を輝かせ、飛び跳ねるように駆けて行きました
男「速ぇ」
山鼠「速ぇな」
男「……あのトランプから手足がはえてるキモいのが、トランプ兵なの?」
山鼠「そうだな」
兎の少女と話しているトランプ兵は
鼠の少女が言うには、『言葉』を献上しているらしく
時々折れるように頷くだけでした
そのうち、許可が取れたのでしょうか
兎の少女がこちらを向いて、嬉しそうにその長い白い耳を揺らしました
567: 名無しさん:2011/7/28(木) 21:44:23 ID:IvjfUba.8M
今まで見たことのないような、兎の少女の笑顔
ゆっくりと、低い音を立てて開いていく城門
道を挟み、規則正しく並ぶトランプ兵のオーケストラ
帰還を祝う盛大なファンファーレ
バイオリン・コントラバス
チェロ・ティンパニ
ホルン・トランペット
耳障りだと言うように、それら睨む鼠の少女
目の前に聳える、巨大な城
三人の旅はついに、終わりを迎えたのです
568: 名無しさん:2011/7/29(金) 09:24:14 ID:IQmVNaxnrM
ついたー!
え、てことはもう終わりなん?
しえんえん!
569: ◆AlicexxO96:2011/7/29(金) 21:41:23 ID:bskeXDFV8Q
>>559
ありがとうありがとうありがとう!
>>560
チェシャ「ふふ、なかなか良い趣味してるじゃないか」フリフリ
>>561
寝取られちゃいますぜ男君
支援感謝です!
>>568
まだ終わらんよ!
最後までお付き合いいただけたら光栄です
それでは本日も更新はじめ!
570: 名無しさん:2011/7/29(金) 23:04:57 ID:Y7potMdNLI
最初、異空間に男が入ったときからチェシャきたー!って思ってた!
チェシャ可愛いよチェシャ
大好き!
571: 名無しさん:2011/7/29(金) 23:41:07 ID:WeYS042/lU
男「なんか凄いな…」
山鼠「五月蝿いだけだろこんなの
頭ガンガンする…」
白兎「ふっふー♪」
男「嬉しそうにしちゃって」
白兎「いやぁやっと帰って来ましたよ!長い旅でした!」ピコピコ
男「そっすね」
山鼠「あー…だる…」
トランプ兵のオーケストラは、城の大扉まで続いていました
572: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:23:01 ID:WeYS042/lU
ギシギシと音を立て、ハート模様の大きな大きな扉が開いていきます
中央に、二階へ上がるこれもまた大きな階段が
白兎「女王様は?」
トランプ「」フルフル
白兎「…面会は、出来ますかね?」
トランプ「」コクコク
白兎「了解しました
ビルはどちらに…」
?「お呼びですか?」
男「ぅおっ!」ビクッ
山鼠「ひっ!」ビクッ
573: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:31:31 ID:zY8aT7nkmQ
白兎「驚き過ぎですよ二人共」
男「気配無かったけど」
白兎「蜥蜴ですから」
男「どんな理由だよ…蜥蜴?」
ビルと呼ばれた、暗い緑の執事服を着た男性は
それはそれは落ち着いた声で話しかけて来ました
ビル「驚かせたようで申し訳ありません」
ビル「私は蜥蜴のビル
女王陛下直轄、執事担当。以後お見知りおきを」
574: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:49:53 ID:bskeXDFV8Q
ビル「それで、何か御用でしたか?」
白兎「ビル、女王様にお会いしたいのですが」
ビル「……」
ビル「…白兎、あなただけなら可能ですが
こちらの方々も一緒となると…」
白兎「…何故です?」
山鼠「おぉ、シロが真面目に仕事してるっぽい」
男「なんか微笑ましいな」
白兎「ち、茶化すの止めてくださいよっ!」
575: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:56:03 ID:B4pYf22bqU
ビル「とりあえずそちらの二人は私が」
ビル「あなたは一度女王陛下に会ってから、事の次第を決めて下さい…」
白兎「……分かりました」
白兎「という訳です二人共!」
山鼠「へぇ城の中はこんなになってんだ」
男「シャンデリアや!セレブリティや!」
白兎「って聞いてない!」ズコー
山鼠「何だよこのベッタベタな茶番」
男「お前も参加してたろうが」
白兎「私が一番滑った気がしますが…」
576: 名無しさん:2011/7/30(土) 08:50:10 ID:WeYS042/lU
ビル「では、二階をお上がり下さい
長旅でお疲れでしょう…」
ビル「お食事の方、準備しておりますので」
男「あ、はぁ…」
山鼠「…女王の所行かなくていいのか?
そのために俺を連れ出したんじゃねぇの」
ビル「……まず、白兎と陛下を会わせてからです」
白兎「山鼠ちゃんも男さんも、自分の家だと思ってゆっくりしてて下さい」
白兎「すぐ、戻って来ますんで」タッ
山鼠「……」
ビル「では、こちらへ」
577: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:21:11 ID:SBxlnoh5O6
白兎「……」スタスタ
メイド「あ、白兎様!」
白兎「…女王様に挨拶したいのですが」
メイド「あ…今なら、大丈夫だと思いますよ」
白兎「ありがとうございます」タッタッ
女王「……」
女王「…慌ただしい足音ね」
メイド「あ、す、すみませんすぐに静かに…」
女王「いいわ、多分白兎ちゃんだもの」
女王「…こんな姿を見て、泣き出したりしないかしら?」
メイド「…そ、れは…」
女王「…きっと平気ね。あの子は強い子ですもの」グジュ
578: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:30:31 ID:JZ308n9LZ6
山鼠「…ん、旨い」
ビル「それはそれは」
男「でも、なんか冷えてない?」
ビル「あぁそれは、元々あなた方が城に来る予定だった日に、作られたものでしたから」
男「え゙…」
ビル「いかがなさいました?」
山鼠「どういうことだよ」
ビル「いかんせん、帰還が少し遅かったのですよ。あなた方は…」
男「いや作り直そうよ」
山鼠「多分つっこむ所はそこじゃねぇ」
579: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:41:02 ID:IvjfUba.8M
白兎「女王様!」バンッ
メイド「し、白兎様、お静かに…」
白兎「あ、す、すみません!」
女王「いいのよ気にしないで
子供は元気な方がいいわ」
メイド「女王様も安静にお願いしますよ…?」
女王「えぇ分かってます
ベッドカーテンを開けて頂戴?」
メイド「……」スッ
白兎「! 女王、さ…ま……」
兎の少女は、久しぶりの再会だと言うのに
ただただ、絶句してしまいました
580: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:58:36 ID:jox2lqGdgw
男「…遅かった?」
ビル「えぇ。別にあなた方を責めている訳では御座いませんが」
山鼠「遅かったから、どうなるんだよ」
ビル「…あなた方が白兎に付いて来た意味が無くなりましたね」
男「?」
女王「あぁもぅ…結局泣いちゃったわね…」ナデナデ
白兎「ヴグ…グスッ…」
女王「ほら泣かないで
あなたは笑った方が可愛いのですから」
白兎「…って…グスッ…だってぇ…」
581: 名無しさん:2011/7/30(土) 10:04:27 ID:ubF3nJvw/6
白兎と女王の感動的な再会…
と思ったら何だか雲行きがwww
壁|ω・)/C
582: 名無しさん:2011/7/30(土) 22:16:54 ID:zY8aT7nkmQ
男「…トイレ行ってくる」
ビル「…案内致しましょう」
男「や、良いよ。すぐ戻ってくる」タッ
ビル「……」
山鼠「……」
ビル「……女王様の元に行く気ですね」
山鼠「バレバレじゃねぇか」
583: 名無しさん:2011/7/30(土) 22:24:50 ID:IvjfUba.8M
女王「ね?何もあなたが全て悪い訳ではないわ」
白兎「……」グズッ
女王「誰も恨んでなんかいない
寧ろ私の誇りよ」
女王「私の献上がアリスの為になっているのならば、それはそれは嬉しい事
そうでしょう?」
白兎「…は…い」ズビッ
女王「ならもう泣かないの
そんな顔でアリスに会うつもりなのかしら…?」
白兎「…ぅ…う」ゴシゴシ
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