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白兎「アリス! 私達のアリス!」
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1: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


536: ◆AlicexxO96:2011/7/24(日) 00:07:18 ID:zY8aT7nkmQ
>>534
カニバリズムとかじゃないんであしからずっ
支援おおきにです

>>535
>>1はH×H好きですww
期待に添えるよう頑張ります

先程帰宅したのでどうやら今晩の更新はきついです
明日の朝書いていきますのでお許しを…
537: 名無しさん:2011/7/24(日) 09:30:53 ID:B4pYf22bqU
チェシャ「心配しなくても…そうだね10分だけ貸しておくれよ」

チェシャ「多分何にもしないからさ」ニンマリ

山鼠「多分て何だ多分て!」

チェシャ「んじゃ、失礼するよ」クルッ

白兎「!…ちょ!」

フッ

白山「!?」ビクッ

白兎「消えた…?」
538: 名無しさん:2011/7/24(日) 09:49:43 ID:PoA2Pl71HU
白山って誰だww
C
539: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:05:02 ID:B4pYf22bqU
男「……」

チェシャ「やー、お待たせお待たせ
気分はどうだい?」

男「泣きそう」

チェシャ「へへー、こんな可愛い子ちゃんに食われて死ぬんだぜ。本望だろ?」

男「……」

チェシャ「おっと失礼。君は死なないんだったね」フリフリ
540: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:34:21 ID:1e0RqNmnOw
男「ここってさ」

チェシャ「心当たり、あるかい?」

男「熊の時の…」

チェシャ「そうそう」

男「よく分からん場所…」

チェシャ「うんうん」

男「…熊の時助けてくれたの、お前か」

チェシャ「ごめーとー!
勘が良いねぇ君は!」パチパチ

チェシャ「今日はねー、君の疑問に答えにきたのさ」

男「疑問…?」

チェシャ「あり?聞きたいことがあるって言って無かった?」

男「あー」
541: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:44:40 ID:1b/AplOPAI
男「まずお前の事が知りたいわとりあえず」

チェシャ「直球だねー、照れちゃうじゃないか//」

男「そういうんじゃなくてな」

チェシャ「おや、ジョークも通じないのかい?
まぁ時間も無いしね」

チェシャ「ボクはチェシャ猫
アリスへの献上品は『存在』だ」

男「存在…?」
542: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:20:17 ID:zY8aT7nkmQ
男「存在て…なに?」

チェシャ「知らないのかい?
『何かがあること、またはあるもの。実体と属性に分かれ、前者は基体、本体のようにそれ自体で独立であるが…』」

男「いやそういうことじゃなくて…」

チェシャ「広辞苑第六版から抜粋」

男「知らんがな」

チェシャ「冗談だよ。何、と聞かれても存在は存在さ」

チェシャ「ボクがそれを献上する事で、アリスはそこに『居る』事が出来る」
543: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:26:13 ID:t57GnFDOYg
男「じゃあ、お前は…」

チェシャ「ここに居ないのかって?
そんなことはないよ」

チェシャ「確かにここに存在しているさ」

男「…?」

チェシャ「献上っていうのはね、段階的なものなんだ
ゆっくりゆっくり、何かを失っていく」

男「そうなの?」

チェシャ「そうなの。
そしてそれが堪らなく怖い
少しずつ自分がいなくなっていくんだから」

チェシャ「でも、精神的に衰弱したら献上の進行はどんどん早まるみたいでね」

チェシャ「おちおち怯えてられないんだよ、ボク達は
勿論、君も含めてね」
544: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:36:41 ID:bskeXDFV8Q
男「へぇー」

チェシャ「今の君は死にはしないけど、痛みは感じるみたいだね
そのうち痛みすら無くなるさ」

チェシャ「それまで精神が保つかどうかは知らないけど」フリフリ

男「じゃあ、お前はここに居るんだ」

チェシャ「そう言えるし、そうとも言えない」ニンマリ

男「どっちなんだよ」

チェシャ「君にはボクが目の前にいるように見えるだろ?」

男「うん」

チェシャ「後ろを向いてご覧?」

男「?……ぅ!」ビクッ

チェシャ「後ろをとられるようじゃまだまだだね」ニンマリ
545: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:42:43 ID:WeYS042/lU
男「残像拳?」

チェシャ「そんなチャチなもんじゃないさ
君の前にいるのも後ろにいるのも、両方ボクという存在だ」

男「嘘だぁ…」

チェシャ「こんな手品だけじゃない。君の存在すら消してしまえるね」

男「えー…」

チェシャ「それでも君は死なないからねー
どうなるんだろうね?」フリフリ

チェシャ「献上が進めば、この世界の存在すら消せるかもね」

男「まじで」
546: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:50:39 ID:JZ308n9LZ6
チェシャ「やりようによってはね」

チェシャ「でもそんなことしたって何の得にもならないし」

チェシャ「ボクもアリスは大事だし、住民達も大事。そんなことはしないよ」

男「……」

チェシャ「でも今じゃタブー扱いさ
みーんなボクから逃げ出していく」

男「それは、辛いな…」

チェシャ「ふふ、ボクに同情してくれる奴なんて久々に見たね」ニンマリ
547: 名無しさん:2011/7/25(月) 22:25:58 ID:XtRb1Fs4Xk
献上品のセンスが毎度毎度ツボすぎて困る
支援
548: 名無しさん:2011/7/26(火) 17:33:14 ID:r.4/88jxt2
しえーん
549:
◆AlicexxO96:2011/7/26(火) 21:08:35 ID:SBxlnoh5O6
>>538
白兎ちゃんと山鼠ちゃんです
べっこに書くのは面倒くさ(ry

>>547
結構考えて作った設定なので、そういう御言葉は本当に嬉しいですん!

>>548
支援おおきにです!

最近更新ペースがまちまちで申し訳ないなぁ…
出来るだけ夜来れるよう頑張ります

さ、チェシャ猫編終了まで突っ走ります
550: 名無しさん:2011/7/26(火) 22:00:22 ID:IjDuDJDKyo
チェシャ「本当は寂しいんだよ?はっきり言うとね」

男「久々って事は」

チェシャ「そうだね。前例があるってことさ」

チェシャ「確か女王かな
初めてボクを不思議の国の一人として認めてくれたのは」

男「凄いのね女王様って」

チェシャ「まぁね。
他人との繋がりってのは滅多にないからね」

チェシャ「そのうち君に惚れちゃうかも知れないな」ニンマリ

男「はいはい口が御上手ですね」

チェシャ「茶化すなよー」
551: 名無しさん:2011/7/26(火) 22:33:17 ID:IjDuDJDKyo
チェシャ「……で?」

男「……えっ」

チェシャ「いや、ボクの事はこれでお終いだけど…」

男「あぁそう」

チェシャ「何だよー。こないだ聞きたい事があるって言ってたから出てきてやったのにさ」

チェシャ「これじゃ自慢しに出て来たみたいじゃないか
山鼠ちゃんに叱られちゃうよ」

男「えー…そんなこと言われてもな…」

チェシャ「何でもいんだぜ?
今なら出血大サービスでスリーサイズまで答えてあげちゃおう」フリフリ

男「狩人について、知りたいな」
552: 名無しさん:2011/7/26(火) 23:09:55 ID:t57GnFDOYg
チェシャ「! そっか、君は一応彼の標的だったんだね」

男「ま、知らない奴に殺されるのは嫌だし」

チェシャ「んー。一応彼の献上品は『感情』なんだけど」

男「感情…?」

チェシャ「厄介なのは献上じゃない
彼がタブー認定されたのは、アリスと同じ『人間』だったせいだ」

男「はぁ…」

チェシャ「『同じ人間だからこそ、アリスの事を一番理解している』
そういう思考が、どうも彼にはあるようでね」
553: 名無しさん:2011/7/26(火) 23:30:21 ID:1e0RqNmnOw
チェシャ「彼が狙っているのは『アリスに必要の無い献上をしている住民』なんだよ」

男「必要、ない…」

チェシャ「そうだね。例を出せば、
『獰猛さ』の雌熊
『束縛』の公爵夫人
『孤独』のドラゴンなんかもそうかな」

男「……!」ピクッ

チェシャ「お友達なんだろ?あのドラゴンと」

男「狙われてるのか…?」

チェシャ「腐ってもドラゴンだ、猟筒一本で殺せやしないよ」

男「……」ホッ
554: 名無しさん:2011/7/27(水) 01:01:41 ID:SBxlnoh5O6
男「じゃ、俺を狙ってる理由ってのは」

チェシャ「彼が、アリスに『死』は必要ないと判断したからだね」

男「マジキチ」

チェシャ「あぁ最もだ
彼には正直苦労してる」

チェシャ「二人の針鼠が居たんだ」

男「ハリネズミ?」

チェシャ「ハリネズミのジレンマって言葉、知ってるかい?」

男「自分を暖める為に体を寄せ合ったらお互いの針が刺さって…って奴?」
555: 名無しさん:2011/7/27(水) 01:07:58 ID:zY8aT7nkmQ
チェシャ「ごめーとー!
なかなか物知りなんだね君は」フリフリ

チェシャ「その二人はまさにそんな状態だった訳さ」

男「……」

チェシャ「で、二人は献上の際、『痛覚』を捨てた」

男「ほぉ」

チェシャ「そして仲睦まじく体を暖めてる最中、狩人に撃ち殺された」

男「っ…」

チェシャ「山鼠ちゃんには内緒だぜ?
針鼠達は彼女の友達だったからね」

男「おいおい…」
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