少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
526: 名無しさん:2011/7/22(金) 21:51:50 ID:1e0RqNmnOw
白兎「面倒とはなんですか」
男「うーわ面倒くせーいきなり3つに道別れてるー」
山鼠「やる気ねぇなぁお前」
白兎「そういえば山鼠ちゃん昔ここで迷子になって泣いちゃっ…ムグッ!」ガシッ
山鼠「…口は災いの元だぜ」ムギュ
白兎「い…ひゃい」
男「誰だよ旅はもう終わりを迎えようとしてるとか言ったの」
白兎「ナレーションですよ」
山鼠「メタ発言やめろ」ムギュ
白兎「きゅっ」
527: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:07:52 ID:bskeXDFV8Q
山鼠「ここどっち?」
男「右」
山鼠「根拠は?」
男「クラピカがそう言っている」
白兎「誰?」
山鼠「しっかり考えてかねぇと日が暮れるぜ?」
男「おぶって貰ってる癖によく言うわ」
ガサッ
白兎「…!」ピクッ
?「ぃよいしょ!」スタッ
男「うぉっ」ビクッ
528: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:17:41 ID:1b/AplOPAI
山鼠「…あ?」
男「…ん?」
白兎「…へ?…あ」
?「…にゃ?」
薔薇のアーチの天井を突き抜け
目の前に飛び降りてきたのは一人の少女
ピンクと黒が基調の姿
ピンと空を向いた猫耳
フリフリと揺れる尻尾
白兎「ちっ…チェシャ猫っ!?」
チェシャ「はぁい?」ピョコ
不思議の国のタブー、チェシャ猫でした
529: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:24:28 ID:1e0RqNmnOw
白兎「……男さん!」ズッ
チェシャ「こんな迷路の中で逃げようとしたって無駄だぜ?」
白兎「…う」
山鼠「シロ…チェシャ猫って…!」
白兎「…タブーです」
男「え?」
山鼠「忘れたのかよ!不思議の国で関わっちゃいけない奴だ!」
男「こんな子が?」ヨシヨシ
チェシャ「ゴロゴロ…」
白兎「何やってるんですか!何やってるんですか!?」
530: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:29:32 ID:SBxlnoh5O6
男「実は猫派だったりするんだ」テヘ
白兎「知りませんよ!」
男「大体こんな女の子のどこが危ないんだよー」
チェシャ「そうそう、狩人や熊と同類にされるのは不愉快だねー」
チェシャ「じゃ!いっただっきまーす!」ハムッ
山鼠「……」
山鼠「……えっ」
531: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:34:37 ID:jox2lqGdgw
男「な?こんな小さい子供がタブーとか」
山鼠「いや…右手見てみ…?」
男「……」
チェシャ「もっきゅもっきゅ」
男「…じゃれてるだけじゃね」
白兎「いやもう腕まで呑まれてますって!」
男「へ、へるぷ!」
山鼠「もう片方の手ぇよこせ馬鹿!」
男「馬鹿っていうな!」グイッ
山鼠「シロ!シロも引っ張れ!」
白兎「は、はい!」グイッ
男「千切れる!」
532: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:38:37 ID:JZ308n9LZ6
白兎「あ…もう頭まで…」
山鼠「死ぬ気で引っ張れって!」
白兎「ひ、引っ張ってますよ!」
男「ん〜!」ジタバタ
山鼠「こいつの口…ブラックホールかよ!」グイー
白兎「なんで自分よりも大きいものを…」グイー
チェシャ「あーむ!」パックンチョ
山鼠「…あ」
チェシャ「ふぅ、御馳走様でしたっと!」
533: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:43:21 ID:jox2lqGdgw
山鼠「あ…か、返せ!男を返せよ!」ガシッ
チェシャ「何だよー暴力反対だぜー?」
山鼠「いいから早く!」ユッサユッサ
チェシャ「言われなくてもお話が終わったら返すつもりだって」
白兎「お、話?」
チェシャ「2人っきりでね
君達は邪魔だから少年を異空間にぶち込んだだけ」
チェシャ「まぁ安心しなって。とって食ったりしないよ」
チェシャ「…あ、今食べちゃったんだっけか?」ケップ
534: 名無しさん:2011/7/22(金) 23:12:26 ID:Fz0Cnpal8s
食べちゃったーー!!
つ支援
535: 名無しさん:2011/7/22(金) 23:27:42 ID:ohdAPLE9/I
クラピカワロタ
チェシャ猫良キャラ臭する
C
536: ◆AlicexxO96:2011/7/24(日) 00:07:18 ID:zY8aT7nkmQ
>>534
カニバリズムとかじゃないんであしからずっ
支援おおきにです
>>535
>>1はH×H好きですww
期待に添えるよう頑張ります
先程帰宅したのでどうやら今晩の更新はきついです
明日の朝書いていきますのでお許しを…
537: 名無しさん:2011/7/24(日) 09:30:53 ID:B4pYf22bqU
チェシャ「心配しなくても…そうだね10分だけ貸しておくれよ」
チェシャ「多分何にもしないからさ」ニンマリ
山鼠「多分て何だ多分て!」
チェシャ「んじゃ、失礼するよ」クルッ
白兎「!…ちょ!」
フッ
白山「!?」ビクッ
白兎「消えた…?」
538: 名無しさん:2011/7/24(日) 09:49:43 ID:PoA2Pl71HU
白山って誰だww
C
539: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:05:02 ID:B4pYf22bqU
男「……」
チェシャ「やー、お待たせお待たせ
気分はどうだい?」
男「泣きそう」
チェシャ「へへー、こんな可愛い子ちゃんに食われて死ぬんだぜ。本望だろ?」
男「……」
チェシャ「おっと失礼。君は死なないんだったね」フリフリ
540: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:34:21 ID:1e0RqNmnOw
男「ここってさ」
チェシャ「心当たり、あるかい?」
男「熊の時の…」
チェシャ「そうそう」
男「よく分からん場所…」
チェシャ「うんうん」
男「…熊の時助けてくれたの、お前か」
チェシャ「ごめーとー!
勘が良いねぇ君は!」パチパチ
チェシャ「今日はねー、君の疑問に答えにきたのさ」
男「疑問…?」
チェシャ「あり?聞きたいことがあるって言って無かった?」
男「あー」
541: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:44:40 ID:1b/AplOPAI
男「まずお前の事が知りたいわとりあえず」
チェシャ「直球だねー、照れちゃうじゃないか//」
男「そういうんじゃなくてな」
チェシャ「おや、ジョークも通じないのかい?
まぁ時間も無いしね」
チェシャ「ボクはチェシャ猫
アリスへの献上品は『存在』だ」
男「存在…?」
542: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:20:17 ID:zY8aT7nkmQ
男「存在て…なに?」
チェシャ「知らないのかい?
『何かがあること、またはあるもの。実体と属性に分かれ、前者は基体、本体のようにそれ自体で独立であるが…』」
男「いやそういうことじゃなくて…」
チェシャ「広辞苑第六版から抜粋」
男「知らんがな」
チェシャ「冗談だよ。何、と聞かれても存在は存在さ」
チェシャ「ボクがそれを献上する事で、アリスはそこに『居る』事が出来る」
543: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:26:13 ID:t57GnFDOYg
男「じゃあ、お前は…」
チェシャ「ここに居ないのかって?
そんなことはないよ」
チェシャ「確かにここに存在しているさ」
男「…?」
チェシャ「献上っていうのはね、段階的なものなんだ
ゆっくりゆっくり、何かを失っていく」
男「そうなの?」
チェシャ「そうなの。
そしてそれが堪らなく怖い
少しずつ自分がいなくなっていくんだから」
チェシャ「でも、精神的に衰弱したら献上の進行はどんどん早まるみたいでね」
チェシャ「おちおち怯えてられないんだよ、ボク達は
勿論、君も含めてね」
544: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:36:41 ID:bskeXDFV8Q
男「へぇー」
チェシャ「今の君は死にはしないけど、痛みは感じるみたいだね
そのうち痛みすら無くなるさ」
チェシャ「それまで精神が保つかどうかは知らないけど」フリフリ
男「じゃあ、お前はここに居るんだ」
チェシャ「そう言えるし、そうとも言えない」ニンマリ
男「どっちなんだよ」
チェシャ「君にはボクが目の前にいるように見えるだろ?」
男「うん」
チェシャ「後ろを向いてご覧?」
男「?……ぅ!」ビクッ
チェシャ「後ろをとられるようじゃまだまだだね」ニンマリ
545: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:42:43 ID:WeYS042/lU
男「残像拳?」
チェシャ「そんなチャチなもんじゃないさ
君の前にいるのも後ろにいるのも、両方ボクという存在だ」
男「嘘だぁ…」
チェシャ「こんな手品だけじゃない。君の存在すら消してしまえるね」
男「えー…」
チェシャ「それでも君は死なないからねー
どうなるんだろうね?」フリフリ
チェシャ「献上が進めば、この世界の存在すら消せるかもね」
男「まじで」
273.62 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】