少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
489: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:30:11 ID:JZ308n9LZ6
男「握れ。引き金に指をかけろ。俺に向けろ。力入れろ。」ガシッ
白兎「やだ!嫌ですよ!なんで男さんを撃たなきゃならないんですか!」
男「いいだろ。アリスの二の次三の次の人間なんて」
白兎「それは、だって…!」
男「はやく」グイッ
白兎「やだ!放して!やだやだやだやだ!!」
男「…」ギュッ
ドンッ
490: 名無しさん:2011/7/16(土) 13:02:28 ID:23BYopFfCk
うわぁぁぁ
しえんしえん!
491: 名無しさん:2011/7/16(土) 20:41:57 ID:hx2NZUpaHc
あああぁぁ
しえーんなぜか白兎ちゃんのほうが心配
492: 名無しさん:2011/7/16(土) 23:20:23 ID:SBxlnoh5O6
鼠の少女は何故か起きていました
正確には、寝ることはできないのですが
唯一の安息の地。祖母の傍に居るのに
得体の知れない一抹の不安が胸の内を巡り、休息を妨げていました
山鼠「……」スッ
孫鼠「クー…クー…」
山鼠「あいつらと婆ちゃん、話があるって…」
493: 名無しさん:2011/7/17(日) 00:35:13 ID:JZ308n9LZ6
山鼠「明かりが、まだ……」
山鼠「みんな……?」スッ
ドンッ
山鼠「…ぁ?」
目を疑わざるをえない光景
遂に幻覚を見始めたかと思うほど
白兎が少年を撃った
ただそれだけの、単純で最も有り得ない状況
飛び散った鮮血が鼠の少女の青いオーバーオールを塗り替えます
494: 名無しさん:2011/7/17(日) 00:45:35 ID:B4pYf22bqU
山鼠「…なに、これ…」
絞り出した声は二人には届かなかったようで
白兎「お、男さん!?い、痛くないんですか!?」
男「……」
男「…痛い…死にそうな程痛い…」
言った途端、少年の胃の中の物全てが逆流し、喉にまでせり上がってきたのが分かりました
男「っ……」
婆鼠「…お手洗いは、山鼠の居る扉を出て突き当たりよ」
男「……」ダッ
山鼠「あ…」
495: 名無しさん:2011/7/17(日) 07:36:07 ID:YgxuUT4qEk
うわああああああああああああああああ
496: 名無しさん:2011/7/17(日) 12:45:05 ID:1e0RqNmnOw
白兎「……」カタカタ
山鼠「シロ…何で…」
白兎「……」ガタガタ
山鼠「シロ!!」グッ
婆鼠「山鼠、よしなさい」
山鼠「っ…!」
婆鼠「事実を知らない話に、首を突っ込むのはいけないと教えたでしょう」
山鼠「事実も糞も見たまんまだろ…!
今シロがあいつ、を……」
山鼠「……なんであいつ、撃たれたのに平気なんだ…?」
白兎「……」ガクガク
497: 名無しさん:2011/7/17(日) 12:52:15 ID:WeYS042/lU
発砲の衝撃による手の震えが、恐怖による震えに変わり始めます
白兎「……ぁ」カクッ
山鼠「シロ!」
白兎「……わ、たし」
白兎「…何て、こと…」ズルズル
少女は這いずりながら、少年の篭もる部屋へ
全身が震えて歩くこともままならないのです
白兎「……ごめんなさい」ズルズル
498: 名無しさん:2011/7/17(日) 13:00:31 ID:1e0RqNmnOw
白兎「……」ピトッ
扉に耳を傾けると、少年の嘔吐と嗚咽ばかり聞こえます
白兎「…ごめんなさい…ごめんなさい…」ポロポロ
白兎「許して…ください…」
白兎「…ごめん、なさい…」ギシッ
山鼠「……」
山鼠「……これ、何?」
孫鼠「ぅー?」
婆鼠「…知らなくちゃならない事でも
知らない方が幸せな場合もあるのよ。ねぇ孫鼠ちゃん?」
孫鼠「えぅー」
499: 名無しさん:2011/7/17(日) 13:19:30 ID:1b/AplOPAI
婆鼠「そういえば、孫鼠も起きちゃったのね」
孫鼠「あぅ」
山鼠「婆ちゃん…俺、どうしたらいいの…」
山鼠「婆ちゃんなら、分かるんじゃ…」
婆鼠「…今、あなたに出来ることは無いわ」
山鼠「……ぅ」
婆鼠「これからも一緒に旅続けるのなら、足手まといにならないよう体を休ませなさい」
山鼠「……」フルフル
500: 名無しさん:2011/7/17(日) 16:03:37 ID:pXviymqEzo
500記念支援!
501: 名無しさん:2011/7/17(日) 21:46:41 ID:1b/AplOPAI
白兎の少女は一晩中泣き続けました
少年も一晩中籠もっていました
やがて夜はあけて
ガチャ
男「……」
白兎「…男…さん?」
男「…アリスが」
白兎「……え」
男「…アリスが帰ってくれば、献上は止まるんだっけか」
白兎「…ぁ」
婆鼠「かも知れない、ね
確証はないのだけれど」
502: 名無しさん:2011/7/17(日) 21:56:50 ID:zY8aT7nkmQ
男「……白兎」
白兎「…はい」
男「…死にたい死にたくないとかじゃなくてさ」
男「元の人間に戻して欲しい、俺は」
白兎「……」
男「アリスを連れ帰れ。協力はする」
白兎「はい…」
男「……酷い顔だな」プッ
白兎「なっ…!
人のこと言えませんよ!?」
503: 名無しさん:2011/7/17(日) 22:12:57 ID:zY8aT7nkmQ
山鼠「お前ら!」バンッ
婆鼠「朝から元気ね山鼠」
山鼠「あ、婆ちゃんおはよう!」
婆鼠「はいおはよう」
男「ん、おはよう山鼠」
山鼠「あ、ん…何これ」
白兎「何がですか?」
山鼠「いや、昨日のが嘘みてぇに…」
山鼠「……お前らひでぇ顔だな」プッ
男「お前が言うな」
白兎「ほんとです」
504: 名無しさん:2011/7/17(日) 22:22:28 ID:SBxlnoh5O6
婆鼠「アリスが戻ってくる条件が、あるの」
男「え」
白兎「それって…」
婆鼠「えぇ、女王直属の配下のみ知らされる情報」
男「そんなもんがあるの?」
白兎「…はい。二つ条件があります
ただそれは極秘情報ですが…」
婆鼠「まぁ知らないことが無いのですから、それ位は知ってるのよ」
婆鼠「一つ、アリスが子供の心を取り戻したとき」
505: 名無しさん:2011/7/17(日) 22:29:14 ID:jox2lqGdgw
山鼠「子供の心?」
婆鼠「まぁ不可能ね
記憶喪失になって幼児退行を起こせば何とか」
男「……」
白兎「はい、ですから」
婆鼠「そうね。あなたが任命された
二つ、不思議の国の住民が直接アリスとコンタクトをとったとき」
男「……」
白兎「女王様の魔法で人間界に送り込んで貰うんです」
白兎「その二つの条件が…」
婆鼠「三つ、アリスが死んだとき」
506: 名無しさん:2011/7/17(日) 23:04:52 ID:IjDuDJDKyo
白兎「そう、三つ目が……三つ目!?」
男「とおる?」
山鼠「分かりにくいボケを挟むな」
白兎「ちょ、ちょっと待って下さいよ…?
二つ目までしか聞いてないんですが…」
婆鼠「えぇ
男さんがここに来るまでは、アリスが不死だったんですもの」
婆鼠「男さんが死を献上した為、増えたというだけ」
山鼠「……」
山鼠「……死!?」
男「あぁ、うん」
507: 名無しさん:2011/7/17(日) 23:14:19 ID:jox2lqGdgw
婆鼠「皮肉なものですね
男さんの献上のお陰で、なんて」
白兎「…でもアリスが死んだらって…」
男「せっかく献上したんだから利用してくれなきゃ辛いんだけど」
山鼠「開き直ってんなぁお前」
婆鼠「まぁ、頑張って下さいな白兎さん」
婆鼠「孫鼠が正気に戻って、山鼠がぐっすり眠れるその日を待ってますから」
白兎「はい!」
508: ◆AlicexxO96:2011/7/17(日) 23:37:37 ID:IvjfUba.8M
ここで区切らせてもらいましょう
この話を途中で切るのは野暮かなと思い、3日程ぶっ続けでいかせて貰いました
>>478
引っかかったな!これは罠だったのだよ!
支援ありがとうございます!
>>479
そうですね
少々強引かも知れませんが、そこが献上品決定の瞬間です
>>490
支援どうもです!
>>491
白兎ちゃんの方がメンタルは脆いです
女の子だもの!
>>495
ビクッ
>>500
おめでとうございます!
もう半分ですか…まだ終着点は定まっておりませんが、頑張っていきます
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