少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
474: 名無しさん:2011/7/14(木) 23:20:39 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「…山鼠、今日はもう休みなさい
疲れたでしょ?」
山鼠「婆ちゃんと一緒に寝たいな…」
婆鼠「甘えん坊さんねぇ
代わりに孫鼠を寝かしつけて欲しいのだけれど」
山鼠「えぇ…」
婆鼠「お願い」
山鼠「ん…お休み婆ちゃん」スタスタ
婆鼠「ごめんなさいね?お休みなさい」
婆鼠「…さて、と」
475: 名無しさん:2011/7/14(木) 23:26:37 ID:SBxlnoh5O6
白兎「まぁ何にしろ、アリスの役に立ってるなら素晴らしい事だと思いますよ」
男「白兎は相変わらずアリスが第一なんだな」
白兎「いえいえ、男さんのこともしっかり考えて…」
白兎「あ、山鼠ちゃん」
山鼠「…俺はもう休むから」
男「また明日な」
山鼠「……」
男「…何?」
山鼠「別に、お休み」スタスタ
476: 名無しさん:2011/7/14(木) 23:56:55 ID:IvjfUba.8M
婆鼠「ごめんなさいねさっきは
山鼠には聞かせたくなかったものだから」
白兎「いえ…」
男「…なんか嫌な予感がしますけど」
婆鼠「まぁ、人によるわ」
婆鼠「喜ぶ者もいれば絶望する者もいるかも知れない」
男「……」
婆鼠「…不思議の国の者として敬意を払わせて貰います」
婆鼠「…あなたはアリスに、『死』を献上している」
白兎「し…?」
男「……」
ドクンと、心臓の動く音が
一瞬だけ、少年の脳に強く響いたのが分かりました
477: ◆AlicexxO96:2011/7/15(金) 00:00:28 ID:1b/AplOPAI
もう今日はお終い!
バレたーwww
まぁ結構バレバレの伏線ひいたからしょうがないよと、自分に言い訳
明日で試験が終わる…
もうモチベーション上がらねーです…
ではまた明日
明日は色々濃い内容にして行きたいですノシ
478: 名無しさん:2011/7/15(金) 14:32:32 ID:UmtXrgXVU.
あれ、山鼠ちゃんハァハァしてたらいつのまにかエグい展開に・・・C
479: 名無しさん:2011/7/15(金) 18:58:04 ID:DgQGPfo82A
そういや、ちゃんと遡ると、一番最初に男は死にたくないって願ったもんな。
C
480: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:13:33 ID:t57GnFDOYg
男「……??」
白兎「死を失うって、どういうことですか?」
婆鼠「そのまま。死なないし、傷付かないってことさ」
男「……ぇ」
婆鼠「理解したかい?
理解しても認めたくないかい?」
婆鼠「あなた、自ら命を断つつもりだったんでしょう?
知っているわ」
男「……ぁ、あ」
鼓動は高まり続けます
481: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:33:23 ID:IjDuDJDKyo
少年の頭に浮かぶのは、目の前に突きつけられた銃口のイメージ
確かに頭を撃ち抜かれたはずなのに、夢にしか思えなかったのです
気が付けば、穴の空いた筈の体はすっかり元通りになっていたのですから
何故?
答えはあまりに簡単
少年がそういう体になっていたから
男「ぅ…」
鼓動が加速します。涙が滲みます。指が震えます。胃液が逆流します。
482: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:49:16 ID:SBxlnoh5O6
婆鼠「…今伝えたのは全て事実よ」
男「…ゃだ…何で…何で」
婆鼠「『どうして自分がそんな大事なものを献上してるんだ』と言いたいの?」
男「例外…例外なんだ…白兎…白兎!」ガシッ
白兎「お、落ち着いてください男さん!」
婆鼠「例外なんかじゃないわ
あなたが望んだことだもの」
男「…あ?」
婆鼠「あなた、この国に来たときに『死にたくない』って願ってたもの」
483: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:54:01 ID:B4pYf22bqU
男「違う…違う…そんな意味じゃない…!」
婆鼠「…男さん」
男「…そんな事…知らなかったから…」
婆鼠「…受け入れなさい」
男「…死なせて…お願いだから…」
婆鼠「無理よ」
白兎「…あの」
484: 名無しさん:2011/7/15(金) 23:05:57 ID:bskeXDFV8Q
白兎の少女の声を聞いて、我にかえりました
そうだ。元はこいつのせいだったんじゃないか、と
白兎「…なんと言えば良いか分からないんですが」
白兎「その、男さんはアリスに『死』を与えてるって、凄い名誉な事だと思いますよ!」
白兎「『死』は生き物としての命の働きの中で最も重要な役割だって聞いてますもん!」
あぁ。この瞬間から、少年の遣り場の無い憤りの矛先は、全て白兎の少女に向けられました
485: 名無しさん:2011/7/16(土) 06:52:13 ID:1e0RqNmnOw
男「何?それどういうこと?」
男「アリスさえ良ければ俺はどうでも良いってこと?」
白兎「い、いえ…そういう訳では…その」
男「その最も重要な役割ってのが俺にはもう無いんだよ?」
男「誰の…誰のせいか分かってるか?」
白兎「…それは」
486: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:05:42 ID:WeYS042/lU
少年には分かっていました
少年をこの世界に連れてきたのは彼女の手違いの為ではありますが
ここでこのか弱い白兎の少女を責めるのはあんまりにも酷であると
でも、少女への責める言葉が止まりません
口が、体が自分のものじゃないみたい
白兎「…約束」
男「…は?」
487: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:14:20 ID:IjDuDJDKyo
白兎「そう、約束をしていたじゃないですか!」
白兎「男さんに生きることの良さを分かってもらうって!」
男「それが?」
白兎「その…も、もう死ぬことがないなら
生きる事を楽しむしかない…といいますか…」
男「……」
婆鼠「……」
婆鼠「白兎ちゃん…それは…」
男「…あぁ」
488: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:20:58 ID:SBxlnoh5O6
男「教えてやる
お前が今俺に言ってる事がどれ程…」カチャ
白兎「…っ!」
婆鼠「男さん…!」
白兎「け、拳銃…?そんなもの何処で…?」
男「さっきの街で
こっちに来いよ白兎」
白兎「う、嘘ですよね?
わ、たしを撃つんですか…?」
男「……」スッ
白兎「ひっ!」
男「持て
お前が、俺を撃て」
白兎「……は?」
489: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:30:11 ID:JZ308n9LZ6
男「握れ。引き金に指をかけろ。俺に向けろ。力入れろ。」ガシッ
白兎「やだ!嫌ですよ!なんで男さんを撃たなきゃならないんですか!」
男「いいだろ。アリスの二の次三の次の人間なんて」
白兎「それは、だって…!」
男「はやく」グイッ
白兎「やだ!放して!やだやだやだやだ!!」
男「…」ギュッ
ドンッ
490: 名無しさん:2011/7/16(土) 13:02:28 ID:23BYopFfCk
うわぁぁぁ
しえんしえん!
491: 名無しさん:2011/7/16(土) 20:41:57 ID:hx2NZUpaHc
あああぁぁ
しえーんなぜか白兎ちゃんのほうが心配
492: 名無しさん:2011/7/16(土) 23:20:23 ID:SBxlnoh5O6
鼠の少女は何故か起きていました
正確には、寝ることはできないのですが
唯一の安息の地。祖母の傍に居るのに
得体の知れない一抹の不安が胸の内を巡り、休息を妨げていました
山鼠「……」スッ
孫鼠「クー…クー…」
山鼠「あいつらと婆ちゃん、話があるって…」
493: 名無しさん:2011/7/17(日) 00:35:13 ID:JZ308n9LZ6
山鼠「明かりが、まだ……」
山鼠「みんな……?」スッ
ドンッ
山鼠「…ぁ?」
目を疑わざるをえない光景
遂に幻覚を見始めたかと思うほど
白兎が少年を撃った
ただそれだけの、単純で最も有り得ない状況
飛び散った鮮血が鼠の少女の青いオーバーオールを塗り替えます
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