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白兎「アリス! 私達のアリス!」
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1: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


45: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:56:40 ID:C/EsOqUYxw
白兎「足りないそれらを不思議の国の住人が、アリスと遊ぶ事で人として作り上げる
ここは、その為の世界なんですって」

男「よく分かんないわ」

白兎「実際、細かい事は私も分かりませんがね!」

男「その自信に溢れた態度は何処から来てるんだ」
46:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:58:37 ID:Sk5yLArqZw
白兎「けど、アリスが来ないとなると話は別です」

白兎「アリスに足りない部分は、『住人達が直接、分け与えなければならない』んです」

白兎「ここではそれを、『アリスへの献上』と呼んでます」

男「……献上」

白兎「基本は、『自分には最も必要無いと思ったもの』が、アリスに献上されていきます」
47:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:59:37 ID:jea4yQfMpw
男「…で、お前は」

白兎「はい!視力を献上する事にしました!
私にはこの自慢の耳がありますからね!」ピコピコ

男「視力って…」

白兎「でも、完全に視力が無くなる前に、もう一度アリスの顔は一目見ておきたいですね!」

男「……」
48:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:03:47 ID:IY41cBvn0o
男「じゃあ、この景色が気味悪い色してるのは…?」

白兎「そうですね
この景色はアリスに『色』を献上してるらしいです」

男「なる程、そういう仕様なんだな
…つか色って、大事なもんじゃないの?」

白兎「例外も有るみたいなんです
特定の物、人からしか与えられないものも有りますからね」

白兎「女王様なんかも、それに当てはまってますね…」

男「女王様?」

白兎「この国で二番目に偉い人です!
私をあなた達の世界に送り込んだのも女王様ですよ」

男「二番目?」

白兎「当然、一番はアリスですがね?」
49:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:05:38 ID:IY41cBvn0o
白兎「とりあえず説明は以上ですね…
ちなみに、この説明も全部女王様の受け売りなんですが」

男「本当に、長ったらしい説明だな」

白兎「ふぅ…喋り過ぎました…」

男「だろうね」

白兎「全部説明したら喉が枯れちゃいます…」ケホッ

男「とりあえず、水でも飲みにいくか?」

白兎「ありがたいです…」
50:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:07:59 ID:tI7SKCVOJE
男「不思議の国なら、メルヘンチックな泉でもあるんじゃないの?」キョロキョロ

白兎「っとですね…
お茶会にでも行ってみます…?」

男「お茶会?」

白兎「はい、帽子屋さんが毎日のようにお茶会を開いてるんです」

男「帽子屋なのに?」

白兎「細かい事気にしちゃ負けです」
51:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:13:09 ID:tI7SKCVOJE
今晩はここまでですね

あやや、初っ端から説明パートです
文字数が多いこと多いこと

長い目で見てくれたら嬉しいです

ではでは
52: 蝶・専半島:2011/6/9(木) 23:18:25 ID:y2zfpJx/KY
私の目は切れ長でイケメンです
53: 名無しさん:2011/6/9(木) 23:21:43 ID:SJ78b/5rEM
>>51
なかなか良かった
紫煙
54: 名無しさん:2011/6/10(金) 12:29:02 ID:eyiXSnv7S6
結構重そうな話だけど支援
55:
◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 20:53:41 ID:Sk5yLArqZw
男「とりあえずその帽子屋に行くのね」

白兎「そう遠くは無いですからね」

男「じゃ、行くとしようかね」スタスタ

白兎「あ、待って下さいよ!道分かるんですか?」

男「いんや、分からん」

白兎「私が前歩きますから!」タッタッ
56:
◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 20:57:44 ID:jea4yQfMpw
男「…思ったんだけどさ」

白兎「はぁい?」

男「俺もアリスに何かを献上しきゃいけないのか?」

白兎「…そうですね
恐らく今も男さんから何かが献上されています……」

男「一度も会ってない奴に何かをやらなきゃなんねえのか」

白兎「それは…ごめんなさい…
私の不注意で巻き込んじゃって…」

男「まぁ、自分にとって一番必要無いと思ったものなんだろ?
なら別に構わないが…」
57: 名無しさん:2011/6/10(金) 21:13:05 ID:ayxDgaoNKQ
男「…童貞要らない、とか言ったら
俺は脱童貞できたのかしら」

白兎「アリスは女の子ですから、それを貰ってもね…」

男「そうだよな…」


白兎「それに」

男「言うな」

白兎「名目だけ脱童貞したところで虚しくなりません?」

男「言うなと言っただろうが!」
58:
◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:14:36 ID:IY41cBvn0o
男「……」ジッ

白兎「…どうかしました?」

男「その耳が気になる」

白兎「これですか?」ピョコピョコ

男「取れるの?」

白兎「取り外し及び飛行可能の偵察機ユニットにできます!」

男「凄い」

白兎「嘘です!」

男「だろうね」
59:
◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:25:03 ID:AkYREPUZEc
白兎「ん、もうそろそろ見えて来ますよ?」

男「思ってたより近いな」


白兎「帽子屋さん!居ますかー?」

男「あら、アンティークなお店」

帽子屋というよりは喫茶店という感じ
おまけのように端に並べられた沢山の帽子

帽子「おや?白兎ちゃんじゃないか
帰って来てたんだね」

白兎「お久しぶりです!」

出てきたのは、大きなシルクハットを被った男の人
60:
◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:46:45 ID:tI7SKCVOJE
帽子「今日はどういったご用件かな?
キャスケット帽?ニット帽?」

白兎「あ、いえ…」

帽子「白兎ちゃんの耳が収納可能なロップイヤー帽子なんかもあるよ?」

白兎「買います!」

男「おぅい」
61:
◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:50:18 ID:PmyquluLE6
白兎「ね!男さん!これどうでしょうか!
似合ってます!?」

男「耳が垂れて痛そうだな」

白兎「実質結構痛いです」

男「脱いどけ」


男「お茶会はやってないんですか?」

帽子「お茶会しに来てくれたのかい?」

帽子「それは嬉しいけど、生憎今日のお茶会はさっき終わったばかりなんだ」

白兎「あ…そうなんですか」
62:
◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:54:50 ID:ayxDgaoNKQ
帽子「んー、でもせっかく来てくれたんだし
お茶も余ってるからね」


帽子「準備するよ!
お菓子は無いけどいいかい?」

男「…いいんですか?」

帽子「いいも何も、僕は誰かとお茶するのは大好きでね!」

帽子「君達が良いなら好きなだけゆっくりしてってくれよ?」

白兎「手伝いましょうか?」

帽子「いや、みんなのお茶を準備するのも楽しみの一つなんだ
ま、座っててよ!」
63: 名無しさん:2011/6/10(金) 22:37:31 ID:C/EsOqUYxw
帽子「常連のトランプ兵達は言葉を失ったから、話し相手がいなくて退屈だったんだ」

帽子「紅茶だよ。なんなら緑茶もミルクもあるけど」カチャ

男「あ、どうも」

白兎「枯れかけの喉に染みるねぇ…」

帽子「さ、少年が誰かも気になるけど、白兎ちゃんが帰って来たってことは…」

帽子「アリスは、どうだったんだい?」

白兎「……」

男「……」ズズッ

?「……」
64: 名無しさん:2011/6/10(金) 22:38:39 ID:C/EsOqUYxw
白兎「…見つかりませんでした」

帽子「そうか、まぁしょうがないよね…」

男「差し支えなければ」

帽子「ん?」

男「帽子屋さんは、アリスに何を…?」

帽子「何を、献上したのかって…?」

男「……」コクン

帽子「……」

帽子「僕はね…」

帽子「アリスに、髪の毛を、与えているんだよ…!」

男「……」

男「…!?」

?「……」
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