少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
437: 名無しさん:2011/7/11(月) 22:59:33 ID:jox2lqGdgw
山鼠「な!これどう思う!?」
男「荒ぶってるなお前」
山鼠「どう思う?」
男「なんで血圧計」
山鼠「婆ちゃんへの土産!」
男「お土産なんて肩叩き券でも渡せばいいじゃん」
山鼠「十枚は渡したけど一度も使ってくれねぇ」
男「元気なお婆ちゃんなんだな」
438: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:07:29 ID:JZ308n9LZ6
山鼠「お前は何見てんの?」
男「ん?……ん」
山鼠「なに…拳銃…?
物騒な奴だな…」
男「護身用にだよ護身用」
山鼠「お前を狙う物好きがいるかよ」
男「いや、分かんないもんだぜ?」
山鼠「金無い癖に見てても仕方ないだろ」
男「ん…値札がついてないんだが」
山鼠「……は?」
439: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:13:30 ID:WeYS042/lU
男「売り物じゃないのかな」
山鼠「…いや、多分それタダだぜ」
男「タダ?0円?」
山鼠「あぁ。不思議の国の値段設定は需要ありきなんだよ」
男「山鼠の癖に難しい話してる」
山鼠「説明してやんねーぞ?」
男「何でも無いです」
440: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:17:41 ID:1e0RqNmnOw
山鼠「まぁつまりだ
拳銃なんて誰も欲しがらねぇんだ」
山鼠「誰も、何かを撃とうなんて考えてねぇもん」
男「だからこんなに安い、ってかタダなのか」
山鼠「そういうこったな
勝手に持っていっていいぜそれ」スタスタ
男「どこ行くの?」
山鼠「カウンター」
男「本当に血圧計買うのかよ」
山鼠「これも需要低いから安いんだぜ」ニィー
441: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:18:42 ID:IjDuDJDKyo
男「ピンクの紙とリボンで包装された血圧計……」
山鼠「男、持ってくれ」
男「はいはい」
山鼠「へへ、婆ちゃん喜ぶかなー」
男「山鼠はお婆ちゃん子なんだな」
山鼠「まぁな」
442: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:22:49 ID:bskeXDFV8Q
男「両親は?」
山鼠「……知らね」
山鼠「俺が産まれて直ぐに戦争に駆り出されて、おっ死んだらしいが」
男「…戦争なんてあったの」
山鼠「ハッツーだって同じようなもんさ」
山鼠「鼠族の孤児は、みんな婆ちゃんが面倒みてくれた」
男「婆ちゃんすげぇな」
山鼠「…まぁ、一番か二番目には好きな人かな、アリスも含めて」
男「……あ、白兎だ」
443: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:29:51 ID:jox2lqGdgw
白兎「お待たせしましたっ」
男「今日は少ないんだな」
白兎「もう城も近いですからね!こんなもんで保つでしょう」
白兎「最も、誰かさんがドラゴンに譲ったりしなければの話ですが」ジロ
男「俺も山鼠の婆ちゃんに会ってみたいな」
山鼠「だろ!?」
白兎「あ、スルーですか
キレちゃいますよ」
444: ◆AlicexxO96:2011/7/11(月) 23:34:09 ID:bskeXDFV8Q
荒ぶる山鼠ちゃん回でしたが、今日はこれで終了
明日からはお婆ちゃん編!
ではでは!また明日お会いしましょ!
445: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:49:24 ID:Ouk2c1w1Uc
乙!
446: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:07:10 ID:1e0RqNmnOw
山鼠「ほら早く!」
男「急かすな急かすな」
白兎「急がなくても御婆様は逃げませんよ?」
山鼠「逃げるかもしれねーんだよ」
男「どういうことだよ」
山鼠「婆ちゃんは住処をすぐ移り変えちまうんだ」
白兎「そうなんですか」
447: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:15:39 ID:bskeXDFV8Q
山鼠「俺が知ってるだけでも、別荘は20個はある」
男「多いな」
山鼠「だから婆ちゃんに会える事はなかなかねぇんだって!」
白兎「分かりました分かりました」タッタッ
山鼠「大きな木…大きな木…」キョロキョロ
白兎「あ、あれじゃないですかっ?」ビッ
男「お前が今指さしてんの俺」
白兎「え…?へへ…失礼しました」
男「お前この至近距離も見えなくなってんの?」
448: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:26:41 ID:t57GnFDOYg
白兎「いえいえ、ちゃんと見たら分かりますよ?」
男「ほんとかよ」
白兎「ボーっと見てたら少し見難い位で」
山鼠「あー!!」
白兎「ひぅっ!」ビクッ
男「山鼠の大声初めて聞いた」
山鼠「なぁ!あれじゃねぇか!?なぁ!?」グイグイ
男「服が伸びる服が伸びる」
449: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:38:57 ID:IvjfUba.8M
男「でけー…」
白兎「凄いですね…」
山鼠「だろ?」ドヤッ
男「何でお前がドヤ顔してるのか分からんがな」
山鼠「早く行こうぜ」タッタッ
白兎「山鼠ちゃん生き生きしてますねー」
男「途中でぶっ倒れないか心配だわ」
山鼠「あでっ」コテン
男「言わんこっちゃない」
450: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:08:22 ID:1e0RqNmnOw
男「ほらしっかりしろ」グイ
山鼠「あ、りがと」ヨロッ
白兎「無理しちゃ駄目ですよ」
山鼠「これくらい平気だ。うん、よし」
山鼠「婆ちゃんただいま!」ガチャ
白兎「お邪魔します」
男「同じくです」
451: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:12:49 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「……あら、今の声は山鼠かい?」
山鼠「婆ちゃん!」ダキッ
婆鼠「おやおや、二十日が来てくれたと思えば次は山鼠かい
嬉しいねぇ…」ナデナデ
山鼠「へへー!」ポフッ
白兎「(何か邪魔出来ない雰囲気ですね…)」コソコソ
男「(いっそ帰るか)」コソコソ
白兎「(いやいや…)」コソコソ
452: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:17:48 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「…ところで山鼠、後ろのお客さんは」
山鼠「ん、あ!」
白兎「は、はじめましてっ!
山鼠ちゃんの友達の…」
婆鼠「そう、白兎ちゃん…」
白兎「しろう……へっ?」
婆鼠「あの女王様のお気に入りの子って言うのは、あなたの事なのねぇ…」
白兎「え…えと…」
男「……?」
453: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:24:02 ID:bskeXDFV8Q
婆鼠「そう、山鼠がシロ、シロって言ってたのはあの子の事なのね…」
山鼠「そう!」
婆鼠「で、其方の方は……」
山鼠「あぁ、あいつは」
男「はじめまして
山鼠の夫です」
山鼠「そうそう、おっ……あ゙?」
婆鼠「ふふ…男さん、年寄りに冗談は止めて頂戴?」
男「あら、バレちゃいます?」
婆鼠「えぇ、そんな事は私『知らない』もの」
454: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:29:36 ID:jox2lqGdgw
男「何で、言ってもない俺達の名前が分かるんで?」
婆鼠「私のアリスへの献上品は『無知』だもの」
男「無知…?」
白兎「知らないものを失ってるってこと、ですか?」
婆鼠「そうねぇ…」
男「献上していくごとに知識が増えていくと」
455: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:36:23 ID:t57GnFDOYg
婆鼠「そういうこと
あなた達の事も殆ど全てわかってしまうわね…」
婆鼠「例えば、白兎ちゃんの献上品は視力かしら?」
白兎「!…はい」
婆鼠「そして……」
男「……」
婆鼠「…山鼠」
山鼠「何?」
456: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:38:58 ID:1b/AplOPAI
婆鼠「地下室から林檎でもとってきてくれる?
歓迎にパイでも作りたいわ」
山鼠「うん!」タッタッ
婆鼠「山鼠には外して貰ったわ
あなた達に、あなたに話があるの」
男「俺、ですか…?」
婆鼠「あなた、未だにアリスに何を献上しているか知らないでしょう?」
男「!」
婆鼠「良い機会だから、教えておきましょう…」
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