少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
43: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:48:29 ID:uo2scn7/PE
男「アリスが居なくても
不思議の国は消える訳でもないんだろ?」
白兎「そんなことですか!
不思議の国も多大なるダメージを受けてますよ!」
男「例えば…?」
白兎「ん!」ビシッ
男「白兎の眼がどうした」
白兎「よく見て下さい!」
男「赤いな」
白兎「色は生まれつきです
ん!!」
男「ん!!じゃないよ分かんねーよ」
白兎「視力がどんどん落ちてるんですよ!!」
男「見ただけで分かるか馬鹿」
44: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:55:50 ID:AkYREPUZEc
白兎「さっき、この国はアリスを育てる為に存在するって言いましたね」
男「あぁ」
白兎「育てると言うのは、別に算数や英語を教える訳じゃありません」
男「道徳的な面を育てるとか?」
白兎「それも少し違いますね
アリスは生まれながらに不完全な存在です」
45: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:56:40 ID:C/EsOqUYxw
白兎「足りないそれらを不思議の国の住人が、アリスと遊ぶ事で人として作り上げる
ここは、その為の世界なんですって」
男「よく分かんないわ」
白兎「実際、細かい事は私も分かりませんがね!」
男「その自信に溢れた態度は何処から来てるんだ」
46: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:58:37 ID:Sk5yLArqZw
白兎「けど、アリスが来ないとなると話は別です」
白兎「アリスに足りない部分は、『住人達が直接、分け与えなければならない』んです」
白兎「ここではそれを、『アリスへの献上』と呼んでます」
男「……献上」
白兎「基本は、『自分には最も必要無いと思ったもの』が、アリスに献上されていきます」
47: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:59:37 ID:jea4yQfMpw
男「…で、お前は」
白兎「はい!視力を献上する事にしました!
私にはこの自慢の耳がありますからね!」ピコピコ
男「視力って…」
白兎「でも、完全に視力が無くなる前に、もう一度アリスの顔は一目見ておきたいですね!」
男「……」
48: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:03:47 ID:IY41cBvn0o
男「じゃあ、この景色が気味悪い色してるのは…?」
白兎「そうですね
この景色はアリスに『色』を献上してるらしいです」
男「なる程、そういう仕様なんだな
…つか色って、大事なもんじゃないの?」
白兎「例外も有るみたいなんです
特定の物、人からしか与えられないものも有りますからね」
白兎「女王様なんかも、それに当てはまってますね…」
男「女王様?」
白兎「この国で二番目に偉い人です!
私をあなた達の世界に送り込んだのも女王様ですよ」
男「二番目?」
白兎「当然、一番はアリスですがね?」
49: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:05:38 ID:IY41cBvn0o
白兎「とりあえず説明は以上ですね…
ちなみに、この説明も全部女王様の受け売りなんですが」
男「本当に、長ったらしい説明だな」
白兎「ふぅ…喋り過ぎました…」
男「だろうね」
白兎「全部説明したら喉が枯れちゃいます…」ケホッ
男「とりあえず、水でも飲みにいくか?」
白兎「ありがたいです…」
50: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:07:59 ID:tI7SKCVOJE
男「不思議の国なら、メルヘンチックな泉でもあるんじゃないの?」キョロキョロ
白兎「っとですね…
お茶会にでも行ってみます…?」
男「お茶会?」
白兎「はい、帽子屋さんが毎日のようにお茶会を開いてるんです」
男「帽子屋なのに?」
白兎「細かい事気にしちゃ負けです」
51: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:13:09 ID:tI7SKCVOJE
今晩はここまでですね
あやや、初っ端から説明パートです
文字数が多いこと多いこと
長い目で見てくれたら嬉しいです
ではでは
52: 蝶・専半島:2011/6/9(木) 23:18:25 ID:y2zfpJx/KY
私の目は切れ長でイケメンです
53: 名無しさん:2011/6/9(木) 23:21:43 ID:SJ78b/5rEM
>>51
なかなか良かった
紫煙
54: 名無しさん:2011/6/10(金) 12:29:02 ID:eyiXSnv7S6
結構重そうな話だけど支援
55: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 20:53:41 ID:Sk5yLArqZw
男「とりあえずその帽子屋に行くのね」
白兎「そう遠くは無いですからね」
男「じゃ、行くとしようかね」スタスタ
白兎「あ、待って下さいよ!道分かるんですか?」
男「いんや、分からん」
白兎「私が前歩きますから!」タッタッ
56: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 20:57:44 ID:jea4yQfMpw
男「…思ったんだけどさ」
白兎「はぁい?」
男「俺もアリスに何かを献上しきゃいけないのか?」
白兎「…そうですね
恐らく今も男さんから何かが献上されています……」
男「一度も会ってない奴に何かをやらなきゃなんねえのか」
白兎「それは…ごめんなさい…
私の不注意で巻き込んじゃって…」
男「まぁ、自分にとって一番必要無いと思ったものなんだろ?
なら別に構わないが…」
57: 名無しさん:2011/6/10(金) 21:13:05 ID:ayxDgaoNKQ
男「…童貞要らない、とか言ったら
俺は脱童貞できたのかしら」
白兎「アリスは女の子ですから、それを貰ってもね…」
男「そうだよな…」
白兎「それに」
男「言うな」
白兎「名目だけ脱童貞したところで虚しくなりません?」
男「言うなと言っただろうが!」
58: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:14:36 ID:IY41cBvn0o
男「……」ジッ
白兎「…どうかしました?」
男「その耳が気になる」
白兎「これですか?」ピョコピョコ
男「取れるの?」
白兎「取り外し及び飛行可能の偵察機ユニットにできます!」
男「凄い」
白兎「嘘です!」
男「だろうね」
59: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:25:03 ID:AkYREPUZEc
白兎「ん、もうそろそろ見えて来ますよ?」
男「思ってたより近いな」
白兎「帽子屋さん!居ますかー?」
男「あら、アンティークなお店」
帽子屋というよりは喫茶店という感じ
おまけのように端に並べられた沢山の帽子
帽子「おや?白兎ちゃんじゃないか
帰って来てたんだね」
白兎「お久しぶりです!」
出てきたのは、大きなシルクハットを被った男の人
60: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:46:45 ID:tI7SKCVOJE
帽子「今日はどういったご用件かな?
キャスケット帽?ニット帽?」
白兎「あ、いえ…」
帽子「白兎ちゃんの耳が収納可能なロップイヤー帽子なんかもあるよ?」
白兎「買います!」
男「おぅい」
61: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:50:18 ID:PmyquluLE6
白兎「ね!男さん!これどうでしょうか!
似合ってます!?」
男「耳が垂れて痛そうだな」
白兎「実質結構痛いです」
男「脱いどけ」
男「お茶会はやってないんですか?」
帽子「お茶会しに来てくれたのかい?」
帽子「それは嬉しいけど、生憎今日のお茶会はさっき終わったばかりなんだ」
白兎「あ…そうなんですか」
62: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:54:50 ID:ayxDgaoNKQ
帽子「んー、でもせっかく来てくれたんだし
お茶も余ってるからね」
帽子「準備するよ!
お菓子は無いけどいいかい?」
男「…いいんですか?」
帽子「いいも何も、僕は誰かとお茶するのは大好きでね!」
帽子「君達が良いなら好きなだけゆっくりしてってくれよ?」
白兎「手伝いましょうか?」
帽子「いや、みんなのお茶を準備するのも楽しみの一つなんだ
ま、座っててよ!」
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