2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
白兎「アリス! 私達のアリス!」
[8] -25 -50 

1:🎏 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


31:🎏 蝶・専半島:2011/6/9(木) 20:09:00 ID:sjK4Tuv5aE
オーケーだユウヤ君
支援
32:🎏 名無しさん:2011/6/9(木) 20:35:21 ID:FNOnwiElUY
歪アり好きだぜww
つC
33:🎏 ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:16:17 ID:PmyquluLE6
白兎「っと、はじめまして。私は白兎と申します」

男「そうか変な名前」

白兎「名前と言うより種族名に近いですかね?
自己紹介はこんな感じでいいですか?」

男「名前しか分かんなかったけどな」

白兎「えと、なんであなたはアリスじゃないんですか?」

男「いきなり存在否定されたんだが」
34:🎏 名無しさん:2011/6/9(木) 22:17:49 ID:M5QpzCmIZE
>>25
可哀想に、童話を読んだことがないのか…
35:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:20:09 ID:DEPQDGNmG.
白兎「あ、いや!そういう訳じゃ無いんですけど」

男「どういう訳だよ」

白兎「あの井戸を覗きこんでるから、てっきりアリスかと…」

男「どういうことなの…」
36:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:24:46 ID:IY41cBvn0o
白兎「じゃ、質問を変えましょう!」

男「お願い」

白兎「あなたは誰ですか?」

男「……男。多分、いや絶対にお前の言ってるアリスって奴じゃない筈」

白兎「…男さんですね?
じゃ、どうしてあの井戸の前に居たんです?」

男「飛び降りて死ぬつもりだったんだよ」

白兎「…へ?」
37:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:26:28 ID:H5eUe.tjLc
白兎「死ぬつもりだった…?」

男「…あぁ、したらいきなり誰かさんに後ろから突き落とされて
気づいたらここだ」

白兎「あぁ、私ですね!」

男「だろうな」

白兎「や!でも死なずにすんで良かったじゃないですか!」

男「人の話聞いてた?」
38:🎏 名無しさん:2011/6/9(木) 22:29:41 ID:uo2scn7/PE
男「…こっちからも質問していいか?」

白兎「どうぞ?幾らでも答えますよ?」

男「ここは、何処なのかな?」

白兎「……」

少女は初めは質問の意味が分からないという顔をしていましたが

やがてその答えを見つけたようで

白兎「この世界は、アリスの創った『不思議の国』です!」

男「……」

こう、言いました
39:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:36:29 ID:AkYREPUZEc
男「……何となく、自分の置かれた状況が理解できた」

男「あの井戸はここに繋がってた訳?」

白兎「というより、私が一緒だったから此方に繋がったんですね」

男「…不思議の、国ね」

白兎「はい!素敵な所でしょ!?」

男「空も野原も気味悪い色してるんだけど?」

白兎「仕様です!」

男「どんな仕様だ」
40:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:38:52 ID:jea4yQfMpw
男「んで、アリスさんは何処なの」

白兎「…それが…」

男「……?」

白兎「見つからないんですよ、ね…」

男「見つからない?」

白兎「来なくなっちゃったんです
アリスが初めてこの国に来て…それ以来一度も…」

男「ふうん」

白兎「人事ですね…」

男「人事だからね」

白兎「むぅ…」

男「ちゃんと聞くから続けて」

白兎「……」
41:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:40:35 ID:DEPQDGNmG.
白兎「不思議の国は、アリスがいる事で成り立っています。存在しています」

白兎「この国はアリスを育てる為に存在するんだと、聞きました」

男「……」

白兎「でも、10年間以上肝心の彼女が居なくって…」

男「で、お前は探しに出てきてた訳か」

白兎「そういう訳です」
42:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:46:00 ID:tI7SKCVOJE
男「アリスを探しに行く必要ってあるの?」

白兎「へ!?」ガバッ

男「っ…急に大声出すなよ」

白兎「あ、す、すいません…!
で、でもアリスを探さなくて良いって…」

男「来ないなら来ないでいいだろ
そこまで執着する必要も…」

白兎「何言ってるんですか!?馬鹿ですか!?馬鹿なんですか!?」

男「言ってくれるじゃねぇか」
43:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:48:29 ID:uo2scn7/PE
男「アリスが居なくても
不思議の国は消える訳でもないんだろ?」

白兎「そんなことですか!
不思議の国も多大なるダメージを受けてますよ!」

男「例えば…?」

白兎「ん!」ビシッ

男「白兎の眼がどうした」

白兎「よく見て下さい!」

男「赤いな」

白兎「色は生まれつきです
ん!!」

男「ん!!じゃないよ分かんねーよ」

白兎「視力がどんどん落ちてるんですよ!!」

男「見ただけで分かるか馬鹿」
44:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:55:50 ID:AkYREPUZEc
白兎「さっき、この国はアリスを育てる為に存在するって言いましたね」

男「あぁ」

白兎「育てると言うのは、別に算数や英語を教える訳じゃありません」

男「道徳的な面を育てるとか?」

白兎「それも少し違いますね
アリスは生まれながらに不完全な存在です」
45:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:56:40 ID:C/EsOqUYxw
白兎「足りないそれらを不思議の国の住人が、アリスと遊ぶ事で人として作り上げる
ここは、その為の世界なんですって」

男「よく分かんないわ」

白兎「実際、細かい事は私も分かりませんがね!」

男「その自信に溢れた態度は何処から来てるんだ」
46:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:58:37 ID:Sk5yLArqZw
白兎「けど、アリスが来ないとなると話は別です」

白兎「アリスに足りない部分は、『住人達が直接、分け与えなければならない』んです」

白兎「ここではそれを、『アリスへの献上』と呼んでます」

男「……献上」

白兎「基本は、『自分には最も必要無いと思ったもの』が、アリスに献上されていきます」
47:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:59:37 ID:jea4yQfMpw
男「…で、お前は」

白兎「はい!視力を献上する事にしました!
私にはこの自慢の耳がありますからね!」ピコピコ

男「視力って…」

白兎「でも、完全に視力が無くなる前に、もう一度アリスの顔は一目見ておきたいですね!」

男「……」
48:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:03:47 ID:IY41cBvn0o
男「じゃあ、この景色が気味悪い色してるのは…?」

白兎「そうですね
この景色はアリスに『色』を献上してるらしいです」

男「なる程、そういう仕様なんだな
…つか色って、大事なもんじゃないの?」

白兎「例外も有るみたいなんです
特定の物、人からしか与えられないものも有りますからね」

白兎「女王様なんかも、それに当てはまってますね…」

男「女王様?」

白兎「この国で二番目に偉い人です!
私をあなた達の世界に送り込んだのも女王様ですよ」

男「二番目?」

白兎「当然、一番はアリスですがね?」
49:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:05:38 ID:IY41cBvn0o
白兎「とりあえず説明は以上ですね…
ちなみに、この説明も全部女王様の受け売りなんですが」

男「本当に、長ったらしい説明だな」

白兎「ふぅ…喋り過ぎました…」

男「だろうね」

白兎「全部説明したら喉が枯れちゃいます…」ケホッ

男「とりあえず、水でも飲みにいくか?」

白兎「ありがたいです…」
50:🎏
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:07:59 ID:tI7SKCVOJE
男「不思議の国なら、メルヘンチックな泉でもあるんじゃないの?」キョロキョロ

白兎「っとですね…
お茶会にでも行ってみます…?」

男「お茶会?」

白兎「はい、帽子屋さんが毎日のようにお茶会を開いてるんです」

男「帽子屋なのに?」

白兎「細かい事気にしちゃ負けです」
273.62 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字