少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
280: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:59:26 ID:Sk5yLArqZw
熊「……変わった人間だな」
男「よその奴とは覚悟が違う」
熊「なんだ、俺とやる気か」
男「違う、死ぬ覚悟が出来てんの」
熊「…ガハ」
熊「もっと理不尽だって訴えろよ
あんまりだって泣き叫べよ」
男「ダサいから嫌だ」
281: 名無しさん:2011/6/29(水) 00:03:55 ID:96TVUWlwC6
少女は走る 走る
その白い足に生え散らかした枝が食い込む
その赤い目は涙に濡れ開け続けていられない
その長い耳は、風に煽られ後ろに引っ張られる
背中に背負う少女もまた同じ様、顔を涙で腫らしている
二人は一人の少年を犠牲にして、山を抜けることが出来ました
282: ◆AlicexxO96:2011/6/29(水) 00:10:31 ID:tI7SKCVOJE
うわーどうしよう切り所がない…
ここで一旦ストップです
月麗SSさん終わったようで
お疲れ様でした
そこそこ書いてますね
書き溜めかなり消費しました
うー…寝ます
また明日必ず来ますんで!
それではおやすみなさい
283: 名無しさん:2011/6/29(水) 00:20:36 ID:Udx8e9GNrs
乙!
284: ◆AlicexxO96:2011/6/29(水) 20:49:18 ID:jea4yQfMpw
>>283
ありがとう!
さて本日も寝落ちに気をつけのんびり更新
285: 名無しさん:2011/6/29(水) 20:53:10 ID:C/EsOqUYxw
熊「昔話でもするか」
男「時間稼げるなら何だっていいよこの際」
熊「安心しな。お前を見捨てて逃げた奴らは、もう喰うつもりはねぇよ」
男「……」
熊「ただ、どぉぅしっても人間だけは許せねぇんでな」
男「…何でそんな目の敵にする」
熊「俺の嫁さんが人間に殺されたからさ」
男「……」
286: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:02:14 ID:jea4yQfMpw
熊「つっても元凶はアリスだ
あの糞餓鬼も人間だった」
熊「たった一度ここに来て以来姿を見せねぇ」
男「……」
熊「お蔭で献上だとか訳わかんねぇことを言い出してよ」
熊「俺は『理性』を捨てた
熊としては必要ねぇもんだ」
男「…理性飛んでるようには見えないけどなぁ」
熊「ガハ、一日中イカレっぱなしはキツいぜ」
287: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:09:11 ID:96TVUWlwC6
熊「嫁さんは俺の理性の代わりになるだのって『獰猛さ』を捨てたさ」
熊「俺が道を踏み外さないように、だとよ」
熊「俺には勿体ねぇ位の良い熊だった」
男「ノロケ?」
熊「そう聞こえるか
まぁそれなりに平和に暮らしてたよ
が、ある日俺達の前に人間が現れた」
熊「狩人だ」
288: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:11:52 ID:AkYREPUZEc
熊「『アリスに必要ない』って、嫁さんを仕留めにきた」
男「必要、ない…?」
熊「嫁さんの献上してた『獰猛さ』はアリスにとって害にしかならないんだとよ」
熊「撃ち殺しやがったよ、可愛い可愛い嫁さんを
俺が出掛けてる間によぉ…」
289: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:16:59 ID:uo2scn7/PE
熊「人間は屑だ
屑。屑野郎ばかりだ」
熊「その狡賢い頭脳は自分の為にしか使わないし、使えない」
熊「訳の分からん理由で俺達の命を奪う」
男「……だいぶ、滅茶苦茶な事言ってるぜ熊さんよ」
熊「分かってるさ
それでもよ、悔しいんだよ…」
熊「理不尽だろ
あんまりだろ」
熊「人間の顔を見るだけで腹が煮えくりかえりそうになんだよ…」
290: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:27:50 ID:D7b7GprCD.
熊、理性、あるよ
嫁がお前の理性になってくれてるんだよ
そんな、悲しいこと言わないで
291: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:29:57 ID:jea4yQfMpw
男「ふぅん。ならどうぞ
やればいいんじゃね」
熊「……おめぇは、本当に変な野郎だな
アリスに脳味噌でもくれてやったんじゃねぇか」
男「……あ、待って。俺喰われるの?」
熊「喰いやしねぇよ
人間なんて脂肪だらけで糞不味い
餌にもならねえ糞共だ」
熊「俺が飽きるまでいたぶるだけ」
男「気持ち良くサックリやってくれよ」
熊「ガハ、やだね」
292: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:42:25 ID:C/EsOqUYxw
男「あんたは理性、失ってなんかないと思うよ」
熊「慰めのつもりかは知らねえが、一番吐き気がする言葉だ」
熊「嫁さんが俺の為にしてくれた事、否定してやがる」
男「……」
熊「俺には理性は無い
そう思わなきゃやってられねぇ」
男「…ごめん」
熊「いんだよ、今から死ぬ癖に謝んな」
293: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:46:17 ID:tC2Fo0C.cE
心臓に鳥肌立ってるなう
ガハ、がぐっとくる
294: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:12:52 ID:ayxDgaoNKQ
男「じゃ、最後にお願いだ」
熊「…聞いてやるよ」
男「もしこれから白兎とか山鼠とか見かけても
手を出さないで欲しいな」
熊「…どうだかな
俺、熊だし
腹も減るしよ」
男「そうか。腹減ってたらしょうがないか」
295: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:15:24 ID:tI7SKCVOJE
熊「終わりかい?命乞いはねぇのか?」
男「そういうのは初めからするつもりないし」
熊「怖くはねぇのか」
男「怖いよ。今すぐ逃げたいもん
だから一思いにやっておくれ」
熊「まぁ、それ位なら叶えてやるよ
あばよ人間」ノソ
ヂュンッ!!
296: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:19:09 ID:DEPQDGNmG.
少年に走った衝撃
熊の牙でも爪でもありません
鉛が。弾丸が少年の頬を掠めました
緊張の糸を撃ち抜かれたように、少年の足からは力が抜け、尻餅をつきます
男「…ぁ…は…?」
熊「…誰だ…」
?「……外した」ザッ
297: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:24:55 ID:IY41cBvn0o
熊「……!」
?「……次は、外さない」スッ
男「…っ…ひッ…ィいい…!」ヨロッ
少年の、死への覚悟は全て消えて無くなりました
その代わりに頭に流れ込むのは死への恐怖
男「(逃げなきゃ…逃げろ…!!)」
ジュッ
次の弾丸は確実に少年の右足を撃ち抜きました
298: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:28:46 ID:LYdCTbqa1c
!!
続きが楽しみでしかたがない!!!
しえん!!!
299: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:40:08 ID:PmyquluLE6
男「…ぁ…あああ!」ドサッ
悲痛な声をあげ、山道を転がり落ちる少年
?「……面倒な」
熊「待てよ」
?「……」
熊「俺の事覚えてるか、狩人さんよ」
狩人「……?」
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