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白兎「アリス! 私達のアリス!」
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1: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


26: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:42:09 ID:ayxDgaoNKQ
男「…おい?」

少女「……」

男「…」グイッ

少女「ッ…み…耳は引っ張っちゃ駄目、です…」

男「……」パッ


少女「…そうだアリスだ!!」バッ

男「あ?」

少女「お帰りなさい!!アリス!!私達のアリス!!」ダキッ

男「ぅい!?」

少女「アリス!アリスぅ!!」ギュムー

男「おいこら!痛い!痛いんだよ!」バコッ

少女「痛い!でもアリスに殴られるなら幸せ!気持ち良い!」

男「怖い!」
27: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:43:54 ID:tI7SKCVOJE
男「おら離せって」グイッ

?「離さない!もう離さないよアリス!
もうどこに…も……?」

男「……」

?「……?」ジッ

男「顔近ぇよ」

?「……どちら様ですか?」

男「まんまお前にその質問を返してやるわ」
28: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:54:56 ID:ayxDgaoNKQ
うし、名前変え忘れるミスもあったしとりあえずここまで!

1は歪みプレイ済みです
結構影響されてるかもです

とりあえず酉はこれにしておきましょうか

支援、アドバイス等ありがとうございます
放置はしないよう心掛けますので
出来れば最後までお付き合いして頂ければ嬉しい限りです

では、また後ほど書きにきます
29: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 19:55:27 ID:ayxDgaoNKQ
あらやだ酉忘れ

30: 名無しさん:2011/6/9(木) 20:01:31 ID:hJ67OJlZoI
歪アリやっぱかw
つC
31: 蝶・専半島:2011/6/9(木) 20:09:00 ID:sjK4Tuv5aE
オーケーだユウヤ君
支援
32: 名無しさん:2011/6/9(木) 20:35:21 ID:FNOnwiElUY
歪アり好きだぜww
つC
33:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:16:17 ID:PmyquluLE6
白兎「っと、はじめまして。私は白兎と申します」

男「そうか変な名前」

白兎「名前と言うより種族名に近いですかね?
自己紹介はこんな感じでいいですか?」

男「名前しか分かんなかったけどな」

白兎「えと、なんであなたはアリスじゃないんですか?」

男「いきなり存在否定されたんだが」
34: 名無しさん:2011/6/9(木) 22:17:49 ID:M5QpzCmIZE
>>25
可哀想に、童話を読んだことがないのか…
35:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:20:09 ID:DEPQDGNmG.
白兎「あ、いや!そういう訳じゃ無いんですけど」

男「どういう訳だよ」

白兎「あの井戸を覗きこんでるから、てっきりアリスかと…」

男「どういうことなの…」
36:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:24:46 ID:IY41cBvn0o
白兎「じゃ、質問を変えましょう!」

男「お願い」

白兎「あなたは誰ですか?」

男「……男。多分、いや絶対にお前の言ってるアリスって奴じゃない筈」

白兎「…男さんですね?
じゃ、どうしてあの井戸の前に居たんです?」

男「飛び降りて死ぬつもりだったんだよ」

白兎「…へ?」
37:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:26:28 ID:H5eUe.tjLc
白兎「死ぬつもりだった…?」

男「…あぁ、したらいきなり誰かさんに後ろから突き落とされて
気づいたらここだ」

白兎「あぁ、私ですね!」

男「だろうな」

白兎「や!でも死なずにすんで良かったじゃないですか!」

男「人の話聞いてた?」
38: 名無しさん:2011/6/9(木) 22:29:41 ID:uo2scn7/PE
男「…こっちからも質問していいか?」

白兎「どうぞ?幾らでも答えますよ?」

男「ここは、何処なのかな?」

白兎「……」

少女は初めは質問の意味が分からないという顔をしていましたが

やがてその答えを見つけたようで

白兎「この世界は、アリスの創った『不思議の国』です!」

男「……」

こう、言いました
39:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:36:29 ID:AkYREPUZEc
男「……何となく、自分の置かれた状況が理解できた」

男「あの井戸はここに繋がってた訳?」

白兎「というより、私が一緒だったから此方に繋がったんですね」

男「…不思議の、国ね」

白兎「はい!素敵な所でしょ!?」

男「空も野原も気味悪い色してるんだけど?」

白兎「仕様です!」

男「どんな仕様だ」
40:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:38:52 ID:jea4yQfMpw
男「んで、アリスさんは何処なの」

白兎「…それが…」

男「……?」

白兎「見つからないんですよ、ね…」

男「見つからない?」

白兎「来なくなっちゃったんです
アリスが初めてこの国に来て…それ以来一度も…」

男「ふうん」

白兎「人事ですね…」

男「人事だからね」

白兎「むぅ…」

男「ちゃんと聞くから続けて」

白兎「……」
41:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:40:35 ID:DEPQDGNmG.
白兎「不思議の国は、アリスがいる事で成り立っています。存在しています」

白兎「この国はアリスを育てる為に存在するんだと、聞きました」

男「……」

白兎「でも、10年間以上肝心の彼女が居なくって…」

男「で、お前は探しに出てきてた訳か」

白兎「そういう訳です」
42:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:46:00 ID:tI7SKCVOJE
男「アリスを探しに行く必要ってあるの?」

白兎「へ!?」ガバッ

男「っ…急に大声出すなよ」

白兎「あ、す、すいません…!
で、でもアリスを探さなくて良いって…」

男「来ないなら来ないでいいだろ
そこまで執着する必要も…」

白兎「何言ってるんですか!?馬鹿ですか!?馬鹿なんですか!?」

男「言ってくれるじゃねぇか」
43:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:48:29 ID:uo2scn7/PE
男「アリスが居なくても
不思議の国は消える訳でもないんだろ?」

白兎「そんなことですか!
不思議の国も多大なるダメージを受けてますよ!」

男「例えば…?」

白兎「ん!」ビシッ

男「白兎の眼がどうした」

白兎「よく見て下さい!」

男「赤いな」

白兎「色は生まれつきです
ん!!」

男「ん!!じゃないよ分かんねーよ」

白兎「視力がどんどん落ちてるんですよ!!」

男「見ただけで分かるか馬鹿」
44:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:55:50 ID:AkYREPUZEc
白兎「さっき、この国はアリスを育てる為に存在するって言いましたね」

男「あぁ」

白兎「育てると言うのは、別に算数や英語を教える訳じゃありません」

男「道徳的な面を育てるとか?」

白兎「それも少し違いますね
アリスは生まれながらに不完全な存在です」
45:
◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:56:40 ID:C/EsOqUYxw
白兎「足りないそれらを不思議の国の住人が、アリスと遊ぶ事で人として作り上げる
ここは、その為の世界なんですって」

男「よく分かんないわ」

白兎「実際、細かい事は私も分かりませんがね!」

男「その自信に溢れた態度は何処から来てるんだ」
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