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白兎「アリス! 私達のアリス!」
[8] -25 -50 

1: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


166: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:33:37 ID:AkYREPUZEc
白兎「山鼠ちゃん!」

山鼠「ハッ…お…おっせぇから迎えに来てやったぞ…!」ゼェゼェ

白兎「うん…ごめん…ごめんね心配させちゃって…」

山鼠「糞怠い体に鞭打って走って来てやったんだ、感謝しろよ!」

男「せっかく来たとこ悪いけど、すぐに出てくよ?」

山鼠「畜生が!!」

167: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:39:31 ID:uo2scn7/PE
夫人「ふふ…身分を弁えなさぁい?
逃げられると本気で思っているの?」

夫人「城下町は私の家来達で溢れていると言うのに」

男「さぁ、その時はその時じゃないですか?
行くぞ白兎、山鼠」グイッ

白兎「あ、は…はい!」タッ

山鼠「ちょ…ちょっと、ちょっと待って…もう走れねぇ……」ヨタヨタ

夫人「…捕まえたら、三人とも一生奴隷としてこき使ってあげるわぁ」

男「ごきげんよう、公爵夫人!」


バタンッ!
168: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:43:54 ID:ayxDgaoNKQ
夫人「……」

執事「……御夫人」

夫人「……えぇ。勿論はったりよ?
城下町に家来だとか、逃げられないだとかは」

執事「…でしょうな」

夫人「すぐに町を出られるでしょうね
何なら、ショッピングをする余裕だってあるわ」

執事「…よろしかったのですか?」
169: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:50:43 ID:H5eUe.tjLc
夫人「よろしかったも何も、反抗された時点で私の負けよぉ?」

夫人「私にはあの子達を『束縛』する術は無いのだから」

執事「左様ですか」

夫人「……思ったよりも、必要な物だったのかしらねぇ」

夫人「今更後悔しても遅いのだけれど」

執事「……では、お仕事ですよ。準備なさって下さい」

夫人「……仕事という束縛から、私は解き放たれたの」

執事「問答無用です」
170: ◆AlicexxO96:2011/6/17(金) 00:14:09 ID:96TVUWlwC6
よし、今日はここまでと致します

>>155>>157
ふむふむなるほど
いやー恥ずかしいミスしましたふへへww

>>155さん可愛いらしい絵をありがとうございました!

>>157さんの絵も心底期待しております!
携帯の前で正座して待機してますねww

>>162
わーお!Cがいっぱい!
ありがとうございまするm(_ _)m


いひー…1日間が空いた分、結構多めの更新量になりました…
疲れた…w

それではまた明日お会いしましょう
グッナイです!
171: 名無しさん:2011/6/17(金) 19:19:49 ID:G8lHzL2u4M
C あげ
172:
◆AlicexxO96:2011/6/17(金) 22:48:53 ID:PmyquluLE6
>>171
支援ありがたし…

少ないですが更新します
173: 名無しさん:2011/6/17(金) 23:06:45 ID:PmyquluLE6
男「白兎!」

白兎「は、はいっ!」

男「無事だな?」

白兎「はいっ!」

男「よし、ならいい」

山鼠「…俺が…無事じゃないんだが…」ゼェハァ

白兎「大丈夫山鼠ちゃん?
わ、靴が汚れていらっしゃる!すぐに靴磨きの準備しますね!
あわわ…床が汚い…掃除しなきゃ…」イソイソ

男「それ床やない、地べたや」

山鼠「城での雑用がもう体に染み込んでるぞ」

男「これもう手遅れじゃね?」
174: 名無しさん:2011/6/18(土) 00:37:19 ID:nyGYlXK0JM
更新待ってました!
っC
175: 名無しさん:2011/6/18(土) 10:46:14 ID:H5eUe.tjLc
白兎「えへへ…ご迷惑お掛けしました…」

男「見事な出落ちっぷりだったな」

白兎「いやー…何故か公爵夫人の命令には逆らえなくてですね…」

男「あの人にとって束縛と自由は紙一重なんだよ
ああいうのは気の持ちようだ」

白兎「確かに無理矢理逃げられましたもんね」

山鼠「おかげで俺の頑張りは無駄になったがな……」ガックシ

男「街にももう戻れないしな」ガックシ

白兎「買い物に来ただけだったんですがねぇ……」ガックシ
176: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:00:47 ID:AkYREPUZEc
山鼠「口は災いの元だなホント」

白兎「ですね……」

男「で、これからどうすんの」

白兎「……そうですね、少々遠回りになりますが」

白兎「ここの城から北西に向かうと、川沿いの街があります」

男「川?」

白兎「はい。川です」

白兎「どちらにせよ、女王様の城に行くにはその川を渡らなければなりません」

男「ふうん」

白兎「少々歩く距離は、長くなりますがね」
177: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:03:41 ID:DEPQDGNmG.
男「因みに、女王様の城はどこにあるの」

白兎「そですね、向こうに大きな山があるの見えます?」

白兎「その手前に川があってですね…」

白兎「あの山を越えたさらに向こうに…」

男「まず山が見えない」

白兎「え!あれ山じゃないんです!?」

山鼠「山はこっちだぞ」グイッ

白兎「へ?あ、あれですね
あの山の向こうです」

男「結構白兎の目も重症だな」
178: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:07:02 ID:ayxDgaoNKQ
男「とりあえずその川沿いの街を目指す、でいいの?」

白兎「最悪野宿になるかもですが」

男「俺は昼間寝てたから構わんが」

白兎「でしたら早速向かいましょう
頑張れば、夜のうちに着くかも知れません」

山鼠「……なぁ」グイ
179: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:12:10 ID:ayxDgaoNKQ
白兎「どうかしましたか山鼠ちゃん?」

山鼠「…その…疲れた……」フラフラ

白兎「大丈夫?」

山鼠「…その…負ぶってくれたら嬉しいなぁ…なんて」

白兎「えー…私も結構疲れてますからね…」

山鼠「だよな、うん…頑張る…」

男「山鼠」ワキワキ

山鼠「ほざけ」

男「まだ何も言って無いのに」
180: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:34:37 ID:LoO8oquvnE
山鼠ちゃんいいわァ…
C
181: 名無しさん:2011/6/18(土) 21:22:14 ID:xmOAAvkvQo
山鼠ちゃん、かわいい。Cあげ!
182: 名無しさん:2011/6/18(土) 21:55:53 ID:C/EsOqUYxw
男「…それにしても」スタスタ

白兎「なんですか?」

男「気ん持ち悪い色だよな、この空」

男「夕方なのに紫色してるぜ」

白兎「まぁ、夜に黄色とかにならないだけマシですよ!」

男「明るくて寝れねえわな
な、山鼠」

山鼠「俺には関係ねぇ話しだろ」
183: 名無しさん:2011/6/18(土) 22:11:20 ID:C/EsOqUYxw
男「『色』を献上してるんだっけ?」

白兎「そうです
これが無いとアリスが見る世界が真っ暗になるらしいですよ」

山鼠「へぇ…」

男「確か、“例外”なんだよな
女王と同じ、だったか」

白兎「……はい」

男「…さっき女王の話しをしてた時、すげぇ夫人に食いついてたけど」

男「…何か、あったの?」

白兎「……」
184: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:17:19 ID:Sk5yLArqZw
白兎「……女王様の献上は、彼女の生死に関わる問題です」

白兎「……あれは、呪いです」

男「よっぽどなんだな」

白兎「それでも、国の人達の事を一番に考えてらっしゃるような方なんですよ」

男「そりゃ頭も下がるな」

白兎「はい。だから女王様を馬鹿にすると言うか
そういうのは本当に許せませんでしたので…」

男「あんなに怒っていたと」

白兎「はい…」

山鼠「……」

山鼠「(その場に居なかったから、話についていけねぇ…)」
185: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:19:23 ID:DEPQDGNmG.
白兎「あとですね…?
男さんが、井戸に落ちて死ぬつもりだったって」

男「あぁ、うん」

白兎「本当は、ああいうのも許せません」

男「はぁ」

白兎「あんなに頑張って生きながら、国を支えようとしてる人がいるのに」

白兎「さっさと自分で命を断とうなんて、何かズルいじゃないですか」

男「……」

白兎「理不尽な事を言っているのは承知してますよ」
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