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俺の唯一のクリスマスの思い出を聞いてくれ

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Part3
87 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 12:49:57.96 ID:zSAxXbQq0
「実はね、仕事やめたんだ。今はアルバイトしてるんだ。」
まぁそんなこともあるかな、と思って相槌をうちながら聞いていた。
「1と付き合っていた時はあんまり出さなかったんだけど、実は去年くらいからうつ病の症状がずーっとあったんだ。
頭が痛くなったり、やる気が起きなくなったり。。
でさ、あたしショップで働く前に○○(企業名)で働いていたの知ってるよね?
そこの職場やめちゃったのもうつ症状が原因だったんだ」と。

90 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 13:05:45.01 ID:zSAxXbQq0
確かに思い出してみればところどころにそのような雰囲気はあった。
けど当時俺の友達にもうつ病の友達はいたし、それと比べれば真奈美は全然元気だった。
「ショップはシフト制だったし時間の融通が効いたからよかったんだけど
春先にちょっと症状が重くなって。お店に迷惑もかけられないからやめちゃったんだ。」
と言っていた。
ちょうど俺が撃沈した頃だ。そんな風になっていたなんて知らなかった俺は必死で謝った。
「ああそんなことあったっけwいいよそんな謝らなくても」と言っていた。
それどころではないくらい辛かったそうだ。

91 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 13:12:03.49 ID:zSAxXbQq0
真奈美はその頃から病院に通いだした。
しかし医者の答えはいつも「軽いうつ症状」だった。
食欲も落ち、俺と付き合っていた頃より7〜8キロも体重が落ちたそうだ。
7月に入り、うつ症状はまた「頭痛」に変わっていったらしい。
季節の変わり目だからかと思っていたらしいが、医者や真奈美の親からセカンドオピニオンを勧められ、行ってきたそうだ。
その結果を今日聞いてきたとの事。

92 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 13:25:56.98 ID:zSAxXbQq0
結果「脳出血の疑い」だった。
疑いというレベルの軽度であったので、これから時間をかけて詳しく検査していくそうだ。
ただ場合によっては(病気の進行具合)によっては手術とかもありえるとの事。
正直、頭が真っ白になったそうだ。
ずっとうつ病だと思っていたのが脳の病気だったとは。
それに手術となれば髪の毛を全部剃らなきゃいけない。
不安で仕方なく、1に連絡してしまった。とカミングアウトされた。
真奈美はいつになく厳しい目をしていた。

94 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 13:31:54.65 ID:zSAxXbQq0
俺もいきなりのカミングアウトに驚いてしまった。
多分、俺が真奈美に頼られたはじめての瞬間だった。
俺は言葉が見つからず、「大丈夫だよ。」とだけ言った。
真奈美はまた笑顔になり
「だといいね!
今はフリーターで少し時間があるから、またどっかに連れてってね!」と言った。
真奈美の笑顔はちょっと切なかった。
真奈美はまたマイクを握り、柴崎コウの『かたちあるもの』を歌っていた。
凄く上手かった。
そのままカラオケで5時まで二人で眠ってしまった。


95 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 13:36:49.58 ID:zSAxXbQq0
翌朝。
夏の夜明けは早い。
カラオケを出るともう外は明るかった。
まだ始発まではちょっと時間があり、電車待ちの学生や若いお兄ちゃんお姉ちゃんが沢山いた。
俺と真奈美は眠い目をこすりながら、何となく駅とは反対方向へ散歩しに行った。
いつもの繁華街は中心部をちょっと離れるとまだ静かで、時々走る車のエンジン音がやたらとうるさく感じた。

96 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 13:49:27.02 ID:zSAxXbQq0
その街はお互いが好きな街だった。
真奈美は「あそこにある専門学校を受けようとした」とか「この辺に家借りようかな?高いかな?w」とか
散歩しながら話した。
俺も「ここの美容室に通ってた」とか「よく部活の試合でこの道歩いたんだ」と話した。
始発から少しした時間。6時くらいだったか。
俺と真奈美は駅で別れた。
真奈美は「今日はありがとう。また遊ぼうね」と言った。
俺は「おう!いつでも声かけてくれ!」と言って別れた。

98 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 13:56:56.54 ID:zSAxXbQq0
夏休みに入った。
俺は毎日真奈美のことを考えていた。
やっぱり真奈美の事が好きで好きで仕方なかった。
けど病気を懸念し、俺は自分の気持ちを隠した。
とにかく真奈美をフォローしようと。それだけを考えていた。
真奈美とまた遊ぶ日々が始まった。ちょうど真奈美と知り合って1年が経っていた。

99 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 14:03:22.69 ID:zSAxXbQq0
俺と真奈美がバイトが休みの時は必ずと言っていいほど遊んだ。
お互い元カレ、元彼女という微妙な感じだった。
それでも真奈美との日々は付き合っている時以上に充実した、意味のあるものだった。

100 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 14:16:55.73 ID:zSAxXbQq0
真奈美は俺の前では元気だった。
無理はさせないようにしていたけど、長時間のドライブとかもへっちゃらだった。
郊外のアウトレットとか、美味しいお店とか、とにかく走った。
真奈美も俺もドライブが相変わらず好きで、会うたびに新しいスポットを発見していった。
そして季節は秋へとなった。

102 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 14:30:56.46 ID:zSAxXbQq0
秋には真奈美の誕生日があった。
誕生日の直後、真奈美の検査がある事を知っていたので、
応援の意もこめて、真奈美にネックレスをプレゼントした。
その日はたまたま体調が優れないらしく、プレゼントだけを渡しにいった。
激しい秋雨がふる日だった。
雨の日は頭痛がひどいらしく、ちょっと辛そうだったが、真奈美は本当に喜んでいた。
俺はその日に無理をさせてしまったことを少し後悔した。
その日も帰りにメールをくれた。
「プレゼントありがとう。大切にするね」と。
真奈美と遊んだ日の帰り道は今も必ずメールをくれる。
いつも帰り道の国道のオービスあたりで真奈美からメールが届く。
付き合う前も、付き合ってた頃も、今もそれは変わらなかった。
真奈美は俺の彼女じゃなかったけれど、俺は毎日幸せだった。

101 :名も無き被検体774号+:2011/12/25(日) 14:29:34.10 ID:cmaEyqp20
これって今年の話?

103 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 14:35:37.32 ID:zSAxXbQq0
>>101
数年前だ
真奈美の誕生日の1週間後に検査があった。
結果は「1ヵ月後に再検査」だった。
検査の後、真奈美がちょっと不安になっている気がした。
そんなある日、真奈美と食事しているときに突然こんなことを言われた。
「結婚を考えている」と。

104 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 14:42:41.74 ID:zSAxXbQq0
俺は「えっ?」と思って状況を聞いた。
真奈美は続けて言った。
「別に今、結婚を考えている彼氏とかがいるわけじゃない。
けど正直、今の自分がどうすればいいのかわからない。
本当はあたしの脳が普通じゃないの、何となく自分でわかるの。
けど親にもこれ以上迷惑かけられないし、このまま働きたくてもアルバイトしかできないのは辛い。
そうしたらもう、私を支えてくれている人と結婚しかないのかなって。
今度、前の職場の人に紹介してもらう予定なんだ」と。

105 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 14:48:09.01 ID:zSAxXbQq0
真奈美が大好きだった俺は反論した。
「そういうもんじゃないだろ!
それって、好きでもない男と結婚するかもって話だろ?
そんなの幸せになれるはず無いじゃん!
好きな人と結婚したほうが幸せに決まってるだろ!」
と言った。
けど真奈美の答えは
「1には分からないよ・・・恋愛と結婚は別物だよ。」と言った。
俺は返す言葉が無かった。

106 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 14:54:50.93 ID:zSAxXbQq0
自暴自棄になっている真奈美がいた。
感情には出さなかったけど、言葉の節々で感じた。
俺はしばらく経ってからこれしかないと思って
「そんな事言うんだったら、俺と結婚しろよ。」
と真奈美に言った。
真奈美は衝撃だったみたいで、目を見開いて俺を見つめた。

108 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 15:02:22.63 ID:zSAxXbQq0
「でも1はまだ学生じゃん。。」と。
「確かに学生だ。けど本音を言えば俺は今すぐ結婚してもいいと思ってる。
実際に結婚が物理的に無理でも、そのくらいの気持ちはあるんだ。
けど俺たちは今は付き合っているわけじゃない。」
真奈美は黙って頷いた

109 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 15:09:49.66 ID:zSAxXbQq0
「正直本音を言えば真奈美と付き合いたいとも思うよ。
でも今、真奈美はそれを求めてないでしょ?」と
真奈美は何も言わなかった。
「今は無理かもしれない。気持ちが定まらないのも理解できないわけじゃない。
でも俺は真奈美のそばにやっぱりいたい。
俺は今、真奈美と付き合えなくてもいいから、まずはこの現状を二人で乗り越えよう。
その時に付き合うとか結婚とかを考えて欲しい。
もちろん俺なのか俺じゃないのかはその時の真奈美が決めることだけど」と言った。
真奈美は泣いていた。

110 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 15:13:30.17 ID:zSAxXbQq0
真奈美も理解があった。
「1は学生。私のこともいいけど、まずはちゃんと大学卒業してよね」と泣き笑いながら言った。
俺も「当たり前だよ!主席で卒業してやるよ!」と言った。
付き合うとか結婚とかの話はそれからしなかった。
帰り道、またいつものオービス付近でメールが来た。
「ありがとうね。嬉しかったよ。」と

111 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 15:19:17.59 ID:zSAxXbQq0
真奈美の誕生日の1ヵ月後、再検査があった。
長時間の検査で出てきた疑いは「脳ヘルニア」というものだった。
生まれつき血管が脆く、この状態になるまで殆どの人が気づかないらしい。
その報告をしてくれたのはちょうどある湖へドライブしにいってたときの事だった。


112 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 15:23:58.13 ID:zSAxXbQq0
その日はもう冬が近い日だった。
12月に入ってから検査入院すると伝えられた。
いつもは日帰り検査だったから、検査入院となったことがびっくりだった。
「前言ってたとおり、髪の毛全部剃っちゃうかも。
そうしたらもう1とは会えないね。」と言っていた。
「大丈夫、大丈夫だよ」としか言えなかった。
湖付近の空気はとても澄んでいて、気持ちが良かった。
そして真奈美を家まで送って帰り、いつものオービス付近でやっぱりメールが来た。

114 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 15:31:30.41 ID:zSAxXbQq0
「今日はありがとう!美味しい空気が吸えていい気分転換になったよ。
検査入院、頑張ってくるね。退院したらまた遊ぼう」
と言う内容だった。
俺も「辛くなったらいつでも俺に言えよ。
頑張らなくていいんだから。
真奈美が頑張ることが辛かったらいつでも俺に言ってくれ。
その時は変わりに俺が頑張るから」と伝えた。

113 :南進:2011/12/25(日) 15:30:54.66 ID:skDuY5eh0
>>104
けど親にもこれ以上迷惑かけられないし、このまま働きたくてもアルバイトしかできないのは辛い。
そうしたらもう、私を支えてくれている人と結婚しかないのかなって。
その考えがよくわからん。

115 : ◆oqXRTXh2QY :2011/12/25(日) 15:35:18.79 ID:zSAxXbQq0
>>113
自暴自棄だったから。
あと彼女は事情があって親と不仲で、手術とか検査とか極力親に負担をかけたくないっていうのをしきりと言ってた。
とにかく彼女の親を「ないもの」と思いたかったらしい。

120 :名も無き被検体774号+:2011/12/25(日) 16:40:55.34 ID:icbPhioW0
続きが気になふ

121 :名も無き被検体774号+:2011/12/25(日) 17:15:18.34 ID:yczYm6YJ0
エエ話やないか 続き期待してるで

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