老人ホームで天才爺さんと元893に出会った話
高卒ニートがなんとなく始めた介護の仕事。その施設で出会った二人の老人との日々。それは彼にとってかけがえのない大切な経験になった。
1 :名無しさん@おーぷん:2015/06/02(火)19:24:50 ID:daG
俺は高校出たあとニートしてたんだが、このままじゃいかんと思って介護の専門学校に通った
介護の実習である施設にいくことになった
俺は成績がいい方だったから、一人で遠くの施設に行かされたんだ
そこでこの二人の爺さんと出会った
3 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:27:05 ID:daK
期待
4 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:29:56 ID:daG
初日は施設の見学と挨拶で終わったんだけど、最後に利用者さんに自己紹介しに行ったんだ
皆さんが揃って、俺がどもりながら自己紹介するのを聞いててくれたんだが、二人だけ集まりには参加せずに窓の外を見てた
だから帰り際に軽く会釈しながら通り過ぎたんだが、やっぱり実習生がいきなり行っても歓迎してくれる人ばっかりじゃないよなと落ち込んでた
そしたら施設の方が「Aさんは少し難しい方で、Bさんは失明されてるから、>>1くんのせいじゃないよ」と言ってくれた
6 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:32:27 ID:daK
施設の方いい人だな
良く気がまわるかんじ
7 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:33:20 ID:daG
Aさんは確かに大柄で強面、近寄りがたい雰囲気だった
Bさんは反対にとても細身な方だった
でも、二日目から様子を見ていると、いつもこの二人は一緒に過ごされていると気がついた
どうやら寝室も同部屋らしかった
それとなく耳を傾けてみたんだが、特に何を喋るでもなく、テレビの相撲を見ながらAさんがボソボソっと話すのを、Bさんが頷いて聴いてるくらいだった
8 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:37:03 ID:daG
Aさんは片麻痺っていって、体の半分が固まって動きにくくなっていた
それで、装具をつけて毎日リハビリ室でリハビリをしていた
ある日、俺がAさんを車椅子を押してリハビリ室まで送ることになったんだが、行き帰りでぽつぽつ話してくれた
「俺、6回入ってるからさ」「6回目でムショん中で倒れて、そっから医療刑務所行ったんだ」「そん中じゃリハビリやんねえからさ、こんなんになっちまった」
喋り方はドスが効いてて怖かったけど、「ありがとな学生さん」ってにやっと笑ってくれたのはかっこよかったな
9 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:39:06 ID:daK
差し支えない範囲でABくわしく
(主、Aさん、Bさんの個人情報とかに触れない範囲で良いんで)
10 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:41:12 ID:daG
Aさんがリハビリに行っている間、Bさんはぽつんと一人で座ってらした
お茶が出て、俺が手に渡したりしすると、Bさんは毎回律儀に頭を下げてくれた
施設の方が、「Bさんは〇大出身の超エリートだったんだよ」と教えてくれた
頭いい大学っていったら誰もが思い浮かべる大学だ
Bさんは照れたように俯いていた
>>9
Aさん→元やーさん
Bさん→超エリート、今は失明して目が見えない
11 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:43:07 ID:daG
お風呂の時間、AさんとBさんはいつも最後だった
その理由は、ある日突然わかった
施設の方が「覚悟してね」と一言
Aさんの背中には大きな彫り物があった
目の見えないBさんだから、一緒に入れるということだった
12 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:47:20 ID:daG
お風呂の中では、物静かなBさんも少し饒舌だった
やっぱりお風呂ってリラックスできるんだろうな
たしか、Aさんに俺が高校で数学が苦手だった話をしたら、Aさんが「俺は九九も言えない」と笑ったんだったと思う
そしたらBさんがとても難しい数学の話をしたんだ
Aさんが「学生さん、この爺さんの言ってること訳してくれや」って笑ってたのが懐かしい
13 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:49:38 ID:3Zx
>>11
別に最後である必要をあんまり感じないんだが
14 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:54:27 ID:daG
俺の実習の課題で、利用者の皆さんとレクレーションのようなことをしなければならなかった
なるべく全員に参加していただきたいと思ったん
いつも歌や体操の時間に参加していないAさんやBさんにもなんとか参加して欲しくて、頼み込んだ
Aさんが「学生さんの頼みならしゃあない」と言ってくれて、Bさんも「頑張ってください」と言ってくれた
>>13
本当は介助の必要度によって分けて入るんだけどね
周りの方が刺青を見るのは、っていう配慮があったみたい
実際、Aさんは夏の暑いときでも長袖のシャツを着てた
15 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:56:42 ID:3Zx
>>14
なるほどね
Aさん周りの人のこと考えてていい人にみえる
16 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:58:15 ID:daG
皆さんの前で指示を出すのは緊張したが、Aさんが茶化しながら率先してやってくれて、救われた
AさんやBさんは、周りから遠巻きに見られてる感じがしたんだけど、この時は輪の中に溶け込んでる感じがした
後で施設の方に「>>1くんお手柄だよ!」と褒められていい気になった
実習の最後2日くらいはレポートを書くのであまり利用者さんと関わることはなくて、あっという間に最終日になった
17 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:03:32 ID:daG
皆さんの前で実習のお礼の挨拶をした
初日にそっぽを向いてたAさんが、にやっと笑って頷いてくれた
Bさんも、一生懸命耳を傾けてくださっているようだった
泣いた
最後にどうしてもとお願いして、AさんBさんのお部屋にご挨拶に伺った
すると、AさんとBさんが一羽ずつ鶴の折り紙を手渡してくれた
Aさんが「俺は片手だし、こいつは見えないしで下手っくそになっちまったけどよ」って
泣いた
施設の方が「お二人で話し合って作られたんですもんね」と言うと「やい、言うな!」とAさんが照れた
また泣いた
ちなみにこの鶴、今でも実家の机の上に飾ってある
18 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:06:40 ID:daG
あとあと聞いたら、施設の方も鶴を折るのを手伝ってくださったみたいで、
「>>1くんに何か作ってやろうって張り切ってたのよ」と教えてくださった
そのあと、なんとか専門学校を卒業して介護の仕事に就いた俺は、その実習先の病院に挨拶に行った
実習の時よくしてくださった施設の方もいらした
19 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:07:50 ID:daG
1年半くらい経っていたけれど、施設の様子は変わっていなかった
ただ、言いにくそうに、悲しそうに施設の方が「Bさんね」と言った
Bさんは俺が挨拶に行く2ヶ月前に亡くなったそうだった
20 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:14:06 ID:daG
Aさんはどうしてるのだろう、と気になった
俺が実習でいた期間、少し周りと打ち解けあわれた感じはしていたけれど、それでもまだBさんと二人きりの時間が多かったし
Aさんはあの部屋に一人でいらした
でも、想像してたよりずっと明るく迎えてくださった
「まあ、俺もじき追っかけていくからよ」と、笑っていいのかわからない冗談を言っていた
久しぶりにAさんの車椅子を押させていただき、皆さんが集まっているところにお連れしたら、「Aさんおはよう!」とお婆さん方が出迎えてくれた
Aさんはすっかり施設の人気者になっていた
21 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:17:11 ID:daG
周りのお爺さん方からは「親分!」と呼ばれていた
認知症のお婆さんのエンドレス会話に「それさっきも聞いたわ!w」と突っ込みを入れながらも根気よく聞いていた
その日初めて来られたであろう利用者さんにも、声をかけていた
うるっときながら、俺は施設の方に「そろそろ帰ります」とこっそり帰ろうとした
すると、「学生さん!」とAさんに呼び止められた
22 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:20:52 ID:daG
「やだなあ、僕もう学生じゃないんですよ」と言うと、「おおそうか、すまんすまん」とAさんは自分で車椅子を操作しながらこっちに来ようとした
慌てて近づくと、「兄ちゃん、頑張れよ。あの爺さんも応援してたぞ。やりたいことやれよ、どんな生き方したって、結局は同じところに行くんだからよ」と耳打ちされた
うんうん頷きながら、泣かないように必死だった
施設を出て、車に乗ってから思い切り泣いた
24 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:24:08 ID:BBO
どこが天才なん
25 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:26:11 ID:daG
その後、俺は介護の仕事をしばらくしたあと別の仕事に就いた
Aさんに言われたとおりに、やりたいことをやっている
Bさんのように勉強が出来るわけじゃないけれど、少しでも物事を知れるように今でも日々勉強の毎日だ
>>24
俺の書き方が下手で伝わらなかったかもしれない、あるいは天才って書き方がよくなかったな超エリートにしとけばよかった
数学の話以外にも難しい話をいっぱいしてくれたんだ
Bさんがしてた仕事の話とか、すごかったよ
26 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:27:36 ID:daG
あの時の実習の日々、AさんとBさんとの日々は俺の人生に大きく影響してると思う
これからも何かあるたびに支えとなってくれると思う
おわり
27 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:28:33 ID:Rt2
Bさんがしてた仕事の話気になる
28 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:33:44 ID:daG
>>27
海外によく行く仕事とだけ
29 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:54:41 ID:mvQ
>>1の人柄が良いのが分かる
きっと将来その二人のように、誰かの支えになる人になるんだろうな
30 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:23:28 ID:JET
いい話
Aさんの言葉が心にきた
話の流れ的に、AさんももうBさんのところに行かれたのかな
31 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:36:26 ID:0th
いい話だなー>>1は今何してるんだ
32 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:38:36 ID:daG
>>29
そうなれるように頑張るよ
>>30
うん、Aさんはもうお亡くなりになってるよ
>>31
資格を取って、介護ではないけれど施設に関わるような仕事をしてるよ
ではこれで去ります
聞いてくれてありがとうございました
33 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:45:37 ID:daK
お疲れ
俺は高校出たあとニートしてたんだが、このままじゃいかんと思って介護の専門学校に通った
介護の実習である施設にいくことになった
俺は成績がいい方だったから、一人で遠くの施設に行かされたんだ
そこでこの二人の爺さんと出会った
3 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:27:05 ID:daK
期待
4 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:29:56 ID:daG
初日は施設の見学と挨拶で終わったんだけど、最後に利用者さんに自己紹介しに行ったんだ
皆さんが揃って、俺がどもりながら自己紹介するのを聞いててくれたんだが、二人だけ集まりには参加せずに窓の外を見てた
だから帰り際に軽く会釈しながら通り過ぎたんだが、やっぱり実習生がいきなり行っても歓迎してくれる人ばっかりじゃないよなと落ち込んでた
そしたら施設の方が「Aさんは少し難しい方で、Bさんは失明されてるから、>>1くんのせいじゃないよ」と言ってくれた
6 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:32:27 ID:daK
施設の方いい人だな
良く気がまわるかんじ
7 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:33:20 ID:daG
Aさんは確かに大柄で強面、近寄りがたい雰囲気だった
Bさんは反対にとても細身な方だった
でも、二日目から様子を見ていると、いつもこの二人は一緒に過ごされていると気がついた
どうやら寝室も同部屋らしかった
それとなく耳を傾けてみたんだが、特に何を喋るでもなく、テレビの相撲を見ながらAさんがボソボソっと話すのを、Bさんが頷いて聴いてるくらいだった
Aさんは片麻痺っていって、体の半分が固まって動きにくくなっていた
それで、装具をつけて毎日リハビリ室でリハビリをしていた
ある日、俺がAさんを車椅子を押してリハビリ室まで送ることになったんだが、行き帰りでぽつぽつ話してくれた
「俺、6回入ってるからさ」「6回目でムショん中で倒れて、そっから医療刑務所行ったんだ」「そん中じゃリハビリやんねえからさ、こんなんになっちまった」
喋り方はドスが効いてて怖かったけど、「ありがとな学生さん」ってにやっと笑ってくれたのはかっこよかったな
9 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:39:06 ID:daK
差し支えない範囲でABくわしく
(主、Aさん、Bさんの個人情報とかに触れない範囲で良いんで)
10 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:41:12 ID:daG
Aさんがリハビリに行っている間、Bさんはぽつんと一人で座ってらした
お茶が出て、俺が手に渡したりしすると、Bさんは毎回律儀に頭を下げてくれた
施設の方が、「Bさんは〇大出身の超エリートだったんだよ」と教えてくれた
頭いい大学っていったら誰もが思い浮かべる大学だ
Bさんは照れたように俯いていた
>>9
Aさん→元やーさん
Bさん→超エリート、今は失明して目が見えない
11 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:43:07 ID:daG
お風呂の時間、AさんとBさんはいつも最後だった
その理由は、ある日突然わかった
施設の方が「覚悟してね」と一言
Aさんの背中には大きな彫り物があった
目の見えないBさんだから、一緒に入れるということだった
12 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:47:20 ID:daG
お風呂の中では、物静かなBさんも少し饒舌だった
やっぱりお風呂ってリラックスできるんだろうな
たしか、Aさんに俺が高校で数学が苦手だった話をしたら、Aさんが「俺は九九も言えない」と笑ったんだったと思う
そしたらBさんがとても難しい数学の話をしたんだ
Aさんが「学生さん、この爺さんの言ってること訳してくれや」って笑ってたのが懐かしい
13 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:49:38 ID:3Zx
>>11
別に最後である必要をあんまり感じないんだが
14 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:54:27 ID:daG
俺の実習の課題で、利用者の皆さんとレクレーションのようなことをしなければならなかった
なるべく全員に参加していただきたいと思ったん
いつも歌や体操の時間に参加していないAさんやBさんにもなんとか参加して欲しくて、頼み込んだ
Aさんが「学生さんの頼みならしゃあない」と言ってくれて、Bさんも「頑張ってください」と言ってくれた
>>13
本当は介助の必要度によって分けて入るんだけどね
周りの方が刺青を見るのは、っていう配慮があったみたい
実際、Aさんは夏の暑いときでも長袖のシャツを着てた
15 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:56:42 ID:3Zx
>>14
なるほどね
Aさん周りの人のこと考えてていい人にみえる
16 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:58:15 ID:daG
皆さんの前で指示を出すのは緊張したが、Aさんが茶化しながら率先してやってくれて、救われた
AさんやBさんは、周りから遠巻きに見られてる感じがしたんだけど、この時は輪の中に溶け込んでる感じがした
後で施設の方に「>>1くんお手柄だよ!」と褒められていい気になった
実習の最後2日くらいはレポートを書くのであまり利用者さんと関わることはなくて、あっという間に最終日になった
17 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:03:32 ID:daG
皆さんの前で実習のお礼の挨拶をした
初日にそっぽを向いてたAさんが、にやっと笑って頷いてくれた
Bさんも、一生懸命耳を傾けてくださっているようだった
泣いた
最後にどうしてもとお願いして、AさんBさんのお部屋にご挨拶に伺った
すると、AさんとBさんが一羽ずつ鶴の折り紙を手渡してくれた
Aさんが「俺は片手だし、こいつは見えないしで下手っくそになっちまったけどよ」って
泣いた
施設の方が「お二人で話し合って作られたんですもんね」と言うと「やい、言うな!」とAさんが照れた
また泣いた
ちなみにこの鶴、今でも実家の机の上に飾ってある
18 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:06:40 ID:daG
あとあと聞いたら、施設の方も鶴を折るのを手伝ってくださったみたいで、
「>>1くんに何か作ってやろうって張り切ってたのよ」と教えてくださった
そのあと、なんとか専門学校を卒業して介護の仕事に就いた俺は、その実習先の病院に挨拶に行った
実習の時よくしてくださった施設の方もいらした
19 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:07:50 ID:daG
1年半くらい経っていたけれど、施設の様子は変わっていなかった
ただ、言いにくそうに、悲しそうに施設の方が「Bさんね」と言った
Bさんは俺が挨拶に行く2ヶ月前に亡くなったそうだった
20 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:14:06 ID:daG
Aさんはどうしてるのだろう、と気になった
俺が実習でいた期間、少し周りと打ち解けあわれた感じはしていたけれど、それでもまだBさんと二人きりの時間が多かったし
Aさんはあの部屋に一人でいらした
でも、想像してたよりずっと明るく迎えてくださった
「まあ、俺もじき追っかけていくからよ」と、笑っていいのかわからない冗談を言っていた
久しぶりにAさんの車椅子を押させていただき、皆さんが集まっているところにお連れしたら、「Aさんおはよう!」とお婆さん方が出迎えてくれた
Aさんはすっかり施設の人気者になっていた
21 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:17:11 ID:daG
周りのお爺さん方からは「親分!」と呼ばれていた
認知症のお婆さんのエンドレス会話に「それさっきも聞いたわ!w」と突っ込みを入れながらも根気よく聞いていた
その日初めて来られたであろう利用者さんにも、声をかけていた
うるっときながら、俺は施設の方に「そろそろ帰ります」とこっそり帰ろうとした
すると、「学生さん!」とAさんに呼び止められた
22 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:20:52 ID:daG
「やだなあ、僕もう学生じゃないんですよ」と言うと、「おおそうか、すまんすまん」とAさんは自分で車椅子を操作しながらこっちに来ようとした
慌てて近づくと、「兄ちゃん、頑張れよ。あの爺さんも応援してたぞ。やりたいことやれよ、どんな生き方したって、結局は同じところに行くんだからよ」と耳打ちされた
うんうん頷きながら、泣かないように必死だった
施設を出て、車に乗ってから思い切り泣いた
どこが天才なん
25 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:26:11 ID:daG
その後、俺は介護の仕事をしばらくしたあと別の仕事に就いた
Aさんに言われたとおりに、やりたいことをやっている
Bさんのように勉強が出来るわけじゃないけれど、少しでも物事を知れるように今でも日々勉強の毎日だ
>>24
俺の書き方が下手で伝わらなかったかもしれない、あるいは天才って書き方がよくなかったな超エリートにしとけばよかった
数学の話以外にも難しい話をいっぱいしてくれたんだ
Bさんがしてた仕事の話とか、すごかったよ
26 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:27:36 ID:daG
あの時の実習の日々、AさんとBさんとの日々は俺の人生に大きく影響してると思う
これからも何かあるたびに支えとなってくれると思う
おわり
27 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:28:33 ID:Rt2
Bさんがしてた仕事の話気になる
28 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:33:44 ID:daG
>>27
海外によく行く仕事とだけ
29 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:54:41 ID:mvQ
>>1の人柄が良いのが分かる
きっと将来その二人のように、誰かの支えになる人になるんだろうな
30 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:23:28 ID:JET
いい話
Aさんの言葉が心にきた
話の流れ的に、AさんももうBさんのところに行かれたのかな
31 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:36:26 ID:0th
いい話だなー>>1は今何してるんだ
32 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:38:36 ID:daG
>>29
そうなれるように頑張るよ
>>30
うん、Aさんはもうお亡くなりになってるよ
>>31
資格を取って、介護ではないけれど施設に関わるような仕事をしてるよ
ではこれで去ります
聞いてくれてありがとうございました
33 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)21:45:37 ID:daK
お疲れ
感動系の人気記事
感動・ほっこり短編シリーズ
→記事を読む
あは。いっぱいします?
貧しくツラい環境の中でも健気に前向きに暮らす彼女と、その彼女を時には兄のように時には彼氏として温かく包み込むように支える主人公。次々におこる悲しい出来事を乗り越える度に2人の絆は深まっていき…、読んでいくと悲しくて、嬉しくて、涙が滲み出てくるお話しです。
→記事を読む
クズの俺が父親になった話
結婚して子供が生まれても、働かずに遊び回り家にも帰らない、絵に描いたようなクズっぷりの>>1。しかし、ある日のこと、子供を保育園に迎えに行かなければならない事情を抱えるところから全てが始まる……。親と子とは何か? その本質を教えてくれるノンフィクション
→記事を読む
今から何十年も開かずの間だった蔵を探索する
よくある実況スレかと思いきや、蔵からはとんでもない貴重なお宝が…!誠実な>>1と彼を巡る奇跡のような縁の数々。人の縁、運命、命について考えさせられ、思わず涙するスレです
→記事を読む
妹の結婚が決まった
両親を亡くし、男手一つで妹を育て上げてきた兄。ついに妹が結婚し、一安心したところに突然義母から「元々妹なんて存在しなかったと思ってくれ」という連絡を受けてしまう。失意のどん底に居た兄を救う為、スレ民が立ち上がる!
→記事を読む
急に色々気づいたら、死にたいって思った
積もり積もって七転び八起き◆3iQ.E2Pax2Ivがふと考えついたのが 「死にたい」 という気持ち。そんな中、一つのスレが唯一の光を導き出してくれた。書き込みしてくれる奥様方、なにより飼い猫のチャムちゃん。最後にはー‥七転び八起きとはまさにこのこと。
→記事を読む
番外編「I Love World」
→記事を読む
昨日、嫁の墓参りに行ってきた
>>1と亡き嫁、そして幼馴染みの優しい三角関係。周りの人々に支えられながら、家族は前に進む。
→記事を読む
介護の仕事をしていた俺が精神崩壊した話
介護とは何か。人を支えるとは何か。支えられるとは何か。色々考えさせるスレでした。
→記事を読む
過去の自分に一通だけメールを送れるとしたら
永遠に戻ってくれない時間。それでも、、
→記事を読む