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医者と会長に生かされた話しをする

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Part2
74 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 16:03:17.30 ID:XJZmyDoz0
朝は5時に起きて朝食を準備した。
5時半にはおじさまも起きてきて、目一杯私の体調を気にしたあと、ウォーキングに出掛けられた。
和食と洋食はどちらが良いか尋ねそびれたので、どちらも用意した。
IHの三口コンロを使ったのは初めてだったが、こんなに便利なのかと感動した。
散々お世話になっといて、こんなことしか恩返し出来ていない自分に嫌気がさした。

75 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 16:13:36.19 ID:XJZmyDoz0
6時半頃、おじさまが帰ってきて、シャワーに向かった。
A君も着替えてリビングにやってきた。
「ご飯、先生が作ったんですか?!もっと寝てて良かったのに…」
「こんなことしか出来ないからさ。A君、昨日のアロマありがとう。快眠だったよ」
「よかった、何の香りにしました?」
「グリーンティー。グリーンティーって香りがあるんだねぇ」
そうでしょ、とA君は嬉しそうに頷く。
「先生、あれ、あげます」

76 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 16:20:10.84 ID:XJZmyDoz0
ダメだよ、といいかけるより先にA君が言う。
「あれ、少し前に先生の為に買ったんです」
お年玉で情けないですけどね、とA君が笑う横でそういえば、と思い出す。
あれ、新品だったような…
「先生に教えてもらい始めて、成績伸びたんです。父にも誉められました」
「あれだけ努力できるんだから私の力なんて微量すぎるよ」
「あれだけ努力してたのに今まで分からなかったんです、先生のお力でしょう?感謝して当然です!」
うっ、と息詰まる。
この子は人を丸め込む天才なんじゃないか。

77 :名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 16:43:55.08 ID:e1d5q4w20
Aめっちゃいい子だな
やっぱり育ちが良いからか…

78 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 17:06:19.55 ID:XJZmyDoz0
その日は10時からバイトがあったので、朝食に箸をつけないうちに帰宅の準備をした。
おじさまにもお礼を言いたかったが、噂通りおじさまの朝風呂は長い。
仕方ないので置き手紙をして家を出た。
駅まで送ってくれたA君は、ずっと「如何に朝食が美味しかったか」を語ってくれたので、気恥ずかしかった。
電車に乗って、戴いたアロマの箱を見つめる。
そういえ、10万円頂いても、こんな小洒落たものを買う発想に至らなかった。というか、相変わらず余裕はない。
自分の世界に全く違う色が加わっていく。
それが斬新で嬉しかった。


82 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 22:38:55.94 ID:lGcH2YLK0
倒れて以来、自己嫌悪が脳内で犇めくようになった。
もう全て投げ出したい。
何もかもを捨てて旅でもできたら、と憧れを抱くようになった。
一週間も経たない内に、会長から書類が沢山送られてきた。
文章とは、小説だったり、エッセイだったり、論文だったりとジャンルはバラバラだった。
共通して、あまり文章量が多くないことに気付いたのは、それらを一週間余りで訳し終えた時だった。

83 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 22:56:22.54 ID:lGcH2YLK0
やりきった後の達成感は私を元気付けた。
データを送ると、秘書の方から
「会長が非常に喜んでいらっしゃいました」と連絡がきた。
宗教のおばさんに言われた、
「あなたはなにも出来ない」
その言葉がずっと心に残っていたらしい。
私でも誰かの役に立ったじゃないか。
もう少し頑張ってみよう。
単純だけど心からそう思えた。

84 :名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 22:57:32.73 ID:aa0bb/6U0
見てるよ

85 :名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 23:21:57.10 ID:8b13KIJZ0
続きはよ

86 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 23:24:02.12 ID:lGcH2YLK0
嬉しいです、ありがとう。
会長からの給料は相変わらず破格で、何だか済まない気持ちだった。
その後、お陰で免許を取ることが出来た。
それから少し経った頃。
樹木の葉は紅く変化し始めただろうか。
「先生、父が倒れたんです」
「こんな時間に非常識なのは承知しています、すみません」
深夜にA君からの連絡を受けた。

87 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 23:32:44.84 ID:lGcH2YLK0
飛び上がって、翌朝の授業の準備、財布、携帯を持ってタクシーで病院に駆け付けた。
紹介がないと入れないという大きな総合病院のロビーに、A君は佇んでいた。
「意識はあるみたいです、今原因を調べているようで」
流石に心細かったのか、落ち着きがない。
「…医者にかかっているからもう大丈夫だよ、安心して待とう。一緒にいるから」
こんな言葉がやっとだった。

89 :名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 23:51:37.19 ID:JSKnzQxGO
医者も会長もバツイチ?

90 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 01:10:08.29 ID:XFpwgiwB0
面白いので保守

92 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 02:38:18.58 ID:YI1wbszN0
会長さんの奥様はご健在でした。
おじさまの奥様はずっと昔にお亡くなりになったそうです
保守ありがとうございます
「医者でも医者にかかるんですよね」
A君は当然か、というように項垂れる。
先述の通り彼には母親がいない。
唯一無二の肉親だ、と聞いていた。
深夜のロビーで二人、ただ待つほかなかった。

93 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 03:57:10.54 ID:Os9bEXgN0
どれくらいの時間が経ったのか。
意識しない内におじさまの担当医とおぼしき男の人がA君を呼び出した。
戻ってきたA君を前にして、病状は聞けなかった。
「暫く入院だそうですが、ひと安心と言ったところです。呼び出してすみません」
あまりにも気丈に振る舞うから子供扱いをするのは気が引けた。
「いいよ、寧ろお世話になってきたから今度こそは私が手伝いたい。何か出来ないかな」
これならきっと彼の自尊心を傷付けないだろう。
「先生」
少し考えて彼は答えた。
「じゃあ家事を手伝ってくれませんか?」

106 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 14:10:04.13 ID:Y/WmB/Y+0
保守ありがとうございます(´;ω;`)
「僕の家母がいないから少しでも手伝っていただけたら嬉しいです」
A君は続ける。
「ダメならいいんですが、父の様子も部活もあるので全部は…。バイトって形でいいから住み込みでお願いしたいんです」
「全然構わないよ、無償で」
大学もあらゆるバイト先もA君の家からの方が近かった。
今まで一時間半かけて実家から大学に通っていたから、好都合な提案だった。
何より、恩返しが出来る気がした。

107 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 14:13:13.04 ID:EMjG6zYx0
無理ないペースでいいから、と思いつつ、待ってた。

108 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 14:22:00.31 ID:XwVms9eDO
なんかスレタイにA君抜けてるぞ
良スレだな

109 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 15:57:00.88 ID:Y/WmB/Y+0
ありがとうございます(`;ω;´)
A君、迷いました;
大学から帰宅して、着回せそうな服と簡単な荷物をキャリーバッグに詰めて出発した。
無意識でアロマも持っていた。
会長からの仕事も怠らないようにノートパソコンも持った。
入学時に「大学生なら要るでしょう」と唯一買って貰った宝物だ。
家に着くとA君は既に帰宅していた。
「これ、鍵です。先生の部屋は以前使って頂いたところでいいですか?必要そうなものは置いておきましたが他にあれば何でも仰って下さいね。あ、22時以降は用事があれば電話しますね。荷物運ぶの手伝います」
捲し立てたのは彼なりの気遣い。
くすりと笑った。
「これ、持ってきてくれたんですね」

111 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 17:30:19.49 ID:9nxepsWuO
全力で支援


112 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 17:38:46.74 ID:bRpoUJbJ0
入院中の俺も、まったりと見て
支援してます

113 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 17:50:27.41 ID:iwjkvkSTO
続きはよ

115 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 18:14:39.33 ID:x9NVCMyQ0
ありがとうございます
焦らしたくないのですが文才なくこの様ですみません(;ω;`)
アロマは、私の中の違う世界の象徴だと思った。
今までの生活を変えられるような気分になる。
今までの生活が嫌いな訳ではない。
でも、周りの子達のように少しでいいから自分のために思いっきり時間を遣ってみたい。
そんな、誰にも言えない内に秘めたモヤモヤを形成したようなお守り。
もう少し頑張って、頑張った先でこの生活を必ず変えてみせる。
アロマを焚くとそういった不思議な気持ちになった。
A君とおじさまに与えて貰った勇気だ。
ここでの生活は手を抜くことなく尽くそう。
そう決意してゲストルームに入った。

117 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 18:26:07.30 ID:f6tDCkw1O
>>115
かーらーのーオナニー

119 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2012/01/15(日) 18:28:15.77 ID:C7Mrhjl+0
>>117
なのにテメーだけは許さねー!

116 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 18:23:35.79 ID:Hp34OuR+O
今まで苦労の中、真面目に生きてきたから
こういう人達と出会うことが出来たんだろうね。
自分にはあり得ない世界だわ・・・

118 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2012/01/15(日) 18:27:08.33 ID:C7Mrhjl+0
最近、胸糞悪いスレばかり見ていたから心が洗われるような気分だ。

121 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 18:57:30.51 ID:x9NVCMyQ0

読んでくれてありがとうございます!
改めて見渡すと、部屋には学習机の上にデスクトップのパソコン、テレビ、ベッド、ソファーと文句のつけようがない家具が揃っていた。
荷物を整理すると時刻は17時を指していた。
A君はお見舞いなのか、出掛けて居なかった。
私もお見舞いに行きたかった。
が、血の繋がりのない自分がしゃしゃりでるのはな、と思い留まっていた。
まだ暫くは安静にしていないといけない筈だ。気を遣わせるわけにはいかない。
お風呂の掃除と準備を済ませて夕食作りに取り掛かった。
レストランのようには無理だけど、ハンバーグとサラダ、コーンスープを作った。工程が簡単だったからすぐ終わった。
ハンバーグが焼ける頃にA君が帰宅した。

120 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 18:50:29.54 ID:vKdDUwtO0
本当にこんな真面目で素直な人っているのかなぁ・・
>>1の心の中には黒い部分、例えば他人の失敗を非難する所とかない?

122 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 19:11:18.86 ID:x9NVCMyQ0
>>120
非難する余裕がなかったんです。
自分のことで必死で、他人に構ってられないというか。
ものが無いのは当たり前、他人と自分は違うって早い段階で気付いていたから羨むこともなかったです。
今思えば諦めに近いですね。

123 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 20:02:08.14 ID:x9NVCMyQ0
「やっぱり>>1さんに頼んで良かったです」
夕食を食べながらA君が言う。
「本当はお手伝いさんを頼もうと思ってたんですけど打ち解けていない人が家をうろうろするのに抵抗があって」
人懐こい印象のA君からそんな言葉が出るのは意外だった。…思春期だし当然か。
「家庭教師、今まで通り教えてくれますか?家事頼んでいるから何か頼みすぎてるような」
「えっ、どんどん頼ってほしいよ。今まで通り頑張ろう!」
君なら私が居なくてもやれそうだ、とは口にしない。
「典型的だけど、やっぱり僕医者を目指そうと思います。これからもご指導宜しくお願いします」
良い子だな。本当に良い子だ。
「A君家のような家庭でも幸せだっただろうな 」
ポツリと本音がでた。

124 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 20:22:01.75 ID:8Xn6Kin90
やばい。
かなりの良スレだ…

125 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 20:44:57.77 ID:x9NVCMyQ0
読んでくれて嬉しいです
「父が、"この家を自分の家だと思ってほしい"と言っていました。僕もそう思います」
「図々しいかもしれないですが、弟と思って下さい。僕達は家族みたいに先生を思っていますから。」
これまで淡い失恋で涙することは確かにあった。
けれど、割と楽観視して生きてきたから辛くて泣くことは殆んどなかった。
「先生!何で泣くんですか!」
慌てたA君の声で気がついた。
私は初めて嬉しくて泣いていた。

126 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 20:58:43.68 ID:mOX5Y/SB0
家族が増えた気がした。
心の底では今までだって家族のように思っていたのかもしれない。
気持ちが通じあったような気分になった。
「私がお姉ちゃんだったら…スパルタ教育だよ」
「今と何が変わるんですか」
「えっ、スパルタだっけ?!」
「冗談ですよ」
目が合ってお互い吹き出した。
こんなに自然に笑ったのは久しぶりかもしれない。

127 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 21:34:47.44 ID:puxmap/e0
もしかしてパンツ脱いでもよろしいでしょうか?

128 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 21:36:21.17 ID:eGsTibtu0
>>127
まだおパンツを脱ぐのは早いですわよ

130 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 22:06:27.71 ID:CwO4o7iH0
寒いので腹巻きも装着しておいて下さいな
家事にバイトに学校と充実した日々が始まった。
家族には定期的に会いに帰った。
お金さえあれば母が家事をする。
あなたはバイトと学校に精を出して、と言われたので後ろ髪ひかれることなく集中した。
もっと本音を言うと、宗教のおばさん達が毎晩のように野次に来ていたので逃れられて良かった。
おばさん達は、私だけは許せなかったようだ。
そんなとき、会長から一通のメールが届いた。
「どうしていますか? 貴女の 学校付近に 立ち寄る用事が 出来ました ランチでも 如何ですか。」

134 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 22:47:26.47 ID:CwO4o7iH0
保守ありがとうございます
家事とバイトを優先させたかった私にとって、ランチのお誘いは好都合だった。それなら時間を削ることがない。
是非、と誘いにのった。
あっという間に当日はきた。
その日は丁度午後からの授業が休講だった。
指定された待ち合わせに向かう。
「!」
相変わらず派手な会長がそこにいた。
案内されたのはイタリアンレストランだった。
「さ、好きなもの何でも頼んで」
「…」
「美味しい、こんな美味しいお店知ってるなんてグレイトー!って言われるのが嬉しいんだよ」
「それどこのお姉ちゃんに言われたんですか」
笑って言うと会長はいつものように豪快に笑った。

135 :名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 22:55:02.71 ID:f6tDCkw1O
今更ながら>>1可愛いなー

136 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 23:08:56.18 ID:CwO4o7iH0
な、なんですって…
濃い一時間半だった。
近況を軽く話すと、「そうだったのか」と会長は考え込んだ。
「仕事の期限はいつでもいい。どれだけ提出が遅れても、給料だけは毎月きちんと払うことも約束するよ」
冗談好きな会長が真面目な顔をする。
「だから、今はその人達の為に尽力するんだよ。何かあれば必ず助けるから
…君が誰かの役に立ちたい、と思うその気持ちは貴重なものだ。
尊重するんだよ。決して無理はしないように」
その言葉だけで嬉しかった。

138 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 23:30:32.85 ID:CwO4o7iH0
暫くして、おじさまが面会出来るようになったと聞いた。
すぐさまA君と病院に向かった。
来てくれてありがとう、こんなところを見せるのは恥ずかしいな、とおじさまは笑った。
「大した病気ではないが、私も歳だからあと1ヶ月は入院せざるを得ないだろう」
言葉を探すうちにおじさまは
「家のこと、すみませんが頼みます。お金はAが把握しているので好きに遣って下さい。贅沢していいんですからね。家のものも全て好きにしてくださいね。」
と続けた。

139 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 23:46:15.18 ID:CwO4o7iH0
贅沢なんて仕方が解らないからしないだろう。
でも今はおじさまの気遣いを無下には出来ない。
「…お部屋、更にピカピカにして待っていますから楽しみにしていて下さいね」
「それは楽しみだね、早く退院しないと」
少し痩せた気がしたが、顔色が良かったので安堵した。

141 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 00:26:28.75 ID:Zn/VqWIC0
帰り道。
「>>1さん、たまには僕を頼って下さいね」
今、不安なのはA君の方だろう。
「もう十分頼っているよ」
「僕は弟ですよ、遠慮したら怒りますからね」
優しい弟を持ったな、としみじみ感じた。

142 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 00:55:44.89 ID:Zn/VqWIC0
15日までに終わらせたかったのに、自分がこんなに打つのが遅いなんて。長引いてごめんなさい。
難なく日々は過ぎていった。
あれから会長とは頻繁にメールで近況をやり取りした。
A君は模試で校内2位を取った、先生のお陰だ、と言うから二人ではしゃいだ。
ただのゲストルームは気がつくと「>>1さんの部屋」という札が掛けられていた。可愛いウサギの飾り付きだった。
「これA君が作ったんだよね、ありがとう!」
「サンタじゃないですか?」
「まだまだサンタのおじさんは準備中だよ」
「じゃトナカイかも」
「素直じゃないやつめ…この家には随分サプライズ好きなトナカイがいるものだね」
「…」
そうこうしている内に、おじさまはあと2週間で退院というところまで快復した。

143 :名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 01:11:14.82 ID:XLXKTxhsi
夜中に、懸命に書き込んでくれて、本当に誠実だね。
身近にいたら、絶対惚れてしまいそう。

144 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 01:24:27.30 ID:IfvPzF4o0
そんな風に受け止められるなんて恐縮です!
さっ、と書けない自分が悔しいです
A君は食べ盛りなので、これまでご飯が進むような料理を振る舞ってきた。
だけどおじさまが帰ってくるとなったら、食事は第一に気を付けなければならなくなる。
糖尿病の人向けのレシピ本を見付けたのでそれを購入した。併せてネットでも情報収集を欠かさなかった。
大学や高校時代の友達は私の状況を把握している。
無理に遊びに誘わないどころか、病気の方でも安心して食べられるレシピをたくさん教えてくれた。
2週間、練習しよう。
美味しい料理を作ってA君と待っていよう。

146 :名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 02:09:12.66 ID:ef5bxfX30
Aパパ糖尿なのか……

147 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 02:19:18.22 ID:IfvPzF4o0
糖尿病の患者さん向けのレシピを参考にしていただけで糖尿病ではないです。言葉足らずでしたね、気を付けます。
読んでいただきありがとうございます(*´∀`*)ノ
恐らく味は薄くて物足りなかったであろうご飯もA君は文句ひとつ言わずに平らげてくれた。
もうすぐこの生活が終わる。
変化を挙げるとしたら、A君とは軽口を叩けるような間柄になっていた。
A君の部屋は一階にある。
ドアには私が作ったネームプレート。
もうすぐ、これを毎日見ることはなくなる。
少し寂しくなっている自分がいた。

148 : ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 02:52:10.46 ID:IfvPzF4o0
二人での生活も残り1週間。
講義も終わり、家でレポートとA君への抜き打ちテストを作成している時だった。時刻は16時を過ぎていた。
突然、インターフォンが鳴った。
モニターで確認すると、名門と呼ばれる高校の制服を着た女の子が立っていた。
「A君と約束している者です。A君に家で待ってるように言われたので通してください」
即座にA君に電話したが、繋がらない。
相手は高校生の女の子、外で待たすわけにもいかない、か…?
確認がないので気が引けたが、こんな女の子が何か出来るとは思えない。
仮に何か起こったなら、全力で責任を取ろう。…一応ペットボトルを護身で持っておこう。
葛藤してドアを開けたら、倖田來未さんのようなメイクを施したお洒落な女の子が入ってきた。

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