犬娘「魔王になるっ!」
Part27
334 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 22:53:01.91 ID:NPhlLmoAO
術師「何回もは使えません、さっさと攻めてくださいな!」
女拳士「おう、分かった!」
女拳士は坂道を一気に走り下る
女拳士「能力強化二段、爆裂拳!」
女拳士と銀騎士は激しく打ち合うが、武器を持つ銀騎士に対し明らかに女拳士は不利である
そこに突っ込んできた魔人王は明らかに現状最強であった
魔人王「潰れろ!」
魔人王は空を覆うような爆裂の雲を
拳ほどに圧縮し、叩きつけた!
牧場娘「出たね、反則魔法!」
銀騎士の頭が無くなった
しかし、闇の固まりがその程度で力を失うはずもない
銀騎士は建物の上に退き、瞬く間に頭を再生させた
魔人王「ちっ、芯を外したか!」
牧場娘「なまったのも仕方ないだろ、何年本気出してないんだよ!」
なまった上で現状最強だった
犬娘たちは一瞬呆然としてしまった
しかし、すぐに敵に向かった
ただ、敵は一人であり、明らかに犬娘たちは人数が多すぎた
女拳士と勇者、犬娘、犬戦士と魔人王が前衛として、残る後衛は
術師、白導師、銀鈴、彼女達を守るメイド剣士、更に牧場娘である
そして場を支配したのは、牧場娘であった
335 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 22:56:07.77 ID:NPhlLmoAO
牧場娘「私がいるのに戦いになると思うなよ?」
銀騎士が放つ技はだんだんと大きくなっていく
その全ては闇の光を纏うものだ
しかし牧場娘の空間を断絶する魔法により、犬娘たちにも魔人王たちにも、その攻撃は届かない
闇の閃光が空を覆っていく
銀騎士「ぐぎゃああああああ!!」
銀騎士は一回り大きくなった
銀騎士「ばぼどだどー!」
銀騎士「ずべぎべを゛を゛を゛」
最早銀騎士に人格は無かった
犬娘「悲しい……、すごく悲しい……」
犬娘「でも、私は、あなたを倒さなければならない……」
犬娘「倒さなければならないんだ!」
閃光と雷撃を纏う犬娘の拳は、闇の銀騎士を貫いた
しかし
それで終わったとは誰も思っていなかった
今まで砕いた闇が集い、より強大な破壊神が姿を表した
破壊神「ぎごおおおおっ」
魔人王「ふん、破壊神より魔王の方が強いとは……」
魔人王の言葉は全てを物語っている
魔人王は再び、爆裂の雲を放った
破壊神「ぎぐろろろおおおおおっ」
悲しき銀騎士の成りの果てである破壊神をどんどんと打ち砕いていく
336 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:00:04.20 ID:NPhlLmoAO
だが、この破壊神は人の意志が入ったもの
それはあらゆる攻撃に対応し、更に変貌を遂げていく
元あった銀騎士のような面影の竜のような形に変化した
術師はなんとなく悟った
これはまだ黒衣の魔女の実験の範疇なのだ
術師「一片も残してはいけません、打ち砕いて下さい!」
メイド剣士「全員に能力強化をかけます、あいつを倒しましょう!」
勇者「任せろ!」
勇者「雷神剣、螺旋!」
勇者は正に勇者として、破壊神に強烈な打撃を浴びせる
女拳士「爆裂拳、連打!」
犬娘「雷神脚〜!」
どんどんと追撃をかける
犬戦士「唸れ、雷神の鎚、おおおおおっ!」
犬戦士の雷撃を纏うハンマーによる一撃は、闇の竜を傾かせるほどの威力を発揮する
魔人王「なかなかにタフなようだな」
魔人王は雷雲を呼び出し、集める
巨大なプラズマの玉が圧縮され、拳大になる
白導師「やっぱあいつは半端ないわ」
魔人王は竜の体をえぐり取る一撃を放った
銀鈴「防御力を下げる……、死ね」
牧場娘「これだけの面子が揃ったら、破壊神も的でしか無いね、昼寝してても終わりそうだ!」
337 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:03:36.48 ID:NPhlLmoAO
しかし、闇の竜は更に変化していく
途轍もない耐久力、いや、再生力こそがこの破壊神の脅威であろう
闇の竜「ぐろろろろ!」
闇の竜は全身についた砲身から、強力な闇の閃光を放つ
術師「封印結界……!」
術師「きゃああああっ!」
術師の封印結界より若干早く敵の攻撃が着弾する
牧場娘「ちっ、やるじゃないか!」
牧場娘も常に魔法を放てるわけではない
ほんの一瞬の隙を突かれた
牧場娘「お返しだよ!」
牧場娘が手をかざすと、闇の竜の体が朽ちていく
恐らく見えない魔法を何発も放っているのだろう
恐るべき威力である
銀鈴「牧場のお姉ちゃん、魔力凄いね」
銀鈴は更に闇の竜の防御力を下げ、更に幻覚を仕掛ける
銀鈴「今なら殺せるはず……、止めを!」
メイド剣士「魔王様!」
犬娘「うん!」
勇者「行くぞ、合体魔法!」
女拳士「獣魔王!」
術師「竜人鱗!」
犬娘「行くぞお〜〜〜!」
犬娘「獣魔王竜鱗装、雷雲のダウンバースト!」
巨大な雷雲を呼び出した犬娘は、雷雲をまとめ雷撃と、城をも潰す圧縮された風とを纏い、闇の竜に突き刺さる!
犬娘「砕けろおおおおっ!」
闇の竜「ぐろろろろおおおおおあっ!」
338 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:06:00.13 ID:NPhlLmoAO
激しい閃光と爆音の末に、闇の竜は遂に潰えて行くーー
女拳士「ふうっ」
勇者「終わったか?」
術師「今回は終わったようですわね」
メイド剣士「流石魔王様です」
魔人王「今の技はかなりのものだったな」
牧場娘「あれは流石に私もヤバい」
白導師「そりゃすごいね」
銀鈴「キタハマはみんな死ぬほど強いね」
犬戦士「また何にも出来なかったわ」
術師「油断しては駄目ですわ」
メイド剣士「黒衣の魔女はどこに……」
魔人王「民は逃がせたか?」
牧場娘「畑の兄さんたちにドラゴンさんたちが合流してやってるはず、抜かりないだろ」
そこにゆったりと
闇が歩いてくる
黒衣「お上手ね……、皆さん……、戦いが……」
黒衣の魔女は何事かを呟く
黒衣「うさちゃん……、死んじゃった」
黒衣「いじめられて……、病気になって……」
黒衣「死んじゃった……」
黒衣「惨い……」
黒衣「人はなんて惨い……」
術師「あなたにそのような感情があるとは意外ですわ」
魔人王「貴様を倒せば終わりか」
犬娘「もう逃がさないよ!」
黒衣「実験は……」
黒衣「なんと言うか……」
339 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:09:10.23 ID:NPhlLmoAO
黒衣「実験は、成功した」
白導師「まさか!」
牧場娘「これらの実験は……、そうか!」
術師「自らが神となるために……」
魔人王「破壊神だろうがな」
黒衣「違う……」
黒衣「多くの人々の悲しみや苦しみを受け、それをもたらさぬために全てを破壊する」
黒衣「私こそが、真の女神……!」
黒衣の魔女の足が整備された街道と癒着している
術師「これは……、まずい!」
牧場娘「総力攻撃を!」
犬娘たちが走る
しかし対象が一人の人間であるため、銀騎士に対した時のように射線が重なり、碌に攻撃出来ない
更に闇の衣はまるで攻撃を通さない
勇者「くそっ!」
黒衣「うはははははっ……!」
黒衣の魔女の足元が盛り上がると、街を巻き込み巨大な固まりとなっていく
未だかつて見たことがない規模の大魔法により、街を飲み込んだ異形の破壊神が、更に大規模に街を飲み込んで巨大化していく
黒衣「さあ……、あなた達……、は……、私のペットと……、遊んでなさい……!」
黒衣の魔女が化した破壊神は二体の破壊神を呼び出した
素早く動く竜や狼を合わせたような破壊神達は闇を纏い体当たりしてくる
340 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:17:40.57 ID:NPhlLmoAO
女拳士「ぐおおっ」
弾かれただけでも相当なダメージが有るようだ
白衣を纏っていなければかなり危険な事になっていただろう
メイド剣士「風と雪、雹嵐剣!」
メイド剣士は即席の新技で敵を撃つ
勇者「一体ずつ倒すぞ!」
勇者「雷神剣、速射!」
勇者は細かく雷神剣を連打する
術師は追跡火槍を作り上げ、破壊神を貫き、打ち砕いていく
犬娘「まず一体倒すよ、雷神脚ーっ!」
走る破壊神も犬娘のスピードを避けられない
一体の破壊神が砕け散る
魔人王「もう一体は任せろ、はああっ!」
魔人王は巨大な爆裂の雲に雷を纏わせ、圧縮し、人の頭ほどの大きさにする
更に左手に特大の火球を纏う
魔人王「砕け散れ!」
術師「なんて魔力コントロール……!」
牧場娘「あれでも魔導師だからね!」
牧場娘も見えない魔法で敵を足止めする
一体は超級魔法三つの合わせ技で消し飛んだ
メイド剣士「あの人一人で勝ってしまいそう……」
犬娘「私たちも行くよ!」
341 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:22:36.69 ID:NPhlLmoAO
黒衣「うふふ……、ご苦労様」
黒衣の破壊神は既に街全てに触手を伸ばし、根を張る巨大な木のようだ
空を覆うような闇が、犬娘たちに降ってくる
術師「封印結界!」
防御するも結界の脇をすり抜けた闇が、激しい爆風と熱をもたらす
女拳士「ちっ、たらたらやってたら戦場が火口の中みたいになっちまう!」
女拳士「竜人鱗!」
女拳士は竜人鱗を身に纏い黒衣の足元の脆そうな部分を蹴りつける
しかし
女拳士「うおおおっ!」
逆に女拳士がダメージを受けた
術師「全身が闇の衣のようになってる……!」
メイド剣士「遠距離から狙撃してみます!」
メイド剣士は雹嵐剣を二回、三回と撃つ
少しダメージは通るが、回復してしまう
牧場娘「やっかいだね、銀鈴、なんとかならない?」
銀鈴「やってみる」
銀鈴は敵の防御力を下げつつ、闇の部分に光をまとわらせてみる
銀鈴「中和できるか分からない……、攻撃して」
犬戦士「おっしゃ、雷神の鎚!」
魔人王「強化してやろう」
魔人王は犬戦士の鎚に更に魔法を帯びさせ、巨大な雷撃の鎚を作らせる
犬戦士「よっしゃ、雷神メガトンハンマー!!」
342 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:25:11.21 ID:NPhlLmoAO
犬戦士の強烈な一撃で黒衣の破壊神から出ている根のような足を一本潰す
黒衣「痛い……、痛い……」
黒衣の破壊神は足を復元させると、その先の建物を巻き込み、取り込んだ
魔人王「きりがないな、先に街を潰すか」
術師「……悔しいですわ」
術師「これだけの街を作ることがどれほど大変か、私たちは学んできました」
犬娘「悔しいね」
犬娘「私はあの魔女を、許さない!」
魔人王は巨大な爆裂の雲を圧縮
巨大な爆裂の雲を圧縮
巨大な爆裂の雲を圧縮
時間をかけ、数十もそれを作り上げていく
術師「……あはは」
もう笑うしかない大魔力である
勇者「半端じゃないな、俺も雷神剣で根を一掃していく!」
勇者の魔力も凄まじい
いや、消費を上手く抑えているのだろう
女拳士「アタシらは本体を叩いて行こう!」
銀鈴「だいぶ中和出来てるはず……」
犬娘「行くよ〜!」
女拳士「爆裂」
犬娘「閃光」
メイド剣士「氷撃」
術師「銀槍」
犬娘「四重奏!」
女拳士「おおおっ!」
メイド剣士「はああっ!」
術師「はいっ!」
犬娘「う〜、わおおおおおんっ!」
四人の魔法がそれぞれ閃光となり、渦を巻いて破壊神本体を貫く!
343 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:27:26.93 ID:NPhlLmoAO
黒衣「うぎゃあああっ!」
黒衣の破壊神は全方位に闇を放ち攻撃しつつ、打ち砕かれた部分を修復していく
魔人王「くっ、回復を間に合わせるな!」
牧場娘「分かった!」
牧場娘の見えない魔法は激しい風を巻き込んで軌道を見せてしまう程の威力を発揮した
牧場娘「あはは、見えない意味ないね!」
牧場娘は見えない魔法を解除し、巨大な火炎の渦を放つ
傷を焼き付けて更に溶かしていく
銀鈴「魔力の流れを遮ってみる……」
白導師「お、銀鈴も必殺技かね」
魔人王「お前は何をやっていた」
白導師「仕事だよ、ほれ」
街のあちこちに張り巡らせられていた闇の根が、根元で断たれている
術師「あ、壊した根の全部を結界石で遮断してたんですの?」
メイド剣士「いつの間にそんな準備を……」
白導師「パンツ漁ってる時に」
メイド剣士は味方を刺した
白導師「痛い」
白導師「兎に角、さっさとあいつをあの高台から引きずりおろすよ!」
銀鈴「中和の効果が切れたら結界石も多分貫かれる……、早めにやっつけたい」
術師「分かりました、勇者さん、あれをやってみましょう!」
勇者「ああ、全員こっちへ!」
344 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:32:49.21 ID:NPhlLmoAO
勇者はより魔力を集めるためにメイド剣士の剣に持ち替える
勇者「すまないね」
メイド剣士「構いません」
術師「全員の魔力を集めますわよ!」
魔人王「俺も貸そう」
牧場娘「私もね」
銀鈴「私も」
白導師「やっと活躍できる」
犬戦士「しとめるぞ」
犬娘「行くよ!」
メイド剣士「行きましょう」
女拳士「よっしゃ」
勇者「全員の魔力をまとめあげ、今必殺の!」
勇者「破壊神殺、虹色の雷神剣!!」
二度とはないだろう全員の合成魔法剣は、黒衣の破壊神を根元から順番に破砕していく
犬娘「ううううう……っ!」
犬娘「届けーーー!」
犬娘から吹き出す光の力が、雷神剣を強化する!
あらゆる抵抗と変化を試みる闇
しかし、光はそれを凌駕した
悲しみにも似た咆哮の末、黒衣の破壊神は、
ゆっくりと砕けていった……
…………
やがて全てが焼き尽くされると、次第に視界も開けてきた
空には見知らぬ女性が浮かんでいた
女神「お疲れー」
術師「新手……ですの?」
女神「女神です、攻撃しないでね」
犬娘「女神様!?」
女神「みんなを労っておこうと思ってね」
女神「それと、可哀想な子の最後を看取りに」
女神「ひどい有様だね〜」
女神「まあ本当は誰かに味方することはしないんだけど、破壊神とは因縁があってね」
術師「何回もは使えません、さっさと攻めてくださいな!」
女拳士「おう、分かった!」
女拳士は坂道を一気に走り下る
女拳士「能力強化二段、爆裂拳!」
女拳士と銀騎士は激しく打ち合うが、武器を持つ銀騎士に対し明らかに女拳士は不利である
そこに突っ込んできた魔人王は明らかに現状最強であった
魔人王「潰れろ!」
魔人王は空を覆うような爆裂の雲を
拳ほどに圧縮し、叩きつけた!
牧場娘「出たね、反則魔法!」
銀騎士の頭が無くなった
しかし、闇の固まりがその程度で力を失うはずもない
銀騎士は建物の上に退き、瞬く間に頭を再生させた
魔人王「ちっ、芯を外したか!」
牧場娘「なまったのも仕方ないだろ、何年本気出してないんだよ!」
なまった上で現状最強だった
犬娘たちは一瞬呆然としてしまった
しかし、すぐに敵に向かった
ただ、敵は一人であり、明らかに犬娘たちは人数が多すぎた
女拳士と勇者、犬娘、犬戦士と魔人王が前衛として、残る後衛は
術師、白導師、銀鈴、彼女達を守るメイド剣士、更に牧場娘である
そして場を支配したのは、牧場娘であった
335 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 22:56:07.77 ID:NPhlLmoAO
牧場娘「私がいるのに戦いになると思うなよ?」
銀騎士が放つ技はだんだんと大きくなっていく
その全ては闇の光を纏うものだ
しかし牧場娘の空間を断絶する魔法により、犬娘たちにも魔人王たちにも、その攻撃は届かない
闇の閃光が空を覆っていく
銀騎士「ぐぎゃああああああ!!」
銀騎士は一回り大きくなった
銀騎士「ばぼどだどー!」
銀騎士「ずべぎべを゛を゛を゛」
最早銀騎士に人格は無かった
犬娘「悲しい……、すごく悲しい……」
犬娘「でも、私は、あなたを倒さなければならない……」
犬娘「倒さなければならないんだ!」
閃光と雷撃を纏う犬娘の拳は、闇の銀騎士を貫いた
しかし
それで終わったとは誰も思っていなかった
今まで砕いた闇が集い、より強大な破壊神が姿を表した
破壊神「ぎごおおおおっ」
魔人王「ふん、破壊神より魔王の方が強いとは……」
魔人王の言葉は全てを物語っている
魔人王は再び、爆裂の雲を放った
破壊神「ぎぐろろろおおおおおっ」
悲しき銀騎士の成りの果てである破壊神をどんどんと打ち砕いていく
336 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:00:04.20 ID:NPhlLmoAO
だが、この破壊神は人の意志が入ったもの
それはあらゆる攻撃に対応し、更に変貌を遂げていく
元あった銀騎士のような面影の竜のような形に変化した
術師はなんとなく悟った
これはまだ黒衣の魔女の実験の範疇なのだ
術師「一片も残してはいけません、打ち砕いて下さい!」
メイド剣士「全員に能力強化をかけます、あいつを倒しましょう!」
勇者「任せろ!」
勇者「雷神剣、螺旋!」
勇者は正に勇者として、破壊神に強烈な打撃を浴びせる
女拳士「爆裂拳、連打!」
犬娘「雷神脚〜!」
どんどんと追撃をかける
犬戦士「唸れ、雷神の鎚、おおおおおっ!」
犬戦士の雷撃を纏うハンマーによる一撃は、闇の竜を傾かせるほどの威力を発揮する
魔人王「なかなかにタフなようだな」
魔人王は雷雲を呼び出し、集める
巨大なプラズマの玉が圧縮され、拳大になる
白導師「やっぱあいつは半端ないわ」
魔人王は竜の体をえぐり取る一撃を放った
銀鈴「防御力を下げる……、死ね」
牧場娘「これだけの面子が揃ったら、破壊神も的でしか無いね、昼寝してても終わりそうだ!」
337 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:03:36.48 ID:NPhlLmoAO
しかし、闇の竜は更に変化していく
途轍もない耐久力、いや、再生力こそがこの破壊神の脅威であろう
闇の竜「ぐろろろろ!」
闇の竜は全身についた砲身から、強力な闇の閃光を放つ
術師「封印結界……!」
術師「きゃああああっ!」
術師の封印結界より若干早く敵の攻撃が着弾する
牧場娘「ちっ、やるじゃないか!」
牧場娘も常に魔法を放てるわけではない
ほんの一瞬の隙を突かれた
牧場娘「お返しだよ!」
牧場娘が手をかざすと、闇の竜の体が朽ちていく
恐らく見えない魔法を何発も放っているのだろう
恐るべき威力である
銀鈴「牧場のお姉ちゃん、魔力凄いね」
銀鈴は更に闇の竜の防御力を下げ、更に幻覚を仕掛ける
銀鈴「今なら殺せるはず……、止めを!」
メイド剣士「魔王様!」
犬娘「うん!」
勇者「行くぞ、合体魔法!」
女拳士「獣魔王!」
術師「竜人鱗!」
犬娘「行くぞお〜〜〜!」
犬娘「獣魔王竜鱗装、雷雲のダウンバースト!」
巨大な雷雲を呼び出した犬娘は、雷雲をまとめ雷撃と、城をも潰す圧縮された風とを纏い、闇の竜に突き刺さる!
犬娘「砕けろおおおおっ!」
闇の竜「ぐろろろろおおおおおあっ!」
338 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:06:00.13 ID:NPhlLmoAO
激しい閃光と爆音の末に、闇の竜は遂に潰えて行くーー
女拳士「ふうっ」
勇者「終わったか?」
術師「今回は終わったようですわね」
メイド剣士「流石魔王様です」
魔人王「今の技はかなりのものだったな」
牧場娘「あれは流石に私もヤバい」
白導師「そりゃすごいね」
銀鈴「キタハマはみんな死ぬほど強いね」
犬戦士「また何にも出来なかったわ」
術師「油断しては駄目ですわ」
メイド剣士「黒衣の魔女はどこに……」
魔人王「民は逃がせたか?」
牧場娘「畑の兄さんたちにドラゴンさんたちが合流してやってるはず、抜かりないだろ」
そこにゆったりと
闇が歩いてくる
黒衣「お上手ね……、皆さん……、戦いが……」
黒衣の魔女は何事かを呟く
黒衣「うさちゃん……、死んじゃった」
黒衣「いじめられて……、病気になって……」
黒衣「死んじゃった……」
黒衣「惨い……」
黒衣「人はなんて惨い……」
術師「あなたにそのような感情があるとは意外ですわ」
魔人王「貴様を倒せば終わりか」
犬娘「もう逃がさないよ!」
黒衣「実験は……」
黒衣「なんと言うか……」
黒衣「実験は、成功した」
白導師「まさか!」
牧場娘「これらの実験は……、そうか!」
術師「自らが神となるために……」
魔人王「破壊神だろうがな」
黒衣「違う……」
黒衣「多くの人々の悲しみや苦しみを受け、それをもたらさぬために全てを破壊する」
黒衣「私こそが、真の女神……!」
黒衣の魔女の足が整備された街道と癒着している
術師「これは……、まずい!」
牧場娘「総力攻撃を!」
犬娘たちが走る
しかし対象が一人の人間であるため、銀騎士に対した時のように射線が重なり、碌に攻撃出来ない
更に闇の衣はまるで攻撃を通さない
勇者「くそっ!」
黒衣「うはははははっ……!」
黒衣の魔女の足元が盛り上がると、街を巻き込み巨大な固まりとなっていく
未だかつて見たことがない規模の大魔法により、街を飲み込んだ異形の破壊神が、更に大規模に街を飲み込んで巨大化していく
黒衣「さあ……、あなた達……、は……、私のペットと……、遊んでなさい……!」
黒衣の魔女が化した破壊神は二体の破壊神を呼び出した
素早く動く竜や狼を合わせたような破壊神達は闇を纏い体当たりしてくる
340 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:17:40.57 ID:NPhlLmoAO
女拳士「ぐおおっ」
弾かれただけでも相当なダメージが有るようだ
白衣を纏っていなければかなり危険な事になっていただろう
メイド剣士「風と雪、雹嵐剣!」
メイド剣士は即席の新技で敵を撃つ
勇者「一体ずつ倒すぞ!」
勇者「雷神剣、速射!」
勇者は細かく雷神剣を連打する
術師は追跡火槍を作り上げ、破壊神を貫き、打ち砕いていく
犬娘「まず一体倒すよ、雷神脚ーっ!」
走る破壊神も犬娘のスピードを避けられない
一体の破壊神が砕け散る
魔人王「もう一体は任せろ、はああっ!」
魔人王は巨大な爆裂の雲に雷を纏わせ、圧縮し、人の頭ほどの大きさにする
更に左手に特大の火球を纏う
魔人王「砕け散れ!」
術師「なんて魔力コントロール……!」
牧場娘「あれでも魔導師だからね!」
牧場娘も見えない魔法で敵を足止めする
一体は超級魔法三つの合わせ技で消し飛んだ
メイド剣士「あの人一人で勝ってしまいそう……」
犬娘「私たちも行くよ!」
341 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:22:36.69 ID:NPhlLmoAO
黒衣「うふふ……、ご苦労様」
黒衣の破壊神は既に街全てに触手を伸ばし、根を張る巨大な木のようだ
空を覆うような闇が、犬娘たちに降ってくる
術師「封印結界!」
防御するも結界の脇をすり抜けた闇が、激しい爆風と熱をもたらす
女拳士「ちっ、たらたらやってたら戦場が火口の中みたいになっちまう!」
女拳士「竜人鱗!」
女拳士は竜人鱗を身に纏い黒衣の足元の脆そうな部分を蹴りつける
しかし
女拳士「うおおおっ!」
逆に女拳士がダメージを受けた
術師「全身が闇の衣のようになってる……!」
メイド剣士「遠距離から狙撃してみます!」
メイド剣士は雹嵐剣を二回、三回と撃つ
少しダメージは通るが、回復してしまう
牧場娘「やっかいだね、銀鈴、なんとかならない?」
銀鈴「やってみる」
銀鈴は敵の防御力を下げつつ、闇の部分に光をまとわらせてみる
銀鈴「中和できるか分からない……、攻撃して」
犬戦士「おっしゃ、雷神の鎚!」
魔人王「強化してやろう」
魔人王は犬戦士の鎚に更に魔法を帯びさせ、巨大な雷撃の鎚を作らせる
犬戦士「よっしゃ、雷神メガトンハンマー!!」
342 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:25:11.21 ID:NPhlLmoAO
犬戦士の強烈な一撃で黒衣の破壊神から出ている根のような足を一本潰す
黒衣「痛い……、痛い……」
黒衣の破壊神は足を復元させると、その先の建物を巻き込み、取り込んだ
魔人王「きりがないな、先に街を潰すか」
術師「……悔しいですわ」
術師「これだけの街を作ることがどれほど大変か、私たちは学んできました」
犬娘「悔しいね」
犬娘「私はあの魔女を、許さない!」
魔人王は巨大な爆裂の雲を圧縮
巨大な爆裂の雲を圧縮
巨大な爆裂の雲を圧縮
時間をかけ、数十もそれを作り上げていく
術師「……あはは」
もう笑うしかない大魔力である
勇者「半端じゃないな、俺も雷神剣で根を一掃していく!」
勇者の魔力も凄まじい
いや、消費を上手く抑えているのだろう
女拳士「アタシらは本体を叩いて行こう!」
銀鈴「だいぶ中和出来てるはず……」
犬娘「行くよ〜!」
女拳士「爆裂」
犬娘「閃光」
メイド剣士「氷撃」
術師「銀槍」
犬娘「四重奏!」
女拳士「おおおっ!」
メイド剣士「はああっ!」
術師「はいっ!」
犬娘「う〜、わおおおおおんっ!」
四人の魔法がそれぞれ閃光となり、渦を巻いて破壊神本体を貫く!
343 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:27:26.93 ID:NPhlLmoAO
黒衣「うぎゃあああっ!」
黒衣の破壊神は全方位に闇を放ち攻撃しつつ、打ち砕かれた部分を修復していく
魔人王「くっ、回復を間に合わせるな!」
牧場娘「分かった!」
牧場娘の見えない魔法は激しい風を巻き込んで軌道を見せてしまう程の威力を発揮した
牧場娘「あはは、見えない意味ないね!」
牧場娘は見えない魔法を解除し、巨大な火炎の渦を放つ
傷を焼き付けて更に溶かしていく
銀鈴「魔力の流れを遮ってみる……」
白導師「お、銀鈴も必殺技かね」
魔人王「お前は何をやっていた」
白導師「仕事だよ、ほれ」
街のあちこちに張り巡らせられていた闇の根が、根元で断たれている
術師「あ、壊した根の全部を結界石で遮断してたんですの?」
メイド剣士「いつの間にそんな準備を……」
白導師「パンツ漁ってる時に」
メイド剣士は味方を刺した
白導師「痛い」
白導師「兎に角、さっさとあいつをあの高台から引きずりおろすよ!」
銀鈴「中和の効果が切れたら結界石も多分貫かれる……、早めにやっつけたい」
術師「分かりました、勇者さん、あれをやってみましょう!」
勇者「ああ、全員こっちへ!」
344 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/16(火) 23:32:49.21 ID:NPhlLmoAO
勇者はより魔力を集めるためにメイド剣士の剣に持ち替える
勇者「すまないね」
メイド剣士「構いません」
術師「全員の魔力を集めますわよ!」
魔人王「俺も貸そう」
牧場娘「私もね」
銀鈴「私も」
白導師「やっと活躍できる」
犬戦士「しとめるぞ」
犬娘「行くよ!」
メイド剣士「行きましょう」
女拳士「よっしゃ」
勇者「全員の魔力をまとめあげ、今必殺の!」
勇者「破壊神殺、虹色の雷神剣!!」
二度とはないだろう全員の合成魔法剣は、黒衣の破壊神を根元から順番に破砕していく
犬娘「ううううう……っ!」
犬娘「届けーーー!」
犬娘から吹き出す光の力が、雷神剣を強化する!
あらゆる抵抗と変化を試みる闇
しかし、光はそれを凌駕した
悲しみにも似た咆哮の末、黒衣の破壊神は、
ゆっくりと砕けていった……
…………
やがて全てが焼き尽くされると、次第に視界も開けてきた
空には見知らぬ女性が浮かんでいた
女神「お疲れー」
術師「新手……ですの?」
女神「女神です、攻撃しないでね」
犬娘「女神様!?」
女神「みんなを労っておこうと思ってね」
女神「それと、可哀想な子の最後を看取りに」
女神「ひどい有様だね〜」
女神「まあ本当は誰かに味方することはしないんだけど、破壊神とは因縁があってね」