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のび太「……ごめんね」

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Part1
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:11:58.42 ID:dxURVfyB0
ジャイアン『たまには、みんなで集まって飲もうぜ』
そんなメールが届いたのは、もう会社からかえろうかと思っていたときだった。
のび太「まぁ、たまにはいいかな」
僕はOK、と返信した。返事は、すぐに返ってきた。
『よし、じゃあ七時に駅前でな。ああ、あとしずかちゃんも呼んどけよ』
僕はしずかちゃんーー今となっては僕の奥さんだーーに電話をして、駅前に行くように行った。
久しぶりにみんなに会える、と彼女は喜んでいた。
彼女が喜ぶと、僕も嬉しい。
のび太「みんなで会うのも、久しぶりだな……」
楽しみ、だった。

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:15:06.21 ID:dxURVfyB0
約束の十分前に駅前に着いた。
しずかちゃんと、ジャイアン、スネオはもう来ていた。
ジャイアン「おう、のび太!」
スネオ「久しぶりだな」
のび太「うん。ほんとに、久しぶりだね」
僕は笑って言った。
のび太「これで全員?」
ジャイアン「いや、出木杉も来るぜ」
のび太「出木杉か、あいつとも、長く会ってなかったな」
スネオ「そろそろ来るだろ。出木杉に限って時間に遅れるなんてことはないだろうからね」
と、その時、どこからか駆けてくる足音。
出木杉「……っと、もうみんな来てたんだ。遅れてごめんね」
出木杉、だった。

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:19:16.88 ID:dxURVfyB0
綺麗なスーツを、完璧に着こなしていた。
慶応義塾を出た後、メガバンクに入ってバリバリの銀行員をやっていると聞く。
なんの変哲もない中堅企業でのんびりやっている僕とは大違いだ。
のび太「久しぶりだな、出木杉」
出木杉「うん。久しぶり、のび太君。……しずかちゃんも」
しずか「ええ。久しぶり。ずいぶん凛々しくなったのね」
出木杉「へへへ」
ジャイアン「おう、これで全員そろったな。じゃあ行こうぜ」
スネオ「そうだね」
僕らは駅前にあった適当な居酒屋に入った。
居酒屋に来るのは久しぶりだった。
ジャイアン「とりあえず、生中5つで」
生で乾杯して、みんなで飲んだ。
話すことは、たくさんあった。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:22:28.85 ID:dxURVfyB0
出木杉「スネオ君の会社、新しい事業はなんとかなりそうかい?」
スネオ「うーん……資金繰りにちょっとね」
出木杉「僕のところからいくらか出そうか?」
スネオ「いいのか?」
出木杉「いいよ。大丈夫。今結構余裕あるし、スネオくんなら、きっとうまくやるだろうからね」
スネオ「サンキュー。助かるよ」
出木杉「じゃあ、そのうち契約書を持ってくね」
スネオ「おう」
ジャイアン「剛田商店にもお願いしたいね」
出木杉「剛田商店にも?いや、全然だいじょうぶそうじゃないか」
ジャイアン「ちょっとした冗談だよ」
出木杉「ははは」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:25:45.14 ID:dxURVfyB0
僕らは仕事の話をして、趣味の話をして、最近あったことを話して、昔のことを話した。
ジャイアン「それにしても、しずかちゃんは結局のび太にとられちゃったなぁ」
のび太「いやぁ」
しずか「ふふふ」
スネオ「まったく、この野郎」
出木杉「ははは。確かにそうだね」
ジャイアン「こんな運動も勉強も出来なかったやつのどこがいいんだよ?」
しずか「え……うーん、どこだろ?わかんない」
のび太「ひっどいなー……」
出木杉「ははは」
僕らは、そうやって笑って、そしてたくさん話した。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:29:09.81 ID:dxURVfyB0
そして、その宴も終盤に差し掛かったころだった。
ジャイアンが、不意に何かを思い出したようで、僕に向かって言った。
ジャイアン「そういえば、最近こんなことがあったんだ」
のび太「うん」
僕は答えた。
ジャイアンは、真剣な顔で、続けた。
ジャイアン「この前、一人で飲んで、その帰り道、だったかな」
グラスを片手に、頭の中の記憶を引っ張り出しているようだった。
ジャイアン「不思議なものを、見たんだ」
いや、とジャイアンは言う。
ジャイアン「不思議……じゃないな。むしろあれは」
奇妙だった。
ジャイアンは言った。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:33:05.66 ID:dxURVfyB0
……
俺はそのときいい感じに酔ってて、鼻歌を歌いながら家に帰ってた。
何の歌だったかも覚えてる。酔ってる割には妙にさえてたからな。
確かビートルズのレットイットビーで……いや、そんなことはどうでもいいんだ。
あの、空き地。あそこを通りかかったとき、変なものが空を飛んでいたんだ。
『変なもの?』
ああ。
変というより、存在しないはずのものだ。
……170センチくらいの人間が、空を飛んでたんだ。
真っ暗な空を、一人で、な。
ありえないだろ?
俺もそう思った。酔いで、変なものが見えるようになったんじゃないかと思ったんだ。
でも、よく見てみると、そいつの頭には、あれがあったんだ。
そう。
タケコプターだよ。

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:36:39.43 ID:dxURVfyB0
『タケコプター?そんな馬鹿な。もうドラえもんは未来に帰ったんだぜ?』
……ああ。
そうだよな。もうドラえもんが帰ったのが何年前だったのかも覚えてないな。
でもな、あれは間違いなくタケコプターだった。
黄色くて、小さくて。
音までも一緒だ。
俺、その音聞いて懐かしくなって、知らないうちに涙がにじんでた。
問題は、そこじゃないのにな。
問題は、タケコプターを使って飛んでいるのが、誰か、ということだったんだ。
俺は、空き地に入って、そいつに向かって声をかけたよ。
お前は、誰だ、ってね。

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:41:21.74 ID:dxURVfyB0
そいつは、俺を見た。
でも、暗くて顔は良くわからなかった。
太ってはいなかったな。特にやせてるようにも見えなかったが。まぁ、中肉中背、といったところか。
俺を見て、そしてすぐにはっとしたみたいだった。
繰り替えすが、顔はわからなかったけどな。
そんで、すぐに雷さんの家のほうに飛んでいって……
見えなくなっちまった。
ほんの一分くらいの出来事だ。
多分だけど。そんなもんだったと思う。
俺はその場をしばらく動けなかった。
あんまり驚いたもんだったからさ。
酔いも、知らないうちにきれいさっぱりなくなっちまってたよ。
ああ、時間帯を言ってなかったな。
居酒屋を出たのが11時ごろだったから、11時半とか、そんなもん。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:42:07.01 ID:ZaV2OHiE0
なんだこりゃ

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:42:29.98 ID:J0bEs69QO
今日も寝れねーかなーorz
支援

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:44:43.46 ID:o/VTd6AO0
セワシか!

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:45:47.26 ID:XF9HAl+g0
読ませる、読ませるぞこの>>1…!

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:45:49.84 ID:dxURVfyB0
のび太「それで……」
ジャイアン「ああ、もしかしたらお前じゃないかとも思ったけど、背格好が結構違ったからな」
出木杉「でも、なんで?ドラえもんは、もういないんだろ?」
ジャイアン「おう。問題はそこだよ。ドラえもんがいないのに、なんであの時あいつはタケコプターを持っていたのか……
       あいつは、誰なのか」
スネオ「……ジャイアンの見間違いなんじゃないのか?」
ジャイアン「俺もそう思いたいけど、あまりにも記憶がはっきりしてるんだ。あれは、間違いなく実際に俺の目の前で起きた出来事なんだ」
しずか「……なんか、怖いわ」
のび太「……大丈夫、さ」
しずか「……」
ジャイアン「この話を、しようと思ってたんだけど、会うのが久しぶりで嬉しくて忘れてたよ」
ジャイアンは言った。

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:50:03.91 ID:C4IICP2DO
支援支援

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:50:32.42 ID:dxURVfyB0
スネオ「タイムマシンは……?」
のび太「いや、それはないよ」
僕は言った。
のび太「ドラえもんが向こうに帰ったとき、タイムマシンは完全に凍結された。
     僕がそう頼んだんだ。また会えると思うと、甘えが出ちゃうからね」
ジャイアン「そうか……」
出木杉「じゃあ」
出木杉は、僕ら全員の顔を見渡して言った。
出木杉「剛田君が見たって言うその人影は……どうやってタケコプターを手にいれたんだ?」
そして、と出木杉は言った。
出木杉「何のために……?
そんなこと、僕らには、到底わかるはずがなかったんだ。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:54:11.44 ID:dxURVfyB0
僕らは大体その話題を繰り返して、その後何時間も居酒屋に居た。
そして気がつくともう閉店の時間で、それぞれ仕事のために家に帰った。
飲んだ量の割に、酔ってはいなかった。
気持ちが高ぶっていたのだろうか?
多分僕は、こう考えていたんだ。
もしかしたら、ドラえもんに、もう一度会えるかもしれない。
でも、実際に起こっていた出来事は、そんな甘いものじゃなかったんだ。
だが、それに気づくのには、もう少し時間が必要だった。

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:55:02.91 ID:25ehk3fY0
明日内定式で早く寝ようと思ったけど
寝れそうにないな・・・

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:57:28.02 ID:2Nqx3Si20
つづきwktk

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:58:22.88 ID:LSzLGJbaO
支援


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 22:58:50.59 ID:dxURVfyB0
居酒屋でみんなで飲んでから一週間が経過した。
僕らは大体いつもどおりの生活を送っていた。
僕は七時の電車に乗って会社に行き、残業がなければ六時半には家に帰ってきた。
しずかちゃんはいつもどおり僕を迎えてくれて、いつもどおりおいしい夕飯を食べさせてくれた。
転機が訪れたのは、その更に二日後だった。
スネオが、タケコプターで空を飛ぶ人間を目撃した。
スネオ『多分男だった』
スネオは言った。
ジャイアン「まずいな」
何か、おかしなことが起きてるのかもしれない。
ジャイアンは言った。
僕らは、みんなうなずいた。

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:00:37.32 ID:yo0tQdaHO
これは…

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:02:27.26 ID:EuPok177O
wktkwktj

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:03:47.83 ID:dxURVfyB0
タケコプターで空を飛んでいる男の目的はわからなかった。
当然だ。僕らがわかっているのは、せいぜいその男の大体の背格好くらいだ。
そして、タケコプターで空を飛ぶのは夜だけ、ということだった。
のび太「今思えば」
僕は言った。
のび太「白昼堂々、タケコプターで空を飛んでいた僕らはどうかしてたな」
スネオ「でも、あの時はあれがふつうだったんだよなぁ」
僕らは今まで以上にお互い連絡を取り合い、注意しあった。
出木杉「気をつけなきゃだめだよ」
出木杉は言った。
出木杉「なんか、嫌な予感がするんだ」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:05:20.68 ID:LSzLGJbaO
こういうの大好きだ

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:07:16.58 ID:UiAjHwwt0
これは睡眠時間が減るな

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:08:51.76 ID:QX1sYjnW0
このスレとジャイアンスレを同時に見てる俺勝ち組www

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:09:18.33 ID:TqFgDCWKO
ジャンプの下手な漫画より続きが気になる

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