少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
2: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:58 ID:Sk5yLArqZw
SSです
地の文嫌い
原作の不思議の国のアリスが好きでSSとして見たくない
という方は見ない方がいいかもです
3: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:09:15 ID:Dsu7jkcuyE
走る走るメロス
4: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:09:38 ID:MtEPDD/kP2
じゃあ見ません
5: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:15:06 ID:s60l3.Ct7c
>>4
小学生かお前は
じゃあ見ますん
6: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:15:38 ID:DEPQDGNmG.
男「今俺は、とある井戸の前にいます」
男「……生きるのに疲れました」
底の見えない井戸の、底の底
確かにあるだろう水面に、水面に映る自分の顔に向かって語りかける
男「…飛び降りる」
決意は固く、苔だらけの井戸の口に手を掛ける
7: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:17:50 ID:WklyhewQAk
タイトル見て歪の国のアリスかと思った
8: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:19:26 ID:e8JHcrivnc
水あるなら死ににくくね?
9: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:19:31 ID:qdtJayzUvk
いいや井戸だね
10: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:21:57 ID:IY41cBvn0o
男「…っと」グッ
男「…頭から行かなくても逝けるだろうな、これ」ヨジ
男「底が見えねぇもん…」
ジリリリリリリ……
男「……」
ジリリリリリリ……
男「……」
ジリリリリリリ……
男「…なぁにこの音」
11: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:23:29 ID:wTCT8X5m4M
>>7
あれ?あたしいつ書き込んだっけ?
12: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:25:30 ID:C/EsOqUYxw
タッタッタッタッ……
鳴っていた目覚まし時計のアラームが止まり
代わりに足音が聞こえてきます
男「……あれか、俺を引き止めに来たってか
『話せば分かる!』とか言って」
男「無駄だぜ?
もう体前に軽く倒したら落ちれ……!?」
ドンッ
まさか突き落とされるとは、夢にも思ってませんでした
13: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:27:06 ID:ej1XEMAMdY
落wwwwちwwwwwたwwwww
14: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:27:37 ID:mqZWbQxoWM
紫煙
15: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:28:05 ID:ayxDgaoNKQ
男「―――ッ!?」
男「…っと…待っ…て…!?」
男「…ひいぃいぃい……」
ヒュォオオオオオオオオ……
16: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:28:41 ID:ayxDgaoNKQ
男「ま、だ…心の準…備がッ……」
男「…できて…なかっ…」
男「……怖…えぇ…!」
ヒュォオオオオオオオオ……
17: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:29:10 ID:hJ67OJlZoI
ていうか>>1さん酉つけねーの?
18: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:29:12 ID:ayxDgaoNKQ
男「だ…誰が…押して…」
男「…嫌ッ…だ……!」
男「……まだ…死にたく……!」
ヒュォオオオオオオオオ……
男「慣れた」
19: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:29:23 ID:PpfU4O9lE.
私怨
20: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:31:28 ID:LILMRX8tHQ
慣れwwwたwww
つC
21: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:32:30 ID:jea4yQfMpw
男「……深過ぎだろこの井戸」
ヒュォオオオオオオオオ……
何時までも見えてこない井戸の底
もうそろそろブラジルまで行っちゃうんじゃないかと、そう思った途端
スポーンと心地良い音と共に、体が放り出されました
男「!?」スポーン
22: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:35:32 ID:AkYREPUZEc
男「……」キョロキョロ
男「????」
男「…まぁ、ブラジルじゃあ無いんだろうな」
一目瞭然。
広がる野原も
その向こうに聳える山も
更にその上に広がる空も
どれ一つとして、ブラジルどころか世界中探しても見つから無さそうな景色が広がっています
だって
男「とりあえず色が、おかしい…」
23: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:38:54 ID:H5eUe.tjLc
空は黄色で、野原は青
男「……気持ち悪」
スポーン!
男「!?」ビクッ
?「へぶッ!」ドシャ
同じように、井戸から飛び出てきた一人の少女
少女「……」
男「(……うさ耳?)」
兎の耳の付いた一人の少女
真っ白なワンピースを着た少女
24: 蝶・専半島:2011/6/9(木) 19:38:56 ID:Dsu7jkcuyE
このスレは神が支援しています
25: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:39:22 ID:6gJdDcRjSM
地の文が丁寧語って……
26: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:42:09 ID:ayxDgaoNKQ
男「…おい?」
少女「……」
男「…」グイッ
少女「ッ…み…耳は引っ張っちゃ駄目、です…」
男「……」パッ
少女「…そうだアリスだ!!」バッ
男「あ?」
少女「お帰りなさい!!アリス!!私達のアリス!!」ダキッ
男「ぅい!?」
少女「アリス!アリスぅ!!」ギュムー
男「おいこら!痛い!痛いんだよ!」バコッ
少女「痛い!でもアリスに殴られるなら幸せ!気持ち良い!」
男「怖い!」
27: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:43:54 ID:tI7SKCVOJE
男「おら離せって」グイッ
?「離さない!もう離さないよアリス!
もうどこに…も……?」
男「……」
?「……?」ジッ
男「顔近ぇよ」
?「……どちら様ですか?」
男「まんまお前にその質問を返してやるわ」
28: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:54:56 ID:ayxDgaoNKQ
うし、名前変え忘れるミスもあったしとりあえずここまで!
1は歪みプレイ済みです
結構影響されてるかもです
とりあえず酉はこれにしておきましょうか
支援、アドバイス等ありがとうございます
放置はしないよう心掛けますので
出来れば最後までお付き合いして頂ければ嬉しい限りです
では、また後ほど書きにきます
29: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 19:55:27 ID:ayxDgaoNKQ
あらやだ酉忘れ
30: 名無しさん:2011/6/9(木) 20:01:31 ID:hJ67OJlZoI
歪アリやっぱかw
つC
31: 蝶・専半島:2011/6/9(木) 20:09:00 ID:sjK4Tuv5aE
オーケーだユウヤ君
支援
32: 名無しさん:2011/6/9(木) 20:35:21 ID:FNOnwiElUY
歪アり好きだぜww
つC
33: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:16:17 ID:PmyquluLE6
白兎「っと、はじめまして。私は白兎と申します」
男「そうか変な名前」
白兎「名前と言うより種族名に近いですかね?
自己紹介はこんな感じでいいですか?」
男「名前しか分かんなかったけどな」
白兎「えと、なんであなたはアリスじゃないんですか?」
男「いきなり存在否定されたんだが」
34: 名無しさん:2011/6/9(木) 22:17:49 ID:M5QpzCmIZE
>>25
可哀想に、童話を読んだことがないのか…
35: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:20:09 ID:DEPQDGNmG.
白兎「あ、いや!そういう訳じゃ無いんですけど」
男「どういう訳だよ」
白兎「あの井戸を覗きこんでるから、てっきりアリスかと…」
男「どういうことなの…」
36: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:24:46 ID:IY41cBvn0o
白兎「じゃ、質問を変えましょう!」
男「お願い」
白兎「あなたは誰ですか?」
男「……男。多分、いや絶対にお前の言ってるアリスって奴じゃない筈」
白兎「…男さんですね?
じゃ、どうしてあの井戸の前に居たんです?」
男「飛び降りて死ぬつもりだったんだよ」
白兎「…へ?」
37: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:26:28 ID:H5eUe.tjLc
白兎「死ぬつもりだった…?」
男「…あぁ、したらいきなり誰かさんに後ろから突き落とされて
気づいたらここだ」
白兎「あぁ、私ですね!」
男「だろうな」
白兎「や!でも死なずにすんで良かったじゃないですか!」
男「人の話聞いてた?」
38: 名無しさん:2011/6/9(木) 22:29:41 ID:uo2scn7/PE
男「…こっちからも質問していいか?」
白兎「どうぞ?幾らでも答えますよ?」
男「ここは、何処なのかな?」
白兎「……」
少女は初めは質問の意味が分からないという顔をしていましたが
やがてその答えを見つけたようで
白兎「この世界は、アリスの創った『不思議の国』です!」
男「……」
こう、言いました
39: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:36:29 ID:AkYREPUZEc
男「……何となく、自分の置かれた状況が理解できた」
男「あの井戸はここに繋がってた訳?」
白兎「というより、私が一緒だったから此方に繋がったんですね」
男「…不思議の、国ね」
白兎「はい!素敵な所でしょ!?」
男「空も野原も気味悪い色してるんだけど?」
白兎「仕様です!」
男「どんな仕様だ」
40: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:38:52 ID:jea4yQfMpw
男「んで、アリスさんは何処なの」
白兎「…それが…」
男「……?」
白兎「見つからないんですよ、ね…」
男「見つからない?」
白兎「来なくなっちゃったんです
アリスが初めてこの国に来て…それ以来一度も…」
男「ふうん」
白兎「人事ですね…」
男「人事だからね」
白兎「むぅ…」
男「ちゃんと聞くから続けて」
白兎「……」
41: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:40:35 ID:DEPQDGNmG.
白兎「不思議の国は、アリスがいる事で成り立っています。存在しています」
白兎「この国はアリスを育てる為に存在するんだと、聞きました」
男「……」
白兎「でも、10年間以上肝心の彼女が居なくって…」
男「で、お前は探しに出てきてた訳か」
白兎「そういう訳です」
42: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:46:00 ID:tI7SKCVOJE
男「アリスを探しに行く必要ってあるの?」
白兎「へ!?」ガバッ
男「っ…急に大声出すなよ」
白兎「あ、す、すいません…!
で、でもアリスを探さなくて良いって…」
男「来ないなら来ないでいいだろ
そこまで執着する必要も…」
白兎「何言ってるんですか!?馬鹿ですか!?馬鹿なんですか!?」
男「言ってくれるじゃねぇか」
43: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:48:29 ID:uo2scn7/PE
男「アリスが居なくても
不思議の国は消える訳でもないんだろ?」
白兎「そんなことですか!
不思議の国も多大なるダメージを受けてますよ!」
男「例えば…?」
白兎「ん!」ビシッ
男「白兎の眼がどうした」
白兎「よく見て下さい!」
男「赤いな」
白兎「色は生まれつきです
ん!!」
男「ん!!じゃないよ分かんねーよ」
白兎「視力がどんどん落ちてるんですよ!!」
男「見ただけで分かるか馬鹿」
44: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:55:50 ID:AkYREPUZEc
白兎「さっき、この国はアリスを育てる為に存在するって言いましたね」
男「あぁ」
白兎「育てると言うのは、別に算数や英語を教える訳じゃありません」
男「道徳的な面を育てるとか?」
白兎「それも少し違いますね
アリスは生まれながらに不完全な存在です」
45: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:56:40 ID:C/EsOqUYxw
白兎「足りないそれらを不思議の国の住人が、アリスと遊ぶ事で人として作り上げる
ここは、その為の世界なんですって」
男「よく分かんないわ」
白兎「実際、細かい事は私も分かりませんがね!」
男「その自信に溢れた態度は何処から来てるんだ」
46: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:58:37 ID:Sk5yLArqZw
白兎「けど、アリスが来ないとなると話は別です」
白兎「アリスに足りない部分は、『住人達が直接、分け与えなければならない』んです」
白兎「ここではそれを、『アリスへの献上』と呼んでます」
男「……献上」
白兎「基本は、『自分には最も必要無いと思ったもの』が、アリスに献上されていきます」
47: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 22:59:37 ID:jea4yQfMpw
男「…で、お前は」
白兎「はい!視力を献上する事にしました!
私にはこの自慢の耳がありますからね!」ピコピコ
男「視力って…」
白兎「でも、完全に視力が無くなる前に、もう一度アリスの顔は一目見ておきたいですね!」
男「……」
48: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:03:47 ID:IY41cBvn0o
男「じゃあ、この景色が気味悪い色してるのは…?」
白兎「そうですね
この景色はアリスに『色』を献上してるらしいです」
男「なる程、そういう仕様なんだな
…つか色って、大事なもんじゃないの?」
白兎「例外も有るみたいなんです
特定の物、人からしか与えられないものも有りますからね」
白兎「女王様なんかも、それに当てはまってますね…」
男「女王様?」
白兎「この国で二番目に偉い人です!
私をあなた達の世界に送り込んだのも女王様ですよ」
男「二番目?」
白兎「当然、一番はアリスですがね?」
49: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:05:38 ID:IY41cBvn0o
白兎「とりあえず説明は以上ですね…
ちなみに、この説明も全部女王様の受け売りなんですが」
男「本当に、長ったらしい説明だな」
白兎「ふぅ…喋り過ぎました…」
男「だろうね」
白兎「全部説明したら喉が枯れちゃいます…」ケホッ
男「とりあえず、水でも飲みにいくか?」
白兎「ありがたいです…」
50: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:07:59 ID:tI7SKCVOJE
男「不思議の国なら、メルヘンチックな泉でもあるんじゃないの?」キョロキョロ
白兎「っとですね…
お茶会にでも行ってみます…?」
男「お茶会?」
白兎「はい、帽子屋さんが毎日のようにお茶会を開いてるんです」
男「帽子屋なのに?」
白兎「細かい事気にしちゃ負けです」
51: ◆AlicexxO96:2011/6/9(木) 23:13:09 ID:tI7SKCVOJE
今晩はここまでですね
あやや、初っ端から説明パートです
文字数が多いこと多いこと
長い目で見てくれたら嬉しいです
ではでは
52: 蝶・専半島:2011/6/9(木) 23:18:25 ID:y2zfpJx/KY
私の目は切れ長でイケメンです
53: 名無しさん:2011/6/9(木) 23:21:43 ID:SJ78b/5rEM
>>51
なかなか良かった
紫煙
54: 名無しさん:2011/6/10(金) 12:29:02 ID:eyiXSnv7S6
結構重そうな話だけど支援
55: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 20:53:41 ID:Sk5yLArqZw
男「とりあえずその帽子屋に行くのね」
白兎「そう遠くは無いですからね」
男「じゃ、行くとしようかね」スタスタ
白兎「あ、待って下さいよ!道分かるんですか?」
男「いんや、分からん」
白兎「私が前歩きますから!」タッタッ
56: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 20:57:44 ID:jea4yQfMpw
男「…思ったんだけどさ」
白兎「はぁい?」
男「俺もアリスに何かを献上しきゃいけないのか?」
白兎「…そうですね
恐らく今も男さんから何かが献上されています……」
男「一度も会ってない奴に何かをやらなきゃなんねえのか」
白兎「それは…ごめんなさい…
私の不注意で巻き込んじゃって…」
男「まぁ、自分にとって一番必要無いと思ったものなんだろ?
なら別に構わないが…」
57: 名無しさん:2011/6/10(金) 21:13:05 ID:ayxDgaoNKQ
男「…童貞要らない、とか言ったら
俺は脱童貞できたのかしら」
白兎「アリスは女の子ですから、それを貰ってもね…」
男「そうだよな…」
白兎「それに」
男「言うな」
白兎「名目だけ脱童貞したところで虚しくなりません?」
男「言うなと言っただろうが!」
58: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:14:36 ID:IY41cBvn0o
男「……」ジッ
白兎「…どうかしました?」
男「その耳が気になる」
白兎「これですか?」ピョコピョコ
男「取れるの?」
白兎「取り外し及び飛行可能の偵察機ユニットにできます!」
男「凄い」
白兎「嘘です!」
男「だろうね」
59: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:25:03 ID:AkYREPUZEc
白兎「ん、もうそろそろ見えて来ますよ?」
男「思ってたより近いな」
白兎「帽子屋さん!居ますかー?」
男「あら、アンティークなお店」
帽子屋というよりは喫茶店という感じ
おまけのように端に並べられた沢山の帽子
帽子「おや?白兎ちゃんじゃないか
帰って来てたんだね」
白兎「お久しぶりです!」
出てきたのは、大きなシルクハットを被った男の人
60: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:46:45 ID:tI7SKCVOJE
帽子「今日はどういったご用件かな?
キャスケット帽?ニット帽?」
白兎「あ、いえ…」
帽子「白兎ちゃんの耳が収納可能なロップイヤー帽子なんかもあるよ?」
白兎「買います!」
男「おぅい」
61: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:50:18 ID:PmyquluLE6
白兎「ね!男さん!これどうでしょうか!
似合ってます!?」
男「耳が垂れて痛そうだな」
白兎「実質結構痛いです」
男「脱いどけ」
男「お茶会はやってないんですか?」
帽子「お茶会しに来てくれたのかい?」
帽子「それは嬉しいけど、生憎今日のお茶会はさっき終わったばかりなんだ」
白兎「あ…そうなんですか」
62: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 21:54:50 ID:ayxDgaoNKQ
帽子「んー、でもせっかく来てくれたんだし
お茶も余ってるからね」
帽子「準備するよ!
お菓子は無いけどいいかい?」
男「…いいんですか?」
帽子「いいも何も、僕は誰かとお茶するのは大好きでね!」
帽子「君達が良いなら好きなだけゆっくりしてってくれよ?」
白兎「手伝いましょうか?」
帽子「いや、みんなのお茶を準備するのも楽しみの一つなんだ
ま、座っててよ!」
63: 名無しさん:2011/6/10(金) 22:37:31 ID:C/EsOqUYxw
帽子「常連のトランプ兵達は言葉を失ったから、話し相手がいなくて退屈だったんだ」
帽子「紅茶だよ。なんなら緑茶もミルクもあるけど」カチャ
男「あ、どうも」
白兎「枯れかけの喉に染みるねぇ…」
帽子「さ、少年が誰かも気になるけど、白兎ちゃんが帰って来たってことは…」
帽子「アリスは、どうだったんだい?」
白兎「……」
男「……」ズズッ
?「……」
64: 名無しさん:2011/6/10(金) 22:38:39 ID:C/EsOqUYxw
白兎「…見つかりませんでした」
帽子「そうか、まぁしょうがないよね…」
男「差し支えなければ」
帽子「ん?」
男「帽子屋さんは、アリスに何を…?」
帽子「何を、献上したのかって…?」
男「……」コクン
帽子「……」
帽子「僕はね…」
帽子「アリスに、髪の毛を、与えているんだよ…!」
男「……」
男「…!?」
?「……」
65: 名無しさん:2011/6/10(金) 22:45:18 ID:PmyquluLE6
帽子「僕は帽子屋だからね
一年中帽子をかぶってるんだ」
帽子「見せる事の無い髪の毛は要らないなと思ってね」
男「…変に濃いキャラですね…」
帽子「頭は薄いけどね!」
男「……」イラッ
白兎「本当に、申し訳ないです…
みんなの期待を背負って探しに行ったのに……」
66: 名無しさん:2011/6/10(金) 22:47:47 ID:C/EsOqUYxw
帽子「まぁ白兎ちゃんはよく頑張ったよ
そんなに自分を責めることはない」
白兎「はい…」
帽子「これからは、どうするつもりなの?」
白兎「…また女王様の所に行って、アリスのいる世界におくってもらいます」
男「……」
帽子「…そうか、頑張ってね」
白兎「はい!」
67: 名無しさん:2011/6/10(金) 22:51:40 ID:PmyquluLE6
帽子「で、君は誰なんだい?初めて見る顔だけど」
男「ん、アリスと勘違いされてそいつに連れて来られた人間です」
白兎「え、えへー」
男「というか間違えるか普通
こんな格好してるのかよアリスって」
白兎「あ、あんな所に思わせぶりに立ってるのが悪いんですよ!」
男「思わせぶりて」
帽子「相変わらずせっかちだね」
?「……」
68: 名無しさん:2011/6/10(金) 23:01:23 ID:IY41cBvn0o
帽子「で、君も白兎ちゃんについて行くと」
男「まぁ、そうなりますね」
帽子「そうか、城は遠いよ?
気をつけてね」
男「まぁそれなりに」
?「……せぇなぁ」ボソッ
男「……ん?」
白兎「どうかしました?」
男「……いや」
?「……」
69: 名無しさん:2011/6/10(金) 23:09:02 ID:IY41cBvn0o
男「……」
?「……」
男「……」
?「……」
男「ちょっと聞きだいことがあるのだけど」
帽子「何かな?」
70: 名無しさん:2011/6/10(金) 23:11:47 ID:IY41cBvn0o
男「さっきからずっと机に突っ伏してる、こいつは何?」
?「……」
白兎「……あ!」
帽子「あぁ、その子はね…」
男「寝てんの?」
?「…寝てねぇよ」
男「!?」ビクッ
帽子「うちの常連さんだよ」
白兎「山鼠ちゃん!」
山鼠「……頭に響くから大声だすんじゃねぇ…」ムクッ
71: ◆AlicexxO96:2011/6/10(金) 23:21:24 ID:DEPQDGNmG.
とりあえず、今日はここまでにしておきましょうか!
酉つける癖が無いんで基本忘れてますwww
因みに最後のヤマネちゃんは原作では眠り鼠となってますぬ
冬眠鼠とも書くようですが
個人的にヤマネと書いた方が可愛いのでヤマネにしてますw
只今風邪を引いてるので明日来れるか分かりませんが
ごゆっくりお付き合いくださいな
72: 名無しさん:2011/6/10(金) 23:52:23 ID:OO6kRpOdXY
続き楽しみにしてるよ!
ともかくお大事に!
73: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:03:16 ID:TarKtNQWHs
面白い!支援
無理しないでねー
74: 名無しさん:2011/6/11(土) 19:59:37 ID:eyiXSnv7S6
C
キャラのスペックおくれ
75: ◆AlicexxO96:2011/6/11(土) 22:31:15 ID:C/EsOqUYxw
>>72
ありがとうございます
体調もある程度落ち着いて来たのでのんびり更新していきますねん!
>>73
支援ありがたいです!
無理なんてとんでもない
風邪如きで倒れてられませんからねー
>>74
スペックですかー
今日の更新の最後にでもまとめておきますぬ
ではでは続きをば
76: 名無しさん:2011/6/11(土) 22:34:53 ID:PmyquluLE6
帽子「お茶会が終わってもずっとさっきの調子でね」
山鼠「…なんだなんだ。見慣れねえ顔があんな…?」ジッ
男「顔が近ぇよ顔が」
白兎「山鼠ちゃんは昔からの私の親友ですよ!」
男「ふぅん…」
77: 名無しさん:2011/6/11(土) 22:40:48 ID:AkYREPUZEc
山鼠「誰かと思ったらシロかよ」
白兎「山鼠ちゃんまた隈増えたねぇ…」
山鼠「んなこたどうでもいい
アリスはどしたアリスは」
白兎「うぇ?あ…その…」
山鼠「…冗談。さっきの話しは聞いてたから
まぁしょうがないわな」スック
男「……」
山鼠「……ぁ?」
78: 名無しさん:2011/6/11(土) 22:47:47 ID:C/EsOqUYxw
その少女は立ち上がりこちらを見上げてきました
第一印象は「ちっさい奴」だなと
白兎の肩くらいまでしか背が無く、その華奢な体を薄汚れたオーバーオールが包んでいます
次に印象的なのは、目の周りの隈
異様な程黒ずんだそれを見ていたら
その少女と目があっていることに気づきました
山鼠「…人の顔や体ジロジロ見てんじゃねぇよ、ロリコン野郎」
あと、驚くほど口が悪いです
79: 名無しさん:2011/6/11(土) 22:53:00 ID:C/EsOqUYxw
男「いきなりロリコン野郎呼ばわりとか
いきなりロリコン野郎呼ばわりとか」
白兎「お、男さん落ち着いてっ」
男「この際開き直ってやろうか」
山鼠「何ブツクサ言ってんだロリコン野郎」
男「よぉしそこで打ち止めだ
三度目は無いぜお嬢ちゃん」
山鼠「ロリコン野郎」
男「よしきた今日から俺はペドフィリア野郎だ」
白兎「そこまでは言って無いから!」
80: 名無しさん:2011/6/11(土) 22:56:58 ID:ayxDgaoNKQ
男「別に性的な目で見てた訳じゃないのにね」ウジウジ
山鼠「自分でペド認定した時点で救えねーから」
白兎「山鼠ちゃんもそんな挑発しないでったら」
男「……お前の体を心配してるだけなのにね」ウジウジ
山鼠「……はぁ?」
白兎「ウジウジしないで下さいよ
気持ち悪いですよ」
男「罵倒され続けてMに目覚めそう」
81: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:00:14 ID:ayxDgaoNKQ
男「お前って白兎と同い年な訳?」
山鼠「…そうだけど?」
男「ならヤバいだろ
お前飯ちゃんと食ってんのか?」
山鼠「それなりのもんは食ってるよ
余計なお世話だっての…」
男「じゃあ、ちゃんと寝てるか?」
山鼠「…っ…」
男「……?」
白兎「……山鼠ちゃんがアリスへの献上に選んだのは、『睡眠』なの」
82: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:04:45 ID:AkYREPUZEc
山鼠「……言ってんじゃねぇよシロ」
男「睡眠…?」
白兎「山鼠ちゃんの体が寝ることを拒み続けちゃうんだ」
帽子「だけど、睡魔には襲われるらしくてね」
帽子「お茶の葉に含まれるカフェインって聞いたことあるでしょ?」
男「興奮剤、強心剤になる奴?」
帽子「そう。
毎日お茶会に出て、お茶を飲んで
脳をずっとカフェイン漬けの興奮状態にさせてるんだって」
男「そんなんで大丈夫なの?」
帽子「さぁ?僕の体じゃないし分からないけど」
83: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:19:21 ID:vmvGe1KNEw
面白かったです!
っC
84: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:19:54 ID:BDKRTRECcU
あ、1さんお大事に!
85: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:21:23 ID:ayxDgaoNKQ
山鼠「……寝っ転がって目ェ閉じてたら
ある程度体力は戻んだよ」
帽子「でも、眠れない」
山鼠「ッ……」
白兎「アリスが帰って来るか
それこそ死ぬまで、永久の眠りにつくまでは」
白兎「山鼠ちゃんは眠れないんですよ」
男「……アリスが帰ってくれば、献上した物は返ってくるんだ?」
白兎「……実際の所は分かりません
前例がありませんから」
男「じゃ、なんで」
白兎「女王様がそう言ってましたから……」
男「……」
86: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:23:49 ID:uo2scn7/PE
山鼠「……どいつもこいつも口が軽過ぎなんだよ」
白兎「だって男さんに誤解されるのも嫌でしょ?」
山鼠「なんでこいつが出てくるんだよ…
今日会っただけの奴だろ」
男「あ」
山鼠「…なんだよ」
男「白兎」
白兎「はい?」
男「女王様の所行くんだろ
こいつも連れてくぞ」
山鼠「はあぁ!?」
白兎「元からそのつもりですよ!」
87: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:27:57 ID:tI7SKCVOJE
山鼠「待てよ待てよ!
シロはともかくてめぇは関係ないだろ!
首突っ込んできてんじゃ」
男「そんな話聞いちゃった以上ねぇ…」
男「俺も白兎についてくから関係あるし」
山鼠「うっぜぇ…うぜぇよお前…」
男「罵倒には慣れた
俺はもう無敵だ」
白兎「気持ち悪いですよ?」
男「快感だ」
88: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:29:51 ID:96TVUWlwC6
山鼠「第一、俺がお前らについてく意味が分かんねーんだよ!」
男「アリスを捜すなら一人より二人
二人より三人の方がいいでしょ」
男「見つかればお前もぐっすり眠れるんだぜ?」
山鼠「うぐ…」
山鼠「ぼ、帽子屋もなんか言って…」
帽子「いってらっしゃい?」
山鼠「く、れ…?」
帽子「いってらっしゃい?」
89: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:33:55 ID:uo2scn7/PE
山鼠「う、裏切ったな!毎日お茶会に出てやってんのに!」
帽子「人聞きの悪いな
僕はお茶を飲みながら話す相手が欲しいんだ」キュッキュッ
帽子「山鼠ちゃんは飲んだらすぐ机にぶっ倒れてるじゃないか」カチャカチャ
山鼠「なっ…」
帽子「それはそれで商売の邪魔になるしね」フキフキ
山鼠「は、薄情者ぉ!!」
帽子「残念、薄いのは頭だけなんだなこれが」ピカピカ
男「何その自虐聞くに耐えない」
90: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:38:38 ID:tI7SKCVOJE
帽子「大体何を拒むの
少年の言ってる事は合理的だよ」
帽子「どうせ暇なんだから行っておいで」
山鼠「くっ…この…」
帽子「なぁに、まだ駄々をこねるのかい?」
山鼠「このハゲ!」
帽子「……」ドドド…
帽子「…命令だ、今すぐ出て行け」ゴゴゴ…
山鼠「!」
男「うわ、人にネタにされるの嫌うタイプの人だ」
白兎「質悪いですね…」
91: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:42:15 ID:C/EsOqUYxw
山鼠「追い出された…」
白兎「山鼠ちゃんの引き抜きに成功!」
男「ミッションコンプリッ」バッ
山鼠「帽子屋に居られないとなると、行くとこねぇしな」
白兎「何言ってるの!
山鼠ちゃんの居場所はここだよ!」
山鼠「シロ……」
男「ヤバい俺の蚊帳の外っぷりがヤバい」
92: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:51:41 ID:wEEnoyyTxM
白兎と山鼠かわええのう(*´∀`*)
93: ◆AlicexxO96:2011/6/11(土) 23:54:03 ID:tI7SKCVOJE
あーい今日はここまで
とりあえずスペックという声がありましたので
男
年齢は19そこら
人間
『?』を献上
白兎
兎
全体的に白い
『視力』を献上
山鼠
眠り鼠(ヤマネ)
全体的に口悪い
『睡眠』を献上
こんな感じなのですかねぇ
風邪悪化しないようにとっとと寝ます
ではでは、読んでくださった方々ありがとうございました
また明日来れたら、よろしくです!
94: 名無しさん:2011/6/11(土) 23:58:23 ID:3c.ji7veHI
1おつおつーん(^O^)
95: 名無しさん:2011/6/12(日) 12:12:55 ID:eyiXSnv7S6
支援
SS批判もあるけど放置とかしない限り叩かれることもないからね
頑張って
96: ◆AlicexxO96:2011/6/12(日) 20:43:00 ID:jea4yQfMpw
>>83>>84
ありがとうございます!
あれですよね、自分の書き込みが遅かったからもう終わったと思ったんですよね…w
申し訳無いです
>>85
可愛いキャラを書くのは苦手なんですよね実はwwそう言って貰えたら凄い嬉しいです
>>94
読んで下さってありがとうございますねん!
>>95
あのスレはROMらせてもらいました
とりあえず放置はしませんよ!
放置する位なら未完庫にぶち込んで貰います
頑張りますよー
ではでは、のんびり書いて行きましょうか
97: 名無しさん:2011/6/12(日) 21:07:03 ID:jea4yQfMpw
山鼠「で?」
白兎「ん?」
山鼠「ん?じゃねぇよ
こっからどうすんだって話」
男「女王の城に行くんじゃないの」
白兎「んー、城は遠いですからね
ここからだと一週間以上はかかりますよ」
山鼠「しんどいなぁ…」
男「腹減った」グゥ
山鼠「お前自由だな」
98: 名無しさん:2011/6/12(日) 21:31:35 ID:AkYREPUZEc
白兎「とりあえず、買い出しです
食糧無しでの長旅は流石にキツいです」
男「ほう」グゥ
山鼠「……」
白兎「ついでに、ご飯にしましょう
男さんの口に合うかは保証できませんが」
男「いいと思う」グゥ
山鼠「どこに行くんだ?」
白兎「すぐそばに公爵の城がありますから
その城下町へ」
男「いいと思う」グゥ
山鼠「そうかよ。じゃあさ」
男「…」グゥ
山鼠「お前腹の音うるっせぇよ」
99: 名無しさん:2011/6/12(日) 21:48:02 ID:DEPQDGNmG.
白兎「人参食べます?」ゴソゴソ
男「食べます」グゥ
山鼠「なんで服の中に人参があるのか知りたい」
白兎「非常用ですよ、どうぞ」
男「美味」カジカジ
山鼠「良かったな
あとさっきから喋り方ぶっ壊れてっぞ」
白兎「で、山鼠ちゃん何か言いかけてませんでした?」
山鼠「ん、あぁ
いや、お茶が飲めなくなったからさ」
100: 名無しさん:2011/6/12(日) 21:55:56 ID:IY41cBvn0o
山鼠「代わりの興奮剤がないとなって思ってさ」
山鼠「でなきゃ俺、アリスどころかただの足手まといになるかんな」
男「興奮剤ねぇ」
白兎「ヒロポンとかですか?」
山鼠「八割方俺死ぬわ」
101: 名無しさん:2011/6/12(日) 21:59:04 ID:PmyquluLE6
山鼠「分かってっかお前!?
ヒロポンって覚醒剤だぞ覚醒剤!」
白兎「ふむ」
山鼠「ただでさえ寝てない奴を薬中にさせてどうすんだ」
男「駄目か…」
山鼠「お前も少なからずいけると思ってたのな?」
白兎「競馬とかですか?」
山鼠「いや勝ったら脳汁どっぱどぱなんだろうけどさ」
男「競馬なんて勝てないって
金が無くなるのは痛いぞ」
山鼠「そういう問題でもねぇよ」
102: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:00:55 ID:PmyquluLE6
山鼠「……お前らが挙げてる奴基本不思議の国にねぇから」
男「そうかぁ…」
山鼠「考えれば分かるだろ……」
白兎「そうでしたか……」
山鼠「おめぇは住人側だから分かってろよ」
103: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:02:11 ID:H5eUe.tjLc
白兎「だ、だってアリス探しに行った所にありましたから…
ね!?」
男「なんで俺を見る」
山鼠「お前アリス探しの名目でそんなダークな世界に浸ってたのか…」
白兎「してないしてない!
ちゃんとアリスを探してたよ!?」
男「少し悪い影響受けたみたいね」
山鼠「お前の住んでた世界のせいだぞ
なんとかしろよ」
男「んな無茶苦茶な」
104: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:10:06 ID:H5eUe.tjLc
山鼠「つか大体説明聞いた時点で、俺のお荷物っぷりわかんだろ」
男「なんで睡眠を要らないなんて言うかね
三大欲求の一つだろ」
山鼠「……」
男「……あれ、またマズい事いった?」
白兎「山鼠ちゃんも私もまだ幼かったからね…
寝る時間もずっと遊んでたかったんだって」
山鼠「ばっ!こいつに言うんじゃねぇよ!」
男「うわ、馬鹿じゃね」
山鼠「それ以上喋ったら食い潰すぞお前!!」
105: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:18:11 ID:ayxDgaoNKQ
山鼠「つか、しょうがねぇだろ」
男「何が」
山鼠「いきなり自分に必要ないものとか言われても簡単に思いつかねぇし…」
白兎「山鼠ちゃんは後先考えない性格だからね」
山鼠「視力捨てたシロには言われたくねぇわ」
白兎「う…わ、私にはこの耳があるもん!」ピクピク
白兎「ね!男さんはどっちが酷いと思う!?」
男「どっちも馬鹿だと思う」
白山「……」
106: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:23:32 ID:H5eUe.tjLc
男「……そうだ」
白兎「男さん?」
男「遊ぼう」
山鼠「…は?」
男「あれじゃん、遊んでる時って眠くなんないじゃん!!
スリル満点の遊びで脳を活性化!!」
山鼠「いきなりテンションがウザくなったな」
男「AHA体験!」
白兎「それとはまた違うと思いますよ」
107: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:25:10 ID:PmyquluLE6
白兎「スリル満点な遊び……」
山鼠「どうせろくでもない意見だから言わなくていいよ」
白兎「地上300mの超高層ビルの間にかけられた電流の流れる鉄骨を渡るとかですかね?」
山鼠「急にカイジネタを放り込むのは止めろよ」
男「悪くないな」
山鼠「もうこの流れいいわ」
108: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:29:39 ID:H5eUe.tjLc
男「よし、そうと決まりゃあの丘の上まで競争な」グッグッ
白兎「はい!」ピョンピョン
山鼠「は?…は!?」
男「よーいドン」ダッ
白兎「ゃふー!」ピョン
山鼠「ま、待て!待ってよ!」ヨタヨタ
山鼠「に゙ゃ!」ベチャ
白兎「山鼠ちゃん!競争ですよ競争!」
山鼠「寝てないから走ったりできねーんだよぉ!」
109: 名無しさん:2011/6/12(日) 22:32:41 ID:tI7SKCVOJE
山鼠「…ゼェ…ハァ…」
白兎「山鼠ちゃんがビリですね!」
男「どうよ、目ぇ覚めただろ?」
山鼠「…無駄に体力使っただけだわアホ!」
男「一人すっころんでたな」
山鼠「なんでいきなり駆けっこなんざ…」
男「ノリ」
山鼠「死に曝せ」
白兎「罰ゲームはどうします?」
山鼠「鬼畜かてめぇらは」
110: ◆AlicexxO96:2011/6/12(日) 22:47:51 ID:96TVUWlwC6
とりあえず今日はここまでで
まぁなんというか
例のスレと同時進行してるとか喧嘩売ってんのか状態ですねwww
気にする必要は無いのです
放置しない限りね
SSが嫌いだと言う人がいても
読んでくれてる人が居る限りは続けたいよねー
んでは、また明日にでもお会いしましょうおやすみなさい!
111: 名無しさん:2011/6/13(月) 06:45:35 ID:rZ43akv5Ko
メルヘンチックでいてダークな風味の世界観が素敵
ヤマネちゃん欲しい
支援
112: 名無しさん:2011/6/13(月) 07:21:33 ID:HBWsMB.NHM
C
113: 名無しさん:2011/6/13(月) 19:06:18 ID:MmPjX6lOTA
C
114: ◆AlicexxO96:2011/6/13(月) 23:32:32 ID:Sk5yLArqZw
>>111
ありがとうございます!
設定から結構重めですから、もう少しダークになるかもです
>>112
支援ありがとうございます!
>>113
ありがとうございます
さ、今日は少なめですが、よろしくお願い致しますー
115: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:34:47 ID:uo2scn7/PE
白兎「いやはや、まさか山鼠ちゃんがもうダウンするとは」
白兎「とんだ出落ちっぷりですね!」
山鼠「……いきなりお前らが走りだすからだぞ」
男「悪かったって」
山鼠「……ふん」
山鼠「シロも反省しろよな」
白兎「私は山鼠ちゃん背負ってあげてるから許して下さい?」
男「なんなら俺が背負ってやろうか?」
山鼠「しねロリコン野郎」
男「泣くぞ」
116: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:37:16 ID:ayxDgaoNKQ
男「でも白兎は平気なのか?」
白兎「大丈夫ですよ、山鼠ちゃんは軽いですから」
山鼠「微妙だな。褒められてる気がしない」
白兎「眠れない分、しっかり栄養つけて行きましょうね」
山鼠「はいはい」
男「……」グゥ
117: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:43:32 ID:jea4yQfMpw
白兎「つきましたよ」ザッ
男「ここが公爵さんの城?」
山鼠「の、城下町な」
男「公爵でもこんな豪華な城持てるのな」
白兎「いえいえ!
こんなちんけなお城、女王様の城に比べたら!」
?「そぉ?
でもそう言う事は、思っても口に出さない方が利口よぉ?」
白兎「……へ?」
118: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:46:02 ID:jea4yQfMpw
男「……誰?」
?「誰?と聞かれれば、あの城の主の妻と答えればいいのかしらぁ?」
山鼠「……て事は」
白兎「あ…あ…」
夫人「そうねぇ、あのちんけな城に住む公爵夫人という事になるわぁ」
男「白兎詰んだな」
119: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:48:49 ID:96TVUWlwC6
白兎「あ…あれですよ…公爵夫人さん…?
さっきのはそういう意味ではなく…」
夫人「ふぅん、誰かと思えば女王の使いっぱしりじゃない」ガシッ
白兎「ひっ…!?」
夫人「ふふ、私の城の傍でそんな大口叩くなんて良い度胸じゃなぁい」
夫人「坊や、お嬢ちゃん
この子少し借りて行くわよぉ?」
男「…へ?」
山鼠「おい…」
120: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:50:56 ID:96TVUWlwC6
夫人「安心なさい
教育がてら、少し働いて貰うだけだから」
夫人「後で城においでなさい
夕方には返してあげるわぁ…」スタスタ
白兎「ぁ…やっ…ちょ…」ズリズリ
白兎「や、山鼠ちゃんー!男さんー!」ズリズリ
山鼠「……いや」
男「……うん」
山男「自業自得だ…」
121: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:53:24 ID:IY41cBvn0o
男「……白兎が連れてかれた訳だが」
山鼠「見てたから説明しなくていい」
男「連れ戻しにいった方がいいかな」
山鼠「……夫人が夕方返すって言ってんだからいいんじゃねぇの」
山鼠「流石に兎の丸焼きとかにはなってねぇだろ」
男「……」グゥ
山鼠「今の話で腹を鳴らすお前ってどうなの」
男「……飯、食おうぜ」グゥ
山鼠「……ん、そうするか」
122: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:55:05 ID:PmyquluLE6
山鼠「金あんの?」
男「ある訳がないよね」
山鼠「……マジかよ
俺が奢んなきゃなんねぇのか」
男「……」グゥ
山鼠「……普通逆だろ…」
男「……」グゥ
山鼠「……分かったよ、行くぞ」
男「うい」
123: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:57:02 ID:jea4yQfMpw
山鼠「…旨いか?」モッキュモッキュ
男「旨い。はっきりいって、前までの飯と変わらん」ムッシャムッシャ
山鼠「そりゃ良かったな」
男「ピザなんて久しぶりに食った気がする」
山鼠「俺もだ」
124: 名無しさん:2011/6/13(月) 23:58:20 ID:96TVUWlwC6
山鼠「…!」ピクッ
男「店の雰囲気も普通だよな。
店員がカエルって事を除けば」
山鼠「……だな」コソコソ
男「カエルの作った料理は少し抵抗あるけど、旨けりゃなんでも良いな」
山鼠「……だな」ポイポイ
男「何俺のピザにきのこを移してんだ」
山鼠「……きのこ嫌いなんだよ」
男「好き嫌いしてたら大きくなれませんよ」
山鼠「俺はもう手遅れっぽいからいいんだよ」
125: 名無しさん:2011/6/14(火) 00:08:59 ID:DEPQDGNmG.
男「不思議の国でもお金って必要なんだな」
山鼠「世の中は金なんだとよ」
男「リアルな世界だな」
男「…まぁ、この借りはいつか返すよ」
山鼠「ったりめぇだ
返して貰うかんな」
126: 名無しさん:2011/6/14(火) 00:10:24 ID:AkYREPUZEc
男「さて、飯は食ったけど夕方まで時間あるぞ」
山鼠「……腹いっぱいになったら眠くなってきた」
男「寝れねぇんじゃ無かったのか?」
山鼠「眠くはなるんだよ…」
男「そうか、じゃそこのベンチで休んでろ」
山鼠「……お前は?」
男「俺も横で寝る」
山鼠「あっそ」
127: 名無しさん:2011/6/14(火) 00:13:09 ID:DEPQDGNmG.
山鼠「……」パチッ
山鼠「……おい、起きろ」
男「んぁ?」
山鼠「夕方だ」
男「……そうか」
山鼠「シロ、迎えに行くぞ」
男「はいはい」
128: ◆AlicexxO96:2011/6/14(火) 00:16:14 ID:IY41cBvn0o
今日はここまで
特に何がある訳でも無い内容です
書き溜めが無くなった訳ではありませんが
うむ、思いつきで書くのにも限界がありますね
明日は来れないかも知れないなぁ…
では、おやすみなさい
129: 名無しさん:2011/6/14(火) 03:15:20 ID:Gz.tN9AKNw
C
おやすみー!!
130: 名無しさん:2011/6/14(火) 06:56:15 ID:JjwWwJy39s
ヤマネはおれのよめ
C
131: 名無しさん:2011/6/14(火) 19:13:06 ID:eyiXSnv7S6
いんや俺の嫁だ
そして支援
132: ◆AlicexxO96:2011/6/14(火) 21:43:18 ID:96TVUWlwC6
>>129
こんばんはー
今夜も見て行ってくれたら嬉しいなー
>>130>>131
山鼠ちゃん人気ね!
嬉しいことですぬん
今日明日と試験なのであんまり更新出来ないですし
今日の分も完全に思い付きで書くのでペース悪いですが
宜しくどうぞです
133: 名無しさん:2011/6/14(火) 21:49:53 ID:uo2scn7/PE
門番1「……」
門番2「なんのようだ」
男「預け物返して貰いに」
門番1「……」
門番2「預け物ぉ?
公爵様も公爵夫人もお前らのような平民から物を借りるようなお人ではないわ!」
門番2「ふざけた事を抜かすな
帰った帰った!」
山鼠「変に回りくどい言い方するからだ馬鹿」
134: 名無しさん:2011/6/14(火) 21:55:54 ID:ayxDgaoNKQ
山鼠「公爵夫人にうちの連れが連れてかれたの」
山鼠「夕方返してくれるって言ってたから来たんだ
通してくんね?」
門番1「……」
門番2「だとしても、お前のような薄汚い格好の者を入れる訳にはいかん!」
男「……プッ」
山鼠「……次笑ったら本気でシバくかんな」
135: 名無しさん:2011/6/14(火) 21:57:38 ID:ayxDgaoNKQ
男「で、俺は通して貰えると」
門番2「ああ。話は公爵夫人から聞いている
そのまま真っ直ぐ階段を登れ。」
山鼠「……」イライラ
門番1「……」
男「じゃ、行ってくるから待ってな」
山鼠「……」イライライライラ
門番1「……ねぇ門番2、この人怖い…」
136: 名無しさん:2011/6/14(火) 22:00:02 ID:DEPQDGNmG.
メイド「「「いらっしゃいませ、お客様」」」
男「お帰りなさいませ、ご主人様でいいよ?」
?「生憎、そのような言葉は教えておりませんもので」
男「……あんたは?」
執事「ここの執事にございます……
御夫人の元まで案内致しますので……」スタスタ
男「……あの」
執事「何か?」
男「お帰り!お兄ちゃん!ってのは?」
執事「それに関しては我慢なさって下さい」
137: 名無しさん:2011/6/14(火) 23:47:14 ID:Sk5yLArqZw
男「立派な城だね」
執事「有り難きお言葉
段差が有ります故お気をつけください」
男「あらどうも
……前言撤回
段差があるってどうなの」
執事「公爵夫人は週に一度
城の模様替えをなさいます
その産物といいますか…」
男「……自由だな」
執事「……えぇ、本当に自由なお方でございます」
138: チェシャ猫 ◆bujB8GgAPs:2011/6/14(火) 23:49:29 ID:dRDTVwSANM
チェシャ猫まだか?
つC
/⌒\/⌒\
⌒) ⌒⌒ (⌒
_幺 ̄ (・)(・)  ̄マ_
≧/⌒ヽ(⌒)ノ⌒\≦
レ( (\ミ Y ミ/) )ソ
\\TTTTTT//
\二二二二/
∧―――∧
ト|――-ト|
∧ニ\―/ニノ\
(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)
 ̄  ̄ ̄ ̄  ̄
139: 名無しさん:2011/6/14(火) 23:56:03 ID:jea4yQfMpw
夫人「あらぁ待ってたわよぉ」
男「すいませんね、レディを待たせるなんて真似をして」
夫人「構わないわぁ
執事、外してくださる?」
執事「かしこまりました……」スッ
夫人「さぁて、自己紹介がまだだったかしら?」
夫人「私は公爵夫人
アリスへの献上に選んだのは『束縛』」
男「…束縛?」
夫人「そう、束縛
何人たりとも私に強制する事は、出来ないのぉ」
男「……賢いですね」
140: 名無しさん:2011/6/15(水) 00:01:52 ID:tI7SKCVOJE
夫人「賢い…?」
男「いや、束縛を捨てるって言う発想は凄いなぁと」
夫人「あら、ありがとう」
男「今までなんの考えも無しに献上物を決めてた奴しか見て無かったですから」
夫人「フフ…お陰で自由奔放な女だと良く言われるわぁ」
男「いいんじゃないですか
尻に敷かれるのが好きな男も居ますよ」
夫人「公爵様がそうだと良かったのだけどねぇ」
141: 名無しさん:2011/6/15(水) 00:04:18 ID:PmyquluLE6
夫人「それじゃあ、自由奔放で魅力的なおば様から少年にお願い」
男「何でしょ。尻に敷かれるのは嫌いじゃないですよ」
夫人「うふ、あなたのお連れさんだったかしらぁ?
兎の女の子ねぇ」
男「…白兎が?」
夫人「欲しくなっちゃったから、譲って下さらなぁい?」」
142: ◆AlicexxO96:2011/6/15(水) 00:08:18 ID:96TVUWlwC6
あい、今日はここまでにしておきましょうか
短くて申し訳ない…
明日には頑張って白兎奪還編を終わらせましょうか!
>>138
更新したら目の前にそのAAが出てきて本気で焦りましたwww
チェシャはまだ先になりますね…
主要人物(猫?)には変わりありませんが
それではグッドナイトでございます!
143: 名無しさん:2011/6/15(水) 00:09:30 ID:9/kALhRQlM
おやすみの支援
144: 名無しさん:2011/6/15(水) 07:46:03 ID:BDKRTRECcU
面白い。
つC
145: 名無しさん:2011/6/15(水) 08:18:14 ID:7Jxcd7N1Go
期待支援(`・ω・´)
ときにこのお話のキャラクターたちをSS絵スレで描かせて頂いてもよろしいでしょうか…?
146: ◆AlicexxO96:2011/6/15(水) 14:59:16 ID:ayxDgaoNKQ
>>143
こんにちはの支援感謝!
>>144
ありがたいお言葉です
>>145
わ!描いて戴けるんですか!?
こんなSSでよければお願いしますm(_ _)m
147: 名無しさん:2011/6/16(木) 12:18:05 ID:NgAEs4NAMk
期待age
148: 名無しさん:2011/6/16(木) 18:10:35 ID:eyiXSnv7S6
世界観設定ともに面白いわぁ
149: 名無しさん:2011/6/16(木) 21:01:18 ID:04sUt5x4DM
>>146
ありがとうございます!
シロちゃんヤマネちゃん描きたくて描きたくて(`・ω・´)
がんばりますっ
150: ◆AlicexxO96:2011/6/16(木) 21:14:27 ID:IY41cBvn0o
>>147
1日放置しちゃって申し訳ない!
すぐに書いていきますねん
>>148
気に入っていただけたのなら光栄です
SS絵スレで白兎ちゃんの絵を書いていただきました!
なんとも可愛いらしい…ありがたやありがたや
さて、更新の方始めて行きましょうか!
151: 名無しさん:2011/6/16(木) 21:16:12 ID:PmyquluLE6
>>149
おっと!見せていただきましたよー!
ありがとうございますですm(_ _)m
152: 名無しさん:2011/6/16(木) 21:27:02 ID:C/EsOqUYxw
男「白兎を、譲る…?」
夫人「えぇ」
男「……それはまた、どういう意味で」
夫人「そのままの意味で受け取って貰って構わないわぁ」
男「……白兎は返してくれないと」
夫人「そう、なるわねぇ」
男「どうして急にそんな事を」
夫人「…あの子、物凄く働いてくれるのよぉ
それは真面目に黙々とねぇ」
夫人「ま、ちょっぴり脅してやらしてるけどねぇ」
153: 名無しさん:2011/6/16(木) 21:30:27 ID:96TVUWlwC6
男「申し訳ないんすけど、白兎には大事な用事があるんで」
夫人「えぇ、知っているわ。
女王直属の配下の一人
アリス捜索担当『白兎』」
夫人「今回のアリス捜し、失敗したのでしょう?
だからまた女王の所に戻り、人間界に送ってもらう…」
夫人「ここまでは、あの子から聞き出したわぁ」
男「それじゃ…」
夫人「えぇ。だからこそ、あの子は返さない」
154: 名無しさん:2011/6/16(木) 21:46:08 ID:AkYREPUZEc
門番1「……ねぇ、門番2」
門番2「……私語は謹んでおけよ門番1」
山鼠「……」イライラ
門番1「……さっきから殺気が凄いんだけど」
門番2「……仕事中だ。駄洒落なら後で聞く」
門番1「……門番2の馬鹿っ」
山鼠「……遅ぇ」イライラ
155: 名無しさん:2011/6/16(木) 21:47:26 ID:5OF.jIDMZc
白兎さんを描かせて頂いたものです。申し訳ないのですが、>>149さんと私は同一人物ではないです…。
SSキャラを(以下略)のスレで一人の方が許可をとっていれば描かせて頂いても構わないとお聞きしたので描いてしまいましたが…やはりマナー違反でしたでしょうか…申し訳ないです…。
流れを切ってしまいすみません…><
白兎たんどうか無事で…!C
156: 名無しさん:2011/6/16(木) 21:53:53 ID:ayxDgaoNKQ
門番1「……もう通してあげたら?」
門番2「……駄目だ、不審な者には門をくぐらせない
それが仕事だ」
門番1「……格好が汚いってだけでしょ
一応関係者みたいだし」ヒソヒソ
門番2「……む」
門番1「……それに」チラッ
山鼠「……」イライライライラ
門番1「……その内、私達噛みつかれちゃうよ」
門番2「……ぬぅ」
門番2「ほら、行け」
山鼠「最初っから通しゃいいんだよ!」ダッ
門番1「あ、走っちゃ駄目ですよー?」
門番2「……お前って、門番向いてないよな正直」
門番1「問題になったら、門番2も共犯だからね?」
157: 149:2011/6/16(木) 21:58:12 ID:dED2P9PWfU
>>156
大丈夫ですよーぅ
何故なら私はSS絵スレの1だから(`・ω・´)
可愛らしいシロちゃんでした!
というわけなのです書き手様
私もあとで描かせていただきますね!
ではスレチになるのでこの辺でただのROMに戻りますーノシ
158: 名無しさん:2011/6/16(木) 22:01:11 ID:PmyquluLE6
男「だからこそ…?」
夫人「よく働いてくれるって理由だけで、他人の連れ様を奪おうなんて言うと思う?」
夫人「いくら私が自由奔放、勝手気儘でも
そこまで酷くないわぁ」
男「何か理由でもあるんですか?」
夫人「そうよぉ?
でないとこんな事言えるもんですか」
男「……白兎がいないと、アリスは帰ってきませんよ?」
夫人「なぁに、それ?
まるで私がアリスの帰りを心待ちにしているみたいじゃない」
159: 名無しさん:2011/6/16(木) 22:40:11 ID:H5eUe.tjLc
男「違うの…?」
夫人「ふふ…敬語、忘れてるわよぉ」
夫人「あなたとの、意見の違いはそこから生まれてるのねぇ」
男「アリスが帰って来なくてもいいって、言うんですか?」
夫人「少なくとも、私はね
執事ぃ?白兎ちゃんも会話に混ぜたいのだけれどぉ」
執事「…連れてきております」グィ
白兎「あぅ…」
男「よぉ白兎、迎えに来ましたよ?」
白兎「お…男さん…?」
160: 名無しさん:2011/6/16(木) 22:54:57 ID:tI7SKCVOJE
夫人「主役が揃ったようだから話させて貰うわぁ」
夫人「白兎ちゃんを手放したくない理由はねぇ
簡単に言えば、今の自分を守る為、なのかしら」
男「今の、あなた?」
夫人「今、私は幸せなの
アリスに献上が始まった瞬間から、私を縛り付けるものは無くなったのだからね」
夫人「もう懲り懲りなのよねぇ
あんな権力に縛られ、身分に縛られる生活は」
執事「……」
161: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:10:39 ID:IY41cBvn0o
夫人「その点においては、アリスには感謝しているわぁ」
夫人「一切のしがらみから私を解き放ってくれたのだから」
白兎「あなたは…間違ってますよ…!」
夫人「充分承知よぉ?
アリスはこの不思議の国にいなくてはいけない」
白兎「なら!」
夫人「これは私の身勝手
私の自由を守る為の身勝手なのよぉ」
162: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:12:27 ID:jY3AzaRTlY
やべぇ。面白い。
これからも期待してます!
頑張ってください
つCCCCC
163: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:14:32 ID:H5eUe.tjLc
白兎「あなたは…!」
白兎「あなたは女王様を侮辱なされているのですか…!?」
夫人「……女王ねぇ
ぶっちゃけ私には関わりの無い人だし」
夫人「あ、でもあの人が亡くなれば、次の女王の座につくのは私になるのかしらぁ」
白兎「な…!」
男「落ち着け、白兎」グイッ
白兎「わっ!」ポスッ
164: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:25:27 ID:PmyquluLE6
白兎「あ、あの…男さん?」
男「では、約束通り
白兎を返して貰いますよ、御夫人」
夫人「……あなたは私の話しを何一つ聞いて無かったのかしらぁ?」
男「しっかり聞かせて貰いましたよ」
男「その上で、俺の身勝手で白兎は連れ戻します」
白兎「…へ?」
夫人「…あらぁ?逃げるつもりなのかしらぁ?」
男「とりあえず俺は、白兎について行くって決めたからな」
男「こんな所で止まってられない」
165: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:30:01 ID:jea4yQfMpw
夫人「アリスが戻る事で、不幸に戻る人もいるのよぉ?」
男「その不幸もそいつの一部分だよ
甘えちゃ駄目です」
執事「……」
夫人「…言うじゃないの」
男「それに、こっちにはどうも…」
バンッ
山鼠「シロ! 男!」
男「アリスが帰って来ないと、困る奴がいるようなんで」
166: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:33:37 ID:AkYREPUZEc
白兎「山鼠ちゃん!」
山鼠「ハッ…お…おっせぇから迎えに来てやったぞ…!」ゼェゼェ
白兎「うん…ごめん…ごめんね心配させちゃって…」
山鼠「糞怠い体に鞭打って走って来てやったんだ、感謝しろよ!」
男「せっかく来たとこ悪いけど、すぐに出てくよ?」
山鼠「畜生が!!」
167: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:39:31 ID:uo2scn7/PE
夫人「ふふ…身分を弁えなさぁい?
逃げられると本気で思っているの?」
夫人「城下町は私の家来達で溢れていると言うのに」
男「さぁ、その時はその時じゃないですか?
行くぞ白兎、山鼠」グイッ
白兎「あ、は…はい!」タッ
山鼠「ちょ…ちょっと、ちょっと待って…もう走れねぇ……」ヨタヨタ
夫人「…捕まえたら、三人とも一生奴隷としてこき使ってあげるわぁ」
男「ごきげんよう、公爵夫人!」
バタンッ!
168: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:43:54 ID:ayxDgaoNKQ
夫人「……」
執事「……御夫人」
夫人「……えぇ。勿論はったりよ?
城下町に家来だとか、逃げられないだとかは」
執事「…でしょうな」
夫人「すぐに町を出られるでしょうね
何なら、ショッピングをする余裕だってあるわ」
執事「…よろしかったのですか?」
169: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:50:43 ID:H5eUe.tjLc
夫人「よろしかったも何も、反抗された時点で私の負けよぉ?」
夫人「私にはあの子達を『束縛』する術は無いのだから」
執事「左様ですか」
夫人「……思ったよりも、必要な物だったのかしらねぇ」
夫人「今更後悔しても遅いのだけれど」
執事「……では、お仕事ですよ。準備なさって下さい」
夫人「……仕事という束縛から、私は解き放たれたの」
執事「問答無用です」
170: ◆AlicexxO96:2011/6/17(金) 00:14:09 ID:96TVUWlwC6
よし、今日はここまでと致します
>>155>>157
ふむふむなるほど
いやー恥ずかしいミスしましたふへへww
>>155さん可愛いらしい絵をありがとうございました!
>>157さんの絵も心底期待しております!
携帯の前で正座して待機してますねww
>>162
わーお!Cがいっぱい!
ありがとうございまするm(_ _)m
いひー…1日間が空いた分、結構多めの更新量になりました…
疲れた…w
それではまた明日お会いしましょう
グッナイです!
171: 名無しさん:2011/6/17(金) 19:19:49 ID:G8lHzL2u4M
C あげ
172: ◆AlicexxO96:2011/6/17(金) 22:48:53 ID:PmyquluLE6
>>171
支援ありがたし…
少ないですが更新します
173: 名無しさん:2011/6/17(金) 23:06:45 ID:PmyquluLE6
男「白兎!」
白兎「は、はいっ!」
男「無事だな?」
白兎「はいっ!」
男「よし、ならいい」
山鼠「…俺が…無事じゃないんだが…」ゼェハァ
白兎「大丈夫山鼠ちゃん?
わ、靴が汚れていらっしゃる!すぐに靴磨きの準備しますね!
あわわ…床が汚い…掃除しなきゃ…」イソイソ
男「それ床やない、地べたや」
山鼠「城での雑用がもう体に染み込んでるぞ」
男「これもう手遅れじゃね?」
174: 名無しさん:2011/6/18(土) 00:37:19 ID:nyGYlXK0JM
更新待ってました!
っC
175: 名無しさん:2011/6/18(土) 10:46:14 ID:H5eUe.tjLc
白兎「えへへ…ご迷惑お掛けしました…」
男「見事な出落ちっぷりだったな」
白兎「いやー…何故か公爵夫人の命令には逆らえなくてですね…」
男「あの人にとって束縛と自由は紙一重なんだよ
ああいうのは気の持ちようだ」
白兎「確かに無理矢理逃げられましたもんね」
山鼠「おかげで俺の頑張りは無駄になったがな……」ガックシ
男「街にももう戻れないしな」ガックシ
白兎「買い物に来ただけだったんですがねぇ……」ガックシ
176: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:00:47 ID:AkYREPUZEc
山鼠「口は災いの元だなホント」
白兎「ですね……」
男「で、これからどうすんの」
白兎「……そうですね、少々遠回りになりますが」
白兎「ここの城から北西に向かうと、川沿いの街があります」
男「川?」
白兎「はい。川です」
白兎「どちらにせよ、女王様の城に行くにはその川を渡らなければなりません」
男「ふうん」
白兎「少々歩く距離は、長くなりますがね」
177: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:03:41 ID:DEPQDGNmG.
男「因みに、女王様の城はどこにあるの」
白兎「そですね、向こうに大きな山があるの見えます?」
白兎「その手前に川があってですね…」
白兎「あの山を越えたさらに向こうに…」
男「まず山が見えない」
白兎「え!あれ山じゃないんです!?」
山鼠「山はこっちだぞ」グイッ
白兎「へ?あ、あれですね
あの山の向こうです」
男「結構白兎の目も重症だな」
178: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:07:02 ID:ayxDgaoNKQ
男「とりあえずその川沿いの街を目指す、でいいの?」
白兎「最悪野宿になるかもですが」
男「俺は昼間寝てたから構わんが」
白兎「でしたら早速向かいましょう
頑張れば、夜のうちに着くかも知れません」
山鼠「……なぁ」グイ
179: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:12:10 ID:ayxDgaoNKQ
白兎「どうかしましたか山鼠ちゃん?」
山鼠「…その…疲れた……」フラフラ
白兎「大丈夫?」
山鼠「…その…負ぶってくれたら嬉しいなぁ…なんて」
白兎「えー…私も結構疲れてますからね…」
山鼠「だよな、うん…頑張る…」
男「山鼠」ワキワキ
山鼠「ほざけ」
男「まだ何も言って無いのに」
180: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:34:37 ID:LoO8oquvnE
山鼠ちゃんいいわァ…
C
181: 名無しさん:2011/6/18(土) 21:22:14 ID:xmOAAvkvQo
山鼠ちゃん、かわいい。Cあげ!
182: 名無しさん:2011/6/18(土) 21:55:53 ID:C/EsOqUYxw
男「…それにしても」スタスタ
白兎「なんですか?」
男「気ん持ち悪い色だよな、この空」
男「夕方なのに紫色してるぜ」
白兎「まぁ、夜に黄色とかにならないだけマシですよ!」
男「明るくて寝れねえわな
な、山鼠」
山鼠「俺には関係ねぇ話しだろ」
183: 名無しさん:2011/6/18(土) 22:11:20 ID:C/EsOqUYxw
男「『色』を献上してるんだっけ?」
白兎「そうです
これが無いとアリスが見る世界が真っ暗になるらしいですよ」
山鼠「へぇ…」
男「確か、“例外”なんだよな
女王と同じ、だったか」
白兎「……はい」
男「…さっき女王の話しをしてた時、すげぇ夫人に食いついてたけど」
男「…何か、あったの?」
白兎「……」
184: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:17:19 ID:Sk5yLArqZw
白兎「……女王様の献上は、彼女の生死に関わる問題です」
白兎「……あれは、呪いです」
男「よっぽどなんだな」
白兎「それでも、国の人達の事を一番に考えてらっしゃるような方なんですよ」
男「そりゃ頭も下がるな」
白兎「はい。だから女王様を馬鹿にすると言うか
そういうのは本当に許せませんでしたので…」
男「あんなに怒っていたと」
白兎「はい…」
山鼠「……」
山鼠「(その場に居なかったから、話についていけねぇ…)」
185: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:19:23 ID:DEPQDGNmG.
白兎「あとですね…?
男さんが、井戸に落ちて死ぬつもりだったって」
男「あぁ、うん」
白兎「本当は、ああいうのも許せません」
男「はぁ」
白兎「あんなに頑張って生きながら、国を支えようとしてる人がいるのに」
白兎「さっさと自分で命を断とうなんて、何かズルいじゃないですか」
男「……」
白兎「理不尽な事を言っているのは承知してますよ」
186: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:23:03 ID:DEPQDGNmG.
白兎「何が言いたいかといいますと!」
男「ん…?」
白兎「この旅で、男さんを改心させてやります!」
男「改心?」
白兎「そうです!
旅が終わる頃には
生きてて楽しいって、そう言わせてみせますよ!」
男「そうかよ、頑張れよ」
白兎「他人事じゃないんですってば!」
白兎「不思議の国は楽しい所ですから、きっと不可能じゃありませんよー?
ね、山鼠ちゃん!」
山鼠「……ん? え、あぁ、そうだな、そういう考え方も出来る」
男「お前全く話聞いて無かったろ」
187: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:28:34 ID:IY41cBvn0o
山鼠「……」ガクガク
男「お、どうした山鼠」
山鼠「…もう駄目、足にきた」ガクガク
白兎「大丈夫ですか?」
山鼠「ごめんシロ…もう歩けねぇ…」ドサッ
白兎「んー、しょうがないですね
まだまだ着きそうにありませんし」
男「どうすんの?」
白兎「ここで野宿決定です」
男「野宿とか初めてだから興奮してきた」
山鼠「気持ち悪いから興奮してきたとか言うな」
男「俺に表現の自由は無いのか」
188: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:35:12 ID:uo2scn7/PE
男「テントとかはるの!?
寝袋とかあるの!?」
白兎「テント?寝袋?」
山鼠「そんなもんねぇよ」
男「え?」
白兎「この広い原っぱに寝っ転がるだけで充分じゃないですかー」ゴロン
山鼠「そういう事だ
心配すんな、風邪ひくような気温じゃねぇから」ゴロン
男「そうか、お前ら元はうさぎとヤマネだったな」
男「ワイルドだぜ」ゴロン
189: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:40:29 ID:96TVUWlwC6
男「お、意外と……」
白兎「暖かいでしょう?
昼間太陽の光を一杯に受けてますから」
男「悪くないね。ワイルドだぜ」
山鼠「それ腹立つから止めろ」
男「不貞寝してやる」
ぷ〜〜〜ん
白兎「……」
ぷ〜〜〜ん
白兎「………」
ぷ〜〜〜ん
白兎「…………」
白兎「蚊が五月蝿くて寝れないよぉ……」
190: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:44:57 ID:tI7SKCVOJE
白兎「……山鼠ちゃん、寝てないよね?」
山鼠「……寝られるもんなら寝てぇわ
……何の用だよ」
白兎「……蚊が五月蝿くて寝れない……」
山鼠「……男に言え
俺にはどうも出来ん」
白兎「男さん寝てるよぉ…」
山鼠「……知らん、たまには俺と同じ目にあえ」
白兎「あぅ…」
191: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:50:21 ID:96TVUWlwC6
白兎「……男さん」ユサユサ
白兎「……男さーん」ユサユサ
男「……ん」
白兎「起きて下さいよぉ……」ユサユサ
男「……なんでいきなり半泣きなん?」
白兎「……蚊が五月蝿くて眠れません」
男「俺にどうしろと」
192: 名無しさん:2011/6/20(月) 05:00:02 ID:jea4yQfMpw
男「そういえば、お前人一倍耳だけはいいんだっけ」
白兎「はい、蚊の音が気になっちゃって…
すいません…」
男「まぁ別にいいけど……!」
男「そいやっ」パァン
白兎「おぉ…もう三匹目ですよ…!」
男「モスキートハンターとでも呼んでくれ」
山鼠「うるせぇ…」
193: ◆AlicexxO96:2011/6/20(月) 07:31:38 ID:ayxDgaoNKQ
今日?はここまで
変な区切りになって申し訳ない
寝てたのに蚊に起こされて、こんな時間に更新です眠い…
そうだ、SS絵スレの1さんに白兎ちゃん山鼠ちゃんを書いていただきましたよ!
いあー、あまりの絵の上手さに嫉妬してしまう…
それでは、今夜また
194: 名無しさん:2011/6/20(月) 13:20:11 ID:ADWg1TI/Fs
スレタイ見てルイズのコピペ思い出した
195: 名無しさん:2011/6/20(月) 14:37:40 ID:LYdCTbqa1c
私怨あげ
196: 名無しさん:2011/6/20(月) 19:45:47 ID:eyiXSnv7S6
俺は白兎派支援
197: ◆AlicexxO96:2011/6/20(月) 21:58:49 ID:PmyquluLE6
>>174
ありがたしm(_ _)m
更新時間がまちまちで申し訳ない
>>180
>>181
山鼠ちゃん人気過ぎて辛い。主に白兎ちゃんが
>>194
ルイズちゃんは現実じゃない!?の奴ですかい?
というか、それしか知りませんけどw
>>195
ありがたやありがたや……
>>196
ファンの方がいるよ!
やったね白兎ちゃん!
さてさて、本日もゆっくりと初めて行きますねん
198: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:02:07 ID:H5eUe.tjLc
男「野宿してる以上、蚊なんて気にしてたら駄目だと思うんだ」
白兎「だって耳周りで飛び回って本当にうるさかったんですもん」
男「耳が良いのも考えものだな」
白兎「結局一睡も出来ませんでした……」
男「俺もだぞ……」
山鼠「何この寝不足三人組」
199: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:05:42 ID:tI7SKCVOJE
男「元はと言えばお前がこんな所で音をあげたからだろうが」グシグシ
山鼠「やめろよ グシグシすんな」
白兎「どちらにせよ、昨日のペースでは着いてませんでしたから……」
白兎「さぁ、行きましょう!
朝のうちに着くはずです!」タッタッ
山鼠「はいはい」
男「へいへい」
200: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:35:30 ID:DEPQDGNmG.
男「お、別れ道」
白兎「ここで森に入って、抜けた先が目的の街です」
男「もう一個の道は?」
白兎「そのまま川に繋がってます」
男「じゃ、森に入るのが正解か」
山鼠「森の奥にあるとか、大丈夫なのか色々と」
白兎「あれ?山鼠ちゃん行ったこと無いんですか?」
山鼠「ねぇよ?」
白兎「結構綺麗な所ですよー」スタスタ
201: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:40:47 ID:96TVUWlwC6
男「…腹減ってきた」グゥ
白兎「…そういえば」
男「?」
白兎「ここは、鳥の街なんですよ」
男「鶏肉?」
山鼠「食う気満々だなお前」
男「女の子がまんまんとか言っちゃ駄目だぞ」
山鼠「5万回位死んでこい」
202: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:45:52 ID:H5eUe.tjLc
白兎「この街の住民は、ほぼ鳥類なんですよ」
男「へぇ」
山鼠「なんで?」
白兎「川が傍にありますから、元々水鳥達の住処だったんです」
男「そのうちに、鳥仲間が集まってきたと」
白兎「そんな感じだったと思います」
男「俺、鳥の手羽の部分が好きなんだ」
山鼠「聞いてねぇし
鬼畜だなお前」
203: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:48:12 ID:Sk5yLArqZw
白兎「あ!見えましたよ!」タッタッ
山鼠「あ、待てよシロ!」
男「……ん?」
『ねぇ知ってるかい?』
『何? 何?』
『これは昨日の 話だけどね』
男「…小鳥のさえずり?」
204: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:53:15 ID:ayxDgaoNKQ
『ここから南 ここから南』
『ここから南?』
『公爵の城があるのさ』
『自由奔放の公爵夫人?』
『そう その勝手気儘な公爵夫人が』
『昨日の夜、射殺されたよ?』
男「……!?」
205: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:57:51 ID:AkYREPUZEc
『革命? 革命?』
『起きやしないよ
女王様が生きてる限り』
『反乱? 反乱?』
『起きやしないよ
家来は夫人に忠誠を誓ってる』
『それじゃあ』
『暗殺さ 何故? 誰が?』
『分かるもんか
だから暗殺っていうんだ』
男「……」
白兎「男さーん!置いて行きますよー!?」
男「…あーい」
206: 名無しさん:2011/6/20(月) 23:09:01 ID:96TVUWlwC6
男「ここが…?」
白兎「えぇ、水と鳥の都です」
山鼠「街が水に浸かってんぞ」
男「ベネチアみたいだなー」
白兎「ベネ…何ですか?」
207: ◆AlicexxO96:2011/6/20(月) 23:42:44 ID:IY41cBvn0o
今晩はここまでに致しましょう
えへ、特に語る事もないですね
それではおやすみなさい
208: 名無しさん:2011/6/21(火) 01:19:12 ID:/JqiXMHiZM
こうしゃくふじん…!?
209: 名無しさん:2011/6/21(火) 20:09:39 ID:eyiXSnv7S6
>男「元はと言えばお前がこんな所で音をあげたからだろうが」グシグシ
>
>山鼠「やめろよ グシグシすんな」
かわいいしえん
210: 名無しさん:2011/6/22(水) 16:36:31 ID:IbgJ4MTQ9k
公爵夫人……
211: ◆AlicexxO96:2011/6/22(水) 19:48:40 ID:IY41cBvn0o
>>208>>210
公爵夫人は……うむ
>>209
実際男と山鼠ちゃんの絡み書いてる時が一番楽しいお
さて、少し日をおきましたが参りましょう
212: 名無しさん:2011/6/22(水) 19:53:06 ID:AkYREPUZEc
男「……」
男「まさか泳ぐの?」
白兎「まさか!船に乗って行くんですよ」
男「ますますベネチア」
山鼠「船?」
白兎「はい!」
?「おぅい、乗るなら早くしなよぅ」
213: 名無しさん:2011/6/22(水) 19:58:06 ID:AkYREPUZEc
男「誰?」
白兎「船頭のドードーさんです」
山鼠「韻を踏んでてちょっと腹立つな」
男「ドードーなのに頭は2つ無いの?」
白兎「何を言ってるんですか?」
男「進化したらドードリオにならないの?」
白兎「何を言ってるんですか?」
214: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:18:41 ID:C/EsOqUYxw
ドードー「さって、何処に用があるんだい?」
白兎「中央広場までお願い出来ますか?」
ドードー「構わねえよ、乗んな」トテトテ
男「何処?」
白兎「この街で一番活気のある所です
買い物には持ってこいなんですよ」
ドードー「じゃあ行こうか、ヨーソロー!」キコキコ
男「…スワンボート?」
山鼠「だせぇな」
白兎「そういう事言っちゃ駄目です」
215: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:23:08 ID:PmyquluLE6
男「ここってさ」
ドードー「なんでぃ」キコキコ
男「不思議の国中の鳥がみんな集まってんの?」
ドードー「水鳥はほぼな
空飛べる鳥は好きな所行けるからいいよなぁ」キコキコ
男「ドードーさんは?」
ドードー「俺は、水も空も無理だ
だから渡し守として生計立ててる」キコキコ
山鼠「飛べねーの?」
ドードー「生まれつき体がでけぇからな」キコキコ
男「色々あるんだねぇ」
216: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:31:04 ID:H5eUe.tjLc
ドードー「到着でぃ」
白兎「ありがとうございました」
ドードー「気にすんなぃ」キコキコ
白兎「それじゃあ男さん!」
男「あい」
白兎「荷物持ちお願いします!」
男「嫌です」
白兎「断られた……」
男「買い終わったらここに戻ってきな
ここから持ってやる」
白兎「わ、分かりました!」タッタッ
山鼠「何で?」
男「歩くのめんどい」
山鼠「あぁそう」
217: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:39:08 ID:H5eUe.tjLc
山鼠「またシロ一人で行きやがった」
男「まぁ、またさらわれた訳じゃないし」
山鼠「……」
男「お前は欲しいものないの?」
山鼠「ねぇよ別に」
男「遠慮せずにパパに言ってごらん?」
山鼠「誰が誰のパパだよダアホ」ゲシ
218: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:46:11 ID:H5eUe.tjLc
男「……山鼠」
山鼠「嫌だ」
男「まだ何も言ってねぇじゃんよ」
山鼠「ふん…」
男「暇だからしりとりしようぜ」
山鼠「嫌だ」
男「しりとりの『り』からな
『りんご』」
山鼠「『ご飯』」
男「『ンジャメナ』」
山鼠「!?」
219: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:55:06 ID:jea4yQfMpw
山鼠「な…『長ズボン』」
男「『ン・パカ・マーチ』」
山鼠「もはや何だよそれ」
男「1997年9月7日に始まったアニメ、夢のクレヨン王国の主題歌さ」
山鼠「何者だよお前…」
男「この俺に『ん』攻めは通用しない…!」ゴゴゴ…
220: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:57:46 ID:W3yz/1u2SE
男詳し過ぎる山鼠ちゃん可愛過ぎるwww
けどこの流れしりとりスレで見たよwww
つC
221: 名無しさん:2011/6/22(水) 20:59:03 ID:IY41cBvn0o
山鼠「ち……ち…ん…ち、ん…??」
男「ち○ち○とか引くわ」
山鼠「散り散りバラバラ粉々になって氏ね」
男「ね、『ネアンデルタール人』」
山鼠「何その言葉のチョイス……
あ、『ん』で終わったぞ」
男「今更お前が言うか」
222: 名無しさん:2011/6/22(水) 21:03:19 ID:IY41cBvn0o
白兎「ただいま戻りましたー!」ガサッ
男「お帰りー」
山鼠「すげぇ荷物だな
何買ったんだ」
白兎「にんじんです!」
男「他は?」
白兎「人参です!」
男「にんじんの他」
白兎「キャロットです!」
男「言い方変えてるけど全部にんじんなんだよ!」
223: 名無しさん:2011/6/22(水) 21:08:31 ID:PmyquluLE6
白兎「にんじんは偉大です
アリスと女王様の次に偉大です」
男「比べるものがおかしい」
山鼠「もういいのか?」
白兎「充分です。
それじゃ男さんよろしくです!」
男「どっこいしょういち」ガサッ
山鼠「大丈夫かよ」
男「にんじんの臭いが体に染みつきそうだ」
白兎「カロテンたっぷりですよ!」
男「うるせぇよ」
224: ◆AlicexxO96:2011/6/22(水) 21:12:24 ID:96TVUWlwC6
今日はここまでとしましょうか!
話的には何も進んでおりませんがwww
時々更新出来ない日もあります申し訳ないです
>>220
えへへー
あのスレの2は自分だからパクリでは無いはずなんです…多分…w
225: 名無しさん:2011/6/22(水) 21:37:46 ID:WG7WyDOs86
乙!!wktk
226: 名無しさん:2011/6/23(木) 08:41:34 ID:LYdCTbqa1c
wktk!!あげ!
227: ◆AlicexxO96:2011/6/23(木) 23:31:35 ID:tI7SKCVOJE
>>226
ありがとうございますー
>>227
あげてくれておおきにです
今日は少ないですがお付き合いくらはい
228: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:38:04 ID:uo2scn7/PE
ドードー「おぅ、あんちゃんらお帰りぃ」
山鼠「あ、さっきの」
白兎「すいません、街の入り口まで」
ドードー「はいよぅ」トテトテ
男「もうこの街は終わり?」ポリポリ
白兎「はい!って勝手ににんじん食べちゃ駄目ですよ!」
男「いいじゃん減るもんでも無いし」ポリポリ
白兎「減るもんなんですよ!」
ドードー「おら、早く乗ってくんねぇか」
229: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:45:55 ID:DEPQDGNmG.
男「……」チャプチャプ
白兎「男さん何してるんですか?」
男「……綺麗な水だなって思って」
白兎「そうです?」
男「うりゃ」バシャ
白兎「わっ! わ、や、やってくれましたね!」バシャ
男「ふはは当たらんよ」バシャ
白兎「このっ! このっ!」バシャバシャ
山鼠「……」ビッショリ
230: 名無しさん:2011/6/24(金) 02:51:01 ID:jea4yQfMpw
白兎「山鼠ちゃんに叱られた……」
男「山鼠にぶん殴られた……」ヒリヒリ
山鼠「全部水が俺にかかってんだよ馬鹿共」
ドードー「あんまり暴れてくれんなよぉ?
船が沈んじまう」キコキコ
231: 名無しさん:2011/6/24(金) 19:46:04 ID:eMZnnO09b.
98:白兎「アリス! 私達のアリス!」 (230)
99:男「なにお前……」 (144)
ってなってて
初めの内容と同じでクスッと来た支援
今日は終わり?
232: 名無しさん:2011/6/24(金) 23:44:23 ID:jY3AzaRTlY
あげてみる。今日来ないかなー
233: 名無しさん:2011/6/25(土) 15:29:55 ID:IY41cBvn0o
白兎「さて、次は川を超えて山を超えて…」
山鼠「まだまだかかるな」
男「ねぇドードーさん」
ドードー「なんでい」キコキコ
男「ここの街の水ってやっぱり隣の川からひいてるの?」
ドードー「…昔はなぁ」
234: 名無しさん:2011/6/25(土) 19:08:35 ID:jea4yQfMpw
男「昔?今は違うの?」
ドードー「昔は川の水ひいてたけどよ
今じゃ鳥達が全滅しちまいかねねぇ」
男「ぜん…?」
ドードー「大袈裟に言ってる訳じゃないぜ」
男「なんで?」
ドードー「見りゃわかるさ」
235: 名無しさん:2011/6/25(土) 19:18:01 ID:PmyquluLE6
ドードー「今の街は昔の水を囲って、川と区切られてんだ」
ドードー「言わばプールみてぇな状態だ」
男「ほぉ」
ドードー「だからほら」
男「ん?」
ドードー「さっきから漕いでねぇが、水の流れがないから流されたりしねぇんだ」
男「なるほど」
ドードー「さて、もうすぐ着くからな
準備しときな
あとにんじん臭ぇなあんた」キコキコ
男「冷静に考えたらにんじんの臭いってなんだよどんだけ臭いんだよ」
236: 名無しさん:2011/6/25(土) 19:29:05 ID:jea4yQfMpw
白兎「ありがとうございましたー」
ドードー「達者でなぁ」
白兎「ドードーさんもお元気で!」
ドードー「よせやい水臭ぇ」
男「……!」
山鼠「……?」
男「水の街だけに水臭」
山鼠「…」ゲシッ
男「まだ言い切ってないのに」
白兎「さぁ行きますよー」
男「次はどこ?」
白兎「川を越えます!」
237: ◆AlicexxO96:2011/6/25(土) 22:22:31 ID:jea4yQfMpw
おっと、挨拶を忘れておりました
今日はここで終わります
昨日は更新できず申し訳ないです
>>225-226
読んでくださってありがとうございます
まだ半分位ですがこれからもお付き合い下さいませ!
238: 名無しさん:2011/6/26(日) 19:35:13 ID:eyiXSnv7S6
C
239: ◆AlicexxO96:2011/6/26(日) 21:40:59 ID:96TVUWlwC6
>>238
あ、ありがとうございますー
出来るだけ毎日更新…!
はじめていきますー
240: 名無しさん:2011/6/26(日) 21:42:11 ID:96TVUWlwC6
男「……」
白兎「おぉ…」
山鼠「川だな」
男「嘘だろ?」
山鼠「何が」
男「なんでこんなメルヘンチックな世界の川が
こんなにもド汚いんだよ」
山鼠「俺に聞くなよ…」
その川と呼ばれた汚らしい水の流れが
三人の前に立ちふさがっていました
241: 名無しさん:2011/6/26(日) 21:52:36 ID:uo2scn7/PE
白兎「こんなに汚かったですか?」
山鼠「お前がアリス捜しにいった位に色が変わり始めた」
男「元から汚かったのか?」
白兎「いえ、元は不思議の国一の清流と言われてましたよ」
白兎「この川は『清らかさ』をアリスに与えたんです」
男「清らかさ?」
白兎「はい。女王様やこの景色と同じ、例外に含まれますね」
男「ふぅん…」
242: 名無しさん:2011/6/26(日) 22:09:19 ID:H5eUe.tjLc
山鼠「……どうやって渡る?」
白兎「……どうしよ」
山鼠「考え無しかよ…」
山鼠「おいロリコン野郎」
男「その名で呼ぶな」
山鼠「俺ら二人が濡れないように泳いで向こう岸に渡れるか?」
男「もはや神業を超えるな」
243: 名無しさん:2011/6/26(日) 22:14:34 ID:C/EsOqUYxw
山鼠「…まぁ流石に無理だろうな」
男「無理と言われたら」
男「やりたくなるのが男ってもんだぜ」スッ
山鼠「……」
白兎「お、泳げるんですか?
流れ早いですよ?」
男「余裕で金鎚」
山鼠「なら見栄張んなよ面倒くせぇ」
244: 名無しさん:2011/6/26(日) 22:23:56 ID:DEPQDGNmG.
男「大体この水よぉ」ポイッ
ジュワァ
山鼠「うぇ!?」
白兎「い、今何投げたの!?」
男「石です。石が溶ける水ってどういうこった」
山鼠「…泳いで行くのも無理だな」
白兎「は、橋が無かったっけ?」
山鼠「…あったはずだけど」
男「石が溶けるなら橋なんて溶け崩れて跡形もないんじゃね」
白兎「わ、渡れないよ…」
245: 名無しさん:2011/6/26(日) 22:26:30 ID:Sk5yLArqZw
男「今この川の水をひいたら全滅するって、こういうことかよ」
山鼠「いきなり詰んだな……」
男「まだまだ、利用できるもんを探せ」
白兎「……」ピョコ
山鼠「…そ、そこらにある木で筏津作って…!」
男「水に乗せた途端溶けちまうだろうな」
山鼠「そ、か…」
白兎「……ね、なにか聞こえません?」
男「あ…?」
246: 名無しさん:2011/6/26(日) 22:32:20 ID:jea4yQfMpw
男「何も聞こえないよな?」
山鼠「シロには聞こえるんだろ」
男「もの凄い地獄耳だな」
山鼠「なんだかんだでこいつの耳の良さはスゲェんだぜ」
白兎「これは、翼の音です…!」
山鼠「翼?」
白兎「翼が羽ばたき空気を震わせる音です!」
男「…あ」
247: 名無しさん:2011/6/26(日) 22:33:42 ID:96TVUWlwC6
山鼠「どうした…?」
男「空見てみ」
山鼠「ん……ぁ!」
男「あいつに連れてって貰うか」
それは、体の大きさをゆうに越える翼を羽ばたかせ、川を越えてくる
頭と翼は鷲、脚は獅子、尾は蛇
空想上の生き物『グリフォン』でした
248: 名無しさん:2011/6/26(日) 23:03:43 ID:tI7SKCVOJE
白兎「グリフォンさんだ!」
男「知り合い?」
白兎「昔よく遊んで貰ってました!」
山鼠「初耳だな」
グリ「…おや、白兎君か
こんな所で何をしている?」バッサバッサ
白兎「城に行くつもりなんです!
けどこの川を渡る術がなくて…」
249: 名無しさん:2011/6/26(日) 23:38:18 ID:AkYREPUZEc
グリ「ほう…最近更にこの川は汚れているからな」バッサバッサ
グリ「橋は無いのか?」バッサバッサ
白兎「橋も溶けて流されたみたいで…」
グリ「そうか、それはどうしようもないな…」バッサバッサ
男「……」
グリ「良いだろう三人共私に乗れ
向こう岸まで」バッサバッサ
男「とりあえず下に降りれば?」
グリ「運ん……」バッサバッサ
250: 名無しさん:2011/6/26(日) 23:54:06 ID:96TVUWlwC6
男「いや、翼の音が五月蠅かったから」
グリ「……」バッサバッサ
白兎「だ、駄目だよ男さん!」
男「?」
白兎「グリフォンさんはアリスに『歩行』を献上したから、地面には立てないんだよ!」
男「なんでそんなもんを」
グリ「……私にはこの立派な翼があるもん」バッサバッサ
男「あるもんって…」
251: 名無しさん:2011/6/26(日) 23:55:08 ID:DEPQDGNmG.
グリ「いいだろう別に
この翼はグリフォンとしての誇りなのだ」バッサバッサ
男「獅子としての誇りは忘れたのか」
グリ「……」バッサバッサ
山鼠「試しに地面に足がついたらどうなんの?」
グリ「……足がつる」バッサバッサ
男「地味」
252: 名無しさん:2011/6/27(月) 00:04:06 ID:xnXMsDCkWU
グリフォンさんかわいいww
253: 名無しさん:2011/6/27(月) 00:26:40 ID:IY41cBvn0o
グリ「……馬鹿にしてる?」バッサバッサ
男「いや、別に」
グリ「…ならいいけど」バッサバッサ
グリ「……さぁ早く跨がれ
私の気が変わらんうちに…」バッサバッサ
山鼠「あのな」
グリ「……なんだ?」バッサバッサ
山鼠「地面に降りてくれねーと乗りたくても乗れねーんだが」
グリ「……」バッサバッサ
グリ「…頑張れよ白兎達」バサッ
白兎「あ、待たねグリフォンさん!」
男「おいこら待て」
254: 名無しさん:2011/6/27(月) 00:43:50 ID:H5eUe.tjLc
グリ「ぃ…ぅ…!!」プルプル
グリ「ぁッ…しが…痺れ…うぅ…」プルプル
グリ「は…!早くッ……早くのれぇ…!!」プルプル
男「待て待て。実は股関節が痛くて足が上がらんのだわ」
山鼠「相変わらずのの鬼畜っぷりだな」
255: 名無しさん:2011/6/27(月) 00:44:24 ID:H5eUe.tjLc
白兎「わぁ…!」
山鼠「いい眺めじゃねぇか」
男「三人も乗せて大丈夫かよグリフォンさんよ」
グリ「当然だ。私を誰だと思っている
グリフォンだぞ」バッサバッサ
男「謎の安心感」
グリ「ふふん」バッサバッサ
256: ◆AlicexxO96:2011/6/27(月) 00:50:33 ID:IY41cBvn0o
今日はここまで
グリフォンさん登場!
しかし明日で恐らく出番終了……
明日から少し展開が本軸に乗っていく筈です
皆さんに見切りつけられそうで少し怖いですがまぁ頑張りましょう
>>252
ありがとうございます
グリフォンさんは一応女の子の設定ですよー
あり?♀というべきかしら
257: 名無しさん:2011/6/27(月) 00:55:42 ID:WG7WyDOs86
乙ー
見限ったりはしないよ
グリフォンさん可愛いよwww
258: 名無しさん:2011/6/27(月) 00:57:00 ID:xnXMsDCkWU
グリフォンさんを渋いオジサマで再生してた俺は全力でつつかれてきますね
259: ◆AlicexxO96:2011/6/27(月) 22:00:31 ID:DEPQDGNmG.
>>257
わぁありがとうございます!
まぁ見限られないように頑張ります
>>258
つつかれてきてくださいwww
支援ありがとうございます
さぁ、頑張るぞー
260: 名無しさん:2011/6/27(月) 23:16:51 ID:xmOAAvkvQo
更新楽しみに待ってるけど
無理のないペースでね(・ω・`)
っC
261: ◆AlicexxO96:2011/6/28(火) 09:46:02 ID:ayxDgaoNKQ
いぎゃあ書きこんだ途端ぶっ倒れてしまった…
頑張る頑張る詐欺です…
今から書いてみます
テンポは悪いですが…
262: 名無しさん:2011/6/28(火) 09:59:04 ID:PmyquluLE6
男「お、もう川越えた」
グリ「ふふ…中々どうして早いだろ」バッサバッサ
男「うむ」
白兎「ねぇ山鼠ちゃん」
山鼠「え、あ…何?」
白兎「…大丈夫ですかね?」
山鼠「?」
263: 名無しさん:2011/6/28(火) 10:23:31 ID:Sk5yLArqZw
白兎「この山を登るのは体力的に厳しいんじゃないかなって…」
山鼠「…んー。どうだろうな」
グリ「何を話しているのだ?」バッサバッサ
男「…なぁグリフォンさんや」
グリ「どうした」バッサバッサ
男「あの山越えられる?」
グリ「え…」バッサバッサ
264: 名無しさん:2011/6/28(火) 10:51:04 ID:IY41cBvn0o
男「…やっぱ無理?」
グリ「そ、そんなことはないぞ!」バッサバッサ
グリ「お前らが望むなら、まぁやってやらんこともない…多分」バッサバッサ
山鼠「ホントか!?」
グリ「…多分」バッサバッサ
男「じゃあお願いしますよー」
グリ「…うん」バッサバッサ
265: 名無しさん:2011/6/28(火) 12:11:52 ID:AkYREPUZEc
グリ「ふっ…ふ…」バッサバッサ
山鼠「もう山のてっぺんだ」
白兎「凄いですグリフォンさん!」
グリ「ふ…は、話しかけるなっ…」バッサ
男「あとちょっとだよグリフォン」
グリ「…あっ」
男「ん?」
グリ「翼つった」
男「何やってんだお馬鹿」
266: 名無しさん:2011/6/28(火) 22:58:46 ID:AkYREPUZEc
グリ「馬鹿って…お前が山越えろっていったんだろぉ…!」
男「お前いけるって言っただろうが!」ギュ
グリ「ひうっ!…つ、ばさに触るなぁ!!」
山鼠「おいおい…落ちてってるぞ」
白兎「グリフォンさん頑張って!」
グリ「頑…張るぅ…!」バッサ
267: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:02:45 ID:ayxDgaoNKQ
男「山に不時着しました」
グリ「足がぁ…翼がぁ…」ビクビク
山鼠「放っといたら最悪死ぬぞこいつ」
男「なぁに、かえって耐性がつく」
グリ「この鬼…!!」
268: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:12:19 ID:uo2scn7/PE
白兎「…お、男さぁん」
男「…モミモミしてやれば、そのうちおさまんじゃね」モミモミ
グリ「ひうぅ…」プルプル
男「……」ゾクゾク
白兎「あの…男さん?目が怖いですよ?」
山鼠「Mに目覚めたりSに目覚めたり忙しいなこいつ」
269: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:14:03 ID:96TVUWlwC6
グリ「…も…もう大丈夫、もう平気だ…」バッサ
男「そうか。もっと虐…マッサージしてあげたかったんだがな…」
山鼠「本音がポロリしたよな今な」
グリ「すまないがこれ以上誰かを乗せては飛べないぞ」バッサバッサ
白兎「うん、本当にありがとうねグリフォンさん!」
グリ「うむ」バッサバッサ
男「また会ったら乗せてくれよ」
グリ「……お前とは出来れば関わりたくない…」バッサバッサ
270: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:17:03 ID:uo2scn7/PE
グリ「……こんな所に下ろしておいて言うのも悪いが」バッサバッサ
白兎「……?」
グリ「多分この山、熊がいるぞ…」バッサバッサ
白兎「うぇ!?」
山鼠「っ!」
男「…んあ?」
271: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:22:26 ID:tI7SKCVOJE
グリ「ま、まぁ後は下るだけだからな」バッサバッサ
グリ「出来るだけ速やかに山を抜けろ
ではな!」バッサ
白兎「あ…!」
山鼠「……野郎怖じ気づきやがったか」
白兎「しょ、しょうがないよ!
ここまで送ってくれたことをありがたく思わなきゃ!」
山鼠「けどよ…!」
男「はい!はーい!先生質問!」
272: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:23:26 ID:ayxDgaoNKQ
山鼠「あん…?」
男「熊って何?ヤバいの?
いや常識的に熊はヤバいんだろうけどさ」
山鼠「……おいシロ」
白兎「なぁに?」
山鼠「こいつに教えてねぇのか!」
白兎「う…や、また機会があれば言うつもりだったんだけどっ」
山鼠「優先順位考えろ馬鹿シロ!」
白兎「あぅぅ…」
男「……?」
山鼠「平和ボケした面しやがって…」
273: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:29:55 ID:C/EsOqUYxw
山鼠「いいか?時間もねぇからな」
山鼠「端的に教えっから耳かっぽじってよく聞け」
男「ん…」
山鼠「この不思議の国のタブーだ
今から言う三人は絶対に関わんな」
男「タブー…?」
山鼠「狩人、チェシャ猫、んで今問題の熊」
男「おぉ、熊…」
白兎「その三人はね、アリスへの献上で特に悪い影響を受けたの」
山鼠「影響ったって俺らみたいに、各本人が被害を受ける訳じゃねぇ」
山鼠「他人に被害を与えかねないから、タブーなんだよ」
274: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:37:54 ID:96TVUWlwC6
男「…タブー…」
山鼠「特に熊の野郎は、何よりその獰猛さが群を抜いてやがる」
山鼠「何が言いたいかってぇとだ…」
白兎「……!」ピョコ
男「……!」
山鼠「今すぐ逃げる、ぞ……?」
?「へぇ逃げる?誰からだ?どうやってだ?」
275: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:44:00 ID:Sk5yLArqZw
山鼠「…あ…ひ…?」カチカチ
?「…あ?言ってみなよ嬢ちゃんよ
餌が、俺から逃げられると思うか?」ノソ
男「……こいつが、熊?」
熊「あぁ、俺が噂の熊さんだが」
男「…熊が喋った」
熊「ガハ、そいつらだって喋ってんだろ」
山鼠「…ぁ…あ…」ガチガチ
白兎「…に…げなきゃ…!
や、山鼠ちゃん!男さん!」グイッ
熊「おい、誰が行っていいっつった餌ども」
白兎「…っ!」ビクゥ
276: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:46:13 ID:ayxDgaoNKQ
熊「…ぉお。やっぱり人間じゃねぇか」
熊「臭いでそうじゃねえかと思ったんだよ」
男「俺のこと?」
熊「ガハ
他に誰がいるんだよ」
熊「おめぇには罪は無いかも知れねーけどよぉ
悪いが人間は虫酸が走る程嫌いなんでね」
男「あぁそう」
熊「随分淡白な反応だなぁおい」
熊「ま、そういう訳で全身かっさばかして貰うぜ」ノソ
277: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:50:20 ID:H5eUe.tjLc
男「こいつら、白兎や山鼠はどうすんの?」
白兎「な、何を聞いてるんですか!?
逃げますよ男さん!」
熊「……あぁ、ありゃ今晩の飯さ」
白兎「ひ…!!」
男「そっか」
熊「…俺を見て逃げる素振りを見せねぇのは、てめぇが初めてだ」
男「精々後世に語っておくれ。白兎」
白兎「は、い!」
男「山鼠連れて逃げて頂戴」
白兎「は、い?」
278: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:51:33 ID:jea4yQfMpw
白兎「の…残るつもりですか!?」
男「あたぼうよ」
白兎「ば、馬鹿ですか!?馬鹿ですかあなたは!」
白兎「下手したら…いや、下手しなくたって死にますよ!!」
男「阿呆か。こちとら元から死ぬつもりだっつったろうが」
男「前はお前に邪魔されたからな、仕切り直しだ仕切り直し」
白兎「し、仕切り直し…!?」
279: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:56:40 ID:AkYREPUZEc
男「大体つい最近知り合ったような奴だぜ俺
気にしねぇでいんだよ」
白兎「でも…でも…!」
男「山鼠」
山鼠「!」ピクッ
男「これでこないだの飯代はチャラな」
男「女の子共を庇って死ぬとか本望じゃねえか
はよ行け」
白兎「っ!」ダッ
280: 名無しさん:2011/6/28(火) 23:59:26 ID:Sk5yLArqZw
熊「……変わった人間だな」
男「よその奴とは覚悟が違う」
熊「なんだ、俺とやる気か」
男「違う、死ぬ覚悟が出来てんの」
熊「…ガハ」
熊「もっと理不尽だって訴えろよ
あんまりだって泣き叫べよ」
男「ダサいから嫌だ」
281: 名無しさん:2011/6/29(水) 00:03:55 ID:96TVUWlwC6
少女は走る 走る
その白い足に生え散らかした枝が食い込む
その赤い目は涙に濡れ開け続けていられない
その長い耳は、風に煽られ後ろに引っ張られる
背中に背負う少女もまた同じ様、顔を涙で腫らしている
二人は一人の少年を犠牲にして、山を抜けることが出来ました
282: ◆AlicexxO96:2011/6/29(水) 00:10:31 ID:tI7SKCVOJE
うわーどうしよう切り所がない…
ここで一旦ストップです
月麗SSさん終わったようで
お疲れ様でした
そこそこ書いてますね
書き溜めかなり消費しました
うー…寝ます
また明日必ず来ますんで!
それではおやすみなさい
283: 名無しさん:2011/6/29(水) 00:20:36 ID:Udx8e9GNrs
乙!
284: ◆AlicexxO96:2011/6/29(水) 20:49:18 ID:jea4yQfMpw
>>283
ありがとう!
さて本日も寝落ちに気をつけのんびり更新
285: 名無しさん:2011/6/29(水) 20:53:10 ID:C/EsOqUYxw
熊「昔話でもするか」
男「時間稼げるなら何だっていいよこの際」
熊「安心しな。お前を見捨てて逃げた奴らは、もう喰うつもりはねぇよ」
男「……」
熊「ただ、どぉぅしっても人間だけは許せねぇんでな」
男「…何でそんな目の敵にする」
熊「俺の嫁さんが人間に殺されたからさ」
男「……」
286: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:02:14 ID:jea4yQfMpw
熊「つっても元凶はアリスだ
あの糞餓鬼も人間だった」
熊「たった一度ここに来て以来姿を見せねぇ」
男「……」
熊「お蔭で献上だとか訳わかんねぇことを言い出してよ」
熊「俺は『理性』を捨てた
熊としては必要ねぇもんだ」
男「…理性飛んでるようには見えないけどなぁ」
熊「ガハ、一日中イカレっぱなしはキツいぜ」
287: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:09:11 ID:96TVUWlwC6
熊「嫁さんは俺の理性の代わりになるだのって『獰猛さ』を捨てたさ」
熊「俺が道を踏み外さないように、だとよ」
熊「俺には勿体ねぇ位の良い熊だった」
男「ノロケ?」
熊「そう聞こえるか
まぁそれなりに平和に暮らしてたよ
が、ある日俺達の前に人間が現れた」
熊「狩人だ」
288: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:11:52 ID:AkYREPUZEc
熊「『アリスに必要ない』って、嫁さんを仕留めにきた」
男「必要、ない…?」
熊「嫁さんの献上してた『獰猛さ』はアリスにとって害にしかならないんだとよ」
熊「撃ち殺しやがったよ、可愛い可愛い嫁さんを
俺が出掛けてる間によぉ…」
289: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:16:59 ID:uo2scn7/PE
熊「人間は屑だ
屑。屑野郎ばかりだ」
熊「その狡賢い頭脳は自分の為にしか使わないし、使えない」
熊「訳の分からん理由で俺達の命を奪う」
男「……だいぶ、滅茶苦茶な事言ってるぜ熊さんよ」
熊「分かってるさ
それでもよ、悔しいんだよ…」
熊「理不尽だろ
あんまりだろ」
熊「人間の顔を見るだけで腹が煮えくりかえりそうになんだよ…」
290: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:27:50 ID:D7b7GprCD.
熊、理性、あるよ
嫁がお前の理性になってくれてるんだよ
そんな、悲しいこと言わないで
291: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:29:57 ID:jea4yQfMpw
男「ふぅん。ならどうぞ
やればいいんじゃね」
熊「……おめぇは、本当に変な野郎だな
アリスに脳味噌でもくれてやったんじゃねぇか」
男「……あ、待って。俺喰われるの?」
熊「喰いやしねぇよ
人間なんて脂肪だらけで糞不味い
餌にもならねえ糞共だ」
熊「俺が飽きるまでいたぶるだけ」
男「気持ち良くサックリやってくれよ」
熊「ガハ、やだね」
292: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:42:25 ID:C/EsOqUYxw
男「あんたは理性、失ってなんかないと思うよ」
熊「慰めのつもりかは知らねえが、一番吐き気がする言葉だ」
熊「嫁さんが俺の為にしてくれた事、否定してやがる」
男「……」
熊「俺には理性は無い
そう思わなきゃやってられねぇ」
男「…ごめん」
熊「いんだよ、今から死ぬ癖に謝んな」
293: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:46:17 ID:tC2Fo0C.cE
心臓に鳥肌立ってるなう
ガハ、がぐっとくる
294: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:12:52 ID:ayxDgaoNKQ
男「じゃ、最後にお願いだ」
熊「…聞いてやるよ」
男「もしこれから白兎とか山鼠とか見かけても
手を出さないで欲しいな」
熊「…どうだかな
俺、熊だし
腹も減るしよ」
男「そうか。腹減ってたらしょうがないか」
295: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:15:24 ID:tI7SKCVOJE
熊「終わりかい?命乞いはねぇのか?」
男「そういうのは初めからするつもりないし」
熊「怖くはねぇのか」
男「怖いよ。今すぐ逃げたいもん
だから一思いにやっておくれ」
熊「まぁ、それ位なら叶えてやるよ
あばよ人間」ノソ
ヂュンッ!!
296: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:19:09 ID:DEPQDGNmG.
少年に走った衝撃
熊の牙でも爪でもありません
鉛が。弾丸が少年の頬を掠めました
緊張の糸を撃ち抜かれたように、少年の足からは力が抜け、尻餅をつきます
男「…ぁ…は…?」
熊「…誰だ…」
?「……外した」ザッ
297: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:24:55 ID:IY41cBvn0o
熊「……!」
?「……次は、外さない」スッ
男「…っ…ひッ…ィいい…!」ヨロッ
少年の、死への覚悟は全て消えて無くなりました
その代わりに頭に流れ込むのは死への恐怖
男「(逃げなきゃ…逃げろ…!!)」
ジュッ
次の弾丸は確実に少年の右足を撃ち抜きました
298: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:28:46 ID:LYdCTbqa1c
!!
続きが楽しみでしかたがない!!!
しえん!!!
299: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:40:08 ID:PmyquluLE6
男「…ぁ…あああ!」ドサッ
悲痛な声をあげ、山道を転がり落ちる少年
?「……面倒な」
熊「待てよ」
?「……」
熊「俺の事覚えてるか、狩人さんよ」
狩人「……?」
300: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:44:36 ID:H5eUe.tjLc
狩人「……忘れた」
熊「こっちは一瞬たりとも忘れたことは無いんだぜ」
熊「喰い殺してやる」
狩人「……」スッ
熊「オ゙オ゙オ゙オオォォォ!!!」
山が揺れる程の咆哮
その巨体からは想像のつかない速さで狩人に飛びかかり
ドンッ!!
301: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:48:57 ID:IY41cBvn0o
熊「……オ゙ヴァ゙?」
狩人「……熊の急所の鼻っ面を撃った」
熊「ォ゙ア゙ァ゙!!」ブンッ
狩人「……っ!」
熊「……そうやって俺の嫁さんの鼻を蜂の巣にしやがったなぁ!」ノソ
狩人「……」スッ
熊「死んで詫びろ゙ぉ゙ぉぉ!」
狩人「……!」
ズドンッ
302: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:50:50 ID:IY41cBvn0o
熊は息絶えました
その頭に捻込まれた鉛の塊は四つ
この瞬間をもって、アリスへの『理性』の献上はお終いとなります
狩人「……まぁ、いいさ。正当防衛だ」
狩人「……アリスが帰ってきた時に、お前のような屑がいても困る」
狩人「……あの少年を追わなければ」タッ
303: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:56:26 ID:96TVUWlwC6
男「……」
男「……やっと」
「残念だけど、死んでないんだな」
男「!?」ビクッ
「やぁ、お目覚めかい?気分はどう?
足の怪我はほぼ治ってるみたいだけど」
男「……!」バッ
男「お前が治してくれたの?」
「さぁ、どうだろうねぇ?
死にたがりの君からしたら、良い迷惑かもしんないけど」
男「……いや、生きてるなら、痛くないほうがいい」
「……そうかい」
304: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:59:17 ID:C/EsOqUYxw
男「で、ここはどこ。お前は何処にいるの」
「ここは僕の空間だ
今は声しか存在してないけどね」
男「……」
「放っておいたら狩人にやられちゃうかも知れなかったからね」
「助けてあげたんだ
とりあえず礼が欲しいね」
男「ありがと…」
「そう、素直な奴は好きだよ?扱い勝手が良いからね」
305: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:01:28 ID:jea4yQfMpw
男「色々と聞きたいことがあるんだけど…」
「今はそんな余裕はないね
この空間の遠隔操作は疲れるんだ」
「また会ったら聞いてあげるよ」
男「…またって」
「さぁ、白兎ちゃんと山鼠ちゃんの所へ送ってあげる」
「そこの扉を出な。繋げておいてやるから」
男「……」ガチャ
306: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:07:18 ID:ayxDgaoNKQ
男「…それじゃ」
「今度は助けてやれないかもだから、死ぬような真似はやめてくれよ?」
男「……まぁ考えておきます」スッ
「ふふ、宜しい」
「……まぁ死んでみろよ
ある意味お前が一番アリスに必要なんだぜ?」
307: ◆AlicexxO96:2011/6/30(木) 00:20:32 ID:C/EsOqUYxw
今晩はここまででございます
熊編はこれにて終了
結果としては少しシビアかも知れませんが、これにて終了なのです
>>290
ありがとうございます
この書き込みを見てから、>>292を書くのが正直辛かったです
>>293
心臓に鳥肌……
こういうシーンなだけに、最高の褒め言葉と受け取らせて頂きますね
ありがとうございます!
>>298
そういうお言葉が本当に励みになります!
実は一回寝落ちしかけましたが、何とか持ち直しましたwww
気づけば300越えましたね。明日も頑張るぞー
308: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:32:06 ID:xrmXO4luAE
おもしろい!
これ展開が読めないな〜
ああ熊が…(;_;)
309: 290:2011/6/30(木) 20:11:43 ID:MHq8.v1lnY
>>307
すみませんorz
何かもう…熊さんのこと思うと切なくなっちゃって…
大人しくしときます
支援!
310: ◆AlicexxO96:2011/7/1(金) 00:49:13 ID:JZ308n9LZ6
>>308
完結まで良い意味で読者の皆さんを裏切れるように頑張ります!
>>309
あわわ…違います違います!
感情移入して戴き、熊さんの事を思って下さってるのに
それを否定する内容になったので、有り難いだけに書き辛かったというか…
本当に支援感謝しておりますm(_ _)m
今夜は更新出来そうに無いです…
多分すぐ寝落ちしてしまうので明日の朝頑張りまる!
311: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:36:10 ID:1b/AplOPAI
白兎「……山鼠ちゃん、起きてください」
山鼠「……寝てねぇよ」
白兎「男さんも…」
男「あーい」モソモソ
山鼠「…やめろよシロ…もう居ない奴の話なんかすんな」
白兎「……ごめん」
男「いい加減腹減ったや」
312: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:39:18 ID:IvjfUba.8M
山鼠「…シロ」
白兎「…なぁに?」
山鼠「あいつ探しに行くわ」
白兎「…言うと思いました。行こ?」スッ
山鼠「いや、お前はアリス優先しろ」
白兎「……駄目だよ、山鼠ちゃん一人だなんて
山を登るだけでも…」
山鼠「それでもだ」
白兎「…そっか」
男「…朝飯とか無いの?」キョロキョロ
白兎「にんじん食べといてください」
男「うーい」
313: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:40:56 ID:t57GnFDOYg
山鼠「……じゃ、行くから」
白兎「……またね」
男「にんじんうめぇ」ポリポリ
山鼠「……」
白兎「……」
男「……あ?」
314: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:43:59 ID:IjDuDJDKyo
白兎「…男さん」
男「はい」
白兎「約束、しましたよね?」
男「…しましたね」
白兎「もう二度と、自分の命を投げ捨てるような真似はしないでくださいね…!」
男「…多分了解した」
白兎「絶対です!!」
男「はいはい。
あと山鼠、ひたすらケツに蹴り入れてくんな痛い」
山鼠「……」ゲシッ ゲシッ
315: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:45:27 ID:JZ308n9LZ6
男「朝っぱらから茶番見せられるこっちの身にもなって欲しいけど」
山鼠「茶番じゃねぇ
本気で心配してやってたんだぞ」ゲシッ ゲシッ
白兎「完全に居ないものと思ってましたから…」
男「お前から存在否定されるの二度目だ…」
山鼠「反省しろよ阿呆っ」ゲシッ ゲシッ
男「何時まで蹴るんですか」
316: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:47:21 ID:t57GnFDOYg
白兎「…何にせよ、本当に無事で良かったです」
男「それはまぁ、どうなんだろうね」
山鼠「…そこは素直に喜んどけよ」
白兎「あと、身を呈して私達を助けてくれて、ありがとうございました!」ペコッ
男「まぁ、それは良かったよ」
白兎「ほら、山鼠ちゃんも」
山鼠「……どうも」
男「可愛げのない奴」
山鼠「な…!」
317: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:50:20 ID:jox2lqGdgw
白兎「熊はどうなったんですか?」
男「どうなったんだろうね」
山鼠「知らねーのかよ…」
男「よく分からんとこで記憶が飛んだもん」
白兎「まぁ、無事だっただけで充分です」
山鼠「……」
男「…そういや、まだ城は見えないの?」
白兎「このまましばらく真っ直ぐですね」
白兎「そのうち見えて来ますよ」
男「へぇ」
318: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:52:33 ID:bskeXDFV8Q
山鼠「…実は、城に入った事は無かったりする」
白兎「でしたっけ?
私がアリスを捜しに行くとき、ついてきてませんでした?」
山鼠「…城の外までな」
白兎「あっ…」
山鼠「思い出したとしても言うなよ?」
男「…?」
白兎「う、うん!言わない言わない…お口チャックマンね…」
山鼠「そんな微妙なネタを…」
319: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:54:46 ID:1b/AplOPAI
男「何かあったの?」
白兎「あ、はい。
山鼠ちゃん格好が汚いって城に入れて貰えなかったんです」
山鼠「お口チャックはどうした!!」
白兎「あ…!」
男「茶番かこれ」
320: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:57:21 ID:t57GnFDOYg
男「…またかよお前」
山鼠「見下したような目で見るなくそが!」ゲシッ
男「何で蹴られた今」
山鼠「しょうがねぇだろ!
ちっさい頃からこの服しか無かったんだよ!」グイッ
男「洗えよ」
山鼠「…洗濯とか婆ちゃんに頼んでたからしたことねぇし」
男「ろくな嫁にならねえな…」
山鼠「るせぇなほっとけ!」
321: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:58:53 ID:JZ308n9LZ6
白兎「でも私はいいとして、お二人は綺麗な格好しないとまた入れないなんて事も…」
山鼠「俺は別に入れなくても構わねえよ」
男「いや、お前も女王に会いに行くんだって…」
白兎「という訳で」
白兎「遠回りになりますが、湖に行って服を洗いましょう!」
男「…どこ?」
白兎「あっちです」
男「見えないけど…?」
山鼠「湖はこっちだぞ」グイッ
白兎「おっと、あっちですね!」
男「デジャヴですね」
322: ◆AlicexxO96:2011/7/1(金) 07:05:25 ID:zY8aT7nkmQ
あい、今日はここまでで
ふぅ……
朝は弱いですwww
自分でも何書いてるかわからんですwww
特に書くこともないのでこれで失礼しますねん
今夜来れたらいいなぁ…
323: 名無しさん:2011/7/1(金) 09:52:53 ID:J.MZWwG9jg
山鼠ちゃんの裸ハァハァ
324: 名無しさん:2011/7/1(金) 21:57:56 ID:eoMP5ExkGc
山鼠ちゃんのゲシゲシに萌えたwww
325: ◆AlicexxO96:2011/7/2(土) 21:25:21 ID:1e0RqNmnOw
>>323
へ、変態だー!!
>>324
自分も蹴られたいですね(切実)
昨日は来れなくてごめんなさいm(_ _)m
あとでまた来ますね!
326: 名無しさん:2011/7/2(土) 22:31:22 ID:IvjfUba.8M
山鼠「湖って誰か居たっけか?」
白兎「んと、あ…鷹の奴がいた…」
山鼠「げ…」
白兎「行くの止めましょうか……」
男「白兎が奴呼ばわりとか、相当嫌な奴なの?」
白兎「…嫌いです」
山鼠「俺も…」
327: 名無しさん:2011/7/2(土) 22:47:33 ID:JZ308n9LZ6
白兎「あ、そういえば」
男「…?」
白兎「ドラゴンさんもいました」
男「いや、そっち先に言えよ」
山鼠「なんだドラゴンもいるのな」
白兎「元気にしてますでしょうか」
男「…軽くね?」
328: 名無しさん:2011/7/3(日) 00:11:38 ID:zY8aT7nkmQ
男「ドラゴンだぜドラゴン。
あの翼がはえて尻尾があって炎を吐く蜥蜴みたいな奴」
白兎「それですそれです!」
男「熊よりよっぽどヤバいだろ」
白兎「……?」
男「何その反応、俺間違ってる?」
329: 名無しさん:2011/7/3(日) 00:15:23 ID:1b/AplOPAI
山鼠「何を勘違いしてっか知らねえが
熊よかよっぽどマシな奴だぜ」
男「……会ってみなきゃ分かんないな
別に会いたくもないけど」
白兎「…!」ピョコ
白兎「湖の音、聞こえてきましたよ」
男「湖にも音があるのか」
白兎「はい!…あ…鷹の声も聞こえました…」ショボ
山鼠「……チッ」
男「ボコスコに言われてるじゃないか鷹君……」
330: 名無しさん:2011/7/3(日) 00:39:54 ID:t57GnFDOYg
男「こないだの川は『清らかさ』を献上してんだっけ?」
白兎「はい、そうでした」
男「湖も?」
白兎「湖は川の真逆です
『汚れ』を献上しているので、水はとても綺麗ですよ!」
男「…アリスに『汚れ』なんて必要なのか?」
白兎「まぁ、多分…」
331: 名無しさん:2011/7/3(日) 00:54:05 ID:SBxlnoh5O6
男「森に囲まれてるんだな」ガサガサ
白兎「えぇ、でももうすぐで抜けますよ」ガサガサ
山鼠「…お」ガサッ
男「おぉ」
白兎「これが湖ですね!」
男「綺麗だな」
白兎「でしょう?」
332: 名無しさん:2011/7/3(日) 00:55:02 ID:jox2lqGdgw
白兎「ちなみにあの洞穴の中がドラゴンさんの住処です」スタスタ
男「早速行くの…?」
白兎「一応湖の主ですからね、許可をとらないと」
男「……そうなの」
山鼠「んなビビんなくても、喰われやしねぇよ」
男「本当かよ…」
白兎「ほら、こっちですよー!」
333: 名無しさん:2011/7/3(日) 00:56:54 ID:jox2lqGdgw
男「……」
ドラ「わ!何!?お客さん!?いらっしゃーい!!」
白兎「ドラゴンさん、私ですよ!」
ドラ「なんだ白兎ちゃん達じゃない!
どうしたの!?遊びに来てくれたの!?」
山鼠「や、湖の水を使わせて貰いに来たんだが…」
ドラ「そっかそっか!うん!
好きなだけ使ってよ!!」
男「思ってたのと違う!!」
334: 名無しさん:2011/7/3(日) 00:58:38 ID:bskeXDFV8Q
白兎「どうしました男さん?」
男「思ってたドラゴンと違う!!」
山鼠「何言ってんだよ
翼も尻尾もあって蜥蜴みたいで…
どう見てもドラゴンだろ」
ドラ「火も吹けるよ!!」ボッ
男「カリスマが足りない!!」
335: 名無しさん:2011/7/3(日) 01:02:17 ID:B4pYf22bqU
男「なんかこう…大空に君臨する王者たるカリスマ性がこいつからは全く感じられない!」
ドラ「…??」
男「…白兎」
白兎「あ、はい?」
男「…こいつはアリスに、何をあげたんだよ」
白兎「『孤独』です」
男「…こどく?」
336: 名無しさん:2011/7/3(日) 01:03:46 ID:jox2lqGdgw
白兎「ドラゴンさんは元より、こんな風に明るい性格ですよ?」
白兎「ただ、その容姿のせいで、みんなドラゴンさんから逃げちゃうんで…」
ドラ「泣きながらどっかに行っちゃうの!」
白兎「ドラゴンさんは寂しがり屋ですから」
男「で、孤独を捨てたら、みんなと仲良くなれましたと?」
山鼠「なってねぇよ?」
男「…なんで?」
337: 名無しさん:2011/7/3(日) 01:06:45 ID:WeYS042/lU
山鼠「何でも何も、孤独を感じなくなっただけで」
山鼠「他の奴は、こいつを怖がってるままだからな」
男「……」
白兎「ま、私達は別なんですけどね
幼い頃から遊んでましたし」
ドラ「そ!三人は仲良しなの!!」
白兎「献上のお蔭で幸せになった、稀な例です」
男「…幸せなのか?」
ドラ「幸せだよ!?」
338: 名無しさん:2011/7/3(日) 01:09:17 ID:B4pYf22bqU
男「…結果的に、なんにも変わってないんだぜ?」
ドラ「幸せだよ!
今日も君っていう、新しい友達ができた!」
ドラ「幸せすぎて死んでしまいそうな程なんだよ!?」
男「……なぁ」
白兎「自分が幸せかどうかは、自分が決めるんです」
白兎「ドラゴンさんが幸せというなら、それでいいんですよ」
男「……」
339: 名無しさん:2011/7/3(日) 01:11:13 ID:1b/AplOPAI
白兎「じゃ、湖の水は使わせて貰いますね!」
ドラ「うん!好きなだけどうぞ!」
山鼠「またな」
ドラ「またね!」
男「…また来てやるよ」
ドラ「うん!待ってる!」
男「……」
340: 名無しさん:2011/7/3(日) 11:56:14 ID:IQmVNaxnrM
更新乙、なのかな?
ドラゴンさん不憫で健気な・・・
341: 名無しさん:2011/7/3(日) 18:05:50 ID:dJNSi9KCi6
暖かくてダークな雰囲気が大好きです!
つCC
342: ◆AlicexxO96:2011/7/3(日) 22:09:35 ID:t57GnFDOYg
>>340
ドラゴンさんは不憫な子なのです
>>341
そういう雰囲気を出せるように頑張ってますので嬉しいです!
今日は少ないかもです
343: 名無しさん:2011/7/3(日) 22:25:20 ID:WeYS042/lU
男「っと」
山鼠「大丈夫か?」
男「山鼠に心配されちゃ世話無いが
結構広いなこの洞窟」
山鼠「そりゃあいつが住んでるからな」
男「体の大きさだけは立派だったなドラゴンは」
白兎「……げ」ピョコン
山鼠「シロ?」
白兎「…鷹の奴です…」
山鼠「…面倒くせぇ」
男「お」
バサッ
344: 名無しさん:2011/7/3(日) 22:42:35 ID:WeYS042/lU
鷹「なんだ、白兎じゃん」
鷹「アリスを捜しに行ったんじゃなかったのかよ?」
白兎「…帰ってきたんですよ」
白兎「鬱陶しいからどっかいって下さい…」
鷹「っ…なんだよ、冷てぇなぁ…」
颯爽と空から舞い降りて来たのは『鷹』と呼ばれた、ゴーグルをつけた短髪の少年
普通と違うのは、その背中に生えた大きな翼くらい
345: 名無しさん:2011/7/3(日) 22:46:23 ID:IvjfUba.8M
鷹「何やってんだよ、こんな所でさ?」
山鼠「何やってようが関係ねぇだろお前には」
鷹「あぁ?お前にゃ聞いてねーよ
弟達の餌にすんぞ山鼠」
山鼠「毎度毎度良い度胸じゃねぇか。
ちょうどいいぜ、羽毛布団が欲しかったんだよ」
白兎「山鼠ちゃんも相手しないでいいですから」
白兎「早くどっかいって下さいよ」
346: 名無しさん:2011/7/3(日) 22:52:13 ID:SBxlnoh5O6
鷹「そ、そんな邪険にしなくたっていいじゃん!」
白兎「あなたには関係ないでしょ」
白兎「ただ洗濯しに来ただけですから」フイッ
鷹「そ…じゃ、じゃあ俺も手伝ってやろうか!?」
山鼠「しね」
白兎「本気で拒否します」
男「……」
347: 名無しさん:2011/7/3(日) 22:56:08 ID:zY8aT7nkmQ
鷹「うぐ…」
白兎「じゃ、私達は向こうで」スタスタ
山鼠「絶対に、覗きに来るんじゃねぇぞ」スタスタ
男「そうだぞ、覗きなんて最低で卑怯な行いだからな」スタスタ
山鼠「おめぇも向こうだろうが」ゲシッ
男「ンギモッヂィィ!」
白兎「男さん、終わりましたら先程の洞穴に集合で」
男「了解了解、後でな」
鷹「……」
348: 名無しさん:2011/7/4(月) 21:46:34 ID:1e0RqNmnOw
男「…さて」
鷹「……」
男「さっきからガン飛ばしてきてるけど何?」
鷹「……お前何だよ」
男「人間」
鷹「…ただの人間が何で白兎とかと一緒にいんだよ」
男「いちゃ駄目かよ」
鷹「……駄、目だ」
男「なんで」
鷹「お、俺が駄目っつったら駄目なの!!」
男「……うっわ」
男「……面倒なのと絡んでる気がする」
349: 名無しさん:2011/7/4(月) 22:19:28 ID:1e0RqNmnOw
鷹「どういう…」
鷹「どういう関係なんだよ」
男「あぁ?」
鷹「ほら!さっきの山鼠とか!」
鷹「…あと、白兎とか…」ボソ
男「聞こえねぇよ
おら、俺の裸が見たくなけりゃ余所行け」ヌギヌギ
鷹「うぉ!いきなり脱ぎ出すな変態かよ!」
男「変態という名の紳士だよ」ヌギヌギ
350: 名無しさん:2011/7/4(月) 22:23:42 ID:sqMBjNDvfQ
山鼠ちゃんの全裸ハァハァ
351: 名無しさん:2011/7/4(月) 22:25:34 ID:ygz4Qengjc
鷹www
小学生かよwww
352: 名無しさん:2011/7/4(月) 22:26:32 ID:WeYS042/lU
男「うわ、汚ねぇ…
森の中で転がり回ったからか」
鷹「なぁ…」
男「何」ゴシゴシ
鷹「質問、答えろよ」
男「何」ゴシゴシ
鷹「お前とあいつらの関係だよ!」
男「……」ピタッ
鷹「……!」
男「俺の嫁だ」
鷹「…な」
鷹「な!!??」
男「嘘に決まってんじゃん」ゴシゴシ
鷹「な〜〜!!」
353: 名無しさん:2011/7/4(月) 22:49:16 ID:WeYS042/lU
男「あれか」
鷹「は?」
男「白兎に惚の字か」
鷹「うぐ!!??」
男「わっかりやすっ」
鷹「山鼠か!山鼠がチクったのか!?」グイグイ
男「離せよ。乳首ーム撃つぞ」
鷹「何だよ乳首ームってよ!!」グイグイ
354: 名無しさん:2011/7/4(月) 23:02:27 ID:jox2lqGdgw
男「あいつらとの関係ー?」ゴシゴシ
鷹「……」
男「……旅の同行者?」ゴシゴシ
鷹「それだけ?」
男「うん」
鷹「…本当か?」
男「疑り深い奴。
大体自己紹介は自分からするもんだろ」
鷹「……」
白兎「……」チャプチャプ
山鼠「…災難だな、あれに会うとか」
白兎「…本当に面倒ですよ」イライラ
355: 名無しさん:2011/7/4(月) 23:17:37 ID:WeYS042/lU
山鼠「男に押し付けて大丈夫なのか?」
白兎「う…」チャプ
白兎「…男さんには悪い事しました」
白兎「……もとは鷹が原因ですけど」バサッバサッ
山鼠「……シロ、俺に水かかってる」
356: 名無しさん:2011/7/5(火) 20:35:56 ID:vESC6xgQx.
鷹、何か好きだw
支援w
357: ◆AlicexxO96:2011/7/5(火) 23:18:59 ID:1e0RqNmnOw
>>350
へ、変t……あれ、デジャヴ?
>>351
精神年齢は小学生でございますねはい!
>>356
おや、鷹君ファンとは珍しい
本日の地震怖かった…
今日ものんびり初めていきましょっか!
358: 名無しさん:2011/7/5(火) 23:24:58 ID:IjDuDJDKyo
白兎「あ、ご、ごめんね!」
山鼠「いや、今から洗うしいいけど」ヌギヌギ
白兎「……」
山鼠「……なんだよ?」
白兎「えへへ、成長してないなと思いまして」
山鼠「…胸のことなら、シロをぶん殴るかも知れない」
白兎「う…」ギクッ
山鼠「…友情崩壊の危機だなこりゃ」ゴゴゴ
359: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:08:53 ID:jox2lqGdgw
山鼠「シロだってまな板の癖に良く言うぜ」
白兎「……あ」
山鼠「あ?」
白兎「雨雲ができてる音が聞こえます」
山鼠「ってことは何?」
白兎「雨、降りそうです」
山鼠「…面倒だな」
白兎「…どうしましょう。一旦洞穴に戻りましょうか」
山鼠「男は?」
白兎「う…鷹、居ますもん…」
白兎「…洞穴に集合と伝えてますし」
山鼠「…そ」
360: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:10:10 ID:SBxlnoh5O6
男「鷹君ね。『聴力』を献上してると」
鷹「そう、俺にはこの目があるからな!
不思議の国で一番目が良い自信がある!」
男「白兎の真逆か」
鷹「な!ち、違うからな!」
鷹「別に俺が白兎の目の代わりになってやろうとかそういう考えじゃ…!」
男「勝手にボロ出した上に
その理由がそこはかとなく気持ち悪いな」
361: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:11:38 ID:zY8aT7nkmQ
鷹「て、めぇは!」
男「あん?」
鷹「てめぇは何を献上したんだって聞いてんだ!」
男「……」
鷹「言えよ!俺は言ったんだから!」
男「…まだ知らん」
鷹「……はぁ!?」
362: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:14:38 ID:WeYS042/lU
鷹「意味わかんねぇよお前!」
男「何その逆ギレ
馬鹿なの?」
鷹「キレてねーし!
自分の献上してるもん知らない奴の方が馬鹿だわ!」
男「自分が一番要らないと思ったものなら、別に良いんじゃない?」
鷹「ばーか!!」ベーッ
男「……」イラッ
363: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:22:35 ID:zY8aT7nkmQ
男「面倒くせぇな
だから白兎らに鬱陶しがられんだよ」
鷹「…な!!」
男「どうせ惚れてるけど話し掛け方が分からなくて」
男「鬱陶しくちょっかい出して、嫌われたって口だろ」
鷹「…ぐ」ギクッ
男「小学生かお前」
鷹「ぅ…うぅうぅう…!!」ポロポロ
男「泣くなよもううざいな…」
364: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:28:58 ID:1b/AplOPAI
鷹「もう…もう帰るし!!」
男「…はいはい、またな」
鷹「…お前なんか…熊に食われて死んじまえ!」バサッ
男「……」
ポツ……ポツ……ポツ……
男「……雨か、せっかく洗ったのに」
男「……乾くのに時間がかかるな」
?「……見つけた」
365: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:31:07 ID:SBxlnoh5O6
男「ん?」チラッ
男「……」
男「……今、物音がした筈なんだけどな」
男「……」スッ
鷹「……んだよ雨か、よ……?」
鷹「…白兎じゃん」
鷹「……うん、偶然を装って」
鷹「……行ってみよ」バサッ
366: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:33:31 ID:B4pYf22bqU
白兎「……」
山鼠「……なんでお前がいんだよ…」
鷹「よ、よぉ…お前ら…」
白兎「男さんは」
鷹「あ、え…?」
白兎「一緒に居たんじゃなかったんですか?」
鷹「…あ、あんな奴どうだっていいじゃん……」
白兎「良い訳ないでしょう
あなたより、よっぽど大切ですから」
鷹「……」
367: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:35:57 ID:B4pYf22bqU
白兎「……どこにいたんですか?」
鷹「…知らねえよ」
白兎「……」
山鼠「……本降りになってきたぜ、シロ」
白兎「捜しに行ってきます」タンッ
山鼠「あ、俺も…」
白兎「いや、山鼠ちゃんは風邪ひいちゃいますからいてくだ………!?」ピョコ
不思議の国一の聴力を持つ白兎
彼女だけに聞こえた
すぐ雨の音にかき消されたけども、確かに聞こえた音
白兎「銃声…!?」
山鼠「は…?」
368: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:40:55 ID:SBxlnoh5O6
狩人「……とりあえず、逃げられないよう足を潰した」
男「…は…ぃ…?」ヨロッ
狩人「……前は、足を撃っても逃げられたが」
狩人「……今回は、逃がさない」スッ
男「…な…」
ドンッ!
二発目の弾丸が、少年の肩に飛び込みました
少年はもう、呼吸すらままなりません
369: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:42:04 ID:1e0RqNmnOw
白兎「また…!」
山鼠「シロ?銃声って何のことだよ…!?」
白兎「……聞こえたんです、二発分の銃声が…」
山鼠「…男が…?」
白兎「…すぐ捜しに行きます」クルッ
白兎「…鷹」
鷹「な、んだよ…」
白兎「お願いがあります」
370: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:43:14 ID:WeYS042/lU
鷹「……捜せってのか?」
白兎「出来ればあまり力を借りたくはないんですが…」
白兎「大切な人なんです…」ペコッ
鷹「…っ…分かったよ…捜しゃあいんだろ!」バサッ
山鼠「お、俺も!」
白兎「何度も言わせないで、山鼠ちゃん」
山鼠「でも…」
白兎「……行ってくるね」ピョン
371: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:47:22 ID:WeYS042/lU
男「……なんで、何で…」
狩人「……何の理由が聞きたい?
何故こんなことをするのか?」
男「……」
狩人「……簡単だ
悪を排除するのは当然のこと」
狩人「……赤頭巾を飲み込んだ狼という悪を撃ち殺すように」
狩人「……お前という悪を撃ち殺すだけ」
372: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:48:31 ID:IvjfUba.8M
男「……」
狩人「……お前は、アリスに必要ない」
男「……」
狩人「……アリスに必要ないものは、悪だ」スッ
ドンッ
男「…ぎっ…ぃい…!」
狩人「……次で終わりにしようか」
男「……」
白兎「……!」タッタッ
白兎「……男さん…御無事で…!」タッタッ
鷹「……」
373: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:50:35 ID:SBxlnoh5O6
鷹の少年は見ていました
その不思議の国一の目で
狩人の銃口が、先程の彼の話し相手の頭へ向けられるのを
彼の頭が勢い良く弾け飛ぶのを
鷹「……」
ただ、それを決して止めようとはしませんでした
鷹「……」クルッ
374: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:53:32 ID:WeYS042/lU
山鼠「……!」
鷹「…」スタッ
山鼠「…なんだ、鷹かよ
見つかったのか…?」
鷹「……」
鷹「……どこにもいなかったよ」
山鼠「……あっそ」
鷹「忠告しといてやるけど」
鷹「俺が見つけられなかったんだからさ
もう諦め…」
バキッ
鷹「っ…!」
375: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:54:49 ID:IjDuDJDKyo
山鼠「…分かってんな」
山鼠「…それ以上言ったら、歯ァ全部へし折るから」
鷹「…んだよ…」
山鼠「…もう消えろ。俺は捜しに行く…」タッ
鷹「……なんだってんだよ」
鷹「…へ…」バサッ
鷹「…ざまぁみろってんだ!!」
376: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:57:55 ID:IjDuDJDKyo
狩人「……ここまでやればもう大丈夫、だろう」
狩人「……アリスの為さ」スタスタ
白兎「…雨が、上がった」
白兎「…男さん…」
山鼠「シロ!」
白兎「…山鼠ちゃん?
あれだけ駄目だって…」
山鼠「雨もやんだし服も乾いたからいいだろ!」
白兎「う…」
377: 名無しさん:2011/7/6(水) 00:59:45 ID:SBxlnoh5O6
白兎「…鷹は」
山鼠「一発しばいて帰らせた」
白兎「…初めから期待してませんでしたから」
山鼠「…周りの森の中、探すわ」
白兎「…湖をもう一回りしてみます」
男「……」ムクッ
男「……」サワサワ
男「……なんだ夢か」
?「……」ザッ
378: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:01:12 ID:B4pYf22bqU
男「…あ」
山鼠「……おい」
山鼠「……お前って本当に、どんだけ俺達を心配させりゃ気が済むの…?」
男「…山鼠」
山鼠「……怒るのも面倒だわ」
男「……ごめん」
山鼠「……知らね」
379: 名無しさん:2011/7/6(水) 07:39:09 ID:q7WYcuVBgk
1乙
あわわ修羅場……
鷹……
380: 名無しさん:2011/7/6(水) 12:48:58 ID:EVC93ZrMa2
男の献上したものがすごい気になる……
CCCC
381: ◆AlicexxO96:2011/7/7(木) 00:00:45 ID:JZ308n9LZ6
ハッピー七夕!!
皆さんは何をお願いしたのでしょうか
>>379
支援ありがとうございます!
>>380
わーいCがいっぱい!
うふふ…まだ秘密ですよ…
板分けに少しwktkしてますwww
では始めますねん
382: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:44:46 ID:t57GnFDOYg
白兎「山鼠ちゃん!」
山鼠「…ん」
白兎「…お、とこさん!?
無事だったんですね!?」
男「うん、多分」
山鼠「…こいつこんな所で寝てたんだぜ
何やってんだか本当」
白兎「まぁ、無事だったなら良かったです……」ハァ
男「……あ」
山鼠「…また雨が」
383: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:45:27 ID:t57GnFDOYg
ドラ「あれ!?また来てくれたんだ!」
白兎「えへへ…また、お邪魔させて貰います」
ドラ「わ!ビショビショじゃない三人とも!」
山鼠「誰かさんのせいで無駄に雨に降られてな」
男「……」
ドラ「火、起こした方がいいかな!?」
白兎「あ、有り難いです」
384: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:47:23 ID:1b/AplOPAI
山鼠「…ったく」
男「……」
白兎「…あの、男さん?」
男「…ん?」
白兎「今からその、乾かす為に服を脱がなきゃなので」
白兎「少し、離れてていただけたら…」
男「ん…」スッ
山鼠「覗いたら承知しねぇからな」
男「んー…」スタスタ
白兎「……?」
山鼠「……」
白兎「男さん…?」
山鼠「男…?」
385: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:49:48 ID:IjDuDJDKyo
ドラ「へへへー」
男「何?」
ドラ「約束通り、また来てくれたんだねぇ」
男「あぁ、あのさ」
ドラ「どうしたの?」
男「…寒い」
ドラ「分かった!火、起こすね!」ボッ
男「ありがと」
386: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:51:12 ID:t57GnFDOYg
ドラ「何かあったの?」
男「何か?」
ドラ「何か」
男「……あったような気がする」
ドラ「やっぱり。浮かない顔してるよ?」
男「けど、あんまり覚えてないや」
ドラ「そっかぁ…」
387: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:52:49 ID:jox2lqGdgw
ドラ「大丈夫?」
男「?」
ドラ「眠そうな顔してるよ?」
男「うん、もう寝る…」
ドラ「お泊まり!?久しぶりだよ!!」バタバタ
男「あ、うん。あんまり騒がないでね」
ドラ「分かった!騒がない!」ピタッ
388: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:56:11 ID:B4pYf22bqU
男「……」ジッ
ドラ「どうしたの?」
男「お前の背中の上で、寝てみたい」
ドラ「いいよ!」
男「ありがと」ヨジ
ドラ「へへ、くすぐったいねぇ」
男「…やっぱり」
ドラ「…ん?」
男「暖かい」
ドラ「ドラゴンだからね!」
389: 名無しさん:2011/7/7(木) 00:59:32 ID:1e0RqNmnOw
ドラ「あれ、君は冷たいねー」
男「雨で濡れてるから
嫌なら降りるからね」
ドラ「構わないよ。友達だからね!」
男「ありがと」ゴロン
男「お前は『孤独』を献上したんだっけか?」
ドラ「うん!」
男「それはお前にとって一番必要無かったから?」
ドラ「うん!」
390: 名無しさん:2011/7/7(木) 01:08:23 ID:jox2lqGdgw
男「おかしいと思う」
ドラ「何が?」
男「もっと他に要らない物って無かったの?」
ドラ「無いよ。後悔した事も、一度も無い」
男「……」
391: 名無しさん:2011/7/7(木) 01:22:56 ID:JZ308n9LZ6
ドラ「またすぐ君達は出発するんでしょ?
それでも寂しくなんか無いんだ」
男「……」
ドラ「多分、また来てってね約束したら、君は来てくれるでしょう?」
男「うん」
ドラ「ね!……あれ?
それじゃ僕は『孤独』じゃなくなってるのかな?」
男「…ややこしいな」
392: 名無しさん:2011/7/7(木) 04:25:30 ID:IjDuDJDKyo
ドラ「何度も言うけど、君と仲良くなれた事は本当に嬉しい事なんだよ?」
ドラ「もう死んでもいい位に!」
男「死なれたら困るな」
ドラ「何で?」
男「暖かくなくなる」
ドラ「…えへへ」
393: 名無しさん:2011/7/7(木) 05:03:19 ID:ULGZKbYhfk
まさか死を献上…ゲフンゲフン
394: 名無しさん:2011/7/7(木) 07:43:03 ID:zffT4OvZNo
>>393
こらこら!
頑張れ1
つC
395: 名無しさん:2011/7/7(木) 07:52:12 ID:JAT71menpg
>>393
お前のせいで楽しみにくくなった。
でも
つCCCCCCCC
396: ◆AlicexxO96:2011/7/7(木) 11:45:34 ID:WeYS042/lU
>>393
!!!!
>>394
頑張ります!
>>395
へへへーCがいぱーい!
397: 名無しさん:2011/7/7(木) 13:35:42 ID:DhEiHvbrJU
支援゚+。(*′∇`)。+゚
398: 名無しさん:2011/7/7(木) 18:01:10 ID:myj45FMBww
つCCCCCCC
399: 名無しさん:2011/7/7(木) 18:09:32 ID:hx2NZUpaHc
板分けしても見に行くからね支援
>>393
あ・・・
400: 名無しさん:2011/7/7(木) 18:14:04 ID:k5OwHJ0Fog
>>393
おまww私は別の物かと思ってた
CCCC
401: 名無しさん:2011/7/7(木) 23:37:54 ID:bwMnxdBY3c
(`・ω・)っC
402: ◆AlicexxO96:2011/7/8(金) 22:38:04 ID:IjDuDJDKyo
あれ!?スレ無くなった!?ふおぉぉぉ!!ってなってた1です
すいません昨日は来れなかったです
つまらないなりに毎日更新がモットーだったんですが…
レス返後ほどします
始めていきますね!
403: 名無しさん:2011/7/8(金) 22:41:43 ID:1e0RqNmnOw
白兎「ドラゴンさん、男さん知りません?」
ドラ「ん?背中で寝てるよ」シーッ
山鼠「そうか…」
ドラ「君達も一緒に寝る?」
白兎「へっ?」
ドラ「昔三人でこうやって寝てたじゃない」
山鼠「や…でも男もいるし…」
ドラ「じゃあ、地べたで寝るの?」
白兎「う…」
404: 名無しさん:2011/7/8(金) 23:06:50 ID:V/P52W5gbw
ジャバウォックさんはまだですか
405: 名無しさん:2011/7/8(金) 23:10:07 ID:WeYS042/lU
男「……」
男「……この状態は」
男「……白兎が横で寝てて山鼠が俺の膝を枕にしてるこの状態は」
ドラ「あ、おはよう!」
男「一体何だと言うのだ……」ムクッ
406: 名無しさん:2011/7/8(金) 23:22:33 ID:B4pYf22bqU
男「今のムクッは、体を起こしただけで
股関が起きた訳ではない」
ドラ「…??」
男「…何で2人と寝てんだ?」
ドラ「僕も数に入れてよね!」
男「知らん内に手を出してた、なんてないよな…?」ダラダラ
山鼠「…安心しな」
男「…あ」
山鼠「…俺の目が黒くて寝てねぇ間は
んな事する前にぶん殴ってやるから」ムクッ
男「起きてたの?」
山鼠「元から寝てねぇんだよ」
407: 名無しさん:2011/7/9(土) 00:28:34 ID:DhEiHvbrJU
見つけた!
つCCC
408: 名無しさん:2011/7/9(土) 01:55:06 ID:2O75eau4Jo
つC
409: 名無しさん:2011/7/9(土) 07:26:02 ID:B4pYf22bqU
男「もう疲れはとれた?」
山鼠「そりゃこっちのセリフだぞ」
男「ん…ん?」
山鼠「昨日、何だか知らんが凄いヘコんでたろうが」
ドラ「そうなの?」
男「ん…んー寝たら忘れた」
山鼠「俺への皮肉かそれ」
410: 名無しさん:2011/7/9(土) 11:35:16 ID:jox2lqGdgw
白兎「…ん?」
男「あ、起きた」
白兎「…あ、おはようございます!」シャキッ
男「おはよう」
白兎「…あれ?男さん昨日…」
山鼠「心配要らねぇみたいだぞ」
男「うん」
白兎「本当ですか?」
男「うん」
白兎「…なら良いんですが」
411: 名無しさん:2011/7/9(土) 11:39:47 ID:WeYS042/lU
ドラ「もう行っちゃうの?」
男「うん」
ドラ「また、来てね…?」
男「約束な」
白兎「すっかり仲良くなりましたね」
男「素直な奴は好きだぜ俺」
山鼠「初めのビビり様見せてやりたかったな」
男「…ひねくれ者は嫌いだぜ俺」グリグリ
山鼠「痛い痛い!」
412: 名無しさん:2011/7/9(土) 11:46:04 ID:t57GnFDOYg
山鼠「頭割れるかと思ったろうが!」ゲシッ
男「痛いっ!」
白兎「喧嘩は駄目ですよ?」
山鼠「シロ、次はどこ?
城はまだかよ」
白兎「まだ先ですねぇ」
男「なぁ白兎?」
白兎「はぁい?」
男「腹減った」
山鼠「なんでこのタイミングでだ」
413: 名無しさん:2011/7/9(土) 12:21:47 ID:IjDuDJDKyo
白兎「にんじんでも食べてて下さい」
男「どこー?」
白兎「どこって男さんが背負ってた袋……」
男「え?」
白兎「……袋は!!??」
男「あ、ドラゴンにあげたんだった」
白兎「な、何でですか!!」
414: 名無しさん:2011/7/9(土) 12:23:30 ID:IjDuDJDKyo
男「いや、『お腹減ったー』って言ってたから」
白兎「馬鹿!男さんの馬鹿ぁ!」ガーッ
白兎「ドラゴンさんは野菜なんて食べませんよぉ!!」ポカポカ
山鼠「にんじんに関しては本気でキレるぞシロは」
男「これ本気でキレてるのか」
白兎「反省してませんねっ!!」ポカッ
415: 名無しさん:2011/7/9(土) 12:30:36 ID:bskeXDFV8Q
白兎「……」グスッ
男「拗ねちゃった」
山鼠「あーあ。拗ねたシロはなかなか機嫌治らないぜ」
山鼠「特ににんじん関係は」
男「面倒くせ」
山鼠「全くだ」
白兎「……」グスッ
416: 名無しさん:2011/7/9(土) 12:36:00 ID:jox2lqGdgw
男「どうすれば機嫌治せんの」
山鼠「にんじん土下座」
男「何それ」
山鼠「代々白兎家に祀られてるにんじん神への懺悔」
男「何それ」
山鼠「にんじんを象った独特の土下座ポーズがあるんだ」
男「何それ」
山鼠「餓鬼の頃良くやらされたから知ってんだ」
山鼠「まず膝を地面に…」
男「いや、やらねぇよ」
白兎「……」グスッ
417: 名無しさん:2011/7/9(土) 16:59:59 ID:bskeXDFV8Q
男「なぁ悪かったよ、多分
機嫌治そうぜ?」
白兎「……」
男「これからにんじんは粗末にしないからさ」
白兎「……」
男「悔い改めてにんじん大好きになるからさ」
白兎「……にんじん土下座」
男「だからやらねぇよ」
418: 名無しさん:2011/7/9(土) 19:58:01 ID:bskeXDFV8Q
白兎「……買いに行きます」
男「え?」
白兎「無くなったものは仕方ないです」
白兎「また買いにいきましょう!」スッ
男「またにんじん?」
白兎「当然です!」
男「飽きたんだけど」
白兎「なら男さんはご飯抜きですっ!」キッ
男「う…」
山鼠「どこに買いに行くんだよ」
白兎「このまま北、商いの盛んな街があります!」
419: 名無しさん:2011/7/9(土) 21:36:47 ID:9/FHMRnvkU
怒った白兎ちゃんかわええw
(*´∇`*)っCCCCCC
420: 名無しさん:2011/7/9(土) 21:50:51 ID:6mwCN4HzZE
しろちゃんかわええぇw
しかし、男が微妙に違和感あるなぁ。
421: ◆AlicexxO96:2011/7/9(土) 22:40:25 ID:jox2lqGdgw
レス返をば!
>>397
右目が垂れてるwww
ありがとうございます!
>>398>>400>>401
Cって誰が思いついたんでしょうかねー?
凄い発想ですよぬ
支援ありがとうございます
>>399
嬉しい御言葉です!
SSは自己満と言えども、読んで下さってる方が居ると分かると凄いやる気がでますよー
422: ◆AlicexxO96:2011/7/9(土) 22:56:29 ID:B4pYf22bqU
>>404
まだです…
というよりある程度登場人物は固まってるので出るかどうかも微妙ですwww
>>407
見つかった!www
>>408
おぉ…ID腹筋スレを踏んではいけないIDですね…
ありがとうございます!
>>419
白兎ちゃん株鰻登り!
>>420
鰻登り!
男君は少し精神的に不安定な状態ですー
見守ってあげましょう
知らない内にいっぱいレスついてましたありがとうございます!
板は分かれましたが気軽に見に来て戴けたら幸いです!
423: 名無しさん:2011/7/10(日) 21:46:07 ID:bskeXDFV8Q
男「思ったよりも近いんだな」
白兎「言ってしまえば湖の裏ですからね!」
山鼠「……」
男「商業が盛んなの?」
白兎「はい、色々なものが置いてますよ」
男「ほぅ」
山鼠「なぁ…」
男「ん?」
山鼠「疲れた…」
白兎「大丈夫ですか?」
424: 名無しさん:2011/7/10(日) 21:55:53 ID:t57GnFDOYg
男「まだ殆ど歩いてないぜ?」
山鼠「……誰のせいでこんなに疲れてると思ってんだよ」
男「はいはい俺のせい俺のせい」
白兎「偉く開き直りましたねー」
男「そんなに言うならおぶってってやろうか?」
山鼠「…ん」グイ
男「嘘嘘、冗談冗d……あ?」
山鼠「…お前が言ったんだ、責任持っておぶれ」
男「……」
山鼠「……」
男「風邪でもひいたか?」
山鼠「…ん!」グイー
425: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:14:23 ID:IvjfUba.8M
男「よっせい」グッ
山鼠「…ふぅ」
男「…うわ」
山鼠「重いとか言ったら髪の毛全部抜くから」
男「いや、軽過ぎ」
山鼠「…リアクションに困る」
白兎「なんと言うか、変な絵ですね」
男山「ほっとけ」
426: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:17:40 ID:jox2lqGdgw
男「あそこ…?」
白兎「見えてきましたね」
男「山鼠、そろそろ降りるか」
山鼠「ん」ズルズル
白兎「さぁにんじんさん、待ってて下さいよ…!」
男「白兎から感じる謎の熱気」
427: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:18:24 ID:IvjfUba.8M
?「およ?」
男「…ん?」
山鼠「んぁ?」
?「山鼠ちゃんじゃないか!
最近顔を見ないと思ったら!」
山鼠「あ?…あ!」
山鼠「ハッツー!」
男「はっつー?」
白兎「知り合いですか?」
428: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:22:22 ID:IjDuDJDKyo
ハッツー「ここでその名前はやめてよ山鼠ちゃん」
山鼠「ハッツーこそ何してんの?」
ハッツー「あぁ、御婆様の所にね
実家帰りみたいなものさ」
山鼠「…え!」
男「…知り合い?」
白兎「いえ、私も初対面ですが」
429: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:23:18 ID:1b/AplOPAI
ハッツー「おっと失礼、自己紹介が遅れたね」
二十「僕は二十日鼠
何というか、山鼠ちゃんの兄みたいなものです」
白兎「はぁ、なるほど」
男「兄みたいなもの…」
山鼠「血は繋がって無いがな」
男「二十日鼠のハッツーか」
二十「宜しくねっ」
男「結構ギリギリのネーミングだな」
二十「ハハッ☆」
男「やめろ!!」
430: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:36:08 ID:WeYS042/lU
山鼠「なぁハッツー」
二十「ん?」
山鼠「婆ちゃんって今この近くにいんのか?」
二十「あぁ、女王様の城までの道の途中にある一番大きな木」
二十「そこが今の住処らしいよ」
山鼠「そか…ぅん、ありがと!」
二十「それじゃ僕もう行くから」
山鼠「あ、うん!またなハッツー!」
男「やばい蚊帳の外だ」
白兎「同じくです」
431: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:42:17 ID:zY8aT7nkmQ
山鼠「……」ウズウズ
男「いつになく落ち着きがないな」
山鼠「ん…そ、うか?」
男「ハッツーに会ったのがそんなに嬉しかったか」
山鼠「うん!本当に久々だったからさ!
だから……あ」
男「あ?」
山鼠「い、いや、勘違いすんな…?
久しぶりに家族に会えて嬉しいってだけだかんな…?」
男「何言ってんの」
山鼠「…うー」ゲシッ
男「待って何で蹴られたの今」
432: 名無しさん:2011/7/10(日) 22:43:29 ID:WeYS042/lU
山鼠「なぁシロ!」
白兎「今のでだいたい、言いたい事は推測できますよ」
白兎「御婆様の、所ですね?」
山鼠「うん!」
白兎「買い物が済み次第行きましょうか」
男「寄り道していいの?」
白兎「今更です。城に行く途中にあるらしいですし」
男「そうかい」
山鼠「……」ドキドキ
433: 名無しさん:2011/7/11(月) 00:29:31 ID:ohdAPLE9/I
遂にヤマネちゃんデレたか…?
おつ
434: 名無しさん:2011/7/11(月) 22:09:48 ID:B4pYf22bqU
>>433
ツンデレ大好き!
支援ありがと!
明日から試験なのだ
毎日更新はするけど更新量が減っちまいますがご了承くださいな
435: 名無しさん:2011/7/11(月) 22:21:46 ID:zY8aT7nkmQ
男「偉く上機嫌だな」
山鼠「まぁな」
白兎「その前ににんじんです!」
白兎「それじゃ、ここら辺で待ってて下さいね!」タッタッ
男「あぁ…八百屋に走っていく…」
山鼠「もう諦めな」
436: 名無しさん:2011/7/11(月) 22:57:03 ID:B4pYf22bqU
男「どうする?」
山鼠「色々見に行きたい」
男「山鼠の癖にアクティブだな」
山鼠「ほっとけ」
男「休んでなくて平気なのか?」
山鼠「平気だ」
男「じゃ、見て回る?」
山鼠「うん!」
437: 名無しさん:2011/7/11(月) 22:59:33 ID:jox2lqGdgw
山鼠「な!これどう思う!?」
男「荒ぶってるなお前」
山鼠「どう思う?」
男「なんで血圧計」
山鼠「婆ちゃんへの土産!」
男「お土産なんて肩叩き券でも渡せばいいじゃん」
山鼠「十枚は渡したけど一度も使ってくれねぇ」
男「元気なお婆ちゃんなんだな」
438: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:07:29 ID:JZ308n9LZ6
山鼠「お前は何見てんの?」
男「ん?……ん」
山鼠「なに…拳銃…?
物騒な奴だな…」
男「護身用にだよ護身用」
山鼠「お前を狙う物好きがいるかよ」
男「いや、分かんないもんだぜ?」
山鼠「金無い癖に見てても仕方ないだろ」
男「ん…値札がついてないんだが」
山鼠「……は?」
439: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:13:30 ID:WeYS042/lU
男「売り物じゃないのかな」
山鼠「…いや、多分それタダだぜ」
男「タダ?0円?」
山鼠「あぁ。不思議の国の値段設定は需要ありきなんだよ」
男「山鼠の癖に難しい話してる」
山鼠「説明してやんねーぞ?」
男「何でも無いです」
440: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:17:41 ID:1e0RqNmnOw
山鼠「まぁつまりだ
拳銃なんて誰も欲しがらねぇんだ」
山鼠「誰も、何かを撃とうなんて考えてねぇもん」
男「だからこんなに安い、ってかタダなのか」
山鼠「そういうこったな
勝手に持っていっていいぜそれ」スタスタ
男「どこ行くの?」
山鼠「カウンター」
男「本当に血圧計買うのかよ」
山鼠「これも需要低いから安いんだぜ」ニィー
441: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:18:42 ID:IjDuDJDKyo
男「ピンクの紙とリボンで包装された血圧計……」
山鼠「男、持ってくれ」
男「はいはい」
山鼠「へへ、婆ちゃん喜ぶかなー」
男「山鼠はお婆ちゃん子なんだな」
山鼠「まぁな」
442: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:22:49 ID:bskeXDFV8Q
男「両親は?」
山鼠「……知らね」
山鼠「俺が産まれて直ぐに戦争に駆り出されて、おっ死んだらしいが」
男「…戦争なんてあったの」
山鼠「ハッツーだって同じようなもんさ」
山鼠「鼠族の孤児は、みんな婆ちゃんが面倒みてくれた」
男「婆ちゃんすげぇな」
山鼠「…まぁ、一番か二番目には好きな人かな、アリスも含めて」
男「……あ、白兎だ」
443: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:29:51 ID:jox2lqGdgw
白兎「お待たせしましたっ」
男「今日は少ないんだな」
白兎「もう城も近いですからね!こんなもんで保つでしょう」
白兎「最も、誰かさんがドラゴンに譲ったりしなければの話ですが」ジロ
男「俺も山鼠の婆ちゃんに会ってみたいな」
山鼠「だろ!?」
白兎「あ、スルーですか
キレちゃいますよ」
444: ◆AlicexxO96:2011/7/11(月) 23:34:09 ID:bskeXDFV8Q
荒ぶる山鼠ちゃん回でしたが、今日はこれで終了
明日からはお婆ちゃん編!
ではでは!また明日お会いしましょ!
445: 名無しさん:2011/7/11(月) 23:49:24 ID:Ouk2c1w1Uc
乙!
446: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:07:10 ID:1e0RqNmnOw
山鼠「ほら早く!」
男「急かすな急かすな」
白兎「急がなくても御婆様は逃げませんよ?」
山鼠「逃げるかもしれねーんだよ」
男「どういうことだよ」
山鼠「婆ちゃんは住処をすぐ移り変えちまうんだ」
白兎「そうなんですか」
447: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:15:39 ID:bskeXDFV8Q
山鼠「俺が知ってるだけでも、別荘は20個はある」
男「多いな」
山鼠「だから婆ちゃんに会える事はなかなかねぇんだって!」
白兎「分かりました分かりました」タッタッ
山鼠「大きな木…大きな木…」キョロキョロ
白兎「あ、あれじゃないですかっ?」ビッ
男「お前が今指さしてんの俺」
白兎「え…?へへ…失礼しました」
男「お前この至近距離も見えなくなってんの?」
448: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:26:41 ID:t57GnFDOYg
白兎「いえいえ、ちゃんと見たら分かりますよ?」
男「ほんとかよ」
白兎「ボーっと見てたら少し見難い位で」
山鼠「あー!!」
白兎「ひぅっ!」ビクッ
男「山鼠の大声初めて聞いた」
山鼠「なぁ!あれじゃねぇか!?なぁ!?」グイグイ
男「服が伸びる服が伸びる」
449: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:38:57 ID:IvjfUba.8M
男「でけー…」
白兎「凄いですね…」
山鼠「だろ?」ドヤッ
男「何でお前がドヤ顔してるのか分からんがな」
山鼠「早く行こうぜ」タッタッ
白兎「山鼠ちゃん生き生きしてますねー」
男「途中でぶっ倒れないか心配だわ」
山鼠「あでっ」コテン
男「言わんこっちゃない」
450: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:08:22 ID:1e0RqNmnOw
男「ほらしっかりしろ」グイ
山鼠「あ、りがと」ヨロッ
白兎「無理しちゃ駄目ですよ」
山鼠「これくらい平気だ。うん、よし」
山鼠「婆ちゃんただいま!」ガチャ
白兎「お邪魔します」
男「同じくです」
451: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:12:49 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「……あら、今の声は山鼠かい?」
山鼠「婆ちゃん!」ダキッ
婆鼠「おやおや、二十日が来てくれたと思えば次は山鼠かい
嬉しいねぇ…」ナデナデ
山鼠「へへー!」ポフッ
白兎「(何か邪魔出来ない雰囲気ですね…)」コソコソ
男「(いっそ帰るか)」コソコソ
白兎「(いやいや…)」コソコソ
452: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:17:48 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「…ところで山鼠、後ろのお客さんは」
山鼠「ん、あ!」
白兎「は、はじめましてっ!
山鼠ちゃんの友達の…」
婆鼠「そう、白兎ちゃん…」
白兎「しろう……へっ?」
婆鼠「あの女王様のお気に入りの子って言うのは、あなたの事なのねぇ…」
白兎「え…えと…」
男「……?」
453: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:24:02 ID:bskeXDFV8Q
婆鼠「そう、山鼠がシロ、シロって言ってたのはあの子の事なのね…」
山鼠「そう!」
婆鼠「で、其方の方は……」
山鼠「あぁ、あいつは」
男「はじめまして
山鼠の夫です」
山鼠「そうそう、おっ……あ゙?」
婆鼠「ふふ…男さん、年寄りに冗談は止めて頂戴?」
男「あら、バレちゃいます?」
婆鼠「えぇ、そんな事は私『知らない』もの」
454: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:29:36 ID:jox2lqGdgw
男「何で、言ってもない俺達の名前が分かるんで?」
婆鼠「私のアリスへの献上品は『無知』だもの」
男「無知…?」
白兎「知らないものを失ってるってこと、ですか?」
婆鼠「そうねぇ…」
男「献上していくごとに知識が増えていくと」
455: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:36:23 ID:t57GnFDOYg
婆鼠「そういうこと
あなた達の事も殆ど全てわかってしまうわね…」
婆鼠「例えば、白兎ちゃんの献上品は視力かしら?」
白兎「!…はい」
婆鼠「そして……」
男「……」
婆鼠「…山鼠」
山鼠「何?」
456: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:38:58 ID:1b/AplOPAI
婆鼠「地下室から林檎でもとってきてくれる?
歓迎にパイでも作りたいわ」
山鼠「うん!」タッタッ
婆鼠「山鼠には外して貰ったわ
あなた達に、あなたに話があるの」
男「俺、ですか…?」
婆鼠「あなた、未だにアリスに何を献上しているか知らないでしょう?」
男「!」
婆鼠「良い機会だから、教えておきましょう…」
457: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:40:55 ID:WeYS042/lU
少なめの更新のつもりだったのに結構書いてしまいました
この調子で試験勉強も捗れば良いんですがね…
>>445
ありがとうございます!
それではまた明日
458: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:13:30 ID:23BYopFfCk
つづきたのしみ!
試験も根を詰めすぎない程度に頑張って下さいまし〜
あと>>456のIDが「アップルパイ」と読めなくもないw
459: 名無しさん:2011/7/13(水) 04:19:50 ID:zffT4OvZNo
>>456
アップルオッパイwwwww
460: 名無しさん:2011/7/13(水) 07:45:57 ID:SJzSf1p/CA
続きわくてか!!
頑張れ!!試験も!
461: 名無しさん:2011/7/13(水) 19:23:35 ID:q7WYcuVBgk
CCCCCCCCC
はあ…無邪気な山鼠ちゃんもかわいい…
ついに男の秘密が… CCCCCCCCC
462: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:13:55 ID:JZ308n9LZ6
>>458
ありがとうございます
数学逝ったからやけくそ気味に書いていきますwww
>>459
_ ∩
( ゚∀゚)彡
⊂彡
>>460
書きため無くなりましたが頑張っていきます
>>461
Cで囲みたかったけど失敗しちゃったんですかぬ?
そこまでいけるか不安ですが、はじめていきます
463: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:39:33 ID:bskeXDFV8Q
男「俺の?」
婆鼠「えぇ…」
婆鼠「少し、酷かも知れないけどいつかは知らないといけないから」
男「……」
白兎「……」
婆鼠「…あなたは」
山鼠「に゙ゃああぁぁ!!」
男「」ビクッ
白兎「」ビクッ
婆鼠「あら…どうしたのかしら」
464: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:43:54 ID:jox2lqGdgw
白兎「や、山鼠ちゃん?…頭に乗せてるのは…どちら様です?」
山鼠「し、シロ!」ドタドタ
婆鼠「家の中で走るもんじゃ無いですよ」
山鼠「婆ちゃん!こいつ誰だ!」
?「あぅー?」グイー
山鼠「いだいいだいいだい!!髪引っ張るな!!」
男「カオス」
465: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:51:07 ID:zY8aT7nkmQ
婆鼠「孫鼠や、婆ちゃんはこっちだよ」
孫鼠「う?あー!」ピョン
山鼠「…やっと解放された」
婆鼠「駄目ですよ孫鼠
髪は女の命なの」
孫鼠「うぅ?」キョト
白兎「大丈夫でした?」
山鼠「頭ヒリヒリしやがる…」
466: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:56:25 ID:1e0RqNmnOw
山鼠「婆ちゃん、誰なんだよそれ…?
」
婆鼠「この子はね、私の実の孫だよ」
山鼠「いたっけそんなの?」
婆鼠「山鼠や二十日が出てった後引き取ったからね
知らなくても無理はないさ」
山鼠「婆ちゃんが世話してるの?」
婆鼠「そうさ。お前達が出てってから寂しくてね…」
婆鼠「私の息子が戦争に出るって言うから引き取ったのさ」
孫鼠「あーぅ」
467: 名無しさん:2011/7/14(木) 01:01:49 ID:SBxlnoh5O6
山鼠「今いくつ?」
婆鼠「あんたの三つ下さね」
男「え」
婆鼠「おや、どうしたの?」
男「三つ下でそれは、幼過ぎません」
白兎「お、男さん…失礼ですよ…?」
婆鼠「しょうがないさ
この子はアリスに『知』を献上したんだから」
山鼠「ち…?」
468: 名無しさん:2011/7/14(木) 06:35:10 ID:t57GnFDOYg
婆鼠「言ってしまえば私の逆さ
この子の知識は、どんどん減っていく」
婆鼠「こないだ、言葉を無くした所だね」
男「…それはキツいですね」
婆鼠「……そうね」
婆鼠「何にしてもごめんなさいね
孫鼠が髪を引っ張ったりしたみたいで」
山鼠「あ、や、別に平気
元からボサボサだし」
婆鼠「それじゃ女の子らしくないわ
後で直してあげる」
山鼠「あ、うん」
婆鼠「ごめんなさいね男さん。さっきの話はまた夜にでも」
男「……」
山鼠「…なんのこと?」
469: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:59:04 ID:JZ308n9LZ6
婆鼠「山鼠、林檎は?」
山鼠「あ、忘れてた」
婆鼠「お願いね」
山鼠「はーい」タッ
婆鼠「白兎さん、お料理は得意かしら
手伝って欲しいのだけれど」
白兎「女王様直々に教わりましたから多少自信はあります」フンス
婆鼠「あらありがたいわ…」
白兎「にんじんも入れちゃっていいですかね!?」
婆鼠「どうぞ」
男「……」
孫鼠「あぅー!」グイー
男「髪を引っ張るな髪を」
470: 名無しさん:2011/7/14(木) 22:38:16 ID:SBxlnoh5O6
山鼠「婆ちゃんの料理は久しぶりだ」モグモグ
婆鼠「美味しいかい?」
山鼠「うん!」
婆鼠「そりゃ良かった
お二人の口にもあえば良いのだけれど…」
白兎「おいひいれすよ?ね?」モグモグ
男「久しぶりににんじん以外の物を食べて感動してる」
白兎「それは良かったですね!」
男「誰のせいだよ」
471: 名無しさん:2011/7/14(木) 22:46:55 ID:JZ308n9LZ6
婆鼠「はい。少しは髪も綺麗になったでしょ」
山鼠「ん、お、指が通る!」サラサラ
婆鼠「ふふ、山鼠も一応女の子なんだから
身嗜みはキチンとね?」
山鼠「別に誰に見せる訳でもないからいいと思うんだけどな…」
婆鼠「あら、私に隠し事は無駄よ?
全部お見通しなんですから」
山鼠「え…?」
婆鼠「山鼠、恋してるでしょ?」
山鼠「きゅっ!?」ビクッ
472: 名無しさん:2011/7/14(木) 22:54:49 ID:IvjfUba.8M
婆鼠「気付いてないとでも思ったかしら?
お婆ちゃんに分からないことなんて殆ど無いんですから」
山鼠「な、なななななななな…」
婆鼠「落ち着きなさいな」
婆鼠「あんな男勝りだった山鼠ちゃんがねぇ
やっぱり女の子ね」ポスッ
山鼠「…ぅう」
473: 名無しさん:2011/7/14(木) 22:59:29 ID:1b/AplOPAI
婆鼠「でも、何でその相手…」
山鼠「へ?」
婆鼠「あぁ、何でも無いのよ?」
婆鼠「……あんなややこしい少年なのかしら」ボソッ
白兎「男さんの献上ですか…」
男「何だと思う?」
白兎「…例外じゃ無い限り、この国で一番初めに強く願ったこと、になる筈です」
男「そういう事は先に言って欲しかったよね」
白兎「無茶言わないでくださいよ」
474: 名無しさん:2011/7/14(木) 23:20:39 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「…山鼠、今日はもう休みなさい
疲れたでしょ?」
山鼠「婆ちゃんと一緒に寝たいな…」
婆鼠「甘えん坊さんねぇ
代わりに孫鼠を寝かしつけて欲しいのだけれど」
山鼠「えぇ…」
婆鼠「お願い」
山鼠「ん…お休み婆ちゃん」スタスタ
婆鼠「ごめんなさいね?お休みなさい」
婆鼠「…さて、と」
475: 名無しさん:2011/7/14(木) 23:26:37 ID:SBxlnoh5O6
白兎「まぁ何にしろ、アリスの役に立ってるなら素晴らしい事だと思いますよ」
男「白兎は相変わらずアリスが第一なんだな」
白兎「いえいえ、男さんのこともしっかり考えて…」
白兎「あ、山鼠ちゃん」
山鼠「…俺はもう休むから」
男「また明日な」
山鼠「……」
男「…何?」
山鼠「別に、お休み」スタスタ
476: 名無しさん:2011/7/14(木) 23:56:55 ID:IvjfUba.8M
婆鼠「ごめんなさいねさっきは
山鼠には聞かせたくなかったものだから」
白兎「いえ…」
男「…なんか嫌な予感がしますけど」
婆鼠「まぁ、人によるわ」
婆鼠「喜ぶ者もいれば絶望する者もいるかも知れない」
男「……」
婆鼠「…不思議の国の者として敬意を払わせて貰います」
婆鼠「…あなたはアリスに、『死』を献上している」
白兎「し…?」
男「……」
ドクンと、心臓の動く音が
一瞬だけ、少年の脳に強く響いたのが分かりました
477: ◆AlicexxO96:2011/7/15(金) 00:00:28 ID:1b/AplOPAI
もう今日はお終い!
バレたーwww
まぁ結構バレバレの伏線ひいたからしょうがないよと、自分に言い訳
明日で試験が終わる…
もうモチベーション上がらねーです…
ではまた明日
明日は色々濃い内容にして行きたいですノシ
478: 名無しさん:2011/7/15(金) 14:32:32 ID:UmtXrgXVU.
あれ、山鼠ちゃんハァハァしてたらいつのまにかエグい展開に・・・C
479: 名無しさん:2011/7/15(金) 18:58:04 ID:DgQGPfo82A
そういや、ちゃんと遡ると、一番最初に男は死にたくないって願ったもんな。
C
480: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:13:33 ID:t57GnFDOYg
男「……??」
白兎「死を失うって、どういうことですか?」
婆鼠「そのまま。死なないし、傷付かないってことさ」
男「……ぇ」
婆鼠「理解したかい?
理解しても認めたくないかい?」
婆鼠「あなた、自ら命を断つつもりだったんでしょう?
知っているわ」
男「……ぁ、あ」
鼓動は高まり続けます
481: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:33:23 ID:IjDuDJDKyo
少年の頭に浮かぶのは、目の前に突きつけられた銃口のイメージ
確かに頭を撃ち抜かれたはずなのに、夢にしか思えなかったのです
気が付けば、穴の空いた筈の体はすっかり元通りになっていたのですから
何故?
答えはあまりに簡単
少年がそういう体になっていたから
男「ぅ…」
鼓動が加速します。涙が滲みます。指が震えます。胃液が逆流します。
482: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:49:16 ID:SBxlnoh5O6
婆鼠「…今伝えたのは全て事実よ」
男「…ゃだ…何で…何で」
婆鼠「『どうして自分がそんな大事なものを献上してるんだ』と言いたいの?」
男「例外…例外なんだ…白兎…白兎!」ガシッ
白兎「お、落ち着いてください男さん!」
婆鼠「例外なんかじゃないわ
あなたが望んだことだもの」
男「…あ?」
婆鼠「あなた、この国に来たときに『死にたくない』って願ってたもの」
483: 名無しさん:2011/7/15(金) 22:54:01 ID:B4pYf22bqU
男「違う…違う…そんな意味じゃない…!」
婆鼠「…男さん」
男「…そんな事…知らなかったから…」
婆鼠「…受け入れなさい」
男「…死なせて…お願いだから…」
婆鼠「無理よ」
白兎「…あの」
484: 名無しさん:2011/7/15(金) 23:05:57 ID:bskeXDFV8Q
白兎の少女の声を聞いて、我にかえりました
そうだ。元はこいつのせいだったんじゃないか、と
白兎「…なんと言えば良いか分からないんですが」
白兎「その、男さんはアリスに『死』を与えてるって、凄い名誉な事だと思いますよ!」
白兎「『死』は生き物としての命の働きの中で最も重要な役割だって聞いてますもん!」
あぁ。この瞬間から、少年の遣り場の無い憤りの矛先は、全て白兎の少女に向けられました
485: 名無しさん:2011/7/16(土) 06:52:13 ID:1e0RqNmnOw
男「何?それどういうこと?」
男「アリスさえ良ければ俺はどうでも良いってこと?」
白兎「い、いえ…そういう訳では…その」
男「その最も重要な役割ってのが俺にはもう無いんだよ?」
男「誰の…誰のせいか分かってるか?」
白兎「…それは」
486: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:05:42 ID:WeYS042/lU
少年には分かっていました
少年をこの世界に連れてきたのは彼女の手違いの為ではありますが
ここでこのか弱い白兎の少女を責めるのはあんまりにも酷であると
でも、少女への責める言葉が止まりません
口が、体が自分のものじゃないみたい
白兎「…約束」
男「…は?」
487: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:14:20 ID:IjDuDJDKyo
白兎「そう、約束をしていたじゃないですか!」
白兎「男さんに生きることの良さを分かってもらうって!」
男「それが?」
白兎「その…も、もう死ぬことがないなら
生きる事を楽しむしかない…といいますか…」
男「……」
婆鼠「……」
婆鼠「白兎ちゃん…それは…」
男「…あぁ」
488: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:20:58 ID:SBxlnoh5O6
男「教えてやる
お前が今俺に言ってる事がどれ程…」カチャ
白兎「…っ!」
婆鼠「男さん…!」
白兎「け、拳銃…?そんなもの何処で…?」
男「さっきの街で
こっちに来いよ白兎」
白兎「う、嘘ですよね?
わ、たしを撃つんですか…?」
男「……」スッ
白兎「ひっ!」
男「持て
お前が、俺を撃て」
白兎「……は?」
489: 名無しさん:2011/7/16(土) 07:30:11 ID:JZ308n9LZ6
男「握れ。引き金に指をかけろ。俺に向けろ。力入れろ。」ガシッ
白兎「やだ!嫌ですよ!なんで男さんを撃たなきゃならないんですか!」
男「いいだろ。アリスの二の次三の次の人間なんて」
白兎「それは、だって…!」
男「はやく」グイッ
白兎「やだ!放して!やだやだやだやだ!!」
男「…」ギュッ
ドンッ
490: 名無しさん:2011/7/16(土) 13:02:28 ID:23BYopFfCk
うわぁぁぁ
しえんしえん!
491: 名無しさん:2011/7/16(土) 20:41:57 ID:hx2NZUpaHc
あああぁぁ
しえーんなぜか白兎ちゃんのほうが心配
492: 名無しさん:2011/7/16(土) 23:20:23 ID:SBxlnoh5O6
鼠の少女は何故か起きていました
正確には、寝ることはできないのですが
唯一の安息の地。祖母の傍に居るのに
得体の知れない一抹の不安が胸の内を巡り、休息を妨げていました
山鼠「……」スッ
孫鼠「クー…クー…」
山鼠「あいつらと婆ちゃん、話があるって…」
493: 名無しさん:2011/7/17(日) 00:35:13 ID:JZ308n9LZ6
山鼠「明かりが、まだ……」
山鼠「みんな……?」スッ
ドンッ
山鼠「…ぁ?」
目を疑わざるをえない光景
遂に幻覚を見始めたかと思うほど
白兎が少年を撃った
ただそれだけの、単純で最も有り得ない状況
飛び散った鮮血が鼠の少女の青いオーバーオールを塗り替えます
494: 名無しさん:2011/7/17(日) 00:45:35 ID:B4pYf22bqU
山鼠「…なに、これ…」
絞り出した声は二人には届かなかったようで
白兎「お、男さん!?い、痛くないんですか!?」
男「……」
男「…痛い…死にそうな程痛い…」
言った途端、少年の胃の中の物全てが逆流し、喉にまでせり上がってきたのが分かりました
男「っ……」
婆鼠「…お手洗いは、山鼠の居る扉を出て突き当たりよ」
男「……」ダッ
山鼠「あ…」
495: 名無しさん:2011/7/17(日) 07:36:07 ID:YgxuUT4qEk
うわああああああああああああああああ
496: 名無しさん:2011/7/17(日) 12:45:05 ID:1e0RqNmnOw
白兎「……」カタカタ
山鼠「シロ…何で…」
白兎「……」ガタガタ
山鼠「シロ!!」グッ
婆鼠「山鼠、よしなさい」
山鼠「っ…!」
婆鼠「事実を知らない話に、首を突っ込むのはいけないと教えたでしょう」
山鼠「事実も糞も見たまんまだろ…!
今シロがあいつ、を……」
山鼠「……なんであいつ、撃たれたのに平気なんだ…?」
白兎「……」ガクガク
497: 名無しさん:2011/7/17(日) 12:52:15 ID:WeYS042/lU
発砲の衝撃による手の震えが、恐怖による震えに変わり始めます
白兎「……ぁ」カクッ
山鼠「シロ!」
白兎「……わ、たし」
白兎「…何て、こと…」ズルズル
少女は這いずりながら、少年の篭もる部屋へ
全身が震えて歩くこともままならないのです
白兎「……ごめんなさい」ズルズル
498: 名無しさん:2011/7/17(日) 13:00:31 ID:1e0RqNmnOw
白兎「……」ピトッ
扉に耳を傾けると、少年の嘔吐と嗚咽ばかり聞こえます
白兎「…ごめんなさい…ごめんなさい…」ポロポロ
白兎「許して…ください…」
白兎「…ごめん、なさい…」ギシッ
山鼠「……」
山鼠「……これ、何?」
孫鼠「ぅー?」
婆鼠「…知らなくちゃならない事でも
知らない方が幸せな場合もあるのよ。ねぇ孫鼠ちゃん?」
孫鼠「えぅー」
499: 名無しさん:2011/7/17(日) 13:19:30 ID:1b/AplOPAI
婆鼠「そういえば、孫鼠も起きちゃったのね」
孫鼠「あぅ」
山鼠「婆ちゃん…俺、どうしたらいいの…」
山鼠「婆ちゃんなら、分かるんじゃ…」
婆鼠「…今、あなたに出来ることは無いわ」
山鼠「……ぅ」
婆鼠「これからも一緒に旅続けるのなら、足手まといにならないよう体を休ませなさい」
山鼠「……」フルフル
500: 名無しさん:2011/7/17(日) 16:03:37 ID:pXviymqEzo
500記念支援!
501: 名無しさん:2011/7/17(日) 21:46:41 ID:1b/AplOPAI
白兎の少女は一晩中泣き続けました
少年も一晩中籠もっていました
やがて夜はあけて
ガチャ
男「……」
白兎「…男…さん?」
男「…アリスが」
白兎「……え」
男「…アリスが帰ってくれば、献上は止まるんだっけか」
白兎「…ぁ」
婆鼠「かも知れない、ね
確証はないのだけれど」
502: 名無しさん:2011/7/17(日) 21:56:50 ID:zY8aT7nkmQ
男「……白兎」
白兎「…はい」
男「…死にたい死にたくないとかじゃなくてさ」
男「元の人間に戻して欲しい、俺は」
白兎「……」
男「アリスを連れ帰れ。協力はする」
白兎「はい…」
男「……酷い顔だな」プッ
白兎「なっ…!
人のこと言えませんよ!?」
503: 名無しさん:2011/7/17(日) 22:12:57 ID:zY8aT7nkmQ
山鼠「お前ら!」バンッ
婆鼠「朝から元気ね山鼠」
山鼠「あ、婆ちゃんおはよう!」
婆鼠「はいおはよう」
男「ん、おはよう山鼠」
山鼠「あ、ん…何これ」
白兎「何がですか?」
山鼠「いや、昨日のが嘘みてぇに…」
山鼠「……お前らひでぇ顔だな」プッ
男「お前が言うな」
白兎「ほんとです」
504: 名無しさん:2011/7/17(日) 22:22:28 ID:SBxlnoh5O6
婆鼠「アリスが戻ってくる条件が、あるの」
男「え」
白兎「それって…」
婆鼠「えぇ、女王直属の配下のみ知らされる情報」
男「そんなもんがあるの?」
白兎「…はい。二つ条件があります
ただそれは極秘情報ですが…」
婆鼠「まぁ知らないことが無いのですから、それ位は知ってるのよ」
婆鼠「一つ、アリスが子供の心を取り戻したとき」
505: 名無しさん:2011/7/17(日) 22:29:14 ID:jox2lqGdgw
山鼠「子供の心?」
婆鼠「まぁ不可能ね
記憶喪失になって幼児退行を起こせば何とか」
男「……」
白兎「はい、ですから」
婆鼠「そうね。あなたが任命された
二つ、不思議の国の住民が直接アリスとコンタクトをとったとき」
男「……」
白兎「女王様の魔法で人間界に送り込んで貰うんです」
白兎「その二つの条件が…」
婆鼠「三つ、アリスが死んだとき」
506: 名無しさん:2011/7/17(日) 23:04:52 ID:IjDuDJDKyo
白兎「そう、三つ目が……三つ目!?」
男「とおる?」
山鼠「分かりにくいボケを挟むな」
白兎「ちょ、ちょっと待って下さいよ…?
二つ目までしか聞いてないんですが…」
婆鼠「えぇ
男さんがここに来るまでは、アリスが不死だったんですもの」
婆鼠「男さんが死を献上した為、増えたというだけ」
山鼠「……」
山鼠「……死!?」
男「あぁ、うん」
507: 名無しさん:2011/7/17(日) 23:14:19 ID:jox2lqGdgw
婆鼠「皮肉なものですね
男さんの献上のお陰で、なんて」
白兎「…でもアリスが死んだらって…」
男「せっかく献上したんだから利用してくれなきゃ辛いんだけど」
山鼠「開き直ってんなぁお前」
婆鼠「まぁ、頑張って下さいな白兎さん」
婆鼠「孫鼠が正気に戻って、山鼠がぐっすり眠れるその日を待ってますから」
白兎「はい!」
508: ◆AlicexxO96:2011/7/17(日) 23:37:37 ID:IvjfUba.8M
ここで区切らせてもらいましょう
この話を途中で切るのは野暮かなと思い、3日程ぶっ続けでいかせて貰いました
>>478
引っかかったな!これは罠だったのだよ!
支援ありがとうございます!
>>479
そうですね
少々強引かも知れませんが、そこが献上品決定の瞬間です
>>490
支援どうもです!
>>491
白兎ちゃんの方がメンタルは脆いです
女の子だもの!
>>495
ビクッ
>>500
おめでとうございます!
もう半分ですか…まだ終着点は定まっておりませんが、頑張っていきます
509: ◆AlicexxO96:2011/7/18(月) 19:02:18 ID:1e0RqNmnOw
とか言って粋がってみたもののぶっ倒れてしまいました…
あわぁ頭痛いよう…
申し訳ありませんが今日は更新できなさそうです
申し訳ない…
510: 名無しさん:2011/7/18(月) 19:04:29 ID:DhEiHvbrJU
そうか 頑張れよ 支援
511: 名無しさん:2011/7/19(火) 02:45:03 ID:bda6DzpqMU
無理しないように。
頑張りすぎないように。
休めるときはしっかり休むのが1番!お大事に〜
512: 枕:2011/7/20(水) 07:40:56 ID:OO/VPONYBA
壁|ω・)<無理は禁物
|≡з
|д°)つC<忘れてた
|≡з <任務完了
513: 名無しさん:2011/7/20(水) 21:58:09 ID:bskeXDFV8Q
婆鼠「さぁもう出発なさい
女王様もあなた方を待ってらっしゃいますよ」
白兎「は、はい!」
孫鼠「あぅ」グイー
男「痛い痛い」
婆鼠「迷惑かけるでしょうけど、山鼠のことどうぞよろしくお願いしますね…?」
白兎「お任せくださいな!」
山鼠「じゃあ婆ちゃん」
婆鼠「えぇ。気をつけてね」
514: 名無しさん:2011/7/20(水) 22:16:28 ID:WeYS042/lU
男「婆ちゃんと一緒にいなくていいのか?」
山鼠「…いんだよ
大体お前らがついて来いっつったんだろが」
男「まぁ確かに」
山鼠「だろ?だからついてく。ついて行ってやんてんだ。悪いか」
男「悪くないです」
山鼠「分かればいい」
白兎「お二人共、置いてきますよー?」タッタッ
515: 名無しさん:2011/7/20(水) 22:31:19 ID:zY8aT7nkmQ
男「その点白兎ってすげーよな
昨日の今日で全く負い目感じてねぇもん」
白兎「そんなトッポみたいに言われましても…」
山鼠「シロは明暗はっきりしてるからな
ある意味扱いやすい」
白兎「……やっぱりまだ怒ってますか?」
男「別に。昨日あんなに謝ってたしね。目真っ赤に腫らして」
白兎「目はもとから真っ赤ですけどね!」
男「そうね」
516: 名無しさん:2011/7/20(水) 22:45:24 ID:SBxlnoh5O6
白兎「勿論あれで許して貰ったつもりはさらさら無いですよ」
白兎「アリスを探し出せばいいんですよね」グッ
白兎「アリスさえ見つかれば男さんも山鼠ちゃんも、勿論私もですが」
白兎「みんな元通りになる!はずです、けど…」
男「最後まで力入れろよ」
山鼠「男」
男「なに」
山鼠「おぶれ」
男「出発して5分もたってねぇだろ!」
517: 名無しさん:2011/7/20(水) 23:14:05 ID:zY8aT7nkmQ
山鼠「へへ…」
男「へへじゃねぇ」
白兎「最近山鼠ちゃんをおぶってないので背中が寂しいです…」
男「だってよ。白兎におぶって貰えよ」
山鼠「こっちの方が安定するから」
男「知らんがな」
山鼠「ほら喋らず進む!」
?「……」
?「……ひひ、居た居た来た来た♪」
518: 名無しさん:2011/7/21(木) 09:45:22 ID:dJNSi9KCi6
>>504
アリスが戻ってくる条件じゃなくて、献上したのが、戻ってくる条件じゃないの?
アリスが住民と直接接した時って、もう、不思議な国に戻ってるってことだし。
519: 名無しさん:2011/7/21(木) 17:41:04 ID:gTgOTWHKOM
>>518
不思議の国じゃないとこでの接触ってことじゃないの
不思議の国とリアルは別だし
520: 名無しさん:2011/7/22(金) 07:41:54 ID:SJzSf1p/CA
>>519
そうなのかなぁ。そうやって読もうと思って読むと微妙に違和感あるんだけど。
まぁ、>>1に答えてもらうまで待つさ。
521: 名無しさん:2011/7/22(金) 18:19:48 ID:IQmVNaxnrM
違和感?
自分も>>519の意味であってると思うんだけど・・・
>>1もたまにはゆっくりがんばれ支援
522: ◆AlicexxO96:2011/7/22(金) 20:59:25 ID:bskeXDFV8Q
>>510
はい! 頑張ります!
>>511
少々休みすぎましたwww
今日から本気だす
>>512
任務ご苦労様です
523: ◆AlicexxO96:2011/7/22(金) 21:10:36 ID:IvjfUba.8M
>>518
う、むー……
一応>>519さんの解釈通りの設定なのですが…
少し詳しく解説しますと
アリスがいるのは現実世界
そこに何かしらの方法で住民を送り込みアリスと接触させる、と言うことになりますが…
違和感ですか……ビクビクしちゃいますね…www
>>520
少し羽を伸ばしておりました。ありがとうございます
自分のSSについて議論していただけるのは非常に嬉しいですね
違和感を感じられてる時点で駄目ですがwww
続き、書いていきます
524: 名無しさん:2011/7/22(金) 21:35:13 ID:B4pYf22bqU
一人の少年と一羽と一匹の少女達の旅もそろそろ終わりを迎えようとしています
それは三人の目の前に姿を現しはじめました
男「……」
白兎「男さん!見えます!?あれですよあれ!女王様のお城!」ピョコピョコ
男「はしゃぎすぎだろ」
山鼠「ほんとでけぇ城だな」
男「大体お前目悪いんじゃ無かったの?見えるの?」
白兎「ぼんやりと!」
男「あぁそう」
525: 名無しさん:2011/7/22(金) 21:44:19 ID:bskeXDFV8Q
男「なぁ」
白兎「はぁい?」ギィ
男「…なにここ」
白兎「城の周りの薔薇園ですよ?」
山鼠「懐かしの薔薇園迷路か」
男「迷路?」
白兎「薔薇園丸ごと迷路になってるんですよ
城に入るまでの頭の運動です!」
男「んな面倒なもん作んじゃねぇよ!」
526: 名無しさん:2011/7/22(金) 21:51:50 ID:1e0RqNmnOw
白兎「面倒とはなんですか」
男「うーわ面倒くせーいきなり3つに道別れてるー」
山鼠「やる気ねぇなぁお前」
白兎「そういえば山鼠ちゃん昔ここで迷子になって泣いちゃっ…ムグッ!」ガシッ
山鼠「…口は災いの元だぜ」ムギュ
白兎「い…ひゃい」
男「誰だよ旅はもう終わりを迎えようとしてるとか言ったの」
白兎「ナレーションですよ」
山鼠「メタ発言やめろ」ムギュ
白兎「きゅっ」
527: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:07:52 ID:bskeXDFV8Q
山鼠「ここどっち?」
男「右」
山鼠「根拠は?」
男「クラピカがそう言っている」
白兎「誰?」
山鼠「しっかり考えてかねぇと日が暮れるぜ?」
男「おぶって貰ってる癖によく言うわ」
ガサッ
白兎「…!」ピクッ
?「ぃよいしょ!」スタッ
男「うぉっ」ビクッ
528: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:17:41 ID:1b/AplOPAI
山鼠「…あ?」
男「…ん?」
白兎「…へ?…あ」
?「…にゃ?」
薔薇のアーチの天井を突き抜け
目の前に飛び降りてきたのは一人の少女
ピンクと黒が基調の姿
ピンと空を向いた猫耳
フリフリと揺れる尻尾
白兎「ちっ…チェシャ猫っ!?」
チェシャ「はぁい?」ピョコ
不思議の国のタブー、チェシャ猫でした
529: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:24:28 ID:1e0RqNmnOw
白兎「……男さん!」ズッ
チェシャ「こんな迷路の中で逃げようとしたって無駄だぜ?」
白兎「…う」
山鼠「シロ…チェシャ猫って…!」
白兎「…タブーです」
男「え?」
山鼠「忘れたのかよ!不思議の国で関わっちゃいけない奴だ!」
男「こんな子が?」ヨシヨシ
チェシャ「ゴロゴロ…」
白兎「何やってるんですか!何やってるんですか!?」
530: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:29:32 ID:SBxlnoh5O6
男「実は猫派だったりするんだ」テヘ
白兎「知りませんよ!」
男「大体こんな女の子のどこが危ないんだよー」
チェシャ「そうそう、狩人や熊と同類にされるのは不愉快だねー」
チェシャ「じゃ!いっただっきまーす!」ハムッ
山鼠「……」
山鼠「……えっ」
531: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:34:37 ID:jox2lqGdgw
男「な?こんな小さい子供がタブーとか」
山鼠「いや…右手見てみ…?」
男「……」
チェシャ「もっきゅもっきゅ」
男「…じゃれてるだけじゃね」
白兎「いやもう腕まで呑まれてますって!」
男「へ、へるぷ!」
山鼠「もう片方の手ぇよこせ馬鹿!」
男「馬鹿っていうな!」グイッ
山鼠「シロ!シロも引っ張れ!」
白兎「は、はい!」グイッ
男「千切れる!」
532: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:38:37 ID:JZ308n9LZ6
白兎「あ…もう頭まで…」
山鼠「死ぬ気で引っ張れって!」
白兎「ひ、引っ張ってますよ!」
男「ん〜!」ジタバタ
山鼠「こいつの口…ブラックホールかよ!」グイー
白兎「なんで自分よりも大きいものを…」グイー
チェシャ「あーむ!」パックンチョ
山鼠「…あ」
チェシャ「ふぅ、御馳走様でしたっと!」
533: 名無しさん:2011/7/22(金) 22:43:21 ID:jox2lqGdgw
山鼠「あ…か、返せ!男を返せよ!」ガシッ
チェシャ「何だよー暴力反対だぜー?」
山鼠「いいから早く!」ユッサユッサ
チェシャ「言われなくてもお話が終わったら返すつもりだって」
白兎「お、話?」
チェシャ「2人っきりでね
君達は邪魔だから少年を異空間にぶち込んだだけ」
チェシャ「まぁ安心しなって。とって食ったりしないよ」
チェシャ「…あ、今食べちゃったんだっけか?」ケップ
534: 名無しさん:2011/7/22(金) 23:12:26 ID:Fz0Cnpal8s
食べちゃったーー!!
つ支援
535: 名無しさん:2011/7/22(金) 23:27:42 ID:ohdAPLE9/I
クラピカワロタ
チェシャ猫良キャラ臭する
C
536: ◆AlicexxO96:2011/7/24(日) 00:07:18 ID:zY8aT7nkmQ
>>534
カニバリズムとかじゃないんであしからずっ
支援おおきにです
>>535
>>1はH×H好きですww
期待に添えるよう頑張ります
先程帰宅したのでどうやら今晩の更新はきついです
明日の朝書いていきますのでお許しを…
537: 名無しさん:2011/7/24(日) 09:30:53 ID:B4pYf22bqU
チェシャ「心配しなくても…そうだね10分だけ貸しておくれよ」
チェシャ「多分何にもしないからさ」ニンマリ
山鼠「多分て何だ多分て!」
チェシャ「んじゃ、失礼するよ」クルッ
白兎「!…ちょ!」
フッ
白山「!?」ビクッ
白兎「消えた…?」
538: 名無しさん:2011/7/24(日) 09:49:43 ID:PoA2Pl71HU
白山って誰だww
C
539: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:05:02 ID:B4pYf22bqU
男「……」
チェシャ「やー、お待たせお待たせ
気分はどうだい?」
男「泣きそう」
チェシャ「へへー、こんな可愛い子ちゃんに食われて死ぬんだぜ。本望だろ?」
男「……」
チェシャ「おっと失礼。君は死なないんだったね」フリフリ
540: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:34:21 ID:1e0RqNmnOw
男「ここってさ」
チェシャ「心当たり、あるかい?」
男「熊の時の…」
チェシャ「そうそう」
男「よく分からん場所…」
チェシャ「うんうん」
男「…熊の時助けてくれたの、お前か」
チェシャ「ごめーとー!
勘が良いねぇ君は!」パチパチ
チェシャ「今日はねー、君の疑問に答えにきたのさ」
男「疑問…?」
チェシャ「あり?聞きたいことがあるって言って無かった?」
男「あー」
541: 名無しさん:2011/7/24(日) 10:44:40 ID:1b/AplOPAI
男「まずお前の事が知りたいわとりあえず」
チェシャ「直球だねー、照れちゃうじゃないか//」
男「そういうんじゃなくてな」
チェシャ「おや、ジョークも通じないのかい?
まぁ時間も無いしね」
チェシャ「ボクはチェシャ猫
アリスへの献上品は『存在』だ」
男「存在…?」
542: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:20:17 ID:zY8aT7nkmQ
男「存在て…なに?」
チェシャ「知らないのかい?
『何かがあること、またはあるもの。実体と属性に分かれ、前者は基体、本体のようにそれ自体で独立であるが…』」
男「いやそういうことじゃなくて…」
チェシャ「広辞苑第六版から抜粋」
男「知らんがな」
チェシャ「冗談だよ。何、と聞かれても存在は存在さ」
チェシャ「ボクがそれを献上する事で、アリスはそこに『居る』事が出来る」
543: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:26:13 ID:t57GnFDOYg
男「じゃあ、お前は…」
チェシャ「ここに居ないのかって?
そんなことはないよ」
チェシャ「確かにここに存在しているさ」
男「…?」
チェシャ「献上っていうのはね、段階的なものなんだ
ゆっくりゆっくり、何かを失っていく」
男「そうなの?」
チェシャ「そうなの。
そしてそれが堪らなく怖い
少しずつ自分がいなくなっていくんだから」
チェシャ「でも、精神的に衰弱したら献上の進行はどんどん早まるみたいでね」
チェシャ「おちおち怯えてられないんだよ、ボク達は
勿論、君も含めてね」
544: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:36:41 ID:bskeXDFV8Q
男「へぇー」
チェシャ「今の君は死にはしないけど、痛みは感じるみたいだね
そのうち痛みすら無くなるさ」
チェシャ「それまで精神が保つかどうかは知らないけど」フリフリ
男「じゃあ、お前はここに居るんだ」
チェシャ「そう言えるし、そうとも言えない」ニンマリ
男「どっちなんだよ」
チェシャ「君にはボクが目の前にいるように見えるだろ?」
男「うん」
チェシャ「後ろを向いてご覧?」
男「?……ぅ!」ビクッ
チェシャ「後ろをとられるようじゃまだまだだね」ニンマリ
545: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:42:43 ID:WeYS042/lU
男「残像拳?」
チェシャ「そんなチャチなもんじゃないさ
君の前にいるのも後ろにいるのも、両方ボクという存在だ」
男「嘘だぁ…」
チェシャ「こんな手品だけじゃない。君の存在すら消してしまえるね」
男「えー…」
チェシャ「それでも君は死なないからねー
どうなるんだろうね?」フリフリ
チェシャ「献上が進めば、この世界の存在すら消せるかもね」
男「まじで」
546: 名無しさん:2011/7/25(月) 10:50:39 ID:JZ308n9LZ6
チェシャ「やりようによってはね」
チェシャ「でもそんなことしたって何の得にもならないし」
チェシャ「ボクもアリスは大事だし、住民達も大事。そんなことはしないよ」
男「……」
チェシャ「でも今じゃタブー扱いさ
みーんなボクから逃げ出していく」
男「それは、辛いな…」
チェシャ「ふふ、ボクに同情してくれる奴なんて久々に見たね」ニンマリ
547: 名無しさん:2011/7/25(月) 22:25:58 ID:XtRb1Fs4Xk
献上品のセンスが毎度毎度ツボすぎて困る
支援
548: 名無しさん:2011/7/26(火) 17:33:14 ID:r.4/88jxt2
しえーん
549: ◆AlicexxO96:2011/7/26(火) 21:08:35 ID:SBxlnoh5O6
>>538
白兎ちゃんと山鼠ちゃんです
べっこに書くのは面倒くさ(ry
>>547
結構考えて作った設定なので、そういう御言葉は本当に嬉しいですん!
>>548
支援おおきにです!
最近更新ペースがまちまちで申し訳ないなぁ…
出来るだけ夜来れるよう頑張ります
さ、チェシャ猫編終了まで突っ走ります
550: 名無しさん:2011/7/26(火) 22:00:22 ID:IjDuDJDKyo
チェシャ「本当は寂しいんだよ?はっきり言うとね」
男「久々って事は」
チェシャ「そうだね。前例があるってことさ」
チェシャ「確か女王かな
初めてボクを不思議の国の一人として認めてくれたのは」
男「凄いのね女王様って」
チェシャ「まぁね。
他人との繋がりってのは滅多にないからね」
チェシャ「そのうち君に惚れちゃうかも知れないな」ニンマリ
男「はいはい口が御上手ですね」
チェシャ「茶化すなよー」
551: 名無しさん:2011/7/26(火) 22:33:17 ID:IjDuDJDKyo
チェシャ「……で?」
男「……えっ」
チェシャ「いや、ボクの事はこれでお終いだけど…」
男「あぁそう」
チェシャ「何だよー。こないだ聞きたい事があるって言ってたから出てきてやったのにさ」
チェシャ「これじゃ自慢しに出て来たみたいじゃないか
山鼠ちゃんに叱られちゃうよ」
男「えー…そんなこと言われてもな…」
チェシャ「何でもいんだぜ?
今なら出血大サービスでスリーサイズまで答えてあげちゃおう」フリフリ
男「狩人について、知りたいな」
552: 名無しさん:2011/7/26(火) 23:09:55 ID:t57GnFDOYg
チェシャ「! そっか、君は一応彼の標的だったんだね」
男「ま、知らない奴に殺されるのは嫌だし」
チェシャ「んー。一応彼の献上品は『感情』なんだけど」
男「感情…?」
チェシャ「厄介なのは献上じゃない
彼がタブー認定されたのは、アリスと同じ『人間』だったせいだ」
男「はぁ…」
チェシャ「『同じ人間だからこそ、アリスの事を一番理解している』
そういう思考が、どうも彼にはあるようでね」
553: 名無しさん:2011/7/26(火) 23:30:21 ID:1e0RqNmnOw
チェシャ「彼が狙っているのは『アリスに必要の無い献上をしている住民』なんだよ」
男「必要、ない…」
チェシャ「そうだね。例を出せば、
『獰猛さ』の雌熊
『束縛』の公爵夫人
『孤独』のドラゴンなんかもそうかな」
男「……!」ピクッ
チェシャ「お友達なんだろ?あのドラゴンと」
男「狙われてるのか…?」
チェシャ「腐ってもドラゴンだ、猟筒一本で殺せやしないよ」
男「……」ホッ
554: 名無しさん:2011/7/27(水) 01:01:41 ID:SBxlnoh5O6
男「じゃ、俺を狙ってる理由ってのは」
チェシャ「彼が、アリスに『死』は必要ないと判断したからだね」
男「マジキチ」
チェシャ「あぁ最もだ
彼には正直苦労してる」
チェシャ「二人の針鼠が居たんだ」
男「ハリネズミ?」
チェシャ「ハリネズミのジレンマって言葉、知ってるかい?」
男「自分を暖める為に体を寄せ合ったらお互いの針が刺さって…って奴?」
555: 名無しさん:2011/7/27(水) 01:07:58 ID:zY8aT7nkmQ
チェシャ「ごめーとー!
なかなか物知りなんだね君は」フリフリ
チェシャ「その二人はまさにそんな状態だった訳さ」
男「……」
チェシャ「で、二人は献上の際、『痛覚』を捨てた」
男「ほぉ」
チェシャ「そして仲睦まじく体を暖めてる最中、狩人に撃ち殺された」
男「っ…」
チェシャ「山鼠ちゃんには内緒だぜ?
針鼠達は彼女の友達だったからね」
男「おいおい…」
556: 名無しさん:2011/7/27(水) 01:14:09 ID:zY8aT7nkmQ
チェシャ「彼は感情がないからね
それ位軽々やってしまうのさ」
チェシャ「少し怖い話をしたけど……んまぁ、君は実際体験してるしね」ニンマリ
男「笑いごとじゃ無いんですけどね」
チェシャ「でも心配する必要はないよ
彼も、君を幾ら撃っても死なないことは理解したろうから」
チェシャ「もう襲われることは無いだろ。君はね?」
男「そうなの?」
チェシャ「君はね。ただ他の二人はアリスに不必要と認識されるかも知れない」
チェシャ「その時はしっかり守ってあげるんだよ?
それこそ死ぬ気でね」
男「うす」
チェシャ「素直でよろしい」ニンマリ
557: 名無しさん:2011/7/27(水) 01:24:59 ID:bskeXDFV8Q
チェシャ「それにしても、熊は死んで、狩人は諦めて、猫は君を気に入ってしまったと…」
チェシャ「悪運強いねぇ君は」
男「そう?」
チェシャ「さぁもう時間だ。二人に怒られちゃうよ」
男「…?」
チェシャ「楽しかったぜ君とのお話は」
男「んー」
チェシャ「じゃ、出口はそこの扉ね」
男「ありがと。困った時はまた力貸して欲しいな」ガチャ
チェシャ「暇だったらねー」フリフリ
チェシャ「…さぁて、次はいつ会えるかな」
チェシャ「…お昼寝と洒落込みますか」
558: 名無しさん:2011/7/27(水) 01:38:48 ID:jox2lqGdgw
男「ただいまーぃ」
白兎「」ビクッ
山鼠「…!」
男「ん、まだ迷路の中か
どうせなら迷路のゴールに……っと!」ポスッ
山鼠「…」ギュム
男「へ…」
山鼠「……」ギュムー
男「山鼠ちゃん?」
山鼠「……心配して、やってた」ギュムー
男「あぁ、うん。ごめんな……痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
山鼠「俺言ったよな?関わんなって言ったよな? な?」ギュムムー
男「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
山鼠「ちょっとばかし躾が必要だお前にゃ」ギュムギュム
白兎「ちょ、男さんが千切れちゃいますよ!」
559: 名無しさん:2011/7/27(水) 15:22:30 ID:hx2NZUpaHc
しえんしえんしえん
560: 名無しさん:2011/7/28(木) 13:23:11 ID:PF9TGwc8pY
自分の中で白兎が1番お気に入りだったんだけど、チェシャ猫が現れてその地位を揺るがしはじめたw
しえんしえん!フリフリ
561: 名無しさん:2011/7/28(木) 15:52:00 ID:arwVIe7vNo
山鼠は俺の嫁
562: 名無しさん:2011/7/28(木) 20:20:47 ID:SBxlnoh5O6
白兎「…無事でしたか?」
男「見ての通りピンピンさね」
白兎「そ、ですか…?」
男「疑うねー」
白兎「そ、そりゃタブーですから…
心配もしますよ…」
男「俺は何でチェシャ猫がタブー扱いされてるのか分からんかったが」
白兎「…??」
563: 名無しさん:2011/7/28(木) 20:30:30 ID:1b/AplOPAI
男「なんでなん?」
白兎「なんでと言われましても…」
白兎「気紛れなチェシャ猫に関わると消される、と言われてまして…」
男「ふーん」
白兎「…良い人だったんですか?」
男「変な子だったなー
まぁここの住民は全員変だけど」
男「また話してみたくなる子だった」
白兎「はぁ…」
山鼠「まだ懲りてねぇのか」ムギュ
男「やめてくらはい><」
564: 名無しさん:2011/7/28(木) 20:49:34 ID:JZ308n9LZ6
男「よしっ!」ビシッ
白兎「ひゃい!」ビクッ
山鼠「うるせぇなお前ら」
男「さっさと迷路出るぞ。キリキリ歩けキリキリ」キリキリ
白兎「は、はい!」キリキリ
山鼠「男ー」
男「おんぶは駄目
最近甘え過ぎ」
山鼠「む…じゃ、手、繋げ。んで引っ張ってけ」
男「なんで一々命令形なん」
山鼠「しょうがねぇじゃん歩幅違うんだから」
男「はいはい」スッ
山鼠「…へへ…」タッ
565: 名無しさん:2011/7/28(木) 20:56:04 ID:t57GnFDOYg
男「城って自由に出入りできるの?」
白兎「一応門番はいますよ。トランプ兵の皆さんが」
男「ほう」
白兎「ま!私はこれでも女王様直属の配下ですから!」
白兎「お二人も私が話をつければ、なんとかなりますよ」
山鼠「ん…!」
男「あ…ゴールじゃね?」
白兎「…!」
566: 名無しさん:2011/7/28(木) 21:14:56 ID:SBxlnoh5O6
城の門を見つけた途端
兎の少女は目を輝かせ、飛び跳ねるように駆けて行きました
男「速ぇ」
山鼠「速ぇな」
男「……あのトランプから手足がはえてるキモいのが、トランプ兵なの?」
山鼠「そうだな」
兎の少女と話しているトランプ兵は
鼠の少女が言うには、『言葉』を献上しているらしく
時々折れるように頷くだけでした
そのうち、許可が取れたのでしょうか
兎の少女がこちらを向いて、嬉しそうにその長い白い耳を揺らしました
567: 名無しさん:2011/7/28(木) 21:44:23 ID:IvjfUba.8M
今まで見たことのないような、兎の少女の笑顔
ゆっくりと、低い音を立てて開いていく城門
道を挟み、規則正しく並ぶトランプ兵のオーケストラ
帰還を祝う盛大なファンファーレ
バイオリン・コントラバス
チェロ・ティンパニ
ホルン・トランペット
耳障りだと言うように、それら睨む鼠の少女
目の前に聳える、巨大な城
三人の旅はついに、終わりを迎えたのです
568: 名無しさん:2011/7/29(金) 09:24:14 ID:IQmVNaxnrM
ついたー!
え、てことはもう終わりなん?
しえんえん!
569: ◆AlicexxO96:2011/7/29(金) 21:41:23 ID:bskeXDFV8Q
>>559
ありがとうありがとうありがとう!
>>560
チェシャ「ふふ、なかなか良い趣味してるじゃないか」フリフリ
>>561
寝取られちゃいますぜ男君
支援感謝です!
>>568
まだ終わらんよ!
最後までお付き合いいただけたら光栄です
それでは本日も更新はじめ!
570: 名無しさん:2011/7/29(金) 23:04:57 ID:Y7potMdNLI
最初、異空間に男が入ったときからチェシャきたー!って思ってた!
チェシャ可愛いよチェシャ
大好き!
571: 名無しさん:2011/7/29(金) 23:41:07 ID:WeYS042/lU
男「なんか凄いな…」
山鼠「五月蝿いだけだろこんなの
頭ガンガンする…」
白兎「ふっふー♪」
男「嬉しそうにしちゃって」
白兎「いやぁやっと帰って来ましたよ!長い旅でした!」ピコピコ
男「そっすね」
山鼠「あー…だる…」
トランプ兵のオーケストラは、城の大扉まで続いていました
572: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:23:01 ID:WeYS042/lU
ギシギシと音を立て、ハート模様の大きな大きな扉が開いていきます
中央に、二階へ上がるこれもまた大きな階段が
白兎「女王様は?」
トランプ「」フルフル
白兎「…面会は、出来ますかね?」
トランプ「」コクコク
白兎「了解しました
ビルはどちらに…」
?「お呼びですか?」
男「ぅおっ!」ビクッ
山鼠「ひっ!」ビクッ
573: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:31:31 ID:zY8aT7nkmQ
白兎「驚き過ぎですよ二人共」
男「気配無かったけど」
白兎「蜥蜴ですから」
男「どんな理由だよ…蜥蜴?」
ビルと呼ばれた、暗い緑の執事服を着た男性は
それはそれは落ち着いた声で話しかけて来ました
ビル「驚かせたようで申し訳ありません」
ビル「私は蜥蜴のビル
女王陛下直轄、執事担当。以後お見知りおきを」
574: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:49:53 ID:bskeXDFV8Q
ビル「それで、何か御用でしたか?」
白兎「ビル、女王様にお会いしたいのですが」
ビル「……」
ビル「…白兎、あなただけなら可能ですが
こちらの方々も一緒となると…」
白兎「…何故です?」
山鼠「おぉ、シロが真面目に仕事してるっぽい」
男「なんか微笑ましいな」
白兎「ち、茶化すの止めてくださいよっ!」
575: 名無しさん:2011/7/30(土) 00:56:03 ID:B4pYf22bqU
ビル「とりあえずそちらの二人は私が」
ビル「あなたは一度女王陛下に会ってから、事の次第を決めて下さい…」
白兎「……分かりました」
白兎「という訳です二人共!」
山鼠「へぇ城の中はこんなになってんだ」
男「シャンデリアや!セレブリティや!」
白兎「って聞いてない!」ズコー
山鼠「何だよこのベッタベタな茶番」
男「お前も参加してたろうが」
白兎「私が一番滑った気がしますが…」
576: 名無しさん:2011/7/30(土) 08:50:10 ID:WeYS042/lU
ビル「では、二階をお上がり下さい
長旅でお疲れでしょう…」
ビル「お食事の方、準備しておりますので」
男「あ、はぁ…」
山鼠「…女王の所行かなくていいのか?
そのために俺を連れ出したんじゃねぇの」
ビル「……まず、白兎と陛下を会わせてからです」
白兎「山鼠ちゃんも男さんも、自分の家だと思ってゆっくりしてて下さい」
白兎「すぐ、戻って来ますんで」タッ
山鼠「……」
ビル「では、こちらへ」
577: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:21:11 ID:SBxlnoh5O6
白兎「……」スタスタ
メイド「あ、白兎様!」
白兎「…女王様に挨拶したいのですが」
メイド「あ…今なら、大丈夫だと思いますよ」
白兎「ありがとうございます」タッタッ
女王「……」
女王「…慌ただしい足音ね」
メイド「あ、す、すみませんすぐに静かに…」
女王「いいわ、多分白兎ちゃんだもの」
女王「…こんな姿を見て、泣き出したりしないかしら?」
メイド「…そ、れは…」
女王「…きっと平気ね。あの子は強い子ですもの」グジュ
578: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:30:31 ID:JZ308n9LZ6
山鼠「…ん、旨い」
ビル「それはそれは」
男「でも、なんか冷えてない?」
ビル「あぁそれは、元々あなた方が城に来る予定だった日に、作られたものでしたから」
男「え゙…」
ビル「いかがなさいました?」
山鼠「どういうことだよ」
ビル「いかんせん、帰還が少し遅かったのですよ。あなた方は…」
男「いや作り直そうよ」
山鼠「多分つっこむ所はそこじゃねぇ」
579: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:41:02 ID:IvjfUba.8M
白兎「女王様!」バンッ
メイド「し、白兎様、お静かに…」
白兎「あ、す、すみません!」
女王「いいのよ気にしないで
子供は元気な方がいいわ」
メイド「女王様も安静にお願いしますよ…?」
女王「えぇ分かってます
ベッドカーテンを開けて頂戴?」
メイド「……」スッ
白兎「! 女王、さ…ま……」
兎の少女は、久しぶりの再会だと言うのに
ただただ、絶句してしまいました
580: 名無しさん:2011/7/30(土) 09:58:36 ID:jox2lqGdgw
男「…遅かった?」
ビル「えぇ。別にあなた方を責めている訳では御座いませんが」
山鼠「遅かったから、どうなるんだよ」
ビル「…あなた方が白兎に付いて来た意味が無くなりましたね」
男「?」
女王「あぁもぅ…結局泣いちゃったわね…」ナデナデ
白兎「ヴグ…グスッ…」
女王「ほら泣かないで
あなたは笑った方が可愛いのですから」
白兎「…って…グスッ…だってぇ…」
581: 名無しさん:2011/7/30(土) 10:04:27 ID:ubF3nJvw/6
白兎と女王の感動的な再会…
と思ったら何だか雲行きがwww
壁|ω・)/C
582: 名無しさん:2011/7/30(土) 22:16:54 ID:zY8aT7nkmQ
男「…トイレ行ってくる」
ビル「…案内致しましょう」
男「や、良いよ。すぐ戻ってくる」タッ
ビル「……」
山鼠「……」
ビル「……女王様の元に行く気ですね」
山鼠「バレバレじゃねぇか」
583: 名無しさん:2011/7/30(土) 22:24:50 ID:IvjfUba.8M
女王「ね?何もあなたが全て悪い訳ではないわ」
白兎「……」グズッ
女王「誰も恨んでなんかいない
寧ろ私の誇りよ」
女王「私の献上がアリスの為になっているのならば、それはそれは嬉しい事
そうでしょう?」
白兎「…は…い」ズビッ
女王「ならもう泣かないの
そんな顔でアリスに会うつもりなのかしら…?」
白兎「…ぅ…う」ゴシゴシ
584: 名無しさん:2011/7/30(土) 22:34:47 ID:B4pYf22bqU
男「……」
少年は扉に隠れて二人を眺めていました
正確には、人と数えられるものは一人。兎の少女しかいませんでした
彼女が寄り添う『それ』は恐らく皆が女王と慕っているものなのでしょうが
少年の目には、『それ』が人間の姿に映りませんでした
それは醜くて、汚らしくて、気味の悪い汚物のような
そんな風に映っていました
585: 名無しさん:2011/7/30(土) 22:45:58 ID:IvjfUba.8M
男「……」
ビル「…やはりここでしたか」ヒタッ
男「…ヒヴッ!!冷たッ!!」ビクッ
ビル「おっと失礼
私、『体温』を献上しているものですから…」
男「いいいいつからそこに!?」
ビル「先程からずっと…」
山鼠「俺をほったらかしたぁ良い度胸してるな」ギュム
男「山鼠さんはどっちの味方なんすか」
山鼠「裏切った方の敵だ」ギュムムー
586: 名無しさん:2011/7/30(土) 22:56:17 ID:WeYS042/lU
女王「あらあら外が騒がしいわね…」
白兎「…私の…グスッ…連れの方々です…」
女王「まぁ!あなたに付いて来てくれた方々?
お礼を言わなくてはね…」
女王「ビル、いるのでしょ?
白兎ちゃんのお連れ様方、通してあげて頂戴?」
ビル「……畏まりました」スッ
男「えっと…その、はじめまして」
山鼠「あ、は、はじめまし……え?」ピクッ
女王「あら、やっぱり驚くわよね
初めて私を見た方は」
587: 名無しさん:2011/7/30(土) 23:31:54 ID:1b/AplOPAI
女王「こんな醜い姿を晒して、ごめんなさいね?」
女王「私がハートの女王です
白兎ちゃんの旅のお手伝いをしていただいたんですってね」
男「や…お手伝いって程でも…」
女王「謙遜なさらないで
本当にありがとうございます」
醜い汚物の上の部分が、お辞儀をしたように揺れました
男「女王様は…」
ビル「体です」
男「……え?」
ビル「人間としての体を献上なさっているのです」
588: 名無しさん:2011/7/30(土) 23:36:01 ID:ysb6.g3LQE
ビルが歪アリのビルに脳内変換されてしまうorz
しえんー
589: 名無しさん:2011/7/31(日) 00:05:50 ID:aGxAC4ldgA
重い…C
590: 名無しさん:2011/7/31(日) 10:14:07 ID:IQmVNaxnrM
>>558
ナカーマ
>>1ってもしかしてPeople好きだったり?
591: ◆AlicexxO96:2011/7/31(日) 21:26:07 ID:WeYS042/lU
>>570
おぉう…チェシャ人気凄い…
期待に応えられるよう頑張ります!
>>581
現実はそう甘くは無いのです…
Cありがとうです!
>>588
えへ…結構影響受けてるかもですわぁw
>>589
そですね
やっぱり少し重い流れが続いていきます
>>590
バレたwww
その通りですこのSSもあのバンドから影響受けて書き始めましたからw
オッシャー今日も更新イキマスヨー!
592: 名無しさん:2011/7/31(日) 21:34:05 ID:IjDuDJDKyo
男「人間としての体……?」
女王「あなたには、私の姿がどう映ってるのかしら」
女王「やっぱり醜い?
汚らしくて触れたくも、近寄りたくもない?」グジュ
癒やされるような落ち着いた声で、女王は尋ねます
ただ、返答次第では許さないと言わんばかりの目線を兎と蜥蜴から感じ、
男「……」
少年は言葉が出てきませんでした
593: 名無しさん:2011/7/31(日) 21:49:53 ID:JZ308n9LZ6
女王「そうよね…初対面の相手に面と向かって言える訳も無いわよね」
女王「優しいのね、あなたは」
男「……」
女王「あなたは?」
山鼠「…!」ピクッ
女王「思った事を率直に教えて?」
山鼠「……あ」
先程まで自分に突き刺さっていた目線が隣の少女に移ったのが分かりました
山鼠「…え、あ」
594: 名無しさん:2011/7/31(日) 21:56:10 ID:t57GnFDOYg
山鼠「…ご」
山鼠「ごめんなさい…!
その、怖かった…です…」
ビル「……」ピクッ
山鼠「怖かったし、元々人間だったなんて嘘だと思った…」
白兎「……山鼠ちゃん?」
怒気を孕んだ兎の少女の声
女王「……白兎ちゃん、待って?」
白兎「!……」
山鼠「でも、それがアリスの為になってるん、ですよ、ね?」
女王「……えぇ」
山鼠「だったらそれは、凄い…その、凄いと思う…」
595: 名無しさん:2011/7/31(日) 22:04:16 ID:1b/AplOPAI
山鼠「俺は、尊敬するな…女王様を…」
女王「…フフッ」
女王はおぞましい姿に似つかない程、可愛く笑いました
正しくは、笑ったように見えました
女王「あなたは正直者ね」
山鼠「あ、ご、めんなさい…」
女王「責めてなどいないわ
それは誇るべき事よ?」
女王「二人共、本当にありがとうね
あなた達が居なければ、白兎ちゃんはこんなに早く帰って来れなかったでしょう」
596: 名無しさん:2011/7/31(日) 22:10:22 ID:1b/AplOPAI
男「……?」
女王「どうかしました…?」
男「さっき、帰還が遅かったと聞いたんですが」
女王「……そうね、それも含めてあなた達に伝えないといけないことがあります」
山鼠「……」
女王「私はただの人間ではありません
魔法使い…魔女の類いなんですよ」
男「……」
597: 名無しさん:2011/7/31(日) 22:25:11 ID:B4pYf22bqU
女王「私は魔法で不思議の国と人間界を繋ぐことが出来ます」
女王「アリスの捜索の為、使いの者を送り込みました」
女王「御存知の通り、白兎ちゃんもその一人」
白兎「……」
女王「ただ、私もこの体になるにつれ、魔力が減って来ているんです」
女王「もちろんあなた達は出来る限りの早さでこの城に戻って来てくれた」
女王「でもね、今私に残された魔力は殆ど無いの
人間界に送り込めるとしたら、一人まで…」
598: 名無しさん:2011/7/31(日) 22:38:37 ID:IvjfUba.8M
白兎「男さん…」
男「はい」
白兎「私に、任せてくれませんか…?」
男「どうぞ?」
白兎「ですよね…流石にそう簡単に許して貰えるとは……は?」
男「何?」
白兎「いや、よく考えて下さいよ?もしかしたらこれが人間界に帰る最後の機会で…」
男「だってどっちにしろ『死』を献上しっぱなしなんだろ…?」
白兎「そ、れはそうですが…」
599: 名無しさん:2011/7/31(日) 22:44:22 ID:1e0RqNmnOw
男「今更気にして無いよ、山鼠も俺も」
男「アリスを見つけて来いよ、俺達は待ってるから」
白兎「いいんですか…?」
男「いいも何も、行くのが面倒なだけだから
勘違いすんなよ」
山鼠「ツンデレか」
男「違わい」
白兎「…分かりました」
白兎「女王様。また私を、お願いします」
女王「……本当に、いい友人を持ったわねぇ」
白兎「はい!」
600: 名無しさん:2011/8/1(月) 01:55:38 ID:AL.F8lOUVY
3位おめでとうございます!!
いつも読んでます!!
これからも頑張ってください!
601: ◆AlicexxO96:2011/8/1(月) 12:04:58 ID:FAT/SEDfLU
えー、えっとおはようございます
何というか、何でしょう……何これ??と言う状態です
>>600さんのレス見て驚き、掲示板の上見て驚き、人気投票本スレで驚いておりましたwww
ポルナレフもびっくりです
うわー!!嬉しいです!!うへー!!
投票本スレでもありがたい言葉を貰っているのですが
なんというか本スレに顔出すのは恥ずかしいので、ここで言わせていただきます
本当にありがとうございますっ!!
>>600さんもありがとう!あとキリ番レスおめでとうです!
次は一位!……は無理かなーw
順位とか関係なく、皆さんに楽しんでいただけるよう頑張りますの!
602: 名無しさん:2011/8/1(月) 12:11:29 ID:R0seOgtGOQ
ビル「まだスープが残っておりますが…」
男「…いや、うん」
女王を見た途端、食欲など失せた、とは言えずにお茶を濁します
ビル「…分かりました
下げておきます」スッ
男「…山鼠」
山鼠「なに?」
男「ごめんな」
山鼠「何が」
男「よくよく考えたら、お前を無理矢理連れ出したの俺だったから」
山鼠「んなこと気にしてねぇよ
そう言ったのもお前だろうが」
山鼠「…ついて来て良かったって、思ってるよ色々と」
男「……」
603: 名無しさん:2011/8/1(月) 12:19:36 ID:uz77L901sc
メイド「あ、の…」コソ
男「あ、え?」
メイド「すいません、その…今からこの部屋を掃除…」コソコソ
男「あ、はいはい」スッ
男「山鼠、どくよ」
山鼠「へいへい」スッ
メイド「す、すみません…」
男「さ、追い出された訳だけど」
山鼠「シロの姿が見えねーが」
男「あいつは人間界に行く準備中らしい」
山鼠「今日から行くのか?」
白兎「えぇもちろん!一分一秒も無駄には出来ませんから!」
男「どっから湧いた」
604: 名無しさん:2011/8/1(月) 12:25:07 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「結構な荷物だな」
男「もう準備は終わったの?」
白兎「万端です!女王様のお部屋、行きますよ!」
山鼠「あんまり急ぐとこけるぞ」
白兎「へぶっ!」ベチャ
山鼠「ほら見ろ」
男「婆ちゃん家に向かってた山鼠みたい」
山鼠「俺はあんなにまぬけじゃない」
ビル「……陛下」
女王「…大丈夫よ、大丈夫」
ビル「…もって、どの位ですか」
女王「……3日ね」グジュグジュ
605: 名無しさん:2011/8/1(月) 13:05:38 ID:vnsiBmoeJ6
おめでとう>>1!(*´∀`*)
女王…(´;ω;`)ブワッ
606: 名無しさん:2011/8/1(月) 18:56:34 ID:mU2kqLTL3A
おめでとう!!
このSSならもっといけるとおもうよこれからもがんばれC
607: 名無しさん:2011/8/1(月) 23:08:37 ID:FAT/SEDfLU
女王「…ごめんなさいね白兎ちゃん。急かしてしまって」
白兎「いえ!一刻を争いますから!」
女王「…頑張ってね?」
白兎「はい!」
女王「もう繋げてあります、そこの鏡から」
白兎「……」
兎の少女は、ハート模様で装飾された姿見の前へ
鏡を触れたはずの右手はすり抜け、空を掴みます
608: 名無しさん:2011/8/2(火) 08:03:54 ID:Guo50azY9o
白兎「この鏡に入るのは三回目なんですが…」
白兎「あはは…今回ばかりは足が竦みますよ」
男「そうか」
白兎「…ほら!別れ際ですよ!何か言って下さいよ!」
男「んー…無事に帰って来なさいよ
勿論アリスも連れて」
白兎「…了解しました!
山鼠ちゃんをお願いしますね」
山鼠「……」
鏡は光を放ち、兎の少女の体を飲み込んで行きます
女王が一瞬、とてもとてもつらそうな顔をしていたように蜥蜴の男は思いました
表情を読み取れた訳ではありませんが、そんな気がしました
609: 名無しさん:2011/8/2(火) 21:54:58 ID:kKLv8s9J86
鏡は完全に、その白い体を飲み込みました
もう、兎の少女はこの世界には居ません
四人はしばらくそれから目を離すことが出来ませんでした
沈黙を破ったのは、蜥蜴の男
ビル「白兎が帰ってくるまでは、あなた方もここに居て下さって結構です」
男「あ、はい」
女王「まだ空き部屋、ありましたよね」
ビル「えぇ、ご案内致します」
ビル「女王も少し休まれて下さい。喋り過ぎですよ」
女王「えぇ、ありがとう」
610: 名無しさん:2011/8/2(火) 22:47:17 ID:Guo50azY9o
ビル「もう遅いですから
お疲れでしょう、こちらでゆっくりお休み下さい」
男「……」
山鼠「お、ベッドだ」
男「一つしか無いんだけど」
ビル「…まぁなんとかやりくりなさって下さい」
男「丸投げっすか」
山鼠「俺ベッド、お前床」ポフッ
男「寝れねえ癖にベッド占拠とは何事か」
ビル「……それではおやすみなさいませ」スッ
611: 名無しさん:2011/8/3(水) 02:14:35 ID:8WIraI29tM
支援支援
612: 名無しさん:2011/8/3(水) 08:46:43 ID:uz77L901sc
男「よいしょ、お邪魔しますよ」モソモソ
山鼠「結局上がってくるのな」
男「横にフカフカのベッドがあるのに床で寝られるかっての」
山鼠「…襲ったりすんなよ」
男「誰を?」
山鼠「蹴落としてやろうかお前」
山鼠「男ー?」
男「……zZZ」
山鼠「腹立つ位寝付き早ぇ」
613: 名無しさん:2011/8/3(水) 10:28:59 ID:FAT/SEDfLU
山鼠「さっさと寝られたら困るんだぞ馬鹿」グイ
男「……zZZ」
山鼠「…朝まで暇なんだぞ馬鹿」
男「……zZZ」
山鼠「……つまんね、悪戯してやる」
鼠の少女もまだまだ子供なのです
山鼠「えへへ、変な顔だ」グイー
山鼠「おらおら勝手に寝てんじゃ…」ビヨンビヨン
山鼠「ね…ぇ…」ピクッ
614: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 20:56:06 ID:FAT/SEDfLU
山鼠「あ…」
頬をつねって遊んでいたら、少年の口元に目が止まりました
もう少し詳しく言えば唇、でしょうか
山鼠「あ…わわ…」
鼠の少女もやっぱり恋する乙女です
一度気になると、もう目が離せません
山鼠「あ、い…悪戯だから…!」
山鼠「俺の相手をせずに勝手に寝たから…!」コクコク
山鼠「だから、悪戯する…だけ…」ソッ
615: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 21:30:08 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「…んー…」ソロソロ
もう少年の顔が目と鼻の先に
少年の静かな息遣い、少し濁った瞳
山鼠「……」
男「……」
瞳…?
山鼠「……なんで目ぇ開いてんの」
男「起きてるからじゃね」
山鼠「あぁ、そうか」
男「そうだね」
山鼠「どうしようか、頭殴ったら記憶飛ぶかな」
男「とりあえずその握り締めた拳を開こう」
616: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:02:11 ID:0JTMROl5ps
男「そうかー寝れないから夜は暇なんだなー」
山鼠「すげぇ他人事みたいに言いやがるな」
男「体を休めなきゃいけないんじゃねぇの?」
山鼠「今日それ程歩いてないから別に疲れてないし」
男「で、結局どうしたいの」
山鼠「…暇だ!」
男「お前も丸投げかよ」
617: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:16:05 ID:R0seOgtGOQ
男「という訳で城の中を探検だ」
山鼠「いいじゃねぇか」
男「とりあえず最上階を目指す
あんまり大きな音たてるなよ」
山鼠「あいあい」
男「あのビルって人ちょっと苦手なんだよな」コソコソ
山鼠「あぁ分かるわ。なんか雰囲気がな」コソコソ
男「暗いっつうか不気味っつうか」コソコソ
?「あの…」
二人「」ビックーン
618: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:20:59 ID:0JTMROl5ps
メイド「あ、お客様方…でしたよね…?
どうしてこんな遅くに…」
男「なんだあんたかよビビらせんな馬鹿!」
メイド「ふぇっ?」ビクッ
山鼠「本当だよ気を付けろよ馬鹿!」
メイド「ふぁ…」
男「ほら行くぞ、城の人に見つかったら怒られちまう」スタスタ
山鼠「分かってるっての」スタスタ
メイド「……」グスッ
619: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:37:00 ID:K4ESg4cJk.
男「螺旋階段…」
山鼠「うわ面倒くせ」
男「ここまで来たら引き返しは出来んよ」タッタッ
山鼠「待て待て走んな」タッ
ぐるぐるぐるぐる、目が回りそう
螺旋階段はどこまでも続きます
男「……!」
やがて階段は途切れ、レースのカーテンがかかったガラスの扉の前に
山鼠「…ここが、てっぺん?」
男「多分な」ガチャ
扉を開いた途端涼しい夜風が吹き込み、二人の顔を撫でます
620: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:46:53 ID:Guo50azY9o
男「……!」
山鼠「…すげ」
目の前に広がるは、不思議の国の全て
下を見下ろせば足が竦み
上を見上げれば雲さえ掴めそう
紫色の空の下
街ではポツポツとオレンジの光が灯る
あれ程大きく見えた鼠のお婆さんの大樹も
苦労して歩んで来た湖や山さえも
ここまで小さく見えては、少し複雑な心持ちになってしまいました
621: 名無しさん@不思議の国:2011/8/3(水) 22:54:18 ID:Guo50azY9o
男「綺麗っすな」
山鼠「…うん」
?「ありゃ?先客がいるのか
ボクの特等席だったのにな」
男「…!」
山鼠「?…どこ?」
?「上だよ山鼠ちゃん
ほらこっちこっち」
山鼠「あ…!」
男「…さっきぶりだな、チェシャ猫さん」
チェシャ「んふふー。こんばんはお二人さん
また会えて光栄だね」ニンマリ
622: ◆AlicexxO96:2011/8/3(水) 23:09:04 ID:uz77L901sc
こんばんは皆さん
本日の内容は色々と遊んでおります
書きためが無いからです(*´・д・)アチャー
少し書きための旅に出るかも知れませんね
出来るだけ毎日更新したいですが…
>>605
自分でもこの結果には驚いております
これを励みに更に精進!
>>606
おぉう…自分には勿体ない御言葉…ありがたいです
>>611
1は単純なので支援してくださるだけで凄いモチベーションが上がるです
ありがとうございます!
623: 名無しさん@読者の声:2011/8/3(水) 23:30:10 ID:i08DbqKPog
チェシャ猫キター!
しえんしえんしえん
624: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 01:53:48 ID:CAVLWQgDrs
待てよ!上にいるということは…
顔をあげたらパンツがry
そんなことより
っ支援
625: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 14:25:18 ID:wnkhG6Se9k
あぁー!クライマックスの予感!!
1さん頑張って!!支援!
あとランキングinおめでとうございます!
626: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 21:29:56 ID:mAgF0wbH3s
もう!俺はチェシャとヤマネちゃんのどっちを嫁にもらえばいいんだ!
627: ◆AlicexxO96:2011/8/4(木) 22:20:48 ID:R0seOgtGOQ
>>623
相変わらずのチェシャ人気!
ありがとうございます!
>>624
残念ながら、設定上ホットパンツにニーソ姿なので拝めませんよぅww
>>625
頑張る!もうちょっとかかるけど最後までお付き合い下されば嬉しいな!
>>626
白兎は なかまに 入れて欲しそうに そちらをみている!
うむむ…鯖落ちが激しい…
が、今夜も更新していきましょうか
628: 名無しさん@不思議の国:2011/8/4(木) 22:32:47 ID:kG2XMrY8s6
チェシャ「いーい景色だろう?
ボクの大好きな不思議の国が、全部見渡せる」
男「うん、まぁ綺麗だな」
山鼠「……」
チェシャ「…なんだい、そんな睨むなよ
仲良く行こうぜ仲良く」
山鼠「一回男を拉致っといて、よく言うな…!」
男「山鼠、あれは別にそういうんじゃねぇから」
チェシャ「ほら、君も男の心の広さを見習いなよ」フリフリ
山鼠「……ッ」
629: 名無しさん@不思議の国:2011/8/4(木) 22:36:20 ID:YROlhhOGxU
チェシャ「全く。偉く好戦的な鼠もいたもんだ」
チェシャ「猫相手に鼠が喧嘩を売るかね?」
山鼠「『窮鼠猫を噛む』って言葉、身をもって教えてやろうか」
男「落ち着け落ち着け」ドウドウ
山鼠「胸くそ悪いな、行こうぜ」
チェシャ「白兎ちゃんはいないのかい?」
山鼠「…」ピクッ
男「さっき人間界に出かけた。アリス探しに」
チェシャ「…ふぅん」
630: 名無しさん@不思議の国:2011/8/4(木) 22:44:13 ID:R0seOgtGOQ
チェシャ「そうかそうか、大丈夫なのかねー色々と」
男「大丈夫じゃない場合があるのか」
チェシャ「そりゃあね。女王の体ももう保たないだろ?
これが最後のチャンスな訳だし」
男「む…」
チェシャ「それに白兎ちゃんさ
素振りは見せないけど、ほとんど目見えてないぜ」
山鼠「なっ!?」
チェシャ「やっぱり気付いてなかったか」
チェシャ「心配させないように黙ってたんだろ、健気じゃないか」
631: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 23:26:11 ID:K4ESg4cJk.
男「マジで?」
チェシャ「マジも大マジ。ついでに言えば悪化の引き金を引いたのは君だ」
男「……マジで?」
チェシャ「山鼠ちゃんのお婆ちゃんの家での事、覚えてるだろ」
山鼠「……」
チェシャ「前話したよね?献上は精神的衰弱により進行が早まるって」
チェシャ「けーっこうショック受けちゃったみたいだよ?」フリフリ
男「う……」
山鼠「何でも知ってんだな、ストーカーかてめぇ」
チェシャ「君のお婆ちゃん程は知らないさ」
632: 名無しさん@不思議の国:2011/8/4(木) 23:30:03 ID:YROlhhOGxU
チェシャ「白兎ちゃんに目が行きがちだけど、勿論君もだ」
山鼠「……」
チェシャ「分かってるんだろ?
自分でももう長く無いって」
男「…山鼠」
山鼠「…そりゃあな」
チェシャ「だいぶよく頑張ってる方だけどね
精神の衰弱も殆ど無い」
チェシャ「普通の子ならとっくに病んでぽっくり逝ってるだろうが」
チェシャ「大口叩くだけはあるじゃないか」ニンマリ
山鼠「そりゃ誉めてんのか」
チェシャ「君が受け取ったままに」フリフリ
633: 名無しさん@不思議の国:2011/8/4(木) 23:34:01 ID:R0seOgtGOQ
男「山鼠…」
山鼠「……ふん」
チェシャ「もって後5日
そんなもんでしょ」
男「俺は…」
チェシャ「二人が居なくなったらどうすればーって?」
チェシャ「その時はボクが君といてやるよ、一人は寂しいだろうからね」
チェシャ「まぁ、ボクも何時消えちゃうか分かんないけど」ニンマリ
山鼠「余計なお世話だからすっこんでろ泥棒猫」
チェシャ「ならしっかり長生きしなよ、一分一秒でもね」
634: 名無しさん@不思議の国:2011/8/4(木) 23:51:54 ID:YROlhhOGxU
男「……お前って、なんつーか存在を操る能力あるんだろ?」
チェシャ「そんな恥ずかしい類のもんじゃないよ
献上の仕組みの裏をとった利用法なだけ」
男「じゃあさ、チェシャ猫が人間界に存在して、アリスを探しに行けないの?」
チェシャ「……」フリフリ
男「…何?」
チェシャ「…それはボクに消えろって言ってることになるんだが」
男「え」
635: 名無しさん@不思議の国:2011/8/4(木) 23:56:34 ID:eDhl4PA.B6
チェシャ「出来ないことはないよ?
ただ向こうに居られるのは5分間程度」
男「…たった?」
チェシャ「それ以上居たら……うん」
チェシャ「ま、アリスを探すどころじゃないね」
チェシャ「女王の魔法が別格過ぎるんだよ
ボクに頼るのは諦めるんだね」
男「むぅ」
チェシャ「君に会えなくなるのも嫌だしね」ニンマリ
男「むぅ」
山鼠「…チッ」
636: 名無しさん@不思議の国:2011/8/5(金) 08:56:37 ID:Guo50azY9o
チェシャ「さぁもうおやすみ。とっくに子供は眠る時間だよ」
男「お前は?」
チェシャ「君たちとお話するのも楽しいけど、この夜景を独り占めするのが好きなんだ」
チェシャ「もう少しここでいるよ」
男「そうか」
チェシャ「楽しかったぜお二人さん」
男「またな」
山鼠「……あばよ」
チェシャ「ん」フリフリ
637: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 09:17:37 ID:K4ESg4cJk.
チェシャ「……」フリフリ
ガチャ
チェシャ「…今日は客が多いね。なぁビル」
ビル「……あなたでしたか」
チェシャ「なんだい、ボクじゃいけなかった?」
ビル「…いえ。おかしいですね、確かに気配はしたのですが」
チェシャ「…ボクの?」
ビル「いえ、この城の客人です
こんな夜遅く陛下にご迷惑をかけられては困りますから」
チェシャ「相変わらず陛下陛下だねぇ」
638: 名無しさん@不思議の国:2011/8/5(金) 09:27:10 ID:R0seOgtGOQ
男「……あれ」
山鼠「…なんでいきなり元の部屋のベッドに居るんだ俺達」
男「……チェシャ猫の仕業か
…お陰というべきかしら」ウトウト
山鼠「…ほら、もう寝ろ」
男「…暇だから起きといて欲しいんじゃないの?」
山鼠「いいよもう充分だ」
男「ん、じゃあまた明日ね」ポスッ
山鼠「あぁ…うん…ありがと」
男「……zZZ」
山鼠「馬鹿早えぇんだよ寝るのが」ポカッ
チェシャ「女王はもって、後何日?」
ビル「後2日…いえ、1日半くらいでしょうかね」
チェシャ「いよいよピンチだね、不思議の国も」フリフリ
639: ◆AlicexxO96:2011/8/5(金) 09:32:48 ID:R0seOgtGOQ
オハヨウゴザイマース!
おはようございます1です
とりあえず昨日の更新分はこれで終了
チェシャ猫編その二でしたん
夏はどうも寝落ちが多いですね恐ろしい…
……うん。特に書くこともないのでまた今夜お会いしましょう
ではでは
640: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 11:09:41 ID:sAQ2tc.KBk
シロちゃんと山鼠ちゃんもヤバかったのか…
てか女王様もあと1、2日って…
うわぁああ!!頑張って1さん!
641: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 19:29:54 ID:5zkEImsvYs
終盤に差し掛かってきたな…!!
しえんしえんしえん
642: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 19:55:00 ID:sAQ2tc.KBk
C
643: 名無しさん@不思議の国:2011/8/5(金) 21:06:33 ID:R0seOgtGOQ
鼠の少女は窓の外を見つめ続ける
夜明けは近い
地平線から陽が登る様を毎日のように見てきたのだから、それ位分かる
夜の猫の話に嘘偽りはない
間違いなく体中ガタがきている
別に怖くはない。
老いて寿命が尽きて亡くなるのも、今体力が尽きて亡くなるのも
何も変わりはしない
所詮アリスの前ではちっぽけな命だと自負している
起こさないように、少年の髪を撫でる
644: 名無しさん@不思議の国:2011/8/5(金) 21:24:24 ID:eDhl4PA.B6
こいつはどうなるんだろうか
ふと、頭によぎった疑問
別世界に連れてこられ
死を失い
自分達も失ったとき、少年はどんな気持ちなんだろうか
そうだ。自分にはそれが分かるはずだ
両親は戦争で死んだ
『彼らは英雄だった。名誉と共に散った』と伝えられた
英雄が居たはずのに、まだ戦争は不思議の国のどこかで続いている
645: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 21:27:04 ID:dmSJr6DPHc
よしきた支援
646: 名無しさん@不思議の国:2011/8/5(金) 21:33:28 ID:kKLv8s9J86
でも、それでもまだ祖母が居た
思えば自分はいつも愛されていたじゃないか
つまりはそういう事なんだろう
少年の為に生きよう。
顔も覚えていないアリスの為じゃない
愛した人の為に、生きよう
光が隈だらけの眼に差し込む
夜明けだ
山鼠「…朝だぜ、起きろ」ポスッ
男「……おてんとさん登ったばっかじゃねぇかよぉ」ムクッ
山鼠「いいから
な、今日は何処へ行こっか?」
647: 名無しさん@不思議の国:2011/8/5(金) 21:47:52 ID:R0seOgtGOQ
少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
でも、幾ら走っても幾ら耳を澄ませても、アリスは見つからない
秒針の音が焦りを生む
目ももうほとんど見えない
それでも決して諦める
少女は走る 走る
648: ◆AlicexxO96:2011/8/5(金) 21:50:41 ID:kG2XMrY8s6
駄目だ思いっきりミスしました
諦めちゃ駄目ですね
頭痛いのに無理して書くからこういうことになるんです
ごめんなさい
これ以上書いたら取り返しのつかないことになりそうですのでここまでにします
本当に申し訳ない
レス辺も明日…
649: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 23:19:33 ID:PJNU6MCRko
乙
お大事に
650: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 00:34:29 ID:VS8cFNour2
無理しないで!体が一番大切よ
そして男うらやましいぞ
651: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 00:39:38 ID:m4ibS5ZXKw
お体には気をつけて
652: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 01:09:28 ID:MK0ki0VFX2
無理せず、自分のペースで書いて下さいね。
健康が一番ですからね!
653: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 20:55:27 ID:t8B/YP27.w
初書き込みを1に差し上げよう! つC
654: 名無しさん@不思議の国:2011/8/6(土) 23:22:59 ID:R0seOgtGOQ
ビル「お茶を、お持ちしましたよ」
女王「…えぇ、ありがとう」
ビル「…魔法を使うのはお止め下さい。無駄な体力を消費しますよ」
女王「無駄じゃ無いわ
白兎ちゃんを見守らなきゃ。この国の住人の大事な一人ですもの」
ビル「…少しでも長く、白兎にはアリスを捜索してもらいます
彼女なら上手くやりますよ」
女王「…そう、かしらね
お茶、いただける?」
ビル「……」スッ
655: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 23:29:37 ID:Guo50azY9o
女王「…うん、ふふ…」
ビル「…?」
女王「やっぱりあなたが持ってくるお茶はいつも温いわ…」
ビル「…申し訳ありません
自分が体温など献上しなければ」
女王「あら、アリスへの献上よ
誇りに思うべきだわ
昨日山鼠ちゃんがいっていたようにね」
女王「それに、温いお茶も好きよ?甘くて優しくて、とろけてしまいそうだもの」
ビル「……」
女王「大丈夫、魔法はもう使わないわ」
女王「信じてみることにしましょう、白兎ちゃんを」
656: 名無しさん@不思議の国:2011/8/6(土) 23:38:23 ID:FAT/SEDfLU
ビル「御理解いただけて何よりです」
女王「えぇ、忠告ありがとう」
女王「分かっているつもりよ
今回の捜索が、不思議の国の運命を左右する事くらい」
ビル「…えぇ」
女王「…失敗すればもうどうしようもない
希望も何も無く、消えゆくのを待つだけ」
女王「この国はまるでハンプティ・ダンプティ」
ビル「……」
女王「それでも私は白兎ちゃんが心配なの」
女王「だって私はその国の女王なんだもの」
657: 名無しさん@不思議の国:2011/8/6(土) 23:47:50 ID:iNLuW6B7Vg
ビル「…その気持ちを、誰一人責める者はいませんよ」
女王「ありがとう。でも、確かに体力の温存が先ね」
女王「下がっていいわ
お昼寝でもしてますから」
ビル「…おやすみなさいませ」スッ
女王「…多分、ビルにはバレてるのでしょうね」
女王「この調子じゃもって後一日…」
女王「アリス…」
658: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 00:28:33 ID:uv/VVvGb2Y
C
659: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 11:28:13 ID:kKLv8s9J86
男「何処へ行くったって特にアテもないよね」
山鼠「まぁな」
男「暇だけど歩くのは嫌だね」
山鼠「色々と駄目な発言だな」
男「城の周りの薔薇園迷路でかくれんぼでもする?」
山鼠「却下で」
メイド「あのぅ…」コソコソ
男「あん?」
メイド「ヒイッ!」ビクッ
山鼠「ビビられすぎだろお前」
男「あ、昨夜のメイドさん」
メイド「その、あの…朝ご飯がっ、出来ておりますが…」
660: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 11:36:00 ID:K4ESg4cJk.
男「朝ご飯?」
メイド「は、はい!」
山鼠「ふぅん」
男「了解了解」
メイド「で、では失礼しま…」
男「えっと、場所が分からんのだけど…」
メイド「ひぇ…」
男「案内してくんない?」
メイド「…あうぅ」ビクビク
661: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 12:01:56 ID:0JTMROl5ps
男「ねぇメイドさん」
メイド「は、はい」
男「ここの人達の娯楽って何があるの?」
メイド「娯楽、ですか?」
メイド「それは勿論女王様に仕えてること自体が!
特に女王様の笑顔を見れた日なんかは私めはそれはそれは他のどんな娯楽にも勝る至福の心持ちで…!」
男「いやそういうのはいいから」
メイド「ふぇ…」
662: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 18:58:31 ID:mU2kqLTL3A
もう大丈夫なの?
結構なハイペースだから無理しないでねC
あといまさら気づいたけど名前www
663: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 22:06:40 ID:kKLv8s9J86
男「ごっそさん」ケプッ
メイド「あ、お皿持っていきますね」スタコラ
山鼠「さて」
男「結局楽しめそうなものは、この城には無いみたいで」
山鼠「いいよもう。
今までずっと歩いて来たんだ
今日くらい、ゆっくりしてようぜ」
男「何処に行こうかって言ったのお前じゃねぇの」
山鼠「お前が居るんなら何処でもいいさ」
男「お、イケメン発言」
山鼠「お前のそういう鈍感な所が大っ嫌いだ」
664: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 22:22:16 ID:eDhl4PA.B6
男「洋風庭園?」
メイド「は、はい…迷路の薔薇が塀を超えてはえてきたので整えて庭園にしているんです…」
男「へー」
メイド「ゆっくりなさるならお勧めの場所かと…」
男「どうよ」
山鼠「いいんじゃね」
メイド「そ、それでは案内しますね!」
665: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 22:43:02 ID:Guo50azY9o
庭園に置かれたベンチに腰掛け
二人共、特に何をするつもりはありませんでした
高い塀を越えて薔薇を縫い、零れる暖かい陽の光が
それを遮る大きな日傘が落とす影の涼しさが
トランプの庭師がたてる気持ちのいい切断音が
その全てが夢のように心地良く、眠りへと誘いました
勿論一人は未だ眠る事を許されては居ませんが
今更二人に語る言葉はありません
今はただこの白昼夢のような空間にずっと居られることを望んでいました
そして、夜が来ました
666: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 23:06:27 ID:YROlhhOGxU
男「……ん」
山鼠「起きたか?」
男「…寒っ」
山鼠「今風邪ひいちゃ洒落になんねーぞ」
男「何時間寝てたんだろ」
山鼠「ほぼ一日中だな。流石に暇だったわ」
男「いやぁ、つい気持ちが良くて」
山鼠「……はは」
山鼠「…勿体ねぇ生き方してんなぁ俺」
男「こういう日も人生には必要なんだろ」
山鼠「そんなもんか」
男「そう思わなきゃやってらんねぇよ
部屋に帰るぞ」
山鼠「うん!」
667: 名無しさん@不思議の国:2011/8/7(日) 23:32:57 ID:eDhl4PA.B6
夕食をとり、部屋に戻って就寝
驚く程何も無く、あっと言う間に1日は過ぎて行きました
気づいているのは女王、蜥蜴のビル、チェシャ猫、鼠のお婆さんくらいでしょうか
あとは何も知らないまま、いつものように眠りにつき
いつものように目覚めるのでしょう
明日、不思議の国で起こるであろう事
女王の死。
668: ◆AlicexxO96:2011/8/7(日) 23:41:44 ID:0JTMROl5ps
左肩が痛くて息がしづらい1です
超痛いですw
今週中には終わらします。出来れば最後までのんびりお付き合いください
>>640
頑張りますよ!超頑張ります!
>>641
はい、終盤です
ここまで漕ぎ着けた事が奇跡ですw
最後まで頑張ります
>>642
支援ありがとうございます!
>>645
更新量少なくて申し訳ないです…
支援ありがとうございます
669: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:44:03 ID:/LtBXiJhto
もう終わっちゃうのかー
楽しみだけど寂しい
つC
670: ◆AlicexxO96:2011/8/7(日) 23:55:50 ID:0JTMROl5ps
>>649
明日中に万全な体調に戻しておきます!頑張りますよー!
>>650
ありがとうございます!
主人公なんて大抵羨ましい奴ばっかりです
>>651
はい!気をつけます!
>>652
皆さんに心配していただいてありがたいし、申し訳ないです
明日から本気出します!w
>>653の初めてをいただきました
光栄です、非常に光栄なことです
>>658
支援ありがとうです
良いIDです
>>662
名前はちょっとした遊び心で御座います
何度か忘れてますがwww
それでは、また明日の夜お会いしましょ
おやすみなさい
671: 名無しさん@読者の声:2011/8/8(月) 03:56:46 ID:lf01jgxnJw
wktkが止まらない!
672: 名無しさん@読者の声:2011/8/8(月) 14:07:12 ID:4dGOVjN9Ag
寂しくなるな…女王…!
ゆっくり休憩をとりながら!
しえん!しえん!
673: 名無しさん@読者の声:2011/8/8(月) 19:01:02 ID:4/t7GnZ5P.
しえん!!
674: 名無しさん@不思議の国:2011/8/8(月) 22:11:10 ID:uz77L901sc
女王「……」
ビル「…陛下」
女王「……なぁに?」
ビル「もう、白兎は帰還の準備を初めている頃ですから」
女王「……あら、やっぱりバレていたのね」
ビル「…三日なんて保つ筈もないでしょう
このままいけば今日の昼にも」
女王「魔力、尽きるでしょうね」
女王「勿論、私の命も」
675: 名無しさん@不思議の国:2011/8/8(月) 22:20:07 ID:R0seOgtGOQ
女王「でもおかしいわ
私が伝えた限界の時刻より幾分早いの」
ビル「えぇ…女王は魔力が尽きる最後の最後まで、アリスの捜索に費やす為の時間を伝えたのでしょうが…」
ビル「白兎が出発する直前に訂正して起きました」
ビル「白兎が帰還し、陛下の最期を看取ることが出来る時間に」
女王「……」
ビル「彼女が陛下の事をどれほど思っているか、知らない訳では無いでしょう?」
ビル「許しませんよ、私も彼女も」
女王「…ふふ。あなたは私の事、なぁんでも知っているのね?」
ビル「…執事ですから」
女王「最高の執事よ、私には勿体無い程のね」
676: 名無しさん@不思議の国:2011/8/8(月) 22:47:04 ID:FAT/SEDfLU
兎はまだ走りつづけています
転んでできた数え切れない程の傷が足を止めろと訴えます
これ以上は無駄なんだって、分かっています
これだけ探してもアリスの姿は見つからない
アリスの声は聞こえない
蜥蜴に設定された、腰にぶら下げた目覚まし時計が突如鳴り出しました
帰還命令を意味するこのあまりにも不快な音
すぐにそれを止め、アリスを捜すためにまた走り出します
赤い瞳から零れた涙
覚悟は出来ています
677: 名無しさん@不思議の国:2011/8/8(月) 23:11:03 ID:Guo50azY9o
男「……へ?」
山鼠「……シロが?」
ビル「…不思議の国に、帰って来ないのです」
男「待った待った、どういうことだよ」
ビル「…人間界と不思議の国を繋げているのは、陛下の魔法の力です」
ビル「そして陛下の魔力が尽きたとき、その繋がりは途切れ、行き来が不可能になるんですが…」
山鼠「その魔力が途切れる時を、シロに伝えてねぇのか!?」
ビル「…伝えてますよ
その時間はとっくに過ぎています」
ビル「ですが、不思議の国の入り口に待機させてある者から、未だ白兎の帰還報告がありません…」
男「…何か、あったのか」
ビル「…分かりかねません」
678: 名無しさん@不思議の国:2011/8/8(月) 23:26:47 ID:HpksKtXyz2
女王「…多分、白兎ちゃんはね…」
女王「…人間界に取り残されても尚、アリスを捜し続けるつもりよ…」
男「……!」
女王「…彼女が帰れなくとも、アリスと接触さえ出来れば不思議の国は救われるのですから…」
山鼠「ば…馬鹿じゃねぇのかあいつ!」
女王「…えぇ、もしそうだとしたら、決して誉められる行動ではないわ…」
女王「…そんなこと、私は許しません」
ビル「……」
679: 名無しさん@不思議の国:2011/8/8(月) 23:38:10 ID:kG2XMrY8s6
山鼠「で!? 俺らはどうすりゃいいんだよ!」
ビル「…どうも出来ませんよ」
山鼠「…んな…」
ビル「最悪、白兎は二度と帰って来ない可能性もありますので」
ビル「お連れのあなた方にも伝えておかないとと…」
男「…魔力が尽きるのは、あとどれくらい?」
女王「…えぇ、あと15分位かしらね…」
山鼠「…どうした?」
男「…うん。女王様、白兎は俺らがなんとかするから」
女王「…あら、解決策でも閃いたのですか…?」
男「頼れる奴が、一人だけ」ダッ
山鼠「あ、待てって!」タッ
680: 名無しさん@読者の声:2011/8/9(火) 07:43:16 ID:c3ZJLwW.N2
wktk支援
681: 名無しさん@読者の声:2011/8/9(火) 10:27:17 ID:YhtXNBoNxw
…分かりかねません??
分かりかねます
682: 681:2011/8/9(火) 10:28:43 ID:YhtXNBoNxw
>>681無視してオーケー
しえん
683: 名無しさん@読者の声:2011/8/9(火) 11:48:18 ID:uv/VVvGb2Y
こんな良いSS久しぶりだ
頑張って1さん!支援支援!!
684: 名無しさん@不思議の国:2011/8/9(火) 14:59:27 ID:FAT/SEDfLU
全速力で城の螺旋階段を駆け上がります
息も絶え絶えに、二段飛ばしで最上階を目指します
見出した光明。最後の賭け。
ガラス戸を思い切り開け、彼女の名を呼ぶ
男「チェシャ猫!!」
チェシャ「はいはい、お呼びかな?」
猫はその緊迫した心持ちをお釈迦にするように
道化のように天井から逆さにぶら下がりながら、少年の声に応じました
685: 名無しさん@不思議の国:2011/8/9(火) 22:11:10 ID:K4ESg4cJk.
チェシャ「なる程ね、それでボクに白羽の矢が立ったってことかい」
男「…あぁ」
チェシャ「言ったよねボクは
人間界に存在できるのは長くても5分程度」
チェシャ「それを超えたらボクは完全に死んじまう、消えちまうんだぜ」
男「…でも、もうお前しか」
チェシャ「白兎ちゃんが助かれば、ボクのことなんてどうでもいいんだ?」
男「……そうは言ってない」
チェシャ「そう受け取らざるを得ないんだよ、ボクの立場からしたらさ」
686: 名無しさん@不思議の国:2011/8/9(火) 22:44:11 ID:iNLuW6B7Vg
男「勿論チェシャ猫の体を優先して、その上でだ」
チェシャ「そんな甘ったるい事言うなよ」
チェシャ「白兎ちゃんはきっと覚悟の上の行動だ
ボクが説得した所で今更改心するとは到底思えない」
チェシャ「説得に失敗したら二人ともおじゃんだぜ
それでもボクを行かせるのか?」
男「…それでも、俺はチェシャ猫を信じてる」
チェシャ「……君は狡いねぇ」
687: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 07:15:27 ID:uz77L901sc
山鼠「は、はえぇよ馬鹿野郎!」バンッ
男「山鼠…」
山鼠「ハァ…ハァ…走らせ、やが…」ゼェハァ
山鼠「……あ!」
チェシャ「……」
鼠の少女は猫を見て、だいたいの状況を掴めたようです
山鼠「その…俺からも、頼む…!」
チェシャ「……」
山鼠「お前しかいねえんだよ…
シロがあっちに行く時、俺何も言えてねぇんだよ…」
山鼠「…あんな馬鹿でも大事な友達なんだよ!」
チェシャ「……」
688: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 07:23:29 ID:YROlhhOGxU
山鼠「…頼むよ…頼むから…」
チェシャ「顔を上げろよ山鼠ちゃん」
チェシャ「…そこまで言われちゃあ助けに行かなきゃね」フリフリ
男「!」
山鼠「ホントか!?」
チェシャ「嘘はつかないさ
でもいざという時は自分を優先させてもらうよ、それでいいんなら」
山鼠「あ、ありがとう!」
チェシャ「いい笑顔だね、こっちも嬉しくなってくるよ」ニンマリ
689: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 07:33:49 ID:YROlhhOGxU
男「い、いのか?」
チェシャ「いいも何もそれを聞いた初めから、助けにいくつもりさ
大事な不思議の国の友達だからね」フリフリ
男「…ごめん」
チェシャ「…君は卑怯だよ。自己中心的で他力本願だ」
男「……」
チェシャ「でもね、ボクは誰かに必要として貰える事が凄く嬉しい」
チェシャ「利害の一致って奴さ
さぁ時間もギリギリになって来たようだからね」
チェシャ「ちょっくら行ってくるよ」フリフリ
男「…ありがとう」
チェシャ「なぁに、すぐに帰ってくるから安心して待ってな」フッ
690: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 07:39:46 ID:Guo50azY9o
猫は不思議の国において、いわば道化です
道化は誰かを笑わせる為に
どれほど苦しくても悲しくとも常に笑顔を絶やさずに
チェシャ「……嘘だろ」
チェシャ「…ひひ…こんなに体力削られるかね…」
チェシャ「…ハァ…ハァ…三分も保たないぞこれは…」
目の前には力尽き、走るのを止めた兎の少女
691: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 08:12:23 ID:0JTMROl5ps
チェシャ「…やぁ白兎ちゃん…約束の時間くらい、キッチリ守らなきゃダメだろ?」
白兎「……」ピクッ
白兎「…その声は、チェシャ猫でしょうか」
チェシャ「…その声はって事は、やっぱり目は…ほとんど見えてないのかな?」
白兎「…ぼんやりと見えてます、アリスの声さえ聞ければ捜索は可能ですから」
チェシャ「まだ…アリスの捜索続ける気かよ…」
白兎「…当然です」
チェシャ「…面倒臭いね、ホント」ニンマリ
692: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 08:28:28 ID:eDhl4PA.B6
白兎「…どういったご用件で、次元を超えてまでいらっしゃったのですか?」
チェシャ「…とりあえずそんな皮肉を聞きにきたんじゃないぜ…」
白兎「…私を連れ戻しに来た、と?」
チェシャ「あぁそうだよ…もう女王の魔法もきれるからね…」
白兎「……」
チェシャ「…ビルの奴は、君が女王を看取れるよう、時間を決めてくれたのにね…」
チェシャ「それをみすみすフイにして…
女王の事、大事なんじゃ無かったのかい…?」
白兎「…分かりきった事言わないでください」ジリッ
693: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 08:37:21 ID:FAT/SEDfLU
チェシャ「…なら、これが最後のチャンスだ、今なら間に合うかもしれない…
…不思議の国に、帰るよ」
白兎「…余計なお世話ですよ」
チェシャ「……」
白兎「…大事な人に決まっているじゃないですか!」
白兎「女王様は大事なお方ですよ!
でも…でも、それよりも不思議の国にはアリスが大事、それこそ私が命を擲っても足りないくらい…!」
チェシャ「……」
白兎「…男さんと山鼠ちゃんに『付き合わせてすみませんでした』って、伝えておいて下さい……」
白兎「私はもう、帰りません…」
694: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 08:53:58 ID:R0seOgtGOQ
チェシャ「……しょうがないね、そこまで言うなら…」
白兎「……」
この時初めて、道化の顔から笑みが消えました
チェシャ「……ボクは力ずくで連れて帰らなきゃいけない」
白兎「…出来るものなら」
白兎「何でか知りませんけど、今にもあなたが倒れそうじゃないですか」
チェシャ「……嘗めんな」フッ
猫の姿が消えた。
そう認識できたすぐ、兎の少女の意識は完全に途切れてしまいました
695: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 08:58:08 ID:FAT/SEDfLU
チェシャ「…あーあ、どうしてこうなっちゃうかな」
チェシャ「…また、嫌われちゃうかな」
人間界はもう夜
行き交う人々、街頭に集る虫共、夜空を駆ける鳥達
誰も猫と兎に気づかない
そして猫は兎を連れて、笑みだけを残してそこから消え失せた
696: 名無しさん@不思議の国:2011/8/10(水) 09:11:19 ID:kKLv8s9J86
女王「……」
ビル「…もう、時間ですか」
女王「…ごめんなさい、ごめんなさいね…」
ビル「…最後のお茶ですよ、どうぞ」
女王「…ありがとう」
女王「……ちゃんと、女王としての使命、果たせていたかしら
…不思議の国のみんなに、何かを残すことが出来たのかしらね」
ビル「…えぇ、きっと」
女王「…なら、良かったわ
ビル、もっとそばに」
ビル「…もう、逝かれますか」スッ
女王「…あなたって、本当に、暖かいのね」
ビル「……私には体温などありませんよ」
女王「ふふ、心が暖かいのよ、そういう事に、しておきなさい…」
697: 名無しさん@読者の声:2011/8/10(水) 13:20:07 ID:e/Z68U8bwI
aaaaaaaaaaaaaaa
辛い辛い白兎ちゃんこれ間に合うのか
てかチェシャはもうおれの嫁な
これもう確定事項だから
sien
698: 名無しさん@読者の声:2011/8/10(水) 14:24:53 ID:PJNU6MCRko
なら山鼠は私にくださいな
続きが気になるよ〜(o゚∇゚)
支援!
699: 名無しさん@読者の声:2011/8/10(水) 15:07:53 ID:xHF2NwVH4U
なら、妾は男を
C
Щ(゚∀゚)<欲しい?
700: 名無しさん@読者の声:2011/8/10(水) 18:46:46 ID:uTNFzdRYy2
700げとおおおおおおお!!
701: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 06:32:49 ID:HpksKtXyz2
チェシャ「……ただいま」フッ
男「!!」
山鼠「シロは!?」
チェシャ「…ほら、受け取んな」ポイッ
山鼠「っとぉ!」ガシッ
男「…あ、ありがと!本当にありがとう!」
チェシャ「……」
チェシャ「…あぁ、君達の役に立てて嬉しいよ」ニンマリ
チェシャ「…流石に…もう疲れたや…」フッ
702: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 06:42:19 ID:K4ESg4cJk.
山鼠「…消えた」
男「白兎は?」
山鼠「寝てる…」
男「叩き起こすぞ、女王の所まで急いで……」
ボーンボーンと鳩尾に響くような12回の重い重い音
城の頂上に取り付けられた巨大な時計が12時を示す音
何故かその時不思議の国はとても静かで
その音は国中に響き渡っているようでした
それと同時に、兎の少女は目を覚ましました
703: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 06:52:00 ID:kG2XMrY8s6
白兎「…ぅ…あ」
山鼠「シロ!」
白兎「…山鼠ちゃん、ですか?」
男「……」
白兎「…そう、ですか
私は、不思議の国に…」
白兎「…なんで…なんでっ…!」
男「…女王に、会いに行かなくていいのか?」
白兎「……行きます」スッ
山鼠「お、おい…無理すんなよ…?」
白兎「あ、はは…大丈夫ですよ…」フラフラ
704: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 07:29:39 ID:iNLuW6B7Vg
兎の少女は重い足取りで螺旋階段へ
ガラス戸を開くと、蜥蜴の男
白兎「……あ」
ビル「…白兎、無事だったんですか」
白兎「…あの、女王様は…」
ビル「…つい先程、息をひきとりました」
白兎「…あ…?」ヨロッ
山鼠「シロ!」
兎の少女はまた、その場にへたり込んでしまいました
ビル「…主を失ったこの城に、労働力はもはや必要ありません」
ビル「城の従者は全員ここを離れ、好きに暮らすように。勿論あなたも」
兎の耳にはもう蜥蜴の声など入っていません
小さくうずくまり、嗚咽をこらえているのか、体が震えています
705: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 19:47:45 ID:kKLv8s9J86
男「……」
山鼠「……」
二人には、かける言葉がありません
白兎「……なんで…なん、で…!」
白兎「…なんで、放っておいてくれなかったん、ですかぁ…!」
山鼠「…だってそりゃ!」
白兎「女王様が亡くなられたのに…私はここでどうしたらいいんですか……」
白兎「…アリスも見つけられない…女王様にも会えない」
白兎「私はこれから…何の為に…」
706: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 20:14:34 ID:FAT/SEDfLU
男「…その、あの」
男「…お前はアリスに、女王に固執しすぎだと、思うんだよ」
白兎「……」
男「…もうお前は自由なんだって」
男「これからは、俺や山鼠や、お前自身の為に生きれば……あ」
ふと少年の耳に届いた不協和音
ギリ…ギリ…と何かの軋むような
白兎「…きッ…いッ………ひィ…」ギリギリ
あぁ、これは兎の少女の歯軋りだったのか
まずい。今のこの子は、『まとも』じゃない。
707: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 21:00:31 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「お…おい…!」
白兎「私の…私の大事な人が…生きる意味が全部無くなったのに…!」
男「……」
白兎「…今さら…それを全部捨てろと…!?
じゃあ私の今までは何だったんですか…!」
男「白兎…!」
白兎「…ふ、ざけないで…」
白兎「ふざけないでくださ………い?」バッ
勢い良く顔を上げた兎の少女
泣きはらして真っ赤っか
白兎「……あれ」
708: 名無しさん@不思議の国:2011/8/11(木) 21:01:35 ID:FAT/SEDfLU
白兎「……あれ?」ゴシゴシ
白兎「……あれ……あれ?」
山鼠「…シロ?」
白兎「……や、山鼠…ちゃん…? 何処…?」カタカタ
山鼠「おい…お前…」
白兎「……目が…見えません…何も…」
アリスへの『視力』の献上が、たった今、終了しました。
709: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 21:41:54 ID:IKjjjix3W.
白うさちゃん…
しえん
710: ◆AlicexxO96:2011/8/11(木) 23:44:19 ID:HpksKtXyz2
鯖落ちの影響で不定期更新だからなかなかレス返できませぬ
申し訳ない…
>>680
支援おおきにですわぁ
>>681>>682
正直日本語曖昧かもですw
広い心で受け入れてくださればw
>>683
最高の誉め言葉ktkr
ありがとうございます!
>>697
aがいっぱいでビックリしましたwww
確定事項ですか、ふむ…
>>698
山鼠ちゃん人気衰えないですね
ありがとうございますね!
>>699
はやくこっちに寄越すんだ!
>>700
キリ番レスおめでとうございます
次は777目指して…そこまでいくかしら…?
>>709
しえんありがたう!
711: ◆AlicexxO96:2011/8/11(木) 23:49:17 ID:K4ESg4cJk.
さて、本日の更新はここまでです
えぇ、まだまだシリアスが続きます
ですがもうクライマックスなんでね!
最後まで見ていって下されば!
という事で
支援して下さってる方々、本当に力になっております
終わりも近いので改めてお礼を
ありがとうございます!
それではこの辺で
また明日の夜お会いしましょう
おやすみなさいませ
712: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 00:11:17 ID:EI9.gqRaNU
そういう礼は、終わった時に言わないといけないぜ
(`・ω・)ゝC
713: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 01:33:32 ID:iMSC8HMKaM
支援を申し込む!
/⌒ヽ
`⊂[( ^ω^)
/ (⌒マ
(⌒\ヘ」つ
> _)、
じ \_)\\\
CCC
CCCC (
(⌒
⌒Y⌒
714: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 14:29:43 ID:e/Z68U8bwI
えげつねぇお・・・
白兎ちゃん派の俺涙目
C
715: 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 21:08:26 ID:jS78wtrYmY
終わるのか…
いと寂し(´・ω・`)
716: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 21:44:50 ID:uz77L901sc
もう兎の目に、愛する人達は映りません
『精神的に衰弱したら献上の進行はどんどん早まるみたいでね』
もう兎の目に、光は届きません
『おちおち怯えてられないんだよ、ボク達は』
猫の言葉が少年の頭をぐるぐると回ります
白兎「…嫌だ…」
ぽつりと呟く
赤い目は虚ろに、誰も居ない方に向いています
山鼠「シロ…シロ!
大丈夫だからな!
ちゃんと俺も男も、お前の傍に居るから!」
白兎「…嘘…居ないじゃないですか…どこにも…」
717: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 22:03:49 ID:iNLuW6B7Vg
山鼠「…おい、お前も何か言ってやれ!」
男「……」
本当にかける言葉がない
だって、ここまでどうしようも無くなった人を、少年はまだ見た事が無かったから
そして、自分がかけた言葉が
兎をそこまで堕としてしまったように思えたから
これは夢だと、そう願うことしか少年にはできない
ですがここは、夢のような現実の世界
夢が現実になることがあっても
けしてその逆は無いのです
718: 名無しさん@不思議の国:2011/8/12(金) 23:01:17 ID:HpksKtXyz2
山鼠「…どうだ、落ち着いて来たか?」
白兎「…少しは…はい」
きっと嘘だろう。でも、ずっとここにいる訳にもいかない
男「…とりあえず、下に降りようか」
白兎「…は、い」
転ばないように、鼠の少女が手を引いて進む
螺旋階段は少年がおぶって降りる
この住み慣れた城の中ですら
誰かの力を借りなければ歩くことも叶わない
白兎「…ご…めん…なさい…」ボソボソ
男「……ん」
山鼠「…気にすんなって」
719: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 07:29:36 ID:HpksKtXyz2
男「…これから、どうしようか」
山鼠「……あ?」
男「今日はこの城で泊まるとしてだ。
明日から白兎連れてとうするか…」
白兎「……」
山鼠「…んなもん明日決めればいいだろ」
男「そうかね。白兎大丈夫か、怖くないか?」
白兎「…えぇ…」
この城には、さっきまで沢山の人達が居たはずなのに
今では全く人の気配がしませんでした
門を守るトランプ兵も、城を掃除するメイドも、ビルも女王も
720: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 09:14:21 ID:0JTMROl5ps
男「……ここでいいか」
山鼠「お、ベッドが2つ」
男「…誰も居ないみたいだし、いいんじゃない」
山鼠「まだ夜まで時間あるぜ」
男「あぁうん、飯漁ってくるから
待っててくれよ」
男「白兎もここ最近何も食ってないんだろどうせ」
白兎「……え、あ、はい…」
男「……」
男「…じゃ」
721: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 11:21:14 ID:l1GoSPKBsY
私怨
722: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 15:43:28 ID:R0seOgtGOQ
男「…飯…厨房かな…どこだっけか」
男「……本当に…!」
本当に誰も居ないな、と言おうとしたその時、目の前に人影が
壁にもたれかかった見覚えのある姿
男「…ビルさん?」
ビル「……おや」
男「…大丈夫ですか?」
ビル「…えぇ」
男「この城には人は必要ないと言うもんだから、どっかに行ったのかと…」
ビル「そう簡単に離れられる所ではございませんから、この城は」
ビル「…ここ以外に私の居場所なんて、ありませんし」
男「……」
723: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 16:11:21 ID:R0seOgtGOQ
ビル「どうかしましたか…?」
男「あ、城の食料をくすねに厨房を探してて」
ビル「……あの、私一応城の人間なんですが」
男「あ」
ビル「もの凄い自白ですね」
男「あ、わわ」
ビル「…まぁ別にもうこの城に主も盗みを咎める人もいませんし」
ビル「このまま真っ直ぐ、突き当たりで左ですよ」
男「…!」
ビル「どうぞ、いくらでも」
男「どうも!」
724: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 17:04:29 ID:uz77L901sc
男「大漁だ大漁、どっこいせ」ドサッ
山鼠「すげー量だな」
男「腹が減っては戦はできんよ」
山鼠「誰と戦うんだよ」
男「ほら白兎、お前の好きなにんじんだ」
白兎「……」
山鼠「…シロ?」
白兎「…いらない、です…」
男「……」
白兎「食欲…ありませんし…」
男「食え」ズイ
白兎「……」
男「飯食わなきゃ明日から保たないぞ」
白兎「……明日から?」
男「あぁ、明日からな」
白兎「……」シャク
725: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 20:42:38 ID:0JTMROl5ps
男「…美味いだろ?」
白兎「……」シャクシャク
男「……」
白兎「……」ポロポロ
山鼠「…おい」
白兎「…う…ぅあ…ああぁ…」ポロポロ
男「……」
山鼠「お、男!」
男「…辛いなら、好きに泣けばいいよ」
男「俺はもう寝るから、うん」ゴロン
山鼠「…シロ、俺達は気にしないから
甘えたい時は言ってくれよ?」ゴロン
男「2つベッドあんだから、こっち使わないで向こう行けよ」
山鼠「俺が何処で寝ようが勝手だろ」
726: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 20:50:03 ID:YROlhhOGxU
白兎「…あの…」
男「ちょっと視線がずれてるけどどうした」
山鼠「早速甘えたくなったか、へへ」
白兎「…うん、甘えると…言いますか…」
白兎「…私が、男さんと一緒に寝たいです……」
山鼠「」
男「あーん?」
白兎「…駄目…ですかね…?」
男「だってよ」
山鼠「ぅえ!? あ、や…えっ!?」キョドキョド
男「何キョドってんの」
白兎「…今夜だけ…今夜だけでいいですから…」
山鼠「あ…うー」
727: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 20:58:45 ID:uz77L901sc
山鼠「む、むー…お、男が決めればいいだろ!」
男「出たよ無茶振り」
白兎「男さん…」
男「今夜だけならいいんじゃねぇの、白兎」
山鼠「……」
山鼠「あぁそぉ! いいよ俺があっちで寂しく一人で寝りゃいんだろ!
いやまぁ寝れねーけどよ!」ケリッ
男「拗ねんな拗ねんな」
白兎「…ありがとう、ございます…」
男「どうせ向こうでも寝てないんだろ?」
白兎「……」コクッ
男「ならさっさと寝るぞ」
山鼠「ふんっ!」
728: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 21:21:37 ID:FAT/SEDfLU
男「…じゃあ山鼠、おやすみ」
山鼠「……」ツーン
男「……白兎も」
白兎「……はい、ありがとう、ございました」
男「……気にするな」
夜はゆっくりと更けて行きます
少年の静かな寝息が聞こえる
顔は見えないけれど、もう寝ているのでしょう
手探りで少年の頬に触れる
それはそれは良く眠っているようで
兎は消え入るように言葉をもらしました
白兎「……ごめんなさい」
729: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 21:30:43 ID:YROlhhOGxU
この国に連れて来てしまってごめんなさい
死を奪ってごめんなさい
迷惑をかけてごめんなさい
アリスを見つけれなくてごめんなさい
約束を守れなくてごめんなさい
頬から体をなぞり、少年の腰に手を下ろす
少年のズボンのポケット
そこに強引に突っ込んだ拳銃があることを
兎の少女は知っていました
起こさないように引き抜くのです、ゆっくりと
730: 名無しさん@不思議の国:2011/8/13(土) 21:48:51 ID:0JTMROl5ps
鼠のお婆さんの家の出来事、握った感触、撃つ時の衝撃
どれ一つとして忘れてなんかない
でも、もうお終い
白兎「…無理ですよ…」
白兎「…アリスも…女王様も…視力すら失って…」ポロポロ
白兎「…それでもまだ生きていける程…強くないですよ…」ポロポロ
少年は都合良く、まだぐっすりと眠っているようでした
白兎「……」カチャ
鼠の少女が気づいたのでしょうか
声を荒げて自分に呼びかけているような
白兎「山鼠ちゃんも…ごめんね…?」
山鼠「シロ!!」
兎の少女と、彼女が抱いた拳銃は
同時に声をあげて哭きました
731: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 23:26:21 ID:oHNyuPfZpg
あ、なっなにっ!?
ヤバい…白うさちゃんが…
紫煙支援
732: 名無しさん@読者の声:2011/8/14(日) 10:41:14 ID:vnsiBmoeJ6
う、うわあああああシロォォォォ!!!!(´;ω;`)
733: 名無しさん@読者の声:2011/8/14(日) 16:46:20 ID:e/Z68U8bwI
ああぁぁ・・・
一位おめでとうって言えない雰囲気・・・
シロちゃあああああああん!!!
山鼠ちゃんの最後の声が辛すぎる
734: 名無しさん@不思議の国:2011/8/14(日) 20:30:45 ID:iNLuW6B7Vg
鼠の少女と人間の少年は
城を出て、また歩き始めました
次は目的地なんて無い自由な旅
そして一人少なくなった静かな旅
薔薇園を抜けて丘を下り、気の向くままにフラフラと
山鼠「…そうだ」
男「…?」
山鼠「婆ちゃん家、行ってみねぇか?
ここから近いはずだし」
男「…まぁ、良いんじゃないかね
場所覚えてる?」
山鼠「んと…確かね、向こうだった
あの山の方」
735: 名無しさん@不思議の国:2011/8/14(日) 20:39:26 ID:0JTMROl5ps
山鼠「……」ガチャガチャ
男「……」
山鼠「……いねぇや」
男「…そぉかい」
山鼠「…まぁた引っ越したのか婆ちゃん」
男「しょうがないな…ほら、行くぞ」
山鼠「あぁう……ぅ?」ヘタッ
男「山鼠?何へたり込んでんだ」
山鼠「……」プルプル
山鼠「あー、駄目だ。足動かねえ」
男「あー?また我が儘モードかい」
山鼠「……また頼むわ、おぶってくれ」
736: 名無しさん@不思議の国:2011/8/14(日) 20:56:24 ID:kKLv8s9J86
男「しゃーねぇなぁ」
鼠のお婆ちゃんの家も駄目
さぁ、いよいよ何処に行こうかな
湖なんていいかも知れない
洗濯中雨に降られたり、頭を撃ち抜かれたりと、良い思い出はあまりないけれど
あそこに住む友人にも会いたいし、何より
少年の服に染み込んだ、白兎の赤色をどうにかしたかった
そんな事を考えながら、鼠の少女の手を取る
737: 名無しさん@不思議の国:2011/8/14(日) 21:04:17 ID:iNLuW6B7Vg
男「……」ヒョイ
男「軽!」
山鼠「毎回同じこと言うなお前」
男「…いや、あれ?お前ここまで軽かったか?」
山鼠「…知らねえよ。自分の体重なんか自分じゃ分かんねえんだから」
男「……」
山鼠「……んだよ」
男「…お前、もう、限界だろ」
山鼠「……」
山鼠「……」チッ
738: 名無しさん@不思議の国:2011/8/14(日) 21:11:44 ID:eDhl4PA.B6
山鼠「何下らねえ事言ってんだお前は」
男「…」ドサッ
山鼠「あだっ! おい、何で下ろすんだよ!」
男「…立ってみろよ」
山鼠「…は?」
男「自力で立ってみろ」
山鼠「…面倒くせぇ、そんな事よか」
男「山鼠」
山鼠「……」
739: 名無しさん@不思議の国:2011/8/14(日) 21:24:17 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「分かったよちゃんと見とけアホ!
んっ…!」ピクッ
山鼠「…ふ…う…っ!」プルプル
山鼠「ん…う…うぅぅ…!!」ガクガク
山鼠「…んあっ…!」ベチャ
男「……」
山鼠「…ふ…ふぅう…!」プルプル
山鼠「…く…そ…がぁ…!」ガクガク
山鼠「…ああ…ぁ…」ドサッ
男「……山鼠」
山鼠「…嫌だ…嫌だよ…」
740: 名無しさん@読者の声:2011/8/14(日) 21:33:16 ID:62rEgRZIdU
白ウサギちゃんが…
うわあああああああ!!
山鼠も…
そして1さん、一位おめでとう
741: 名無しさん@不思議の国:2011/8/14(日) 21:38:46 ID:R0seOgtGOQ
山鼠「馬鹿は俺の方だ…
なんで…なんで睡眠なんか…!」
山鼠「誰だよアリスって…!
何で見ず知らずの奴のにくれてやらなきゃならねえんだ…!」
山鼠「なんで今更になって後悔してんだよぉ…」
男「…山鼠」
こんなに自分達は苦しんでるのに
鼠の祖母も猫も、誰も彼も一向に姿を見せない。頼らせてくれない
なんて薄情なんだろう
山鼠「…死にたくない…死にたくねぇよぉ…」ポロポロ
742: 名無しさん@不思議の国:2011/8/15(月) 07:57:50 ID:FAT/SEDfLU
男「泣き止んだ?」
山鼠「…あぁ」
男「そう」
山鼠「……男」
男「あんまり喋るなよ?体力減るぞ」
山鼠「いいや、言う。これだけは言う」
男「なんだよ」
山鼠「お前が、好きだよ、俺」
?「…何でなのよ…」
?「…何なのよここ…」
?「…眠ってるのなら…夢なら覚めてよ…!」
743: 名無しさん@不思議の国:2011/8/15(月) 08:06:52 ID:0JTMROl5ps
男「……」
山鼠「本当馬鹿だよ。
なんで今更言ってんだか、辛いだけなのにな」
男「はー…」
山鼠「お前そのリアクションはねぇだろ」
男「んー、俺も好きだーとかでいいのか」
山鼠「それが本心ならそれでいいよ」
鼠の少女は重そうに体を引きずって、少年に覆い被さります
やはり少女はとっても軽かったけど
とりあえず少年は体を委ねてみました
744: 名無しさん@不思議の国:2011/8/15(月) 08:20:52 ID:uz77L901sc
男「で、何がしたいんだい」
山鼠「……そうだな」
山鼠「…俺を、抱け」
男「……」
山鼠「…頼むよ、どうせ最後だからさ」
男「……」
男「…もうちょっと大人になったらな」
男「そしたら抱いてやるよ」
山鼠「…はっ、大人になるまで生きれるなら、こんな事言ってねぇよ」
山鼠「……分かった、大人になるまでお預けでいいよ」
男「うん」
745: 名無しさん@不思議の国:2011/8/15(月) 08:22:57 ID:FAT/SEDfLU
山鼠「どうせ俺はまだガキだ
ちゅーで許してやるよ」
男「許してやるは、こっちの台詞だ」
山鼠「へへ…」
途端、
少年に乗っかった少女の体が、まるで糸が切れたように
崩れ落ちました
746: 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 08:29:38 ID:w8R0gO0uvE
(´;ω;`)
747: 名無しさん@不思議の国:2011/8/15(月) 08:45:06 ID:eDhl4PA.B6
男「…山鼠?」
男「おい」
男「山鼠!」
ピクリとも反応しません
力が抜けて、腕がゆらゆら泳いで
少女の安らかな顔とは対照的に青ざめていく少年の顔
こんなのってあるか
『二人が居なくなったらどうすればーって?』
『その時はボクが君といてやるよ、一人は寂しいだろうからね』
チェシャ「やぁ男君、どうしたんだい?
そんな悲しい顔をして」
748: 名無しさん@不思議の国:2011/8/15(月) 08:56:02 ID:YROlhhOGxU
男「チェシャ…?」
チェシャ「…」
鼠を一瞥し、すぐ少年に視線を戻します
チェシャ「そっか、山鼠ちゃんは」
男「チェシャ猫!」ガシッ
チェシャ「おわぁ!」ビクッ
男「チェシャ猫!チェシャ猫ぉ!」
チェシャ「お、おいおい落ち着けよ…
珍しいな君が取り乱すのは」
男「何だよこれ!もう…もうたくさんだ!
お前もいなくなるのかよ!?」
チェシャ「…大丈夫、もう大丈夫だから」
男「大丈夫!?何が!」
チェシャ「この不思議の国に、アリスが帰って来たんだよ」
749: 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 11:25:05 ID:VfUmzVwkZw
山鼠ちゃん…(´;ω;`)
アリス…遅いよ…
もっと早く来てくれれば…
最後まで私はCする!!
750: 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 16:34:50 ID:vx0mhxLKXo
はっ山鼠はただ眠っただけなんじゃ…!
まだ死んでない!
希望はすつない!
山鼠ふぉーえばーらぶ!
751: ◆AlicexxO96:2011/8/15(月) 19:21:05 ID:iNLuW6B7Vg
今日終わらせても良かったのですが、明日しっかり最後まで書き溜めしてからにします
とりあえず、ランキング1位!
こんなダラダラ続くSSに投票してくださった皆様、本当にありがとうございました!
本当はもう少し早く言いたかったのですが、その日の更新内容的に喜ぶのは凄い場違いを感じて控えておりました
いやはや非常に光栄な事です
が、もう終わるようなSSが一番でいいんですかね?w
とりあえず明日完結
これからレス返は、申し訳ないですが控えさせていただきます
ただ、皆様の支援はしっかり1のやる気に変わっているので
欲を言えば最後まで付き合っていただければw
ということで、また明日
おやすみなさい
752: 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 20:01:31 ID:qXgLReNbqY
完結…嬉しいけど、寂しいなあ
っC
753: 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 20:52:05 ID:7k4/Uy1aUI
もうすぐ終わりかあ…(´・ω・)っC
754: 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 22:12:40 ID:6hvqYB35YI
おめでとうございます
最後まで見守ります!
つC
755: 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 22:24:07 ID:ZuGg7xw/zk
最初から見てきて‥
感動する〜C
756: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 18:23:46 ID:Tamr7z3M32
今最初から読んできた
感動するわ。
超C
757: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 19:06:41 ID:eDhl4PA.B6
男「…ありす?」
チェシャ「あぁ。いやはやめでたいね、遂にこの国の主の帰還さ」フリフリ
男「…ふざけんなよ…今更過ぎるだろ」
チェシャ「…まぁ白兎ちゃんの事は、残念だったが」
男「…白兎だけじゃねぇよ」
チェシャ「……」
チェシャ「連れてってあげる、アリスの所まで
山鼠ちゃんも一緒にね」
男「……」
758: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 19:28:57 ID:R0seOgtGOQ
アリス「……」
蟻「アリス!僕達のアリス!」
蟻「お帰りなさい!アリス!」
アリス「……うるさい」
蟻「どうしたんだいアリス!?具合が悪いのかい!?」
アリス「……」プチッ
アリス「……何なのよぉ」
アリス「…おかしいんじゃないの…ここ」
チェシャ「お帰りなさい、アリス」フッ
アリス「ひっ!?」
チェシャ「ここは、君の国
…不思議の国」
男「……」
759: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 19:36:21 ID:0JTMROl5ps
目の前の少女が、アリス
金髪で青い目
青いワンピース、白いエプロン
兎の少女が探し続けた
この国の住人達が待ち続けた少女
アリス「……誰?」
チェシャ「ボクはチェシャ猫だ
ずっと昔の、君の友達」
アリス「……友達?」
チェシャ「たった一度来ただけだ、覚えていないだろうけどね」
アリス「…えぇ、覚えていないわ
こんな気味の悪い所も、あなた達も」
男「……」
760: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 19:49:17 ID:kKLv8s9J86
チェシャ「酷い言われようだね」
アリス「本当の事だから」
チェシャ「ここの住人達は、君に命を分け与えてるんだぜ?
その言い草は無いだろ」
アリス「…そんな馬鹿げた話が」
チェシャ「あったとしたら?」
アリス「…良い迷惑よ」
チェシャ「……」
アリス「…本当に…良い、迷惑…!」
761: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 19:56:21 ID:YROlhhOGxU
アリス「誰がそんな事望んだの?
私の体は異常だったのよ?」
アリス「眠れないし目もろくに見えない、声も出せない」
アリス「治ってきてもまだまだ不完全で
そのうち見えて来た全てが怖かった」
アリス「捨てられた、拒まれた、目を背けられた!」
アリス「死んでやろうって、何度考えた事かしら!
何度自分を傷つけたかしら!」
アリス「死なないのよ!何回何十回何百回何千回首を吊っても!」
もの凄い剣幕で言葉を紡ぎます
762: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 20:13:55 ID:YROlhhOGxU
アリス「やっと!やっと死んだらここにいるのよ!?」
アリス「何が不思議の国よ!ふざけないで!」
チェシャ「……そうかい」
アリス「何も考えたくない…
何も感じたくない…」
男「……おい」
アリス「要らない…こんな体要らない…!
もう何も見たくない聞きたくない!」
男「おい!!」ガシッ
763: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 20:26:30 ID:FAT/SEDfLU
アリス「何よ…何なのよここ!
空も地面も汚い…
消えちゃえばいいのよこんな世界の色なんて!」
言った途端、空に広がる透き通るような水色
大地に広がる優しい緑色
チェシャ「……!」
まず最初に感づいたのは猫
アリス「歩きたくない…何も知りたくない…」
男「黙れよ…!ぶん殴られたくないなら喋るな…!!」ギュゥ
アリス「…ッ…」
チェシャ「…男君、手を放せ
そのまま喋らせろ」
男「聞くに耐えねえんだよ…こいつの言ってる事は!」
チェシャ「言うことを聞け」
男「……」パッ
チェシャ「ん、それでいい」ニンマリ
764: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 20:36:32 ID:Guo50azY9o
アリス「…要らない…みんな要らないの…」
男「…こんな奴を」
男「白兎はこんな奴を探し続けてたのかよ…!
山鼠はこんな奴の為に眠れなかったのかよ…!」
チェシャ「……」
男「チェシャ猫も何とか言えよ!」バッ
振り向いた少年の目の前に突きつけられた銃口
男「…あ?」
?「……どいてくれ」
ドンッと言う爆発音
撃ち出された鉛は、少年の額を貫きます
765: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 20:46:32 ID:eDhl4PA.B6
アリス「ひっ!?」
?「……邪魔だ」ドサッ
男「……」
チェシャ「…いきなりボクの友達を撃ち殺すなんて、穏やかじゃないね、狩人」
狩人「……死なないんだろ、そいつ」
チェシャ「まぁね」
男「……ふざけんな、くっそ痛いんだぞ」
チェシャ「男君は少し休んでな、熱くなりすぎだ」
男「…なんで、止めた」
チェシャ「アリスが喋るのを、かい?」
チェシャ「気付いたからさ、献上品の返却手段にね」
男「……?」
狩人「……」
766: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 20:53:51 ID:K4ESg4cJk.
チェシャ「とっても簡単な話だ」フリフリ
チェシャ「僕達の献上が始まった時のように、アリスが要らないと願ったものが返却される」
男「…!」
チェシャ「色なんて消えろと願った途端、景色が元に戻ったろ?
そういう事さ」
アリス「…何言ってるの…?」
チェシャ「君にもっと残酷になれって言ってるんだよ」ニンマリ
アリス「……?」
狩人「……もう沢山だ」
767: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 21:01:09 ID:Znc3UNM8h6
わわわわくてかっ!!
支援ー
768: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 21:08:54 ID:kKLv8s9J86
狩人「…こんなアリス…誰も求めてなんかいない…!」
狩人「…私が間違っていたのか?
お前の害になる献上はほぼ消した…
それなのに…!」
チェシャ「…おい」
狩人「…このアリスは、この国に居ても害にしかならない」ガチャ
アリス「…!?」
アリス「うっ…撃つの!?」
狩人「…何も要らないんだろう?
大丈夫だよアリス
私もすぐに後を追うから」
アリス「言ってる意味が…」
狩人「……ごめんねアリス」カチャン
アリス「や…やだっ!死にたくな」
チェシャ「……馬鹿が」
769: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 21:14:55 ID:kG2XMrY8s6
チェシャ「……」
男「…お、おい」
チェシャ「どこまで馬鹿なんだろうね人間は
自分勝手を直向きと勘違いしてるよ」
男「……」
チェシャ「…君くらいだまともなのは」
男「……」
チェシャ「参ったね、本当に参った」
不思議の国はアリスの為の国
アリスがいなくなってしまえば、必要の無い国
猫が空を見上げる
つられて少年も
色を取り戻したばかりの空に、大きな黒い穴が出来ていました
770: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 21:38:48 ID:R0seOgtGOQ
男「なんぞあれ…」
チェシャ「…不思議の国の眠りさ」
男「…眠り?」
チェシャ「アリスがいないなら必要が無いからね、眠るのさ」
男「……俺達はどうなるの?」
チェシャ「君はどうしたい?」
男「…どう、って」
チェシャ「君の『死』は最後の最後で返却された
山鼠ちゃんも『睡眠』を返却されて眠ってるだけ」
男「…!? 寝てるのか山鼠は!」
チェシャ「あぁ。ついでに、君達を人間界に送ってやる事も出来なくもない」
男「……!?」
771: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 22:03:04 ID:FAT/SEDfLU
チェシャ「送ってそれっきりなら、それ以上体力を削る事もないし可能なんだよね」
男「……」
チェシャ「どこぞの偉い人によれば
『どっちへ行きたいかわからなければ、
どっちの道へ行ったって大した違いはない』らしいけど」
チェシャ「ねぇ自殺志願者君。
君は生きたいかい?
まだ死にたいかい?」
男「…大丈夫、もう決めてる」
チェシャ「……」フリフリ
男「生きるよ、生きる」
男「まだ眠るには早いんだから」
チェシャ「…そう言うと、信じてたよ」ニンマリ
黒い穴が、不思議の国を飲み込んでいきます
772: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 22:17:46 ID:kKLv8s9J86
チェシャ「お別れのキス位、貰っても罰は当たらないかな?」フリフリ
男「当たらないんじゃない?」
チェシャ「冗談だよ
変わりに山鼠ちゃんを思いっ切り可愛がってあげな」
男「…そうする」
不思議の国が消えて行くのを見るのが怖くて、少年は目を閉じました
チェシャ「…次に目を開けたら元の世界だ」
男「…うん」
鼠の少女を抱えて
「「じゃあね」」
鼠の少女と人間の少年は不思議の国から消えました
猫は、不思議の国は、やっと眠りにつきます
チェシャ「おやすみ」
773: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 22:28:37 ID:Guo50azY9o
長い間起きていて
長い間寝ているような気がする
目を開くのが億劫で
顔をふかふかの地べたにうずめるのが心地良い
静かで、涼しくて
自分の手だけが熱を帯びている
あったかくて目を開けたら
愛しい人が傍で手を握ってくれていた
男「おはよう」
山鼠「……おはよ」
774: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 22:53:22 ID:0JTMROl5ps
妹娘「ねーお父さん?」
男「んー?」
妹娘「ピクニックってなにするの?」
男「暇なの?」
妹娘「うん!」
男「お姉ちゃんは?」
妹娘「難しい本読んでるの!」
男「そうかー」
山鼠「そこら辺を冒険しといで
色々見つかって楽しいぜ?」
妹娘「冒険?」
山鼠「そ。怪我しないようにな?」
妹娘「うんー!」タッタッ
男「放任主義っすな」
山鼠「過保護よかマシさ」ニッ
775: 名無しさん@不思議の国:2011/8/16(火) 23:01:38 ID:kKLv8s9J86
姉娘「…あんた何してるの?」
妹娘「冒険!」
姉娘「あんまり遠く行かないでよ?
迷子になったら面倒なんだから」
妹娘「はーい!」タッタッ
少女は走る 走る
草を踏みつけ 好奇心のままに
ジリリと目覚まし時計の音
音の鳴る方へ向かうと
妹娘「……白い、兎さん?」
白い耳を揺らして走る兎
追いかけて 追いかけて
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
白兎「アリス! 私達のアリス!」
〜fin〜
776: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 23:04:33 ID:kLQdZSsZjo
終わったぁ!寂しいけど、面白かったです!!個人的には芋虫だしてほしかったかな。
1乙!!!次回作に期待!!
777: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 23:18:33 ID:k5F7Lfj7MY
乙!(´;ω;`)
このマンガ欲しい!!すっごい楽しませてもらいました!ありがとうございました!
778: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 23:26:45 ID:TJWk.ac8Fw
乙!!
面白かった!!
誰かに漫画化してほしいなぁ〜
もちろん保管庫いきだよね?
次回作にも期待してるよ!
779: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 23:29:12 ID:TJWk.ac8Fw
乙です!
山鼠たんは美人になったんだろうなあ…
780: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 23:29:22 ID:PcspLrxv0I
(´;ω;`)
感動した(´;ω;`)
今まで書き込んだことはなかったけれど、一番最初からずっと読んでました!
アリスのお話はあちこちで使われているのに、
1さんは全く新しいアリスの世界を生み出していて…本当にすごいです(´;ω;`)
また機会があれば他のSSもかいてほしいです、素晴らしいお話をありがとうございました!
そして、妹娘ちゃんが前のアリスの悲劇を繰り返さないことを願っています…
781: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 23:40:31 ID:2LBqDxJEo.
乙です!
最後バットエンドかなとも思ったけど
1さんはやってくれた…!
白兎ちゃんは私のもの
782: 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 23:53:00 ID:ysGf.uj/cw
乙
いやお疲れさま!
ヤマネちゃんは幸せそうなので俺はチェシャを引き取っていきますね
783: ◆AlicexxO96:2011/8/16(火) 23:56:27 ID:Guo50azY9o
これにてこのSSはお仕舞いです
2ヶ月と少しの間でしたが
最後まで付き合って下さった皆様
投票して下さった皆様
こんな素晴らしい場所を提供してくれた龍さん
本当にありがとうございました
実はSSは四作目でしたが、今作は少し違いますね
終わってから、もっと書けば良かったと後悔しております
自画自賛という訳では無いですが
書けば書く程、このSSが好きになってました
今までに無い不思議な感情が胸を締め付けており、若干気分が悪いですw
保管庫希望というお声がありますので、恐縮ですが保管庫依頼させて戴きます
784: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 01:09:02 ID:FeyAwDqf.U
果てしなく>>1乙!!!
感動の超大作杉だろ
チェシャはもろた
785: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 01:20:05 ID:o0/AMDcaH6
乙です!
作り込まれた設定
それとキャラが大好きでした。
良い作品を読ませていただきありがとうございました
最後に…
チェシャ猫は俺のもんだ!!
786: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 02:17:51 ID:i08DbqKPog
乙!
このスレを見るためだけにこのサイトに通ったようなもんですw稀に見る良作!
あとチェシャは俺んだからね
787: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 07:24:54 ID:PzqXievgaE
チェシャ猫人気杉てワロタww
あえての帽子屋貰ってくわ
788: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 10:10:25 ID:e/Z68U8bwI
よかった 本当に良かった
山鼠ちゃん幸せそうだし白兎ちゃん?もいるし不思議の国もまだあるみたい
原作ループの終わり方で凄い好み
今までのSSで一番好きだわ
自分はグリフォンさん一択ですけどね
789: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 10:25:48 ID:H1N4eX8Ckg
1さんお疲れ様!
本当に良かった!!ずっと読んでてよかった
山鼠ちゃんは男にとられてしまったか…
仕方ない!幸せならなによりだもの!!
ちなみに前に何のSS書いてたのかイヤじゃなかったら教えてください!
790: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 11:20:30 ID:WkEST1tCNs
元々アリス関係作品は大好きだから
気になって見たら…
すっかり引き込まれましたよ、はい
凄く面白かった!!
お疲れさまです!
そして狩人さんは頂く
791: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 14:17:08 ID:mU2kqLTL3A
もしかして1ってポケモンの作者だったりしない?
勘違いだったらもうしわけないけど
そんなことより本当にお疲れ様!!
感動したけどもうおしまいなんだと思ったら悲しいな
792: 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 21:16:56 ID:e5hDOpUb/g
おつかれさま!おつかれさま!!(´;ω;`)
ずっと追っかけてました…素敵なSSをありがとうございました!
http://imepic.jp/20110817/764290
793: ◆AlicexxO96:2011/8/17(水) 22:42:58 ID:YROlhhOGxU
チェシャ猫の人気に嫉妬
あ、過去作はちょっと自分の口から言うのは控えます。ごめんなさいですm(_ _)m
>>792
きゃわあああぁ!!
開いて即保存余裕でした!
こちらこそ、こんな素晴らしい絵を描いていただき、本当にありがとうございます
こんなに沢山の方々が見てくれていたのかと思うとヤバいですね。本気で泣きそうです
何度御礼を言っても足りない位です
遂にこの酉ともお別れです
また新しいSSで皆様に会える事を楽しみにしています
それではおやすみなさい
794: 名無しさん@読者の声:2011/8/18(木) 00:06:02 ID:VkM8JXuatY
>>1おやすみぃ。
マジでこのSS漫画なりアニメなりにならんかなと切実に思う。
795: 名無しさん@読者の声:2011/8/18(木) 10:56:49 ID:wsubY9feZA
お疲れ様でした!最後まで面白かったです。
山鼠が幸せになれて良かった!
次回作も期待してます!
ドラゴンは頂いていくぜ。
796: 名無しさん@読者の声:2011/8/18(木) 14:08:34 ID:dbxu9sKrlc
お疲れさまでした!
女王様やチェシャ猫とか一人一人のキャラが濃いのに、それをちゃんと生かしてお話が出来ていて凄いなと思いました。
妹娘がどうなるのか…、続きが読みたくなるような、余韻が残る終わり方が良かったです。
映画見終わった後のあのかんじ!ほわあーって感じになれました。
良い作品をありがとうございました!
なんか文章おかしいですね、気にしないでー
とりあえず最初から読み返してきます!
797: 名無しさん@読者の声:2011/8/20(土) 00:20:46 ID:cKL2CjKK7o
あんまりにも綺麗に終わったから、もう更新ないのかと思うと凄い辛い
それぐらい好きだったよ1もこのSSも
おやすみなさい
素晴らしい作品、ありがとう
798: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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