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【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係
Part3


133 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:00:43 ID:4GR
(●゚◇゚●) ( ●▲●) ( ^)'・▲・`) ( o‘ω ) ( ≦・ω) ( 'ω) (  U・×) (◯^* )
                   Now loading...               
(*^◯^*)<今回は第2章の前半部だよ!
(o‘ω‘ n)<番外編が膨れあがって修正が間に合わなかったんだ

134 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:02:25 ID:4GR
【第2章】
さて。
舞台はインドネシアに戻ります。

135 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:03:44 ID:tsD
豆知識コーナーもすきやで

136 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:03:59 ID:4GR
(●▲●)「おまえら集まれや〜」
(●▲●)「これからワイが言うことをしっかり守るんやで〜」
(´・ω・`)「わかったよ、オランダのおにいちゃん」

137 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:05:32 ID:4GR
(●▲●)「まず。お前ら100以上ある部族は協力したらいかんのやで〜」
(●▲●)「せやから共通の言語は作ったらいかんのや」
(●▲●)「道ばたで3人以上集まって話すのもアカンな、破ったら厳しい処罰をするで〜」
(´・ω・`)「わ、わかったよ、オランダのおにいちゃん」
(●▲●)「ワイらに従順な一部の部族は警官として雇用したるで〜」
(●▲●)「あ、経済は中国の華僑を利用するで」
(●▲●)「経済のことはワイらには関係あらへんから聞かんといてや〜」
オランダはインドネシア全土を狡猾に支配しました。
住民の結束を妨げるため、とても厳しい制限を課し。
更に経済は中国の華僑を利用することで、反感が直接オランダに向かわないようにしました。
教育は制限され、巧みな『愚民化政策』でインドネシア全土を支配し続けたのです。

138 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:05:41 ID:3HC
お、イッチ
楽しみにしてたやで

139 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:07:14 ID:4GR
( `o´)
( `o´)「私の名はディポヌゴロ」
( `o´)「マタラム王国、ジョグジャカルタ王家の王子だ」
…マタラム王国。
中部からジャワ島のほぼ全域を支配していた大国。
ですが王家内の度重なる対立、何度も何度も繰り返される継承戦争。
そしてその度に介入し、調停者として乗りだしてくるオランダ。
既に王国は分割され、王家はオランダの傀儡同然です。
マタラム王国は自滅によって衰退し、まもなく消滅しようとしていました。

140 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:08:11 ID:4Vk
これは良スレ

141 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:08:41 ID:4GR
ディポヌゴロ王子。
彼は長男でありながら、母親の身分が低かったため跡取りとなれず、祖母の元で育てられました。
そして腐敗と陰謀に明け暮れる宮廷を憂い、宮廷を離れて寄宿学校に住み込み、民衆との接触を好みました。

142 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:10:16 ID:4GR
( `o´)「この宮廷の現状をなんとかしたい…」
☆『今こそ立ち上がれ』
( `o´)「!?」
そんなある日。彼は神ラトゥ・アディルからの啓示を受けます。
ラトゥ・アディルとは、末世に現れる正義の神としてジャワ人から信じられていました。
やがて王子は自らラトゥ・アディルであることを名乗り、苦しんでいたジャワ人たちから神として崇められました。

143 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:11:19 ID:iYj
大日本帝国の登場はまだですか?(小声)

145 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:12:48 ID:4GR
>>143
少なくともこの2章のうちは出て来ない模様
もうちょっと待っちくり〜

144 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:11:50 ID:4GR
(●▲●)「あ、この土地は道路にするから取り上げるで〜」
( `o´)「!?」
( `o´)「この土地は私の土地だぞ!?」
始まりは、王子所有の土地が道路用地として無断で取り上げられたことでした。

146 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:14:33 ID:4GR
1825年7月
( `o´)「もう我慢ならん!」
( `o´)「マタラム王国が衰退したのも」
( `o´)「王位継承者にオランダに従順で無能な奴ばかりが選ばれるのも」
( `o´)「それもこれも全部あいつらのせいなんじゃ!」
( `o´)「絶対に許さない。顔も見たくない」
( `o´)「反乱じゃ!」
東インドにて、ディポヌゴロ王子を指導者とする反乱『ジャワ戦争』が発生します。
当時、オランダ人農園の進出により、ジャワ島は農地まで侵略されていました。
更に中部ではコレラが流行し、火山が噴火し、物価上昇で生活は困窮、社会不安が増大していました。
あとはしかるべき指導者の登場を待つだけでした。
この反乱は王族、貴族、更には民衆の支持も受け、中部、東部のジャワ島全土に拡大しました。
更にラトゥ・アディルの出現によって宗教指導者も参戦し、宗教戦争の側面もありました。
これまでにも小さな反乱はありましたが、今回の反乱はジャワ島で初めての大規模な反乱となりました。

147 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:16:04 ID:4GR
当初オランダの王族を舐めていたオランダでしたが、
ディポヌゴロ王子の言動に不安を感じ、オランダの先制攻撃で戦争が始まりました。
反乱軍はオランダ人やオランダ側の中国人、更に王室をも攻撃しました。

148 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:17:39 ID:4GR
U・ω・U
(●▲●)「おう」
U・ω・U「あっ」
(●▲●)「おまえら、ワイらに逆らって本気で勝てると思っとるんか?」
U・ω・U「そ、そんなこと…」
(●▲●)「それにや。奴は神やろ?」
(●▲●)「今や神格化されて大人気やん」
(●▲●)「せやけどな」
(●▲●)「おまえらイスラム教にとっては、ちょ〜っと不味いんちゃう?」
(●▲●)「もしかしたら、奴の宗教はイスラム教から取って代わるかもしれへんなー」
U・ω・U「………」
U・ω・U「ごめんなさい、やっぱりオランダ側につきます」
( `o´)「ファッ!?」
当初支援していた王族や貴族、宗教指導者などは、オランダからの恫喝などを受け、次第に反乱軍から離れていきました。

149 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:19:07 ID:4GR
(●▲●)「ええで〜、ええで〜。やっぱり近代兵器は最強や!」
( `o´)「(アカン)」
やがてオランダ側が要塞を設けて近代武器で反撃すると、反乱軍は次第に不利になっていきました。

150 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:20:35 ID:4GR
( `o´)「こ、こうなったら…」
( `o´)「ゲリラ戦じゃ!」
オランダ軍の近代兵器に追い詰められた反乱軍は、最終的にゲリラ化して戦いました。

151 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:22:06 ID:4GR
(●▲●)「反乱軍も大分弱体化したなー、これならそろそろ終わるやろ」
(●▲●)「せや!王子の首に巨額の懸賞金かけたるわ」
(●▲●)「これでこの戦争も終わりやな」

152 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:23:26 ID:3HC
確かこの時の火山って遠く離れたノルウェーでひとつの絵画ができるきっかけになったやつかな?

205 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)23:38:48 ID:4GR
>>152
・小豆知識『クラカタウ諸島』
ジャワ島とスマトラ島の中間、スンダ海峡にある火山島の総称。
1883年8月27日。この諸島の3つの火山が一度に噴火。大噴火が起こります。
地質学史上、第5位の爆発規模だそうです。
クラカタウ火山は完全に消失。7割の島が消滅しました。
・参考資料
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5b/Krakatoa_evolution_map-en.gif
これにより最大40mの津波が観測。
死者36417人。インド洋最大の津波災害を引き起こします。(なお、後の2004年スマトラ島沖地震で更新されます)
更に成層圏にまで達した噴煙により、北半球全体の平均温度が0.5〜0.8度下がり、世界中に異常気象を引き起こしました。
爆発の10年後。
ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクはこの異様な空模様を日記に残し、代表作『叫び』を描いたそうです。

153 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:23:38 ID:4GR
U・ω・U「ごめんなさい、幾ら積まれても王子は売れません」
しかし王子の下を離れる部下はあっても、金で王子を売るジャワ人はいませんでした。

154 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:25:09 ID:4GR
(●▲●)「うーん、どないしよ。いい加減戦争終わりにせんと」
(●▲●)「でもゲリラ戦やから全然決着付かへん…」
(●▲●)「しゃーない、和平や。これで決着したるわ」
万策尽きたオランダは、反乱軍に和平の呼びかけをしました。

155 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:26:41 ID:A0g
>>154
(アカン)

156 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:26:53 ID:4GR
( `o´)「和平?本当か?」
(●▲●)「ああ、本当やで」
(●▲●)「せやからひとまず出て来て話し合おうや」
( `o´)「せやな」
和平の呼びかけに応じ、ディポヌゴロ王子は単身話し合いに向かいました。

157 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:28:35 ID:4GR
(●▲●)「嘘に決まっとるやんけ」
( `o´)「あっ」
オランダの騙し討ちに遭い、ディポヌゴロ王子は捕らえられ、ジャワ戦争は終結します。
この戦争は5年間のゲリラ戦を経て1830年まで続き、死者20万人の総力戦となりました。

158 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:30:08 ID:4GR
なお、その後のディポヌゴロ王子ですが。
神がかり的な人気を恐れ、オランダは王子を処刑することができませんでした。
そのため彼を流刑に処し、その後も囁かれる王子の名を押さえつけるため、3人の息子も流刑に処しました。
享年70歳。非常に長命であり、禁欲と瞑想に明け暮れた終生でした。
著作に『ディポヌゴロ物語』があるそうです。
戦争で多大な犠牲を出したにも関わらずディポヌゴロ王子への信仰は厚く、
それは正に西洋人にとってのキリストに匹敵する存在だそうです。
彼の墓は聖地とされ、今もインドネシア全土から訪れる人が絶えないそうです。
『ジャワ戦争編 完』

160 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:30:47 ID:A0g
サンキューイッチ

161 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:32:01 ID:4GR
なお、今日は引き続き次の物語へ移行します。

162 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:32:40 ID:4GR
(●▲●)「はー、面倒臭い奴らやったな。軍事費嵩むやんけ…」
(●▲●)「なに?スマトラ島でも戦争?」
(●▲●)「しゃーない、介入してさっさと終わらせたるわ」
同時期にスマトラ島で発生した『パドリ戦争』。
当初はイスラム教の宗教改革運動として推移していました。
しかしオランダ軍の介入によって反オランダ戦争の様相を示すことになります。
この戦争によって西スマトラにオランダの植民地支配が確立されました。

163 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:34:12 ID:4GR
(●▲●)「あー、軍事費が嵩むなー」
(●▲●)「オランダ本国の財政状態もアカンなぁ」
この頃、胡椒や香料などの香辛料は供給過剰に陥っていました。
需要は減少し、それらの重要性は低くなっていたのでした。

164 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:35:51 ID:4GR
(●▲●)「どないしよ…せや!」
(●▲●)「おーい、おまえら集まれや〜」
(●▲●)「これからワイが言うことをしっかり聞くんやで〜」
(´・ω・`)「わかったよ、オランダのおにいちゃん」

165 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:38:06 ID:4GR
(●▲●)「コーヒー、サトウキビ、藍、茶、タバコ、綿花など」
(●▲●)「これからはワイらが指定した農作物も指定した場所で栽培するんやでー」
(●▲●)「面積は…農地全体の20%ってところやな」
(●▲●)「栽培したもんは全てワイら植民地政府が独占的に買い上げる」
(●▲●)「これは絶対やで、破ることは許されへんでー」
(´・ω・`)「わかったよ、オランダのおにいちゃん」

166 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:39:39 ID:4GR
香辛料の需要減少に伴い、新たな熱帯作物の需要が国際的に高まっていました。
そこで需要の高い熱帯作物を指定して栽培させ、全てを買い上げた東インド植民地政府は、
それらをヨーロッパに転売することで、莫大な利益をあげることになりました。
これによってオランダ本国の財政赤字すらも解消。
産業革命期に入ったオランダのインフラ整備に大きく貢献しました。
(●▲●)「アカン、ウハウハや!」
(●▲●)「これはもっと植民地民には働いてもらんとなぁ(ゲス顔」

167 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:40:34 ID:4GR
一方インドネシアでは…

168 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:42:55 ID:4GR
(´・ω・`)「ふぅ、今日も畑で藍の世話をしないと…」
(´・ω・`)「頑張って育ててもオランダのお兄ちゃんに安値で持って行かれちゃうんだけどね…」
(´・ω・`)「栽培しなきゃいけない面積も20%どころじゃ済まなくなってるし…」
さて。『20%』というこの制度は、一見穏やかな制度に見えます。
しかし、人頭税など、今まで納めていた税とは全く別の税として扱われました。
また、安値で買い上げられるのは元より、ジャワ人貴族の封建支配によるピンハネ、
更に育て慣れない作物を育てる労力、育てた指定作物を指定場所まで運ぶ労力。
指定作物に費やす労力は、20%どころの話ではありませんでした。
なお、農民の得た僅かな金銭収入は、別途地租税として召し上げられました。

169 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:43:56 ID:4GR
(´・ω・`)「この畑は以前はきうり…じゃなくてお米を育ててた水田だったんだよなぁ」
(´・ω・`)「藍じゃお腹はふくれないね…」
サトウキビ、藍は水田に栽培され、米の生産に悪影響を与えました。
特に藍のような不運な作物を指定された農民は、生活に酷く困窮したのでした。
(藍とは藍染めなどに使用される青色の染料です)

170 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:45:39 ID:4GR
(´・ω・`)「あ、あれ?なんだか畑のようすがおかしいよ…?」
(´・ω・`)「もしかして、今年も不作…?」
(´・ω・`)「ど、どうしよう、去年も不作だったから蓄えがないよ…」
(´・ω・`)「水田はほとんど藍畑になってるし、一体どうすれば…」
凶作が重なると深刻な飢饉を招き、餓死者が出る事態にすらなりました。
『強制栽培制度』と呼ばれたこの制度。
(正式名称は『栽培制度』。『強制』は第三者によって命名されたものです)
これによってオランダは莫大な利益を上げましたが、
栽培を強制されたインドネシアは大きな負担を強いられたのでした。
【強制栽培制度編 完】

171 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:46:35 ID:4GR
そしてここから番外編の連投に入ります。
もう暫くお楽しみ下さい。

172 :名無しさん@おーぷん :2015/03/16(月)22:46:46 ID:M2h
未だにインドネシアの人がオランダに対して敵意を持っているのかがよく分かるわ…