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【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係
Part15


748 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:21:40 ID:oaL
( `o´)「………いや」
(*^◯^*)「!?」
( `o´)「我々だけの判断では、軍を動かすことはできない」
( `o´)「どうしてもと言うのなら…」
( `o´)「”スカルノ氏の承認”を要求する」
(*^◯^*)「なんだって!?」
( `o´)「彼が”良い”と言ったら、軍を動かすことに同意するよ」
(*^◯^*)「………あのクソジジイめ…」

749 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:22:44 ID:oaL
1945年8月15日夜
[スカルノ邸]
(*^◯^*)「というわけなんだ!」
(*^◯^*)「さぁ、スカルノ!」
(*^◯^*)「軍を動かす許可を出すんだ!」
(*^◯^*)「それでこの国は独立できるんだ!」
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………それはできない」
(*^◯^*)「!?」

750 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:23:51 ID:oaL
( ・`ω・´)「私たちは”日本との話し合いによる独立”を進めてきた」
( ・`ω・´)「そして南方軍総司令官・寺内元帥は、既にインドネシアの独立を認めている」
( ・`ω・´)「それなのに、今敢えて武力蜂起する意味はなんだ?」
( ・`ω・´)「独立予定日まで、あとたった数十日だ」
( ・`ω・´)「何故、それが待てないんだ?」
(*^◯^*)「そんなの知ったこっちゃないんだ!」
(*^◯^*)「”日本から与えられた独立”なんて、ぼくたちはいらないんだ!」
(*^◯^*)「ぼくたちは”武力”によって独立を勝ち取るんだ!」
(*^◯^*)「今こそ革命のときなんだ!」

751 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:24:52 ID:oaL
( ・`ω・´)「…馬鹿馬鹿しい」
(*^◯^*)「なんだと!?」
( ・`ω・´)「日本軍は未だに武力を保持したまま存在している」
( ・`ω・´)「”敗戦した”といっても、その事実は変わらない」
( ・`ω・´)「一方のインドネシア側に武力はない」
( ・`ω・´)「ほとんど素手同然だ」
( ・`ω・´)「歯向かえば壊滅する、それだけだよ」
(*^◯^*)「やってみないと分からないんだ!」
( ・`ω・´)「なら、やれるものならやってみろ」
( ・`ω・´)「これだから青年グループは…」

752 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:25:27 ID:g9x
今までの話の総決算やな

753 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:25:53 ID:oaL
(*^◯^*)「………」
(*^◯^*)「もういい!お前とは話にならないんだ!」
(*^◯^*)「帰るんだ!」
(^)'・▲・`(^)「全く、なんて奴らだ…」
そうして、スカルノと”青年グループ”の交渉は決裂。

754 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:26:57 ID:oaL
8月15日深夜から8月16日未明にかけて。
就寝中のスカルノ一家、ハッタ一家は、”青年グループ”に拉致されたのでした。

755 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:27:29 ID:CuS
おお、もぅ…

756 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:27:54 ID:g9x
なぜかイデオン思い出した

757 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:28:20 ID:oaL
彡(゚)(゚)「スバルジョ、急に呼び出してすまんな」
(o‘ω‘ n)「いえ、それよりも…」
(o‘ω‘ n)「スカルノとハッタが行方不明って、本当ですか?」
彡(゚)(゚)「…せや、一家揃って行方不明や」
彡(゚)(゚)「昨日、ここで話をしていったんやけどな…」
彡(゚)(゚)「…この混乱の中、何かあったら大変や」
(o‘ω‘ n)「はい、私の方で彼らの行方を捜してみようと思います」

758 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:29:33 ID:oaL
( ・◇・)「スカルノさんの家に男たちが乗り込んできてね」
( ・◇・)「みんな車に乗せて、向こうの方に行っちゃったんだ」
( ・◇・)「多分、”レンガスデンクロック”の方じゃないかな…?」
(o‘ω‘ n)「”レンガスデンクロック”か…」
レンガスデンクロック。
そこは民主主義運動の影響を受けた、スチプト中団長が指揮する街。
そして急進派”青年グループ”の巣窟でもありました。

759 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:30:34 ID:oaL

レンガスデンクロック:”ペタ”兵舎
(*^◯^*)「ただいまなんだ!」
(・団・)「お、連れてきたか!」
(*^◯^*)「スカルノ一家、ハッタ一家の拉致に成功したんだ!」

760 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:31:01 ID:g9x
愛国主義も変な方向に向かったら破滅にしかならないな

761 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:31:38 ID:oaL
( ・`ω・´)「君たち!我々を連れてきて一体どうする気だ!」
(*^◯^*)「そんなの決まってるんだ!」
(*^◯^*)「今すぐ武装蜂起を承認するんだ!」
(*^◯^*)「ぼくたちは今すぐ独立戦争を始めるべきなんだ!」
(*^◯^*)「そのためにはジャカルタの”ペタ”も一緒に武装蜂起するべきなんだ!」
(*^◯^*)「許可さえ出せば、すぐにでもお前たちは開放してやるんだ!」
(*^◯^*)「だからさっさと許可を出すんだ!」
( ・`ω・´)「馬鹿馬鹿しい、こんなことで我々が大人しく従うと思うなよ!」
(^)'・▲・`(^)「そうだ、話にならんよ」
(*^◯^*)「ぶざけたことを抜かしてるんじゃないんだ!」
このレンガスデンクロックでは、以前から着々と武装蜂起の準備が進んでいたのでした。
全ては、”インドネシア共和国最初の解放区”となるため。
日本軍による統治は、ほとんど限界に達しつつあったのでした。
日本軍の影響が及ばない”レンガスデンクロック”。
”青年グループ”はこの場所で、スカルノとハッタに即時独立を強要したのでした。

762 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:32:46 ID:oaL
[レンガスデンクロック]
(o‘ω‘ n)「やっと着いた、ここがレンガスデンクロック…」
(o‘ω‘ n)「スカルノたちはきっと”ペタ”の関係施設に拉致されてるはずだ」
(o‘ω‘ n)「虱潰しに探してみよう」

763 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:33:48 ID:oaL
8月16日深夜

[レンガスデンクロック:ペタ兵舎]
(*^◯^*)「つべこべ言わずさっさと承諾するんだ!」
(*^◯^*)「家族がどうなってもいいのか!?」
( ・`ω・´)「卑怯者め、だからお前たちの話には乗れないと言ってるんだ」
(*^◯^*)「なんだと!?」
(o‘ω‘ n)「そこまでだ、君たち!」
(*^◯^*)「!?」
(o‘ω‘ n)「ぼくはスバルジョだ、大人しく彼らを引き渡すんだ」
(*^◯^*)「そういう訳にはいかないんだ!」
(*^◯^*)「ぼくたちは今すぐ武装蜂起するべきなんだ!」
(*^◯^*)「今更後には引けないんだ!」

764 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:35:01 ID:oaL
(o‘ω‘ n)「どうしても武装蜂起するというのかい?」
(*^◯^*)「そうなんだ!今まで準備を進めてきたんだ!」
(*^◯^*)「この期を逃したらもうないんだ!」
(*^◯^*)「独立は、ぼくらの手で勝ち取るべきなんだ!」
(o‘ω‘ n)「……交渉は難しそうだな…」
(o‘ω‘ n)「………分かった、ならばこうしよう」
(*^◯^*)「?」

765 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:35:32 ID:g9x
悲劇にしかならないのか

766 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:36:21 ID:oaL
(o‘ω‘ n)「我々は、独立準備の最終段階として、」
(o‘ω‘ n)「8月18日に委員会会議を行う予定だった」
(o‘ω‘ n)「終戦で、それはご破算になってしまったけど…」
(o‘ω‘ n)「遠方からの参加者は、既にジャカルタに到着している」
(o‘ω‘ n)「近場の者は、すぐに集まれるだろう」
(o‘ω‘ n)「つまり、今、」
(o‘ω‘ n)「このジャワ島では、独立に関与する者が全て集まれるんだ」
(o‘ω‘ n)「………我々の手で、明日、独立を宣言しよう」

767 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:36:33 ID:mcM
これが70年前の出来事なんよね

768 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:37:34 ID:oaL
(*^◯^*)「!?!?」
(*^◯^*)「…そ、そんなことが本当にできるんだ!?」
(o‘ω‘ n)「…ああ、条件は全て揃っている」
(o‘ω‘ n)「独立は明日、果たされる」
(o‘ω‘ n)「これは他の誰でもない、インドネシア人による独立だ」
(*^◯^*)「………!!」
(o‘ω‘ n)「そして君たちにも、この独立に協力してもらいたい」
(*^◯^*)「!?」
(o‘ω‘ n)「我々は共に、独立を宣言しようじゃないか」
(*^◯^*)「………わ、分かったんだ!」
(*^◯^*)「その提案に乗るんだ!」

769 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:38:20 ID:CuS
onちゃんGJ

770 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:38:23 ID:mcM
有能有能&有能

771 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:38:38 ID:oaL
( ・`ω・´)「助けてくれてありがとう、スバルジョ…」
(o‘ω‘ n)「ああ、でもすまない、あんなことを宣言してしまって…」
(^)'・▲・`(^)「………確かに、独立を強要されたこの事件はとても不愉快だ」
( ・`ω・´)「だが、丁度良かったのかもしれない」
( ・`ω・´)「待っていては駄目だったんだ」
( ・`ω・´)「やはり我々は、我々の手で、独立するべきだったんだ」

772 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:38:40 ID:g9x
喜んでる感じが出てええわ

773 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:39:35 ID:oaL
8月16日夜
[ジャカルタ]
( ・`ω・´)「やっと戻って来られた…」
( ・`ω・´)「でもぐずぐずしてはいられない」
( ・`ω・´)「まずは日本軍の陸軍幹部に報告しに行かないと」

774 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:40:05 ID:g9x
最悪のbadエンド回避

775 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:40:32 ID:oaL
[陸軍・軍政監部]
(・日・)「………どうぞ」
( ・`ω・´)「失礼します、軍政監部・総務部長、西村少将」
( ・`ω・´)「夜分遅くにすみません」
( ・`ω・´)「ですが、事が急でしたのでご容赦下さい」

776 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:41:20 ID:oaL
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………我々は明日、独立を宣言します」
( ・`ω・´)「これまでお膳立てをして頂いたのに、申し訳ありません」
( ・`ω・´)「ですが、我々は今、独立するしかないのです」

781 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:43:10 ID:oaL
( ・`ω・´)「戦争が終わり、オランダの進駐軍が迫っています」
( ・`ω・´)「彼らがやってくれば、きっと戦前のインドネシアに戻ってしまうでしょう」
( ・`ω・´)「………植民地だったあの頃に、搾取されるだけの私たちに、戻ってしまうでしょう」
( ・`ω・´)「それだけは、避けなければなりません」
( ・`ω・´)「やっとここまで来たんです、独立の準備は全て、終わったんです」
( ・`ω・´)「あとは、独立するだけなんです」

783 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:44:07 ID:oaL
( ・`ω・´)「………今日、我々は日本軍の承認を得に来ました」
( ・`ω・´)「独立の承認を、得に来ました」
( ・`ω・´)「どうか、お願いします…」
(・日・)「………」
(・日・)「………申し訳ない」
(・日・)「………我々は、連合軍より”現状維持”を厳命されている」
(・日・)「………独立を認めることは、できないんだ…」

786 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:45:10 ID:oaL
(・日・)「………」
(・日・)「………だが、」
(・日・)「”我々は、何も聞かなかった”」
(・日・)「我々は、何も知らない」
(・日・)「だから、君たちを止めることも、ない」
(・日・)「………さぁ、早く行くんだ」
( ・`ω・´)「…ありがとうございます、失礼しました」

789 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:46:42 ID:mcM
>>786
かっこええ……

790 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:47:20 ID:g9x
>>786
本当にこんなドラマみたいな感じだったの?

796 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:49:56 ID:oaL
>>790
陸軍による独立承認は拒否されました。
しかしそれは同時に”黙認”され、独立に対する妨害もありませんでした。
”黙認”、それが彼らの精一杯の”誠意”だったのかもしれません。

788 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:46:22 ID:oaL
[海軍・武官府]
(o‘ω‘ n)「…失礼します、前田少将」
彡(゚)(゚)「おう、どうした」
(o‘ω‘ n)「”独立養成塾”では大変お世話になりました」
彡(^)(^)「ええんやで、あんなん先行投資や」
彡(゚)(゚)「………独立できんで、すまんな」
(o‘ω‘ n)「いえ、それはもういいんです…」
(o‘ω‘ n)「………」
(o‘ω‘ n)「………明日、我々は独立を宣言します」
彡(゚)(゚)「!」
(o‘ω‘ n)「今、スカルノが西村少将に独立の最終承認をもらいに行っています」
(o‘ω‘ n)「………ですが、承認を得るのは難しいかもしれません」
彡(゚)(゚)「………」

791 :名無しさん@おーぷん :2015/04/17(金)22:47:32 ID:oaL
(o‘ω‘ n)「独立宣言はつい先ほど決まったことです」
(o‘ω‘ n)「下準備もまだで、我々はこれから、独立宣言の起草を行わなければいけません」
(o‘ω‘ n)「……陸軍による妨害があるかもしれません」
(o‘ω‘ n)「我々には今、安全な場所が必要です」
(o‘ω‘ n)「………どうか、前田少将の武官邸を提供してもらえませんでしょうか?」
彡(゚)(゚)「…そか、分かったで」
海軍武官府の前田武官邸。
そこは、万が一陸軍による妨害があったとしても、それを排除できる唯一の場所でした。