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彡(゚)(゚)「・・・・・・天動説?」
Part1

彡(゚)(゚)「・・・・・・天動説?」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1469884361/

※携帯で見やすいように画像は縦にしています。もしガラケーで容量オーバーのため見れない画像がありましたら教えて下さい。

1 :名無しさん@おーぷん:2016/07/30(土)22:12:41 ID:o3W
(´・ω・`)「うん、『天動説』のこと教えてよ」
彡(゚)(゚)「なんや急に…より正しいのは地動説やで?」
(´・ω・)「どっちが正しいとかはよくわからないけど。昔の事知りたいなぁと思って」
彡(‐)(‐)「過ぎた事なんか知ってどうなるっちゅねん。大事なのは今やで」
(´・ω・`)「そうやって都合の悪い歴史からは目を逸らすんだね。侵略とか」
 
なんの事か分からんなぁ!
※AA略。
 
(#´・ω●`)「申し訳ありませんなんでもないです。でも天動説は気になります」
彡(^)(^)「ええで、スッキリしたから教えたるわ」
(#´゚ω●`)「………」
 〜 彡(゚)(゚) と (´・ω・`) で学ぶ 『天動説』 〜

3 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:13:36 ID:3wl
これは天文学に自信ニキ・・・?

5 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:16:43 ID:vuu
クッソ久々やんけ

7 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:17:13 ID:LSv
宇宙系は面白いし伸びるから期待

10 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:17:40 ID:o3W
(´・ω・`)「そもそも『天動説』と『地動説』は何が違うの?」
彡(゚)(゚)「どちらも細部が異なる様々な説があったんやけどな。
     共通した最も大きな違いは”太陽が動くのか、地球が動くのか”やな」
(´・ω・)「どっちがどっちだっけ…」
彡(゚)(゚)「”地球が中心で、その周りを太陽が回る”とするのが『天動説』、
     ”太陽が中心で、その周りを地球が回る”とするのが『地動説』や。
     知っての通り、より現実に近いのは地動説やな」
(´・ω・`)「じゃあなんで天動説があるの? 間違ってるんでしょ?」
彡(‐)(‐)「確かに間違いであることは否定できないんやけどな。なぜ天動説があるのかはちょいと歴史を紐解いていかなアカンわ」
(´・ω・)「歴史って言っても間違ってる説なんだよね? 紐解くほどたくさんあるの?」
彡(゚)(゚)「より現実に近い地動説が支持されるようになってきたのが17世紀頃や。
     正確な発祥時期は分からんが”16世紀半ばまでは天動説を正しいとする考え方が主流だった”んやで」
(;´・ω・)「え、じゃあ少なくとも1500年以上は天動説が支持されてたの…?」
彡(゚)(゚)「そういうことやな」
(´‐ω‐)「なんでそんなに長いあいだ間違いに気づかなかったんだろう…」
彡(゚)(゚)「アホな奴らやなあって思うやろ? でもこれにはちゃんと理由があるんや。ちょいと歴史を振り返ってみるで」

11 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:18:55 ID:f1H
哲学学んでたワイにはタイムリーなスレ

12 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:19:42 ID:UcD
久々の宇宙ニキか

17 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:22:27 ID:o3W
彡(゚)(゚)「まず天動説の発祥については…残念やけどはっきりとした事は分からん。
     紀元前の時点で天動説の基礎にあたる考え方が世界各地にあった事は分かっとるんやけどな」
(´・ω・)「基礎にあたる考え方っていうのは?」
彡(゚)(゚)「色々あるんやけど基本的には、ワイらの居る地上があって、その上を星々が廻っているって考え方や。
     まさか地球の方がが廻っているなんて考えた人はほとんどおらんかったし、
     この時点では天文学よりも哲学や神学の範疇になるものが大半やな」
彡(^)(^)「せやけど紀元2世紀頃、
     それまでバラバラだった宇宙に対する考え方を『天動説』としてまとめてしまおうって人が出てきたんや。
     『クラウディオス・プトレマイオス』という人やな」
(´‐ω‐)「聞いたことあるような無いような…」
彡(゚)(゚)「よく占いに使う12個を含む著名な星座(※1)の一覧を作って広めたのもこの人や。
     天文学、占星学、地理学など多分野で活躍したことで知られとるで」
彡(゚)(゚)「ほんで、プトレマイオスは各地に伝わる宇宙観や星に関する記録に独自の考え方を加えて本にまとめたんや。
     これが『アルマゲスト』という著書で、16世紀半ばまで天文学の教科書的な存在として扱われる事になるで」
(;´・ω・)「1000年以上も間違った本を教科書にしてたんだね…」
彡(‐)(‐)「そういう事になるわな。せやけど皆が皆1000年以上考えも無しに天動説を信じてたわけじゃないんやで」
彡(゚)(゚)「実は”プトレマイオスの天動説は非常に精度が高かった”んや。
     当時としては文句の付けようが無い理論だったんやな」

※1:著名な星座
『トレミーの48星座』と呼ばれる(トレミーとはプトレマイオスのこと)
これに新しく40個を加えた88星座が現在の天文学で使われる主な星座となっている

24 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:29:11 ID:o3W
(´‐ω‐)「間違ってる説なのに文句の付けようが無い理論? どういうこと?」
彡(‐)(‐)「ちょいと難しい話になるから順を追って説明するで」
彡(゚)(゚)「まず、プトレマイオスが登場するまで学者たちの頭を悩ませとったのは”惑星にだけ見られるの特殊な動き”や。
     『逆行』と呼ばれるもので、これは太陽系の天体特有の見かけの動きやな」
(´・ω・`)「どんな動きなの?」
彡(゚)(゚)「日々地球から惑星を見ていると星空の中を動いてゆくように見えるんやけど、時々Uターンして逆向きに進むんや。
     逆行の一例を挙げるとこんな感じやな」
[写真を見る]
彡(゚)(゚)「逆行は”太陽系の天体の軌道と速度がそれぞれ異なる事によって起こる”現象や。
     古代の学者たちは太陽系の本当の姿を知らんから、逆行は理解に苦しむ怪奇現象だったんやな」
(´・ω・`)「でもそんなに昔の人たちでも逆行が起きてる事自体は知ってたんだね」
彡(゚)(゚)「惑星は有史以前から特別視されとったからな。
     特別な存在である惑星の動きに常に注目しとる人がおったから、逆行にもすぐ気づいたんや」
(´・ω・)「星なんてたくさんあるのに、なんで惑星だけ特別扱いだったの?」
彡(‐)(‐)「恒星は地球から遠すぎるから人間が見てわかる程の動きは無いに等しいやろ?
     せやけど惑星は地球から比較的近いから見かけの動きも大きくて、恒星の中を動き回るように見えるわけや」
彡(゚)(゚)「さらに惑星は明るさが変わるし動きも複雑やから、嫌でも特別視せざるを得なかったんや。
     それ故に宗教や占星術においても重要な存在とされる事が多かったんやで」
(´・ω・)「そっか、だから惑星の動きを気にする人が多くて逆行にも気づいたんだね」
彡(゚)(゚)「まぁそんなとこやろな。ちなみに、動きが速く明るさが変わったり時に逆行したり。
     そんな動きを見て”星が惑っているように感じられた”のが『惑星』という名前の由来だとされとるで」

29 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:35:16 ID:o3W
(´・ω・`)「それで、どうして惑星の逆行が問題だったの?」
彡(゚)(゚)「惑星が地球の周りを廻っているだけという単純なモデルでは説明がつかない動きだからや。
     もし惑星の軌道が地球を中心とする円なら、常に同じ方向に動くように見えるはずやろ?」
(´・ω・)「惑星は気まぐれだから、たまに軌道上を逆向きに進むって事でよかったんじゃない?(適当)」
彡(‐)(‐)「まぁ一番簡単に思いつくのはそれやろな」
彡(゚)(゚)「せやけど、それは当時の人たちからしても納得のいかない考え方だったんや。
     ”天体の動きは等速円運動である”(※2)ってのが一つの前提とされとったからな」
(´‐ω‐)「等速円運動ってことは、速さが変わったり戻ったりはできないってことだよね。
     それじゃあ逆行を説明するなんて無理なんじゃないの?」
彡(^)(^)「ところがどっこい、プトレマイオスの天動説は等速円運動で逆行の原因を説明しとるんや」
(;´・ω・)「え、どういうこと?」
彡(゚)(゚)「複数の等速円運動を組み合わせる事で逆行を再現できると考えたんやな。
     ”導円と周転円”という概念で、この概念自体はアポロニウス(紀元前3〜2世紀頃の数学者)が考案したものや」
彡(゚)(゚)「プトレマイオスはこの概念を取り入れる事で惑星の動きを精度良く再現して見せたんや」

※2:天体の動きは等速円運動である
紀元前6〜5世紀頃にピタゴラス学派によって示されたとされる理論の一つ
物体の動きを幾何学的に紐解こうとした事から生まれた当時の考え方の中でも代表的なものであり、
17世紀に入ってヨハネス・ケプラーが登場するまで2000年以上に渡って天文学の基本とされていた

36 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:41:13 ID:o3W
(´・ω・`)「導円と周転円ってどんなものなの?」
彡(゚)(゚)「天動説における導円と周転円を文字で説明すればこんなんやな」
◆導円…地球を中心(または中心付近)とした円
◆周転円…導円の円周上の一点を中心とした円であり、周転円の中心点は一定速度で移動する
彡(゚)(゚)「ほんでもって、惑星はこの周転円の円周上を等速円運動するって事にしたんやな。
     これで見かけ上の逆行を説明したわけや」
(´・ω・`)「…………」
彡(‐)(‐)「分からんか…単純な図にすればこんな感じや。これを『周転円モデル』と呼ぶで」
[写真を見る]
(;´・ω・)「どう考えてもありえなさそうな軌道だよね」
彡(‐)(‐)「現在のワイらにとってはそうやな。せやけど当時の人たちからすればさほど受け入れ難いものでもなかったんや」
彡(゚)(゚)「円運動の組み合わせで逆行を再現し、地球からの距離が変わることで明るさが変化する理由も説明して見せたんや。
     しかも二つの円の大きさと移動速度を調整すれば当時の惑星(※3)の見かけの動きはほとんど再現可能だったんやな」
(´・ω・)「一見めちゃくちゃだけど、実は万能な理論だったんだね」
彡(゚)(゚)「しかも当時は引力や運動量といった概念が無かったから、物理法則なんかを気にする人もおらんかった」
彡(゚)(゚)「さらに宗教や数学の影響で”真円を絶対視する傾向”があったんや。
     そんな人たちにとっては、全てを円運動で再現した周転円モデルはこの上なく美しい理論だったってわけやな」

※3:当時の惑星
プトレマイオスが生きた時代に惑星とされていたのは月、太陽、水星、金星、火星、木星、土星の7つであり、いわゆる七曜
現在惑星に分類される天王星と海王星は未発見であり、
月と太陽は特別視されてはいたものの区分は惑星とされる事が多かった

50 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:46:34 ID:o3W
(´‐ω‐)「なるほどね、天動説は当時としては理にかなった考え方だったんだね」
彡(゚)(゚)「おっと、まだ終わりじゃないで。プトレマイオスは周転円モデルにさらに改良を加えとるんや。
     このままじゃアポロニウスの考えをパクッただけやしな」
(´・ω・`)「まだ手を加える必要があったの?」
彡(‐)(‐)「あったんやなぁ。確かに周転円モデルを使えば惑星の見かけの動きに説明を付ける事は可能やった」
彡(゚)(゚)「せやけどプトレマイオスは占星学者でもあったんや。
     それゆえに惑星の動きを再現するだけではなく”将来の動きを予測できなければならない”と考えたんやな。
     真面目なもんやで」
(´^ω^`)「やきうのおにいちゃんだったら、そんなん別にええやろって言って妥協するところだよね」
 
何様じゃ!腐れ原住民が!
※AA略。
 
(#´・ω×`)「プトレマイオスはやきうのおにいちゃんみたいに責任感の強い人だったんだね」
彡(^)(^)「せやからより予測精度を高めるために改良を加えたんやな」

58 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:52:02 ID:o3W
(´・ω・`)「どんな改良を加えたの?」
彡(‐)(‐)「順を追って説明するで」
彡(゚)(゚)「まずはさっきの『周転円モデル』を思い出して欲しいんやけど、
     あれはあくまで地球が中心やから、地球から惑星の動きを見ていれば長い目では速度は変わらん事になるやろ?」
(´‐ω‐)「たまに逆行するようには見えるけど、周転円が導円に沿って動く速度は一定だもんね」
彡(゚)(゚)「せやな。しかしプトレマイオスは、惑星には周転円モデルだけでは説明できない移動速度の変化があると気づいたんや」
(´・ω・`)「移動速度の変化? 惑星の動く速度が変わってるの?」
彡(゚)(゚)「せやで、実際に惑星の移動速度は変化しとる。理屈はこうやな」
[写真を見る]
彡(‐)(‐)「この図では分かりやすくするために極端に描いたんやけど”惑星が描く軌道は真円ではなく楕円”(※4)や。
     そして2つある焦点の片方に位置する太陽に近づくほど速く、遠ざかるほど遅く移動するってのが実際の姿やな」
彡(゚)(゚)「プトレマイオスはこの実際の姿を知ることは無かったんやけど、移動速度が変化する事には気づいていたんやな。
     ほんで、将来の惑星の動きを予測するにはこの速度変化も説明しなきゃならなかったんや」
(´・ω・)「どうやって説明したの?」
彡(^)(^)「その説明のために『エカント』と呼ばれる新しい概念を導入したんや」

※4:惑星が描く軌道は真円ではなく楕円
基本的に天体の公転軌道が真円になる事はない
計算上は真円を描く可能性もゼロでは無いと思われるが、他の天体の引力やガスや塵の影響を受けて楕円軌道で安定する
太陽系の天体の公転軌道も真円のように見える場合もあるが実際は楕円である

70 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)22:58:47 ID:o3W
(´・ω・`)「『エカント』ってなに?」
彡(゚)(゚)「まず惑星を連れた周転円の軌道である円の中心から地球をずらして、
     円の中心を基準に地球と点対称になる位置に架空の点を設定する。この点が『エカント』や」
彡(゚)(゚)「さらにエカントから惑星を見ると見かけの移動速度が一定になるという条件も加えたんや。
     これによって周転円モデルだけでは説明できない移動速度の変化にも理由を付けたんやな」
(;´・ω・)「………?」
彡(゚)(゚)「まぁこの説明だけで理解できたら相当なもんや。図にすればこんなんやな」
[写真を見る]
(´‐ω‐)「分かったような分からないような…」
(´・ω・)「というか”天体の動きは等速円運動である”のが前提とされていたってさっき言ってたよね?
     この図の通りだと惑星の動きは等速じゃなくなるんじゃないの?」
彡(゚)(゚)「実はその通りで、エカントはその前提を覆してしまう概念だったんやな。
     もちろんこれは大きな波紋を呼んで、この後の時代に登場する天文学者もエカントには批判的な人が多かったんやで」
彡(‐)(‐)「せやけどエカントの導入によって惑星の見かけの動きの予測精度がより高まったのは確かや。
     美しくないからと言って嫌う人はおったけど、理論で覆すのは難しかったんやな」
(´・ω・)「嫌いだけど反論できないなんて悔しいだろうね…」
彡(゚)(゚)「せやろなぁ…。せやけど、等速円運動がどうこう以前に”地球が中心である”事を大前提としとったからな。
     現実と異なる条件の中で現実に説明を付けるのは不可能と言ってもええやろ」
彡(‐)(‐)「プトレマイオスはそんな条件の中で、これ以上正解に近づく事ができない域に達してたのかも知れんな」

71 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)23:00:27 ID:R7F
>>70
これおもろい考え方やな

72 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)23:00:38 ID:61d
ワイ、やはり理解できず

75 :名無しさん@おーぷん :2016/07/30(土)23:03:53 ID:xPZ
昔の人達頭ええなぁ