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彡(゚)(゚)「・・・・・・月?」
Part2


61 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:05:14 ID:L8a
(´・ω・`)「じゃあ逆に言えば、それ程大きな衝突があれば衛星が生まれるの?」
彡(゚)(゚)「勿論衝突さえあれば無条件で衛星が誕生するわけではないで。
     ジャイアント・インパクト説においてテイアは地球にかすめるように衝突したと推測されとるな」
(´・ω・)「どうしてそんな事が分かるの?」
彡(-)(-)「正面衝突するとお互い木っ端微塵になって、再び集積した時に一つの天体にまとまってしまう可能性が高いんや。
     これやと地球は生まれても月は生まれん」
彡(゚)(゚)「一方かすめるように衝突すると互い適度に飛び散って、一つの大きな塊の周りを破片が回るような状態になるんや。
     その破片同士が集まって月になったとされる説が有力やな」
(;´・ω・)「正面衝突したら粉々になっちゃうんだ・・・」
彡(゚)(゚)「かすめるような衝突でも受けたエネルギーは相当なものやで。
     地球も月もそれぞれ一度は『マグマオーシャン』と呼ばれる完全に融けたような状態になったと言われとるな」
(´・ω・)「じゃあ地球にあったものは全部融けちゃったの?」
彡(゚)(゚)「せやな。当時の地球に存在したものはほとんど融けて混ざってリセットされてもうたから、
     地質学的にそれ以前の事を知る手がかりは地球には残ってないんや」
彡(^)(^)「まぁでもモノは考えようや。巨大衝突によって月と地球の関係が確立されたわけやし、
     このジャイアント・インパクトを地球と月の誕生の瞬間とするのが広く浸透した考え方やな」
(´-ω-)「そっか、地球と月が同時に生まれた事になるんだね」

62 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:06:55 ID:BlG
かすめたら地球がぐるぐる回転しそう

70 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:15:57 ID:L8a
(´・ω・`)「衝突した時の破片がそれぞれ固まって同時に生まれたって事は、
     地球と月は同じ物を分け合ってできた瓜二つの天体なのかな。まぁ大きさは違うけど」
彡(-)(-)「そうとも言えるし違うとも言える微妙なところやな」
(´-ω-)「どういうこと?」
彡(゚)(゚)「”同じ物を分け合った”と言うだけなら間違いではないやろな。
    しかし”平等には分け合ってない”のがポイントや。地球と月は組成が異なる天体同士になってしまっとる」
(´・ω・)「地球も月もぐちゃぐちゃになっちゃう程激しく衝突したのに、どうして組成が違うの?」
彡(゚)(゚)「”テイアは地球にかすめるように衝突した”って言ったやろ? そのぶつかり方に大きな原因があるんや」
[写真を見る]
彡(゚)(゚)「一部例外を除けば天体の構造は実に単純や。”重いものほど中心に、軽いものほど表層に”これだけやな。」
(´・ω・)「地球でも重い金属は深く沈んで核になって、それより軽い岩石は浅い部分に集中してるんだっけ?」
彡(゚)(゚)「せやな、当然その構造は衝突前の原始地球とテイアでも同じや。
     ほんでテイアは地球にかすめるように衝突したから、地球の表層付近だけを吹っ飛ばしたわけやな」
(´・ω・)「そっか、その表層付近には軽い物質が集中してたんだね」
彡(゚)(゚)「そういうことやな。まぁあとは想像の通りやろうけど、吹っ飛ばされた軽い岩石なんかが集まって月になって、
     比較的飛ばされにくい重い金属なんかは地球に集まって沈んでいったってわけやな」

74 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:24:13 ID:L8a
(´・ω・`)「それにしても、月が出来る程たくさんの破片をあの距離まで吹き飛ばすなんてすごい衝撃だね。
     地球と月の距離は38万kmくらいだっけ?」
彡(゚)(゚)「あぁ、これも一緒に説明せなアカンかったな。実は昔の地球と月の距離は今よりずっと近かったんやで」
(´・ω・)「どれくらい近かったの?」
彡(゚)(゚)「この数字も諸説あるんやけどな。
     ”月が生まれた当時の地球との距離は約2万km程度”ではないかと言われとるで」
(;´・ω・)「今が約38万kmだから、その19分の1? 随分近いね」
彡(゚)(゚)「せやな、当時の地球から見た月は今の20倍以上の大きさに見えたはずや」
(´-ω-)「20倍かぁ、想像できるようなできないような・・・」
彡(゚)(゚)「現在の月の見かけの大きさは”腕を伸ばして持った5円玉の穴の大きさ”と表現される事が多いみたいや。
     それに従って20倍なら”腕を伸ばして持ったソフトボールの大きさ”って事になるで」
彡(-)(-)「野球ボールと言いたいところやけど、こればっかりはしゃーないな」
(´・ω・)「思ったほど大きくないや。野球ボールじゃもっと小さいし・・・」
彡(゚)(゚)「それでもワイらが見慣れた月とはかけ離れた大きさや。息を呑むような光景だったんやろなぁ」
彡(-)(-)「と言っても当時の地球は一面溶岩の海やから、実際に見た者は誰もおらんやろうけどな・・・」

79 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:31:25 ID:L8a
(´・ω・)「でも待ってよ、最初はそんなに近くに月があったのになんで今は離れてるの?」
彡(゚)(゚)「そら離れていったからに決まっとるやろ。
     形成当初から今に至るまでずっと”地球と月の距離は大きくなり続けてる”んやで。今後もしばらくはそのままや」
(;´・ω・)「月って地球から離れていってるの? どれくらい?」
彡(゚)(゚)「ここ最近は平均して”年間38mmのペース”で距離が大きくなってるという資料があるで。
     せやけどこの変化量も年によってバラつきがあって一定ではないみたいやな」
(´・ω・)「すごく小さい変化なんだね。でもどうして離れていっちゃうの?」
彡(-)(-)「月が離れて行く原理はちょいと難しいんやけどな・・・ 簡単に図を描けばこんな感じやろか」
[写真を見る]
(´・ω・)「『潮汐力』はさっき教わったやつだね」
彡(゚)(゚)「せや、さっきは”地球から受ける潮汐力によって月が伸びるように変形する”って話をしたやろ?
     あれは月から地球に対しても同じで、地球も僅かに変形するんや」
彡(-)(-)「と言っても、地球の変形のほとんどは海面が上下する形で現れるんやけどな」
(´・ω・)「潮の満ち引きがあるのは潮汐力のせいなんだね」
彡(゚)(゚)「せやな。太陽と月から受ける潮汐力が大きいから、
     その2つの天体と地球の位置関係が変わることで潮が満ちたり引いたりするわけや」

85 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:38:26 ID:L8a
彡(-)(-)「ほんで難しいのはこっからや。地球の自転速度は月の公転速度より圧倒的に速いやろ?」
(´・ω・)「地球の自転周期は1日で、月の公転周期は27.32日だったね」
彡(゚)(゚)「せや、その差によってさっき説明した”衛星の自転と公転が同期する経緯”と同じ事が地球にも起こるんや」
(´・ω・)「・・・・・・どういう経緯だっけ?」
 
何の為に説明したんじゃ腐れ原住民が!
※AA略。
 
(#´・ω◎`)「もう一度簡単にお願いします」
彡(゚)(゚)「潮汐力によって引き伸ばされた天体が相手の天体より早く回ることで、自転にブレーキがかかるって理屈や」
(#´・ω◎`)「あぁ、そうだったね。という事は地球の自転に月がブレーキを掛かけてるの?」
彡(゚)(゚)「せやで、”地球の自転速度は徐々に遅くなっている”んや」

88 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:42:20 ID:L8a
(´・ω・`)「でも地球の自転が遅くなるのと月が離れて行くのになんの関係があるの?」
彡(-)(-)「自転が遅くなるという事は言わば”エネルギーを失っている”という事や。
     そしてエネルギーを失うという事は”どこかに何らかの形でエネルギーが移動した”という事や」
彡(゚)(゚)「どこに移動したかは話の流れからなんとなく分かるやろ?」
(´・ω・)「地球が持つエネルギーが月に移動してるって事?」
彡(゚)(゚)「そういう事やな」
(´-ω-)「地球からエネルギーを貰ってるのに地球から離れて行くの? なんかよくわからないなぁ」
彡(゚)(゚)「イメージはしづらいやろうけどな、地球から貰ったエネルギーの一部が公転の進行方向に働くんや。
     そうすると月は軌道上で加速して、元の公転軌道から僅かに外側にはみ出してしまうわけや」
彡(゚)(゚)「車がカーブの途中で加速したら、曲がりきれなくなってより外側を走らざるをえなくなるのと似たようなもんやな」
(´・ω・)「一度はみ出すと戻って来ないの?」
彡(゚)(゚)「厳密には全く戻ろうとしないわけではないで。せやけどさっき説明した地球→月のエネルギーの移動は、
     ”地球と月の自転と公転が互いに同期するまで続く”んや。長期的に見れば離れて行く勢いの方が大きいんやな」
(;´・ω・)「互いに同期するまでって・・・それいつまで続くの?」
彡(゚)(゚)「地球と月の距離が50万km程度になると互いにほぼ同期して軌道も安定すると言われとるな。
     せやけどそれがいつになるかは予測が難しくて説によるバラつきが大きいんや」
(´・ω・)「バラつきが大きいって、例えば?」
彡(゚)(゚)「40億年後とか50億年後とか、中には100億年後なんて意見もあるで」
彡(゚)(゚)「まぁいずれにしろその頃の地球は人間が住めるような環境じゃなくなってるやろうしなぁ。
     もしそうでなくともワイらはとっくに死んどるし、知ったこっちゃないわな」

90 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:46:04 ID:L8a
今日はここまで
この後の内容は
・月に関わる天文現象について
・月の探査について
明日の代表戦終わったら再開するやで

91 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:46:44 ID:fN4
サンイチ日本の探査衛星でるやん!

92 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:46:53 ID:bDd
おお、おつやで
明日も見にくるわ

93 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:47:15 ID:zSM
おつやで

94 :名無しさん@おーぷん :2016/03/05(土)23:48:48 ID:qVY
やっぱアポロの話も出るんか
楽しみンゴねぇ

103 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)12:39:50 ID:w4a
月のクレーターが裏側に多い理由も説明してクレメンス。少し調べたが色んな説があるみたいで混乱しとる

106 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)14:12:48 ID:nBi
>>103
最近の話しでは、
裏側は比較的すぐに冷えて硬くなったが
表側は地球がまだマグマオーシャンだった状態の時に熱せられて
なかなか固まらなかったから、って聞いたな。

107 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)17:59:20 ID:WgW
>>103
月の表が滑らかで裏は凹凸が多いように見える要因は単順に一つのものではないはずやね
分けて解説すると

◆内部構造によるもの
形成される時に地球から強い重力を受けた事で月内部のマントルや核が地球側(今の月の表側)に寄ったままで安定
そのため月の表側は冷え固まった地殻が薄く、裏側は厚くなる
そこに隕石が衝突すると、表側ではクレーターが地殻を破ってマントルに到達し、溶岩が漏れ出す
その作用により、表側は大きめの衝突がある度に表面が更新されて過去のクレーターが消された
一方裏側は地殻が厚いので、多少の衝突では溶岩が漏れ出す事も無く多くのクレーターが残っている

◆地球からの放射熱によるもの
形成当初は地球・月ともにマグマオーシャンの状態だったが、小さく軽い月の方がが早く冷え固まる
しかし月が冷えても地球はまだ赤熱していた上に地球との距離も異常にに近かった為、
月の表側は地球からの放射熱で保温されてしまい固まるのが裏側より遅れる
その分だけ表側は表面の更新が続き、裏側と比べると凹凸が少ない
この2つの要因が重なって表と裏の差が生じたってのが通説やと思うんやけど、もしかしたら古い考えかも知れん
ちなみにこの「表面が更新」された部分ってのが主に『海』と呼ばれる黒っぽい部分やね

108 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)18:14:44 ID:w4a
>>106 >>107
ありがとナス。
他にも地球側から来た隕石は地球に落ちるからクレーターが少ないってのもあったんだが、それはあまり関係なさそうかな?

109 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)22:05:40 ID:WgW
>>108
それも関係あると思うで
隕石の飛来数に表裏でどの程度差があるかはワイは知らんから確かな事は言えんけども
試合終わったから再開するやで

110 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)22:10:25 ID:ZTs
読むやで

111 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)22:11:24 ID:EzH
みてるで

112 :名無しさん@おーぷん :2016/03/06(日)22:12:25 ID:WgW
(´・ω・`)「ところで、ここまで遠い昔の話と遠い未来の話しかしてないよね」
彡(゚)(゚)「しゃーないやろ、そんなにコロコロ環境が変わるわけじゃないんやから」
(´・ω・)「なにか月に関して僕らでも体感できる話とか無いの?」
彡(-)(-)「月に関わる天文現象ならいろいろあるわな。
     ワイが解説できる中で代表的なのは『日食』・『月食』・『地球照』くらいやろか」
(´・ω・`)「じゃあ『日食』から教えて」
彡(゚)(゚)「『日食』は”太陽と地球の間に月が入ることで太陽が覆い隠されて見える現象”やな。
     たまーに話題になるからこれは知っとるやろ?」
(´・ω・)「知ってはいるけど数年に1回くらいしか話題にならないよね。
     身近な天体同士の話なんだから、もっと頻繁に起こってもよさそうな気もするんだけど」
彡(゚)(゚)「日食がたまにしか起こらないのは月の『軌道傾斜角』(※4)に原因があるんや」
[写真を見る]
彡(゚)(゚)「黄道面に対する月の軌道傾斜角は約5度や。
     つまり地球から見た太陽の軌道と月の軌道は交差しとるだけで一致はしとらん」
(´・ω・)「太陽と月がその交点に同時に来た時にだけ日食が起こるんだね」
彡(゚)(゚)「せやな。その周期はだいたい177日やから、”日食は年に2回程度発生する”ってことやな」

※4:『軌道傾斜角』
ある天体の公転軌道が基準面からどれだけ傾いているかを表す数字
今回の場合の「ある天体」は月、「基準面」は黄道面(地球から見て太陽が通る軌道面)