彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
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Part8
329 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)13:19:15 ID:
Lm2
ホテル内
紳士「さぁ、好きなものを注文するといい」
(´・ω・`)「じゃあ僕は…」
彡(゜)(゜)「……」
(´^ω^`)「ふふ、僕こんなところに来たことないよ! アドルフは何を食べる?」
彡(゜)(゜)「せやな…じゃあワイは」
食後
(´^ω^`)「ああ〜美味しかった 本当に今日はありがとうございます」
(´・ω・`)「って、あの紳士の方は?」
彡(゜)(゜)「いつの間にかいなくなったな」
紳士「おまたせ デザートはケーキしかなかったんだけどいいかな」
(´・ω・`)「デ、デザートまで!」
彡(^)(^)「おっ、甘い物はワイの好物や」
330 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)13:25:55 ID:
Lm2
食後
(´^ω^`)「ああ〜もうお腹いっぱいだ」
彡(゜)(゜)「すっかりご馳走になりました」
紳士「いやいや、若者を応援することが大人の務めというものさ」
紳士「しかし、君は最近の若者にしては鋭い考えを持ってるようだね 先程交差点で君たちの話を聞いたらイても立ってもいられずにね」
(´・ω・`)「アドルフはすっごく女の人にモテるんですよ でも、全然それに興味を示さないんです」
彡(゜)(゜)「おいおい、よせって」
紳士「ほう…実に興味深いね」
334 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)13:36:38 ID:
Lm2
(´・ω・`)「さっきだって女の人からお誘いのカードを貰ったのにチラっと見ただけでしまっちゃうんです」
紳士「ははは、君は私の若い頃にそっくりだね」
紳士「私はフェクラブルックの工場主をしていてね、最近は金目当ての婦人ばかりに寄られてね」
彡(゜)(゜)「最近のウィーンは欲にまみれてますからな かつての英雄がいた時代が輝かしいばかりです」
紳士「本当にね… 筋骨隆々の男達が戦場で合間見えていた時代はもう遠い昔だ」
紳士「君の方は音楽を学んでいるんだってね 私は最近室内音楽に凝っているんだが」
(´・ω・`)「本当ですか! 室内での音響は〜」
喋ること数分
(´・ω-`)「うーん、少し眠くなってきたかな……?」
彡(゜)(゜)「はは、彼は毎朝早いのでこの時間はもうベッドの上なんです ではそろそろ」
紳士「ああ、今日は実に楽しかったよ」
紳士「それと君……」
335 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)13:42:58 ID:
Lm2
二人の借家
彡(゜)(゜)「クビツェク、起きろや」
(´・ω-`)゜゜「うーん、あれ、僕いつの間にか寝ちゃってた?」
彡(゜)(゜)「全く、お前を背負って来るのは大変やったで」
彡(゜)(゜)「ところでクビツェク、お前あの紳士を気に入ったか?」
(´・ω・`)「申し分ないよ! 芸術を好み、とても教養ある人だ」
彡(゜)(゜)「他には?」
(´・ω・`)「? 他に何があるんだい?」
彡(゜)(゜)「クビツェク、どうやらお前は肝心なことを何もわかっとらんな」
336 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)13:48:50 ID:t1J
ヒトラーいなかったら完全に掘られとるやんけ
337 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)13:50:22 ID:
Lm2
彡(゜)(゜)「このカードを見てみいや」
(´・ω・`)「何のカードだい? 名刺?」
『また、今日と同じホテルにおいで』
彡(゜)(゜)「つまり、あいつはホモや」
(´゜ω゜`)「ええ……!? 何それ……?」
彡(゜)(゜)「ホモってのはな……」
ーーーーーー
(´゜ω゜`)「ひええ…… アドルフ、まさかまた行くの……?」
彡(゜)(゜)「行くわけないやろ、このドアホ! 名刺はストーブにポイーや」
アドルフは大都市のさまざまな性的倒錯に強い嫌悪感をもって立ち向かっており、彼は自身も、若者がよく耽るマスターベーションを拒否していた
338 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)14:00:06 ID:
Lm2
堕落した都市ウィーンの真ん中で、アドルフは自身の周囲に堅固な防壁を築いていた
(´・ω・`)「うう…なんかショックだよ」
彡(゜)(゜)「まだまだクビツェクは田舎もんやな ここきて1年やぞ? ええ加減都会に染まれや」
それによって、危険な周囲から独立して内面的自由の中に自分の身を置くことができたのだ
彡(゜)(゜)ギュルギュル
(´・ω・`)「はは、アドルフまた空腹でお腹が鳴ってるよ ……あれ? さっきご馳走食べたのになんで? 」
彡(゜)(゜)「さ、最後に飲んだ紅茶が腹に合わんかったみたいやな!」
彼は孤独であり続け、修道士のような禁欲生活の中で自分の存在を守り続けているのだ
339 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)14:00:25 ID:
Lm2
続く
340 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)14:04:07 ID:SLW
おつおつ
342 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)14:12:27 ID:FDV
ヒトラーって人を惹きつけるものがあるよな
343 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)14:13:30 ID:WNn
>>342
虐殺行為はNG
345 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)14:23:27 ID:2i7
>>342
こっそり中共に武器流してたり著書で有色人種disやってたから絶許
349 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)14:59:56 ID:t1J
>>343
ホロコーストは嘘が今の主流や
第二次大戦直前までユダ公が900万以上ドイツ領にいないと計算が合わないし、大量虐殺にあったのに戦後5年で800万人も増えるのは流石に不自然やで
350 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)15:38:47 ID:u8z
第一章は終わったな
351 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)15:43:54 ID:f4v
このスレが異様におもろいんはイッチの筆力かヒトラーのカリスマ性かクビツェクちゃんのかわいさか…闇深
352 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/18(火)16:27:47 ID:dRP
一気に読んだ、期待してるで
364 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)17:29:14 ID:
Htq
1908年4月
大家「クビツェクさんに手紙ですよ」
(´・ω・`)「どうも 何かな」ビリー
(´・ω・`)「……」
彡(゜)(゜)「どしたクビツェク」
(´・ω・`)「これだよ よんでごらん」
彡(゜)(゜)「どれどれ」
彡(゜)(゜)「……」
彡(●)(●)「クビツェク、絶対行っては駄目や もし行ったらおまえは愚か者や こんな令状、ワイが破り捨てたる!」
(´゜ω゜`)「あっ、駄目だよ!」
366 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)17:35:34 ID:
Htq
(´゜ω゜`)「全く、ヒヤヒヤさせないでよ」ゼーゼー
彡(。)(゜)「くそ、一体どうすれば……」
(´・ω・`)「まだ合格になるとは決まってないよ 去年肺病になったし」
彡(゜)(゜)「せやな、とにかく、リンツに戻って兵役検査は受けた方がええ」
彡(●)(●)「だがもし、合格した場合はこっそり越境してドイツに行くんや 絶対ハプスブルク家の兵隊になったらアカン」
(´・ω・`)「そんなことできるのかな…」
彡(゜)(゜)「あと9ヶ月でワイも20や その時がきたらワイはそうするで」
(´・ω・`)「とにかく、音楽院の先生に相談してみるよ」
367 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)17:43:46 ID:
Htq
音楽院
校長「君は音楽院生だから、1年志願兵になる資格がある でも君は職人の息子だから後備兵に志願したほうがいい」
(´・ω・`)「兵役を逃れる為にドイツに行くという方法はどうでしょうか」
校長「!? 悪いことは言わないからやめておきなさい……」
校長「とにかく、ご両親に手紙を出すんだ」
(´・ω・`)「はい」
数日後
父『お前はなんてことを言い出すんだい?』
(´・ω・`)「えっ」
父『国境越えなんてしたら脱走とみなされ罰せられるだろう そしたら故郷に帰ることができなくなり、もう私達と会うこともできなくなる』
(´゜ω゜`)「これは校長先生の言う通りにした方が良さそうだ…」
368 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)17:44:19 ID:p1d
軍靴の音が聞こえる(左並感)
369 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)17:51:15 ID:
Htq
(´・ω・`)「ということで、後備兵に志願するために今期の授業と学期末コンクールが終わったら一旦リンツに帰るよ」
彡(゜)(゜)「ムム……たとえ3ヶ月といえどもハプスブルクの兵隊に……」
彡(゜)(゜)「まっ、ワイと違ってお前は家族と故郷があるからしゃあないな」
(´・ω・`)「やっぱり自分の時はやるつもりなんだね……」
彡(゜)(゜)「それより、期末のコンサートが近いんやろ? 指揮者への進路が決まるイベント言うてたやないか まずはそれに集中しろや」
(´・ω・`)「うん そうするよ」
こうして、いつも通りの日々が過ぎていった
371 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:01:27 ID:
Htq
数ヵ月後 ヨハンネスホール
♪〜♪〜♪〜
(´・ω・`)(よし、カールもソリストも練習どうりにやれてる)
(´・ω・`)(簡単な演奏じゃないけど…このままミスなくいってくれ…!)
バチバチパチパチパチパチパチパチ
(´・ω・`;)(ふぅ、なんとか無事に終わったぞ)
(´゜ω゜`)(でも本当の難関は次…! 僕の作曲したオーケストラ曲がプロの宮廷歌手に歌われるんだ…!)
アーツキホーシタチヨー
(´>ω<`)(これに僕の芸術家人生がかかっている…! どうか…!)
372 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:08:38 ID:
Htq
(´・ω・`)(お、終わった… )
パチパチ
(´・ω・`)(お……)
パチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチ
(´゜ω゜`)(やった…拍手だ…)
楽屋
彡(゜)(゜)「おークビt」
教授松「凄い反響だったぞ 指導したものとして鼻が高いぞ」
(´・ω・`)「教授! ありがとうございます」
校長「いやー期待以上だ ドラフト一位も夢じゃないよ」
(´^ω^`)「またまたそんな…」
ワイワイ ガヤガヤ
(´^ω^`)
ワイワイ ガヤガヤ
彡(゜)(゜)「……」
373 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:14:00 ID:Doi
孤独感がエキサイトしている
374 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:21:34 ID:
Htq
(´・ω・`)(一年前まで、僕はほこりっぽい椅子張り職人だった…)
(´-ω-`)(内気な僕がここまでこれたのは、アドルフのおかげだ 感謝してもしたりないよ)
彡(゜)(゜)「おめでとさん」
(´^ω^`)「アドルフ! ありがとう!」
公園
(´・ω・`)「あと2、3日したら、僕はリンツに戻って兵役検査を受けるよ」
彡(゜)(゜)「久々の故郷や 両親と過ごしてこいや」
紳士「そうだよ 里帰りして親孝行しないと」
(´・ω・`)(なんでこの人がいるんだろう)
紳士「今日の指揮は迫真の出来だったらしいじゃないか どこかのオーケストラから推薦もウケたんじゃないか?」
彡(゜)(゜)「え…そうなんか」
(´・ω・`)「えっと…まぁ紹介はされたけど」
375 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:23:28 ID:OTe
紳士ってあのホモか?
376 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:32:32 ID:
Htq
彡(゜)(゜)「…… そか よかったなクビツェク」
紳士「で、これからどうするんだ?」
(´・ω・`)「どうするって… 故郷に帰って… 兵役をうけて…」
(´・ω・`)「いずれにせよ、僕達は一緒です」
彡(゜)(゜)「……」
1908年7月
駅
(´・ω・`)「じゃあ、暫くの間お別れだねアドルフ ステファニーのこと、ちゃんと調べておくよ」
彡(゜)(゜)「いや、ステファニーのことは調べんでもええ」
この時、僕はどこか彼に違和感を感じた しかし、それに気付くことはできなかった
彡(゜)(゜)「お前は大人しすぎるからな、軍隊で多民族の奴らに目つけられんように気をつけるんやぞ」
彡(゜)(゜)「特に、ユダヤ人にはな」
377 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:39:39 ID:
Htq
『都会には卑怯者しかいない 英雄が生まれるのは田舎だ そして、田舎にユダヤ人はいない
ーーハインリヒ・ヒムラー』
彡(゜)(゜)「じゃあなクビツェク」ガシッ
彼は僕の両手をとり(彼が両手を握ることは珍しいことだった)、しっかり握りしめた
(´・ω・`)「うん、またね」
それから彼は回れ右して、一度も振り向かずに、少し早足で出口に向かった
こうして、僕はリンツへ一時帰還した
378 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:45:27 ID:LBL
「(アカン)」
379 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:48:00 ID:fKr
ヒトラーもヒムラーもホモには厳しかったんだよなぁ…
380 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:50:33 ID:
Htq
リンツ
(´・ω・`)(両親は、僕を快く迎えてくれた)
(´・ω・`)(久々の故郷はちっとも変わっていなかった ドナウ川も、それに跨がる橋も)
(´・ω・`)「父さん、仕事を手伝うよ」
父「すまないな」
(´・ω・`)「父さんは凄いよ たった一代でここまで事業を築くなんて」
父「まだ職人仕事を尊重してくれてるみたいだな うれしく思うぞ」
(´・ω・`)(アドルフはああ言ったけど、どうせ後になって騒ぐんだからステファニーのことを調べておこう)
(´・ω・`)(いないな… 一家全員ということは避暑にでも出掛けたのかな?)
381 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:52:40 ID:7hF
これは…
382 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:55:10 ID:izk
パーツが揃ってきたンゴねえ
383 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/19(水)18:57:14 ID:BUy
周りから祝福されて順調な親友を見て何を思う