彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
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Part5
202 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:01:07 ID:
bHU
(* ◯^*)「あはは、クビツェク君驚いてるんだ! 無理はないんだ!」
(* ◯^*)「でもご覧の通り、アドルフは何でもできるんだ!」
彡(゜)(゜)「全く、人をなんだと思っとるんや…」
(´・ω・`)(アドルフは別人のようになっていた)
彡(゜)(゜)「今日は野菜でなんか作るで」
(´・ω・`)(いつも彼が夢中になっている問題やアイデアは、もう出てこなかった)
(´・ω・`)(政治のことは勿論、芸術への興味すら、ほとんど失せているようだった)
(´・ω・`)(僕達は三年以上も密接で二人だけの友情を保っていて、隠し事は一切なかった)
(´・ω・`)(アドルフは、本当に別人みたいになっていた)
203 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:10:21 ID:
bHU
(´・ω・`)(クララおばさんの状態は良くなっていった)
(´・ω・`)(やっぱり、息子がそばにいることが病状にいい影響をもたらしたのかも)
(* ◯^*)「…」
彡(゜)(゜)「ほい」
(´・ω・`)(アドルフはおばさんの目からやりたいことを読み取り、心から愛情を込めて世話していた)
(´・ω・`)(僕は自分の目と耳を疑いたくなったほどだ)
(´・ω・`)(この日々の間の彼は完全に自分のことを忘れて、母への献身的な世話だけに生きていた)
(´・ω・`)(あ、雪だ…)
(´-ω-`)(アドルフにとって、今年のクリスマスはいいものになりそうにないな…)
204 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:11:51 ID:wDF
わくわく
205 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:18:55 ID:
bHU
(´・ω・`)「それでは、僕はこの辺で…」
(* ◯^*)「……」
(´・ω・`)「アドルフー!? 聞こえてるかーい!?」
彡(゜)(゜)「屋根裏からでも聞こえるでー! ほななー」
(´・ω・`)「それでは、お大事に…」
(* ◯^*)「クビツェク君」
(´・ω・`)「はい」
(*^◯^*)「アドルフにとって良い友達のままでいてほしいんだ!あの子はひとりぼっちになっていまうからなんだ!」
(´;ω;`)「はい……」
僕は目に涙をためながら約束して、帰った
12月20日の夕方のことだ
206 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:21:15 ID:qqG
切ないなぁ……この後を考えると本当に切ない
207 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:23:28 ID:CMB
イッチ楽しませてもらってるやで
みんな頼むから先のこと言うのやめてクレメンス......
208 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:25:47 ID:Lr0
友情やなあ…
209 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:28:01 ID:xQR
いいゾ〜コレ
210 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:29:25 ID:
bHU
翌日 午後 クビツェク家
彡()()「」ガチャ
彡()()「………」
(´・ω・`)「アドルフ……」
彡()()「夜中にマッマが死んだ」
(´ ω `)
埋葬は12月23日に行われた
小さなパウラはすすり泣き、アドルフは落ち着いていた しかし、彼の大きな目はその悲しみを隠しきるのには些か向いてなかった
明日がクリスマスのためか、葬列は隣人や知り合いのみでみすぼらしさが感じられた
クララ・ヒトラーは夫アロイス・ヒトラーの墓の隣りに埋葬された
211 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:36:43 ID:mpN
おお、もう…
212 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:39:29 ID:
bHU
翌日 クビツェク家
母「こういう時こそ、家族と皆でクリスマスを平穏に過ごすのがよいでしょう」
彡()()「そうですね」
彼はそう言ったが別れ際に、彼は無愛想に言った
彡()()「ラウバルの所へは行かへん」
(´・ω・`)「それなら一体どこに行くつもりだい? 今日はクリスマスイブなんだよ」
(´・ω・`)「僕の家で一緒にどうだい」
彡()()「ありがたいが、遠慮しとくで」
彡()()「ワイは…」
彡(゜)(<)「たぶん、ステファニーのところへ行くで!」
(´・ω・`)(彼はステファニーのところ、つまり夢の中へ向かった)
後に彼はクリスマスイブについて、何時間も外にいた、とだけ話してくれた 朝方になってようやく家に戻り、眠ったそうだ
何を考え、感じ、悩んでいたかは、話してくれなかった
213 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:39:56 ID:
bHU
続く
214 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)10:40:37 ID:PDI
続くのか
215 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)11:46:37 ID:qqG
よりによって12/23か…
216 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)12:10:20 ID:DB0
おもしろい
225 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)08:59:34 ID:
iSp
1908年 2月
ウィーン駅
ざわ…
ざわ…
(´゜ω゜`)「あう…あう…」
「どけ」
(´・ω・`)「す、すいません…」
「邪魔だ」 「FackYou」
(´゜ω゜`)「あわわわ」
(´;ω;`)(か…帰りたい…)
(´;ω;`)(アドルフは一体どこにいるんだろう…)
彡(゜)(゜)「おーいクビツェク、ここやー!」
(´;ω;`)「アドルフ! ああよかった…一生ここをさまよい続けるのかと思ったよ…」
228 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)09:06:19 ID:
iSp
彡(゜)(゜)「おおげさやで 全く相変わらずやなぁ」
(´・ω・`)「そういう君はすっかり都会に馴染んでるみたいだね」
(´・ω・`)(混じりっ気ないグレーの冬用コート、グレーの帽子、象牙の握りのついたステッキ…こっちでも相変わらず服装はキチッとしてるなぁ)
彡(゜)(゜)「トランクでか杉ィ! 完全なお上りさんやんけ!」
(´・ω・`)「はは…母さんが色んなもの詰めこんでさ」
ざわ… ざわ…
彡(゜)(゜)「とりあえずこッから出るで 五月蝿くてかなわんわ」
(´-ω-`)「うん、ぜひともそうしたいね…」
彡(゜)(゜)「ほないくで」
229 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)09:17:18 ID:
iSp
(´・ω・`)(まず僕達はアドルフの家に向かうことにした 取り敢えず二人で住む部屋を見つけるまでの拠点だ)
(´・ω・`)(そして歩くこと数十分)
彡(゜)(゜)「ここが今ワイの住んでるところや」
(´゜ω゜`)「あれ…予想以上に綺麗なところだね…」
彡(゜)(゜)「表向きだけや」ガチャ
(´>ω<`)「うわっ、石油くさっ!!」
彡(゜)(゜)「大家は留守みたいや」
(´・ω・`)(アドルフの部屋はテーブルにも、ベッドにも、いたるところにスケッチがあった)
(´・ω・`)(とにかく、全てが粗末で荒れ果てていた)
彡(゜)(゜)「まっ、少し休憩しようや」
230 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)09:30:14 ID:YVx
ハイルヒトラーのポーズとかどうやって考えたんやろうな
231 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)09:33:24 ID:
iSp
(´・ω・`)「食料も沢山持ってきたよ」
彡(゜)(゜)「お、おばさんgjやで」
(´・ω・`)「まずはジャガイモのパンケーキ」
彡(^)(^)「ドイツの家庭料理の代表格やな!」パクー
彡(>)(<)「あ〜甘さが抑えてあった塩味が染みとる マッマが作ってくれたのを思い出すで〜」
(´・ω・`)「だから肉料理にも合うんだよね はいローストポーク」
彡(゜)(゜)「肉食うの久しぶりや! あ〜この歯応えとパンケーキのふっくら感がええな」
(´・ω・`)「はい次はブフテルン菓子 バニラソースをかけてね」
彡(^)(^)「お、ワイの好物やん 覚えとったんか」モグー
彡(-)(-)「この甘み…食感…チェコ生まれのものとは信じられん… 美味や」
232 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)09:42:38 ID:
iSp
彡(゜)(゜)「流石、まだ母親がいるだけあるな!」
(´・ω・`)(そらから、僕達は王様のようにたらふく食べた)
彡(゜)(゜)「家庭の味に、そしてクビツェクのウィーン進出に乾杯や!」
(´・ω・`)「かんぱーい」カツーン
彡(゜)(゜)「そういえば、ステファニーは今どうしてるんや」
(´・ω・`)「……」
彡()()「貴様…任務を怠ったな…」
(´・ω<`)
彡(゜)(゜)「ちっ、自分で出かけるべきやったで」
夕方
彡(゜)(゜)「クビツェク、宮廷劇場にいくで!」
(´・ω・`)「ええ…今日はもう休みたいんだけど…」
233 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)09:53:56 ID:
iSp
彡(゜)(゜)「ウィーンに来て、宮廷劇場も見ずに眠れるわけないやろ ほな行くで!」
(´・ω-`)(うーんこの感じもひさびさだなぁ)
宮廷劇場前
(´゜ω゜`)「おお、ホールからもうリンツのとは比べ物にならないや…」
彡(゜)(゜)「大理石の欄干、ビロードの絨毯、金色に化粧された天井… 大都市がなせる技や」
(´・ω・`)(それから、僕達は教会、聖堂、塔など、大都市の豪華絢爛な建物を見て回った)
(´゜ω゜`)(リンツのものとは何もかもが桁違いで、僕はまるで別の惑星に連れてこられた気がした)
彡(゜)(゜)
(´・ω・`)「このエイリアンに…フフ…」
彡(●)(●)「この先に普墺戦争時代の収容所があるんや…ぶちんこんだろか…?」
234 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)09:59:25 ID:
iSp
(´・ω#`)(こうして僕達は帰宅した その頃にはもう真夜中で管理人さんにチップを払う必要があった)
彡(゜)(゜)「ちっ、足下見おって…」
アドルフの部屋
彡(゜)(゜)「でな、クビツェク、ケルントナー通りの風景は…」
(´-ω-`)「うん…うん…」z
235 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)10:05:38 ID:
iSp
彡(゜)(゜)「ちっ、疲れ果てて寝おった 相変わらず貧弱な奴やで」
(´-ω-`)(気づけば、眠っていた)
(´-ω-`)(でも、この日はあまりに色々なことがありすぎた)
(´-ω-`)(家族との別れ、列車の旅、到着、喧騒、雑踏、裏路地、宮廷劇場)
(´-ω-`)(明日からは、新しい部屋探し それもピアノを弾けるところじゃいけないから大変そ…)
こうして、ウィーンでの初日は終わった
236 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)10:19:24 ID:
iSp
翌日
(´・ω・`)「うーん、やっぱりピアノを置いていいかって聞くとどこからも苦い顔されるね」
彡(゜)(゜)「まっ、当然やな」
彡(゜)(゜)「それに音楽家の部屋探しなんて駄目で元々や 根気強くいくで」
(´・ω・`)「うん、そうだね」
ーーーーー
ーーー
ー
(´;ω;`)「まずいよ…もう夕方だ 今日中に決めて明日音楽院に受験する予定だったのに…」
彡(゜)(゜)「しゃあないな…奥の手や 着いてこいや」
(´・ω・`)「?」
アドルフの借家前
(´・ω・`)「結局帰ってきただけじゃないか…」
彡(゜)(゜)「なぁに、お前は部屋で待っとれ」
(´・ω・`)「一体どうするつもりなんだろ…」
237 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)10:27:06 ID:
iSp
彡(゜)(゜)「大家と話がまとまったで! ここを引き払って二階の大きい部屋に移ることになったで ピアノもOKや!」
(´゜ω゜`)「ここの上!?」
彡(゜)(゜)「だから最後の手段言うたやろ 南京虫はいるが20クローネとお得やぞ」
(´・ω・`)「うん…そうだね…贅沢は言えないね」
こうして、元々アドルフが借りていた借家の二階の広いスペースが僕とアドルフの城となった
翌日
(´・ω・`)「じゃ、僕は音楽院の受験に行くよ」
彡(^)(^)「おう!頑張るんやで」
バタン
彡(゜)(゜)「……」
238 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)10:36:47 ID:
iSp
(´・ω・`)(受験はすぐに受けることができた)
(´・ω・`)(一般的な音楽の試験、その次は歌…そして和声学の筆記試験…)
(´・ω・`)(僕は音楽史については独学だったから少しそこが不安だった)
校長「受験生番号334番アウグスト・クビツェク君…」
(´・ω・`)ドキドキ
校長「おめでとう、合格だ」
(´^ω^`)「あ、ありがとうござます! ありがとうございます!」
(´・ω・`)(それからはもう、致せりつくせりなカリキュラムの説明がされた)
(´・ω・`)(プロの指揮者を紹介され、その人の下で総譜の研究や指揮を学べることになった)
(´・ω・`)(そして、僕はヴィオラ奏者として学内オーケストラにもいれてもらえた)
239 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/15(土)10:45:52 ID:
iSp
(´・ω・`)(ウィーンにきた当初は混乱したけど、今や僕はしっかりした地歩を固めることができた)
(´ ω `)(これまで僕は音楽の中に慰めと活力を見いだしていた)
(´・ω・`)(でもこれからは、音楽が僕の人生の中心になるんだ!)
(´・ω・`)(ついに、僕は椅子張り職人の埃っぽい仕事場から解放されて、音楽に生きることができるようになった)
(´^ω^`)
アドルフ…今すぐこのことを君に知らせたいよ
これでようやく、僕も君と同じ芸術家の登龍門に立ったんだよ…!
その頃
彡(゜)(゜)「さて…一年ぶりやな」
【大松造形美術大学】