彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
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Part11
480 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:32:54 ID:
heO
彡(゜)(゜)「ワイは断言するで! あの橋をあのままにはせん」
彡(^)(^)「でもな、ワイはまたお前とあの橋を渡ってブラブラ歩きたいんや」
彡(-)(-)「だがそれは無理や ワイが現れれば、皆がついてまわる」
彡(゜)(゜)「しかしクビツェク、信じてくれや ワイはリンツに対してたくさんのことをしてやるつもりや」
(´・ω・`)「あの計画ですね」
彡(^)(^)「せや! 今こそあれを実現するで! まずはでかいオーケストラからや!」
(´・ω・`)(彼は青春時代に企てたすべての計画を再び披露した まるであの頃から30年ではなく、せいぜい3年しか経っていないかのようだった)
481 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:37:37 ID:E4w
アドルフ・・・
482 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:41:52 ID:
heO
彡(゜)(゜)「ところで、お前は何になったんや、クビツェク?」
(´・ω・`)「私は地方官司になり、助役になりました」
彡(゜)(゜)「助役とはどういうもんや」
(´・ω・`;)「え、ええと…つまり、役人です」
(´゜ω゜`)(し、しまった!これだけは口にしちゃいけないと決めていたのに!)
彡(゜)(゜)「そか、役人か…書記か けれども、お前には合わんやろ お前の音楽的才能はどこにいったんや」
(´・ω・`)(僕は話した 敗戦によって僕の音楽の道は台無しになり、飢え死にしたくなかったので、転職したことを)
彡(-)(-)
彡(゜)(゜)「せや、敗戦や」
彡(゜)(゜)「クビツェク、お前は役場書記のまま終わるべきやない」
483 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:42:13 ID:Stk
(;つД`)
484 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:46:29 ID:HcL
目から汗が…(/_;)
485 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:48:10 ID:B9A
ンゴゴ…
486 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:50:13 ID:
heO
ーーー
彡(゜)(゜)「そか この小さな町で小さなオーケストラを…素晴らしいことや どんな交響曲を演奏しとるんや」
(´・ω・`)「シューベルトの『未完成』、ベートーヴェンの『英雄』『運命』、モーツァルトの『ジュピター』などです」
彡(゜)(゜)「そか それならワイはお前を援助せなな 報告書を作って送ってくれや それと、何か悩んだでることはないか」
彡(^)(^)「ワイがパパーッと解決したるで!」
(´・ω・`;)「い、いえ…つつましながらも十分生活は出来てるので特に希望はありません」
彡(゜)(゜)「ファ!?大抵のの奴は喜んで頷いてたで」
(´・ω・`)「そ、そうですか…」
487 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:50:31 ID:z5T
後でヒトラー側の頑張りも見てみたいぞ(小声)
488 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:51:46 ID:6Fe
ヒトラーのこういう面は全く知らなんだ
489 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)20:53:19 ID:bsK
けどクビツェクは敬語か…
あの頃はもう戻らないんやね…
490 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:01:08 ID:
heO
彡(゜)(゜)「ところでクビツェク、子供はおるか?」
(´・ω・`)「ええ、3人います」
彡(゜)(゜)「3人もか!」
彡(-)(-)「ワイには家族がおらん 一人ぼっちや だが、お前の子供達の面倒をみてやりたいやで」
(´・ω・`)(彼は子供について詳しく知りたがった 3人とも芸術的才能があると言うと、彼は喜んだ)
彡(゜)(゜)「クビツェクの子供にはワイらみたいに貧困で苦しんでほしくないんや」
彡(-)(-)「お前と別れてから、ワイは最悪の日々を送った 若い才能が困窮のために破壊されるようなことがあってはならんのや」
彡(゜)(゜)「だから子供達に援助させてくれや!
リンツのブルックナー学院に入れさせるで」
(´・ω・`)(僕がそれを断ると、彼はそれでも食い下がった)
彡(゜)(゜)「そ、それくらいはさせてくれや! 他ならぬ、クビツェクの息子や 遠慮するなや!」
(´・ω・`;)「えと…やはりそういう訳には…」
彡(。)(゜)「むむ…流石ワイの親友や…他の奴に通用する手が全く通じん…」
491 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:01:10 ID:hSm
クビツェクのこういうところがヒトラーに気に入られたんやろな
492 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:06:52 ID:stK
>>491
逆に、クビツェクと真反対の人間ばかりがヒトラーを囲んどったんやなぁ…
493 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:09:43 ID:c2C
敬語はやっぱり取れへんのやな…
494 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:12:11 ID:
heO
副総統「総統、流石にそろそろ」
彡(゜)(゜)「ファ!? もうこんな時間か!」
(´・ω・`;)「あ、そうでした! これを!」
彡(゜)(゜)「これは…ワイの画材や絵葉書か…」
彡(゜)(゜)「クビツェク、これらはお前だけの所有物や これをどうしようとワイは一切関与する気はあらへん」
彡()()「全く、最近はワイが書いた絵だと言って高値で贋作を売るアホがおるんや」
彡(●)(●)「覚えとるか!?ワイが学生時代に肖像画のペアを組まされたやつを! あいつ、ワイとほとんど喋ったこともない癖にワイの学生時代の伝記書きよった!!」
彡(゜)(゜)「そういうものはワイのことを本当に知っとる人物だけが書くべきや もしそういう人物がいるとすれば、それはお前や、クビツェク」
彡(●)(●)「ヘス副総統、このことを直ちに記録しておくように」
ヘス「はい総統」
彡(^)(^)「ほなまた会おうや、クビツェク」
495 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:19:40 ID:9ND
アドルフ……
496 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:26:26 ID:
heO
(´・ω・`)(あれから、僕の静かで目立たない生活は急に騒がしくなった)
(´・ω・`)(まず僕の所有物が狙われた ssの不良隊員や欲深な連中がよく家にきた)
役所
(´・ω・`)「あの、この書類についてなんですが」
職員「は、はい…なんでしょうか…」
(´-ω-`;)(明らかに怖がられてる…たまにそうでない人がいてもコネ狙い…)
(´・ω・`)(でも新たな知り合いもできた 副総統のヘスだ 彼は他のss隊員や高官と違い、興味深そうにアドルフのことについて聞きたがった)
(´^ω^`)「そこで彼は言ったんですよ『彼女と一緒にドナウ川に飛び込む』って」
ヘス「ははは、女性に対しては昔からそうだったんですねぇ 今お付き合いなさっているブラウン嬢も…」
(´^ω^`)「あはは、付き合った女性3人が自殺未遂……! ははは……は…」
497 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:29:05 ID:WFH
ひぇ……。
498 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:48:23 ID:
heO
(´・ω・`)(そして、是が非でも援助を受けない僕に業を煮やしたアドルフは僕にあるチケットを送ってくれた リヒャルト・ワーグナーの祝賀劇の招待状だ! それは、あくまで彼の友人としてだ)
(´;ω;`)(その公演は僕の叶わぬ夢だった! 美しい名曲、見ることすらできなかった巨匠! もう死んでもいいとすら思えた…!)
彡(゜)(゜)「ワイが見ることができるのは、この上演だけや だが仕方ない、戦争なんや」
彡(-)(-)「この戦争のせいで、ワイの建設事業は何年も後戻りしてしまったんや 残念や ワイは戦争をするために帝国宰相になったんやない…」
(´・ω・`)「……」
彡(゜)(゜)「クビツェク、お前も知っとるやろ どれ程ワイに建設したいものがあるかを」
彡(●)(●)「戦争なんて糞や! ワイの建築計画を邪魔しおってからに……!」
(´・ω・`)(フランスに勝利した後こんなことを言うなんて思いもしなかったよ…)
彡(゜)(゜)「戦争が終わったら、ワイはまたお前を呼ぶ そして一緒に新しい建築を考えるんや」
彡(゜)(゜)「お前はいつもワイのそばにいなけりゃならんのや」
ヴー
パチパチパチパチパチパチパチパチ
こうして、最後の演目『神々の黄昏』が終わった 彼は別れ際に言った
彡(^)(^)「ほな、また!」
しかし、その約束は果たされることはなかった
499 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:55:20 ID:
heO
1945年4月
彡(゜)(゜)「お、拳銃と青酸カリやんけ! 同時に使ったろ!」
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┃ (゚) (゚)ミ┃
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┃ つ ( ┃
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アドルフ・ヒトラー 死亡
8日後 ドイツ降伏
500 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:58:15 ID:laU
悲しいなあ…
501 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)21:58:21 ID:6Fe
なんでこんなことになってしまったんや…
502 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:00:49 ID:bsK
おお、もう…
503 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:02:40 ID:
heO
1946年 グラーゼンバッハ収容所
CIA「あなたはアドルフ・ヒトラーの友人なのですか?」
(´・ω・`)「はい」
CIA「いつから?」
(´・ω・`)「1904年からです」
CIA「それはどういうことですか?当時彼はまだとるに足らない人間だったはずです」
(´・ω・`)「それでも私は彼の友達でした」
CIA「なるほど それであなたは彼から何か貰いましたか?」
(´・ω・`)「いえ何も」
CIA「後年の彼はあなたを歓迎しましたか?」
(´・ω・`)「はい」
504 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:08:16 ID:
heO
CIA「どうやって彼に会ったのですか?」
(´・ω・`)「私の方から出向きました」
CIA「それであなたは彼と一緒にいたのですか? 本当に? すぐそばにですか?」
(´・ω・`)「はい、すぐそばにいました」
CIA「二人だけで? 警備なしで?」
(´・ω・`)「二人だけで、警備もなしです」
CIA「それなら、あなたは彼を殺すこともできたでしょう?」
(´・ω・`)「できたと思います」
CIA「ではなぜ、彼を殺さなかったのですか?」
(´・ω・`)「彼は、私の友達だからです」
508 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:14:47 ID:
heO
1947年4月
CIA「もう帰ってくるなよ」
(´・ω・`)(僕何もしてないんだけどなぁ…)
(´・ω・`)(僕ももう57歳か)
(´-ω-`)「……」
集まれ!集まれ!
(´・ω・`)「ん」
急いでこっちに来い!
(´・ω・`)「『リエンツィ』……か 久しぶりに見てみるか もうほとんど瓦礫みたいな劇場だけど」
509 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:21:38 ID:
heO
劇場(急ごしらえ) 中
(´・ω・`)「お、この崩れた柱が腰掛けるのに丁度いいや」
石を持ってこい 松明を持ってこい!
(´・ω・`)「よっこらしょ…腰が痛いなぁ 戦中の瓦礫運びが効いたな…」
奴は呪われた 奴は破門された!
(´・ω・`)「……」
私が引き上げてやった民衆たちも、私を見捨てた
私の幸運に集まってきた友達たちも、私を見捨てた……
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)(……)
(´-ω-`)(……)
510 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:24:32 ID:
heO
1956年 アウグスト・クビツェク 死去
彼の残した著書は青年期のヒトラーを詳細に記した数少ない資料として今日も参考にされている
完
511 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:24:54 ID:CE1
遂に完結か
乙!
512 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:25:01 ID:eYz
サンキューイッチ
513 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:25:07 ID:
heO
ほな、また…
514 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:25:12 ID:I71
おつかれ
515 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:25:15 ID:NMx
感動的やった
516 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:26:01 ID:Stk
サンガツ
518 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:26:14 ID:stK
サンキューイッチフォーエバーイッチ
サンキュークビツェクフォーエバークビツェク
ハイル・・・
519 :
名無しさん@おーぷん :2015/08/22(土)22:26:18 ID:MdB
当たり前だがヒトラーも人間なんやな
お疲れ様やで