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ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」
Part1


1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 19:39:33.71 ID:bI/HX+V10
ゾンビA「あ、あれ?な・・・なあ」
ゾンビB「おおーーーおおお・・・なんだよ、うるせーな」
ゾンビA「なぁ・・・まさかとは思うんだけどさ、もう皆ゾンビになってるんじゃね?」
ゾンビB「まさかww    おおーーおおーーー」
ゾンビA「だよな・・・ おおおおお・・・おおおお・・・」
ゾンビC「なあなあなあ!今言ってたのマジ!?人間居なくなったの?!」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 19:41:55.10 ID:bI/HX+V10
A「いや、そんな気がしただけで・・・確証は」
C「おおーーい!みんなーー人間いなくなったってよーー!!」
A「おい、声でかいって・・・」
大勢「なんだなんだ」
C「みんなゾンビになったんだってよーー!!」
大勢 ざわざわ

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 19:45:23.17 ID:bI/HX+V10
この時、一人のゾンビの発言により ゾンビ達の世界は変革を迎えた
20XX年
ゾンビが出現してから世界は大崩壊へと向かっていった
ゾンビにかまれた人間はゾンビへと感染していく
そしてゾンビになった人間は、もう人間に戻ることは出来ず
永遠に血肉を求め彷徨うのだった
それから2世紀
人間が居なくなってから50年の歳月が流れていた

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 19:50:48.81 ID:bI/HX+V10
ゾンビA「これからどうしよう・・・」
彼が気づいてしまったせいで、他のゾンビたちも人間が居なくなったことに気づいてしまった
途方にくれる青年ゾンビを尻目に 他のゾンビたちはそれぞれゾンビとしての役割を放棄しだした
ある者は、とりあえず前世の記憶を頼りに自分の住んでいた家を目指し歩き出す
ある者は、どうしていいかわからず とりあえず 「おおーーおおーー」唸りながら少し前のゾンビになるが
他のゾンビから「もう別にそんなのしなくていいんだぜwww」と諭され とりあえず他のゾンビについていく者
公園に集まり これからどうしようか話し合う者
前からやってみたかったスケボーをやりだす者 そしてコケて足が取れてしまう者
ゾンビ達は混乱していた 

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 19:56:20.99 ID:bI/HX+V10
人間がいなくなったという噂は瞬く間にゾンビの世界に広まった
人間の血肉をさまよい人を襲うという本能で動いていた彼らだったが
2世紀半というゾンビの仕事から解放され 彼らは呆然としていた
それから1ヶ月の時が流れた
ゾンビたちは生前の記憶を頼りに、とりあえず自分の住んでいた場所に戻り
本を読んだり 音楽を聞いたりして過ごしていた

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:03:04.08 ID:bI/HX+V10
ゾンビに寿命はない 人間でなくなった彼らは永遠の生命を人を襲うことに使っていたが
その役目を終えた彼らは、永遠の命をどう使っていくかに悩んでいた
とりあえず、彼らは暇だった・・・ 人間だった頃は街には電気が通っており、TVが放送されており
スイッチひとつでくだらない娯楽は手に入っていたが、人間が居なくなった世界では
夜はとことん暗い 月明かりだけの世界だった そして  途方もなく暇だった
ゾンビは昼間は本を読んで時間をつぶし、夜は、仲間と集まってくだらない話で盛り上がったが
それは3週間くらいしか続かなかった。毎晩毎晩話し続けると大体3週間で話題が尽きてしまった
ゾンビは 寝ることも 飯を食うことも(人間が居ないので) 疲れることも 苦しむこともない
ゾンビ達はここに来て 退屈 という苦しみを味わうことになった

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:07:48.39 ID:bI/HX+V10
ゾンビ達が 人間が居なくなったと気づいてから1ヶ月たったある夜
街に明かりが点った
ゾンビたちは歓喜した 電気が通ったことで、今まで出来なかった娯楽の一部が
再び復活したのだった
あるゾンビはTVのスイッチを着けた TVには懐かしい砂嵐が映っていた。そ砂嵐を楽しむように日長一日楽しむ者
また、あるゾンビは夜でも本が読めるとベットに寝転がり読書に没頭した
そして、オーディオプレイヤーが動き出すことで ゾンビの街は騒がしくなった だが彼らはウキウキしていた
醜くくずれた彼らの顔に 笑顔が戻った

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:13:41.13 ID:bI/HX+V10
なぜ、電気が戻ったのか?これは、退屈に耐え切れなくなったゾンビが
前世の記憶を頼りに、発電所の動かし方を思いだし、試行錯誤の上
なんとか発電所を動かしたのだった
この事によりゾンビの暮らしは一新する
電気が戻ったことで、ラジオ局が復活した。前世はおしゃべりなDJをしていたゾンビは
ラジオ局に向かい、かつての名曲と呼ばれた音楽と その音楽にまつわるエピソードを
24時間ずっと語りだした  おしゃべりゾンビが喋ることがなくなると また別のおしゃべりゾンビがDJを努め
ラジオ局は活気にあふれた
そして、ラジオ局が復活してから1週間後に テレビも復活した

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:19:07.46 ID:bI/HX+V10
記念すべき テレビ放送再開の第1号の番組は お昼のバラエティー番組だった
12時丁度に テレビを着けたゾンビたち そして街中でテレビ番組のテーマが流れだした
「お昼休みはウキウキウォッチンあちこちそちこち いいとも〜♪」
テーマ曲に合わせて、スリラー張りのダンスを披露するゾンビ青年隊
そして 番組の司会者が出てきた  TVを見ていたアジアの島国のゾンビたちはその姿に
懐かしさを感じた
マイクを持ったサングラスのゾンビがスーツ姿で現れると
自分はゾンビになってもやる気はあんましない ということをアピールすると
メガネの禿げたゾンビに 「アンタは生前からそんなちょうしやなー」と突っ込まれていた
お茶の間は大爆笑だった

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:25:57.36 ID:bI/HX+V10
テレビ、ラジオ、音楽、読書  ゾンビたちの娯楽はある程度揃った
しかし、ゾンビたちは貪欲だった 今ある娯楽も気がつくと飽きていた
ゾンビたちは新しい娯楽を求めた
あるゾンビは、有り余った時間を、芸術に使おうと 世界中の美術館を見てまわるという旅に出た
またあるゾンビは、音楽を勉強して 自分を楽しますだけの究極の音楽を作ろうと意欲する
彼らは 寝ることも食べることもしなくていいので、趣味や習い事に全力を注ぐことができた
だが、食べなくてもいいといことで、グルメを気取っていたゾンビたちは少し歯がゆい思いをしていた
ゾンビたちはより文化的な事を好むようになった

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:30:33.69 ID:bI/HX+V10
ゾンビたちが地球の支配者になってから数年の月日が流れた
たった数年で街は物凄く清潔になり、活気にあふれていた
ゾンビたちの流行とまではいかないが、自分たちが腐っていて、触れるものを汚してしまうから
住んでるところは掃除して綺麗にしよう という考え方が芽生えていた
特に、読書趣味としていたゾンビたちがこの清潔に気を使っていた
自分の血や体液で大事な本を汚してしまうのを恐れたのだった
そして、今日。ゾンビアップルからiPadが再版され。ついにネット書籍の時代が到来したのだった
ちなみにインターネットは結構前に再開していた

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:37:29.36 ID:bI/HX+V10
ゾンビたちは音楽を好んだ
彼らの孤独を癒してくれるのはスピーカーから流れる 多種多様のメロディだった
激しい曲を聞けば気分が高揚し、落ち着いたしっとりしたメロディを聞けば、優しい気持ちになれた
彼らは音楽をより一層楽しむことができた 
音楽はここ数年でかなり変わっていた
特に、歌詞がきれいな言葉で溢れている曲が人気だった
なぜかというと、世界がゾンビの物になってから 主教の概念が全部覆されてしまったからだ
救世主は現れなかったし、死後の世界なんてないというか 地獄と現世の違いなんて誰も分かんなかったからだ
皮肉で「ゾンビの世界は地獄だぜ」なんて言う奴はいるが、皆ジョークの一つ程度に捉えている
この事により、今まで反社会的な歌詞やファックやキルなどの単語は ゾンビの世界を味わったものには
特に胸に響かない、共感しない言葉へとかわっていった
なのでデスメタルは ものすごい激しい曲の 讃美歌へと 変わっていくことになった

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:42:46.26 ID:bI/HX+V10
死ぬことのない彼らにとって 病とは無縁になったが
病院はそれなりに機能していた
病死はないが、怪我で死ぬことはあったのだ
ゾンビは腕が取れても死ぬことはないが、取れた腕は取れたままであった
数年前にスケボーでコケて足を失ったゾンビは 義足のメンテナンスのために
1ヶ月に1度は通院していた
怪我で体の一部を失うということもあってか 義足や義手といった技術はかなり向上した
そして、今日は新しい義足を試す日
片足のゾンビは スケルトンのハイテク機器が見える義足を装着すると
さっそく 病院内を走りまわっていた

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:50:12.93 ID:bI/HX+V10
自分勝手に好きなことをするゾンビたちが多い中
集団をまとめるゾンビたちもいた
ここ数年で、ようやく国家という概念が復活しだしていた
ゾンビたちは政治に興味はない なぜなら、生活の保証をそんなに気にしなくてすむようになったからだ
ゾンビが気にするのは電気が通っててTVとラジオが動けば大体生活できる
生活というより、暇つぶしが出来ればいいというのがゾンビたちの住む場所を選ぶ条件だった
だが、ゾンビも集団になれば色々と問題が起きる
ケンカを始めれば、死ぬことはないのでどちらかがバラバラになるまでやりだしてしまうのだ
そしてケンカも暇つぶしの一つなので暴れるのを楽しみにする奴もいた
色々と問題が出てきたため、やはり集団をまとめる存在が必要だという考えが出てきた
と言っても、彼らは選挙なんかには行かない ので 以前大統領をやっていたことがあるという理由で
大体の国家元首は続投になっていた

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 20:55:49.81 ID:bI/HX+V10
ここで気になるのは、ゾンビの世界の仕事というのはなんなのかである
仕事というのは成功報酬があるから大体の人はやっていると思うのだが
ゾンビの世界での成功報酬とはなにか?
ゾンビは衣食住困らない 食費は0 寝ることはない ちょっとした娯楽があればいいというか
娯楽に全力を注ぐ
なので、生活費というのは殆どかからない
しかし、病院や、テレビ局、ミュージシャン、国家 などが動いている以上
そこで働く職員のゾンビが居ることになるが。彼らは何を報酬に貰っているのだろうか?
答えは 何も貰っていない  無報酬だ
彼らは言うならば社会貢献 ボランティアの精神で動いている。
そして、大半のゾンビは   暇なので仕事をする  いわば、働くことが娯楽になっていた

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:01:52.17 ID:bI/HX+V10
ゾンビが出現してから3世紀半
人間が居なくなってから1世紀半
ゾンビが人間居なくなったと気づいてから1世紀の月日が流れた
世界は物凄く発達していた
街は清潔感に溢れ、インフラは整備され 自然と人工物の調和が見事に取れた 美しい街に
ゾンビは住んでいた
彼らは文化的なことに力を注いだことにより美的センスは格段に良くなったが
彼らの中にコンプレックスを生んだ
「なんでこんな醜い姿なのだろうか・・・」

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:06:39.05 ID:bI/HX+V10
ゾンビたちはそのただれた顔を 自然と隠すようになった
昔は、みんな腐った顔をしているのがたり前だったが
いつしか、それを恥じるようになった
ある者はマスクをしてその顔を隠し
またあるものはメイクをしてその顔を隠すようになった  レディ・ゾゾなるゾンビ界のカリスマモデルなども現れる
だが、それでも自分は醜い姿を”隠している”という後ろめたさがあり
より素顔に関して みんなはデリケートになっていった
そんなある日   とある病院から男女のゾンビが出てきた
その姿は、かつてこの星に溢れており、自分たちの前世でもある人間の姿をしていた
ゾンビたちはぎょっとした

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:11:49.23 ID:bI/HX+V10
人間が生きていたのか!?と驚いたが どうも自分達のセンサーに反応しない
こいつは人間に似ているが人間じゃないぞ?
この人間の姿にかぎりなく近い男女は ゾンビである ただ
皮膚を人工皮膚に総とっかえした 整形ゾンビである
ゾンビたちは歓喜した この整形技術で自分達の醜い姿を美しい姿にすることが出来る 
ゾンビに再生能力はないのでいくらかメンテナンスのため通院が必要だが
それでもゾンビたちはその全身整形に殺到した
それから、ゾンビの街には醜い腐った死体は消え 美しい皮膚と
きれいな香水の臭いで腐臭を隠した 美しい男女だけの世界になっていた

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:19:19.43 ID:bI/HX+V10
腐った死体が消えてから20年の月日が経った
街はあいかわらず綺麗で清潔感に溢れ 自然と調和の取れた街をしていた
そしてその町の住民は
美しい男女と ガタイのいい超合金のロボットとショッカー大幹部を名乗れそうなモンスターがいた
何故こうなったのかというと ここ1世紀半で というかかなり早い段階で
サブカルチャーが ちゃんとした文化になっているということが 街をここまで変えている
アニメや漫画といった娯楽は ゾンビたちの間では早い段階で受け入れられており
整形革命以前の段階で 義手や義足は 漫画にでてくるロボットの腕をモチーフにしたものが既に出回っていた
なぜ全身整形が簡単に受け入れられたかといのも、すでにコスプレという文化が かなりメジャーになっていたというのが
大きな理由である。 キグルミという文化は ファッション誌の一面を飾る一つのファッションとして確立していたのである

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:25:38.47 ID:bI/HX+V10
ここは アジアの島国の  サウザントリーフ県  ここは毎年8月と12月になると
1ヶ月間 その県の住民が 県全体を開放し、 創作意欲に飛んだゾンビ達が自分たちの
自作の漫画やアニメやフィギュアなどを販売する
この期間中は町の住民は コスプレをして過ごす
そして街中の至る所で 即売会が起きており 県全体がコミケ会場という自体になっている
まさに、その筋のゾンビたちにとって 聖地 とよばれている
そのせいもあってか、アニメや漫画のキャラになりたいと願うゾンビは多く
全身整形技術を人間に近づけないで ロボットや怪獣に近づける者も多い
実は私も イナズマンの姿でいたいと思っているが内緒だ 

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:31:28.77 ID:bI/HX+V10
そんなこんなで、ゾンビの街は おもちゃ箱をひっくり返したような状況になっていた
そして、また幾年かの時間が流れると
赤道周辺に 天をも貫くような巨大な建造物が完成した
軌道エレベーター
人類が到達し得なかった夢を ゾンビたちは成し遂げたのである
自らの身体をサイボーグにした技術者ゾンビたちは、自分が見た漫画やアニメに出てくる
宇宙要塞を作りたいなぁ という気持ちが強くなっていた
そして有志を募り 長い時間を自分の趣味に捧げた結果
完成したのである    ゾンビたちは夢と浪漫で生きている そしてそれに全力を注げる存在であった

198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:36:50.10 ID:bI/HX+V10
色々と探索できる範囲は広がった
宇宙、深海 ゾンビたちの探究心はどんどん上がっていったが
別に、財産を増やしたいとかそういう気持ちはなかった
なので、探検した新発見を発表はするが それをどうこうしたいという考えは薄い
知識は広がるが 生活水準が一定を超えているため ゾンビの生活が豊かになることは
実感できる範囲では 向上しなかったというか 誰も困らなかった
どのくらいの月日が経ったのだろうか
地球を取り巻く 人工リングが完成してから10周年
月と地球の行き来が3日でできる時代に
タイムホールが開いたのだ

210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:43:13.05 ID:bI/HX+V10
最初は、空にマンホールのふたが飛んでる 位にしか思わなかったが
なんとそれが 時空間を超えたタイムホールであることが インテリゾンビによって判明した
とは言っても、マンホールの蓋が空に浮かんでいるだけで 自分たちで
同行できるものでもなかった
最初は、恐竜の時代に行って恐竜を見ようという意見もあったが
過去の名作 ジュラシックパークをなんども見たゾンビたちから それは危険だからやめよう
と反対意見があり タイムホールに関しては こちらからは触らない方向でというのが
ゾンビ連邦政府の見解だった
タイムホールが開いてから 3日目
タイムホールが唸りを揚げ出した ゴゴゴゴゴ
黒い電気が走りだしたかと思うと ホールは少し大きくなった
いよいよもって この世の終わりか思われたが  ホールから 黒球体が飛びてたかと思うと
その球体は 地面にゆっくりと下りてきた  そして タイムホールはいつの間にか消えていた

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:47:51.88 ID:bI/HX+V10
ゾンビたちはその球体に興味津々だった
この世の終わりか、それとも未来からのメッセージか 様々な憶測が飛び交ったが
とりあえず触ってみようという意見になった
さっそく、連邦政府から 専門家とサイボーグ兵士の部隊で球体を取り囲んだ
専門家はこの球体は安定している 触っても大丈夫だと意見した
サイボーグ兵士は 旧時代の文化である 胸で十字を切るしぐさをして
球体に触った
触れた瞬間  黒い球体はカラスが砕けたようにバラバラになった
専門家と兵士はビビったが
壊れた球体の中から 誰か倒れているのに気づいた
ゾンビ「お、おい・・・あれ・・・もしかして 人間じゃないか!!?!?!」

230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:53:47.79 ID:bI/HX+V10
球体の中にいたのは  中学生くらいの少女が倒れていた
取り囲んでいたゾンビたちはどうすればいいのか分からなかったが
とりあえず保護した
少女はさっそく最新鋭の病院へと運ばれた
連邦政府のお偉いさんは大騒ぎだった
人間は滅んだと思っていたのに、まさか人間が出てくるなんて
とりあえず少女が目を覚ましたらどうしようか話し合ったが
一人のゾンビが ひとつの不安を漏らした
「もし、あの少女が目を覚ましたら・・・我々は、文化に興じ知的に過ごしてきた時代を捨てて」
「また、醜く血肉をさまよう時代に逆戻りするではないだろうか・・・」
連邦政府の議会は 急に静まり返った

237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 21:58:27.26 ID:bI/HX+V10
「なかった事にするべきだ!!!あの少女を消そう!!」
恐怖に駆られた議員がそう叫ぶと 同じく被害妄想に取り付かれた議員もその意見に賛同した
「まて、まつんだ・・・!我々はここ何世紀の間に人間では到達し得なかった領域にまで進化した
文明は発展し、我々はより知的になった。それに、彼女を発見した専門家たちの理性は保たれている」
ああだこうだ、色々と話し合った
ゾンビの世界にとってこれほどまでに政治家が議論したことはない
彼らが議論している間に、球体から人間の少女が出てきたということがマスコミに伝わり
そのニュースは全世界に 月にまで伝わった
そして 世界はかつてないほどの混乱を迎えた