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リンク「ゼルダ姫…マスターソード入れるよ…」
Part4


431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:50:30.03 ID:h9woU5ETO
リンク「はぁ…はぁ…気持ちいいよゼルダ。」
ゼルダ「ダメ…!ダメ…!」
リンクの腰の動きは止まらない。それどころか加速していくばかりだ。
リンク「あれ…その花はゲルドの花じゃないか。どうしたんだい。」
ゼルダ「店で買ったのよ。」
リンク「ほんとかなっ!」
リンクは彼女の中を強く突いた。
ゼルダ「きゃあああ!」
リンク「あの日もそうだ!君は仕事と称してガノンドロフとデートをしていた!
    僕はちゃんと知ってるんだよ。ふざけるのはいい加減にしてくれ。」
ゼルダ「ごめん…あたしがあんな事しなかったら。」

437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:05:37.59 ID:h9woU5ETO
リンク「今更許すわけないだろ、ガノンドロフもガノンドロフだけど、
    元は君のわがままのせいだ。お前のせいであいつはなあ!
    自分を憎めよメス豚。」
リンクは近くにあったマフラーを破いた。
ゼルダ「そのマフラーは…。」
ゼルダは泣いていた。彼は嫌な事があるといつもこうだ。
乱暴して、めちゃくちゃにして、使い捨てたように帰っていく。
彼の心には剣で刻み込まれたような傷があるのだ。
ゼルダ「なんでいつもこんなに酷い事しか出来ないの……
     あれはあの子も同意してたはずよ…。」
リンク「お前にあいつの何が分かる!!」
声を荒立て怒り狂ったリンクは彼女はひっぱたいた。
ゼルダ「きゃあああ!」
リンク「はぁ…はぁ…今日は面白い物を持ってきたんだ。」
リンクは懐から大きな木の樽を取り出した。
リンク「大爆弾。」
ゼルダ「!」

438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:08:31.01 ID:zoY3pr81O
らめぇぇええええ

439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:10:47.09 ID:Jzbe2Uq+0
リンククズ杉ワロタwwwwwwwwwwwwwwwww

440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:11:27.86 ID:d7VruQpF0
なんだwこのリンクw

441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:12:42.17 ID:2doa8Jh8O
これはクズの極みw

443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:15:27.90 ID:cLBo9M0Z0
声を荒立て怒り狂ったリンクにひっぱたかれたい

444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:22:17.88 ID:qXZsSM3w0
大爆弾ww

447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:30:29.74 ID:h9woU5ETO
ゼルダ「そんなの爆発したら家が無くなっちゃう…。」
震えるゼルダをリンクはロープで縛って
ぎりぎり爆風に当たらない部屋の隅に連れて行った。
ゼルダ「いや…そんなことしちゃだめ。」
リンクは爆弾の長い導火線に火をつけた。
リンク「君の全ての思い出はあと3分で無くなるのさ。
    ざまあみろ。あいつの変わりに僕が罰を与えてやるよ。」
導火線は着実に短くなっていく。
全ての物事は終わりへの一方通行であり、いつかは爆発してしてしまう運命なのだ。
あの火が爆弾と一つになった時、何もかもが崩れる、
まるであの日のゼルダとガノンドロフのようだった。
リンク「さよなら。」
リンクは素っ気無い返事をして家を出た。
その時にマロンの手紙を落としてしまった事を彼は知らない。
ゼルダはジタバタ暴れているが、縄は一向にほどけない。

450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:41:59.45 ID:h9woU5ETO
リンクがハイラルへ向かって走っていった頃、ちょうど雑貨屋からマロンが出て来た。
夜の配達を終えたばかりなのだ。
マロン「あれ…この臭い。」
何かが焦げるような臭いが彼女の鼻を刺した。
今は冬よ、まだ花火の時期には早いわ。
そう思って彼女は臭いが濃い方へ歩いた。
マロン「この家だ。」
マロンが家に入るとそこにはボロボロの服で縄で縛られたゼルダがいた。
そして部屋の奥には大爆弾がある。
マロン「貴方は!ゼルダさん!?」
ゼルダ「あの爆弾を…!」
マロン「はい!」
マロンは部屋にあったハサミで導火線を切ろうとしたがなかなか切る事が出来ない。
彼女は服を破り手に巻き付け、導火線の火を握って消した。
そしてゼルダの縄を解いた。
ゼルダ「大丈夫!?」
マロン「は、はい…ちょっぴり火傷しただけですから。」

451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:45:07.25 ID:h9woU5ETO
マロン「一体誰がこんな事を…。」
ゼルダ「なんにも御礼出来なくてごめんね、悪いけど一人にして欲しいの…。」
彼女は答えたく無い様子だった。
マロンも流石に深く聞くのは好ましくないと感じたのかそれ以上は何も喋らなかった。
下を向いていると床に落ちている手紙を見つけた。
リンクの手紙?
マロン「これを何処で…?」
ゼルダ「知らないわ。」
彼女はやはり何を言っても何を答えようともしない。
何が彼女を閉鎖的にしているのか分からなかった。
この時その理由に気付いていたら
未来は変わったのかもしれないと、後になって気付く事になる。
思ってみればこの時が最期のチャンスだったのかもしれない。

456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:52:52.04 ID:h9woU5ETO
マロンは寒い夜の道をロンロン牧場へ向かって帰っていった。
ゼルダは自分を責め続けた。彼の名前を聞かれると、いつも言い出せないでいる。
少なからずあの日ガノンドロフにわがままを通した自分に
後ろめたさを感じていた為ではあるが、やはり苦しいのだ。
彼女の律義さは並大抵の物ではないのだ。
彼女は新しい服に着替えて、破れたマフラーを編み直した。
途中涙で視界が歪み、指を突いてしまったが、
それさえ気にならないくらいの悲しみに浸っていたのだ。
写真の中の彼等は非情にも表情一つ変えずに笑っている。
あの頃は眩し過ぎて分からなかった。
未来の事も彼の気持ちも、そして自分の事さえも。

458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:03:09.58 ID:h9woU5ETO
ガノン「マスターよお…なんか良い仕事ねえのか?」
マスター「そうですねえ、最近増えてる密猟者を捕まえる仕事なんてどうですか。」
ガノン「密猟者?」
マスター「最近森のスタルキットやデクナッツを乱獲して売りさばく輩が増えましてね。
      彼等を捕まえて欲しいって時々うちに来る
      自然保護団体の方々がおっしゃってました。」
ガノン「是非引き受けたい。」
マスター「そらなら貴方の申し出は私が伝えておきます。
      早ければ明日の早朝には迷いの森を捜索して欲しいのですが。」
ガノン「迷いの森か…」
マスター「どうかしましたか?」
ガノン「いや…大丈夫だ。俺にはあいつの地図がある。」
マスター「はい、健闘を祈ります。」
しばらく飲んだ後ガノンドロフはいつもより早く店を出て、明日に供えて眠った。

460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:04:42.12 ID:h9woU5ETO
リンク「ただいま。」
サリア「おかえり。お疲れ様。」
リンク「今日はホント疲れたよ。そうそう明後日の夜は仕事が長くなりそうだ。」
リンクは抜け出す口実を作ろうと努めた。
サリア「そう…大変ね。」
リンク「ああ…僕ももっと頑張らなきゃな。」
サリア「無理しないでね。あたしも森から出られたらなぁ…。」
サリアは悲しい目をしていた。
それから二人はいつものように食事を共にし、抱き合って眠った。
リンクはサリアを愛し、サリアもまたリンクを愛しているのだ。

461 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:08:12.44 ID:h9woU5ETO
翌朝、ガノンドロフは迷いの森を歩いていた。
ガノン「密猟者もやっぱしそう簡単にはみつかんねえなあ…。」
しかし銃声を聞いてからでは遅いと思い、彼は五感を研ぎ澄ませて探した。
ガノン「あとは禁止区域だけか。地図はここで途切れてるな。」
ガノンドロフは森の崖に向かった。
そして暗がりを抜けたその時、ついに運命の駒が再び対峙した。
ガノン「なぜお前がここにいる。」
リンク「ガノンドロフ…!」
リンクは手に持っていた花を落とした。
花びらが森に飛び交い二人の間を舞い上がって行く。

464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:17:33.38 ID:h9woU5ETO
リンク「やあ久し振り。ガノンドロフ。」
ガノン「貴様何故急に居なくなった。」
リンク「久し振りの再会なのにそんなキツい目するなよ。」
ガノン「答えろ。」
リンク「答える義理は無い。」
二人の間に朝の清々しさを破って重く鋭い空気が流れる。
ガノン「チンクルもあの少年もあの日消えた。何か知ってるだろ。」
リンク「チンクルは俺が殺した。」
ガノン「貴様ぁあああああ!!!」
ガノンはためらい無く怒りに任せてリンクを殴り飛ばした。
リンクがゆっくりと起き上がる。
リンク「罪人を殺しちゃいけないのかい。ええ!」
リンクは力一杯ガノンドロフを殴った。
ガノン「…どういう…事だ…。」

465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:19:34.28 ID:h9woU5ETO
リンク「あいつはあの日、ここにチンクルに連れて来られた。
    地図を書く為の案内役とかぬかしやがって、あいつを森へ呼び出した。」
ガノン「あの少年も許可した筈だ。」
リンク「ああ、けど禁止区域なのは知ってるだろ。何故止めなかった。」
ガノン「それは…。」
この件に限ってはリンクに分がある。彼は言葉を返せなかった。
リンク「ゼルダか。あいつのせいか。」
ガノン「違う!俺が悪いんだ。」
リンク「女を庇うのか。は、バカバカしい。女って怖いねえ。」
リンクは嘲り、そして笑った。
ガノン「あいつをそんな風に言うのはやめろ。」
リンク「あん?」
リンクはガノンドロフの目を睨んだ。今にも飛び掛かりそうな勢いだ。

468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:31:52.31 ID:h9woU5ETO
リンク「ほら、僕が憎いかい?ホントにムカついてるのは僕なんだよ!
    二年経った今でもそうだ!あの男が居なければあいつは死ななかった!」
ガノン「だから殺したのか?」
リンク「ああ、あいつの変わりに僕が罰を与えたのさ。」
心は餓鬼のままだな。もう我慢なら無い。こいつを生かしてはおけない。
ただの復讐に翻弄された悲しい悪魔だ。ハイラルに何の利ももたらさない。
ガノン「それは貴様の弱さだ。」
ガノンは太剣を構えた。
リンク「ははは、どういうつもりだい。どうせはったりだろ?」
ジャキンと音が響いて隣りにあった枝が二つに割れた。
リンク「実刀!?」
ガノン「ああ、俺は本気だ。」
リンク「いいだろう。」
リンクは背中の長剣を抜き出して体の外で円を描くようにして振り回している。
リンク「勝てば官軍、負ければ賊軍。いいね?」
ガノン「ああ、望む所だ。」
大きな金属の衝突音が早朝の森にこだました。

469 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:34:52.28 ID:h9woU5ETO
リンク「あの日あいつはこの穴に落ちて死んだ、
    あいつが連れてこなかったらこんな事にはならなかった!!」
ガノン「地図をかくのがあいつの夢だ!」
ジャキン!と二人の剣が交わり火花を散らすほどの激しい鍔競り合いが始まった。
ガノン「罪を隠す為に人々に溶け込み、役者を辞めたのか!
    貴様とて罪を認めているではないか!」
リンク「違う!!嫌気が刺したのさ!!!」
リンクが物凄い力でガノンドロフを押し出す。
リンク「僕はあんな汚い業界はもうまっぴらなんだよ!!!
    業界仲間よりあの女を優遇した君も大嫌いだっ!!!!」
キンッ!と音が響いてガノンドロフは剣を後ろに弾かれた。
リンクがすかさず横方向に切り込んだがガノンドロフしゃがんでかわした。
そして足下へ切り返したのをリンクはジャンプでかわして
その勢いでガノンドロフに切りかかった、それを彼は鉄甲で防いだ。
両者譲らぬ闘いが繰り広げられている。

470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:35:42.55 ID:heCkU0USO
剣=チンコですね、わかります

471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:37:59.35 ID:BMQBfkra0
>>470
お前のせいで俺の頭の中で想像してた戦いが一気におかしくなった

473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:41:14.53 ID:h9woU5ETO
ガノン「ただの一度の復讐をいつまで引きずるつもりだ!!」
リンク「僕の体が朽ちるまでさ!!」
リンクはガノンドロフに飛びのり彼を踏み台にして木に登った。
そして怯んだガノンドロフに向かって
すかさずブーメランを投げ同時にジャンプ切りを放った。
ガノン「甘い!」
ガノンドロフが剣を両手で押さえリンクを受け止めた。
リンク「馬鹿。」
返ってきたブーメランがガノンドロフの横腹に追突した。
ガノン「ぬおおお!!」
痛みを堪えガノンドロフが顔を上げると目の前には爆弾が置いてある。
ガノン「何!!!」
リンク「アディオス。」
爆音と共に森の鳥達が空へ飛び立った。

474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:46:25.08 ID:heCkU0USO
なんつー戦いだ

475 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:47:32.75 ID:FSasKw8zO
文章だけなのにカッケーwww

477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:51:33.86 ID:h9woU5ETO
ガノン「ぬんっ!」
爆発をなんとか紙一重で回避したガノンドロフは後方へ下がった。
しかし煙の中から黒い太刀筋を纏った剣先が突き出て来た。
ズバ!とガノンドロフの足に突き刺さる。
ガノン「く…!」
リンクは剣を突き立てたままガノンドロフを崖まで追い詰めた。
ガノン「俺を殺してもあいつは返ってこない。何故分からないんだ。」
リンク「今更命乞いかい?弱ったもんだねえ。」
リンク「チェックメイトだ。」
リンクは剣をガノンドロフの喉に突き立てた。
ガノン「くっ…。しかし!!!」
ガノンドロフは左手で剣を弾き右手で何かを構えた。
リンク「フックショット!?」
鎖の擦れる音と共に放たれた鏃がリンクのブーツに引っ掛かった。
リンク「やめろ!!」
ガノン「そらっ!!」
鎖が戻る音に合わせてリンクの体が宙を舞う。

478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:59:35.22 ID:h9woU5ETO
リンク「っつああああああ!!!」
ガノン「らぁああああああ!!!」
リンクの首飾りがブチッと切れて、彼は崖の底へと落ちて行った。
ガノンは剣をしまい治療のため城下町へ戻る事にした。
ガノン「復讐からは何も生まれない。罪を罪で返すのは間違っている。」
ガノン「そして俺も、この罪を背負わなくてはならないのだ。
    貴様のように罪を置いてけぼりにはしない。
    罪と闘い、どれほど苦しかろうと足掻いてみせるさ。」
ちょうど朝日が完全に登り切った頃ガノンは森を後にした。

489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:12:44.75 ID:h9woU5ETO
鶏の声で朝目覚めたサリアは異変に気付いた。
サリア「リンクがいない…。」
嫌な胸騒ぎがする。待ってても来ないのがなんとなくわかる…。
リンクを探さなきゃ。
サリアは森中を探した。そして禁止区域の崖でリンクの首飾りを見つけた。
サリア「リンクまさか…。やだよぉ…。」
サリアはそこで泣き崩れた。
そこに置いてある花の意味を知る事も無く、
ただ目の前の絶望が彼女を支配していたのだ。
思い返される沢山の思い出が蘇っては森の静けさに消えた。
サリア「リンク…リンク…。」
弱々しくも健気な声で彼の名を何度も呼んだが返事は無い。
昨日と同じ朝日を見てる筈なのに何故だか切ない。
あたし、リンクがいたから幸せだった。リンクがいたから笑えた。
…あんなに上手に笑えたんだよ。
森には自分だけしかいない。そんな気さえした。
襲い来る孤独と止めどない悲しみに打ちひしがれ、
彼女は生まれて以来一番泣いたのである。

491 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:19:58.08 ID:h9woU5ETO
前半終わったあああああ!!!
リンクの真意、
マロンの結婚問題、
ゼルダの運命、
サリアの夢、
ガノンの決意、
そして森に降り懸かる災い。
↓第一期ED(歌詞が物語りに合ってる為選びました。)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FI8TWI
※魔界戦記ディスガイア2 アレンジサウンドトラック

493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:21:45.53 ID:LsypzViN0
>>1乙
後半に期待してる

497 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:26:41.21 ID:R2/qVTxl0

エンディングテーマやべえwww
物語想像しながら後半聞いてたら泣いちまったじゃねえか…

500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 17:18:46.88 ID:hmLZ+ahSO
EDのチョイスも相変わらず抜かりないなwww
今日はこれを聞いて寝るとしよう…。マンマミーヤ。

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:20:53.03 ID:qh9U3G+HO
―お兄ちゃん
懐かしい声がする、誰だったかな。ああそうか、僕はあいつと同じ世界に行ったんだ。
―起きて
おいおい、僕はちゃんと起きてるじゃないか。
―僕を忘れたのかい
忘れた?君はまさか。
リンクはハッと飛び起きた。
木々の隙間から広い空間へと差し込む日の光が彼を照らしている。
リンク「君は…。」
「やっと会えたねお兄ちゃん。もう駄目かと思ってた。」
幾重にも重なる木の葉の影が織り成す自然の模様が風にサラサラ揺れている。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:29:36.41 ID:qh9U3G+HO
リンクの目の前には他より一回り小さなスタルキッドがいた。
「僕、こんなのになっちゃた。」
彼の声の後には小鳥の囀りと葉の擦れる音だけが残った。
リンクは目の前の光景を理解出来ないでいた。
リンク「森に入ったコキリ族がスタルキッドになるのはただの伝説の筈じゃ…。」
「ううん。伝説には時々だけど"本物"が紛れてるみたいなんだ。」
「僕はずっとお兄ちゃんに会いたかった。けど、もうこの体じゃ迷いの森からは出られない。」
リンク「君は…本者なのかい…。」
まだ状況が読み込めないリンクは現状を疑う他なかったが、
スタルキッドは大きく頷いた。
そして懐からひび割れたオカリナを取り出した。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:35:24.08 ID:qh9U3G+HO
リンク「それは。」
「お兄ちゃんが僕にくれたオカリナだよ。いつも持ち歩いてたんだ。」
リンク「もしかして君は…ずっと…。」
「ずっと大切なモノだから。」
リンク「そうか…ありがとな。」
リンクはスタルキットの頭を撫でた。
クスクスと笑って震える彼は心底喜んでいるようだ。
この時のリンクは紛れも無く二年前の彼だった。
ハイラルの英雄リンク。万人が愛してやまなかった、
あの勇者の太陽のような笑顔がここに有る。

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:43:30.06 ID:qh9U3G+HO
「チンクルさんを今でも恨んでるの?」
リンク「ああ。僕が他の撮影でその場にいなかったのは仕方ない。
    だけどお前がこんな姿になったのはあいつのせいだ。」
「そっか…けど、僕はあの人好きだった。」
リンク「なんでそんな事を…。」
「地図書く時のあの人の目、ルピーよりずっとずっとピカピカに光ってたんだ。」
―地図を書くのがあいつの夢だ!―
―俺を殺してもあいつは帰って来ない。何故わからないんだ―
ようやくあの時のガノンドロフの言葉の意味を知ったリンクは、本当に久しく自分を責めた。
僕が間違っていたのかい。僕が彼の夢をぶち壊したのか。
もっと早く君に会っていれば、こんな風にはならなかったのかい。
頭の中で何度問い掛けようとも、森から返事が帰ってくる訳は無かった。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:48:25.24 ID:qh9U3G+HO
「お兄ちゃん…?」
―ただの一度の復讐をいつまで引きずるつもりだ!!―
リンク「もう…終わりさ。」
「…?」
リンク「もう大切な人を傷付けたりはしない。」
守りたいモノを支え切れずに逃げ出した自分とはさよならだ。
傷付けない事は簡単な事じゃない。だけどもう僕は自分から逃げたくはないんだ。
リンクは空を見上げて森の空気を胸一杯に吸い込んだ。
そして太陽に照らされて言った。
リンク「何かを守る事は自分に負けない勇気を持つ事だ。」
そうだ、これが僕だ。あの日無くした、僕の言葉だ。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:03:23.99 ID:qh9U3G+HO
リンク「あの日、君が居なくなって以来、
    僕はろくに仕事もせず、毎日を無駄遣いしてきた。」
「それはお兄ちゃんのせいだけじゃないよ。」
リンク「いや…僕が自分から逃げてたんだ。気に食わない事にわがままを通してたんだ。」
リンク「心を無くした悲しみや憎しみを怒りに変える事しか出来なかった。
    何かにぶつけなければ耐えられなかった。
    幼稚で哀れでどうしょうも無いくらい弱虫になっていたんだ。」
「お兄ちゃん…。」
リンク「全部僕の弱さだ。過ちは背負わなくちゃならない。
    だから僕が勇気を持たなきゃならないんだ。
    それはきっと僕に与えられた使命なんだと思う。」
「大丈夫。お兄ちゃんは負けないよ。だって今のお兄ちゃんの目…。」
スタルキッドの瞳にリンクの目が写る。
「太陽みたいに暖かいから。」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:07:28.57 ID:qh9U3G+HO
「だからお兄ちゃんは大丈夫。ツギハギだらけの心でもいいじゃないか。
 お兄ちゃんの勇気はみんなに伝わる筈だから。」
リンク「ああ、負けないさ。ありがとう。」
ようやく自分を取り戻したリンクは清々しい気持ちでスタルキッドと話を続けた。
物語りのような昔話は彼等を二人の世界に引き込んだ。
二年前までもそうだったように、僕らは二人でいて笑えるんだ。
まるで夢のような時間が流れた。
本当に夢だったかのように一瞬でいて幸せな時間。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:13:06.71 ID:qh9U3G+HO
リンクは出来る事ならずっと此所で居たかった。
しかしサリアが心配なのだ、もう昼頃になるだろうしきっと心配しているに違いない。
リンク「そろそろ帰らなくちゃならない。待ってる人が居る。」
「構わないよ、僕は大丈夫。」
リンク「相変わらず強い奴だ。さすがは僕の一番弟子。」
「えへへ、男は一人でも強く生きろってお兄ちゃんが教えてくれたんじゃないか。」
リンク「はは、そうだったな。時々は会いに来ていいかい?」
「うん、いつだって此所で待ってるよ。例え最期が来ても。」
リンク「最期だなんて言うなよ。お前は僕が守ってやるさ。約束だ。」
「うん。ありがとう。」
谷間から吹き込む柔らかい風に吹かれてスタルキッドの帽子が揺れている。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:21:01.60 ID:qh9U3G+HO
リンク「じゃあな。」
「またね。」
リンクはつたを登っていった。
空から差し込む太陽が眩しい。彼の体を、心を、過去を照らしている。
過去の嘘も罪も過ちも全て突き抜ける光の粒が、
森の空気を含んで彼を包み込んでいた。
緑は森の色、異郷であり故郷であるコキリの色なのだ。
大地に宿された命の色。
僕は大切な事を忘れていた。僕の誇りを忘れていた。
下ばかり見すぎたみたいだ、上を向いてみると空はこんなに広いじゃないか。
彼は空を目指した。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:28:24.20 ID:qh9U3G+HO
崖から這い上がったのはリンクの体ばかりではない。
彼は大切な思いを拾って、再びこの母なる森へ帰って来たのだ。
たったの数時間に過ぎなかったが、彼は彼なりに確かな何かを取り戻していた。
あの日の心だ。
リンク「ゼルダ…。」
その名前は今の彼に最も重くのしかかった。
それは彼の罪の一部であり、全てであった。
リンク「謝ろう。もう二度会うなって言われるだろうけど、僕にはそうするしか出来ない。」
リンクは森を抜けて家へ帰った。