男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
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Part4
83 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 14:48:46 ID:
r4ML3yyw
男「まさか、お前…」
男(これは推測だがーー)
男(恐らく、幼馴染はここ最近…)
男(ずっとーー)
男「ストーカーに、狙われているのか?」
幼馴染「ーー!!!」
84 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 14:55:02 ID:
r4ML3yyw
幼馴染「…そんなっ…ことは…!」
男「最近、よく下校に誘ってくれるのも」
男「一人で帰ると、ソイツがいるからか?」
男「なあ」
男「教えてくれ」
幼馴染「う……」
男「俺は…お前が心配なだけなんだ」
男「幼馴染…」
85 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 15:01:43 ID:
r4ML3yyw
幼馴染「う……さい…」
男「頼む…」
幼馴染「うるさい…」
幼馴染「うるさいうるさいうるさい!!!」
男「幼…」
幼馴染「構わないで!」
幼馴染「もう…構わないでよ…!」
男「でも…」
幼馴染「近寄らないで!」
幼馴染「……」 グスッ
86 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 15:03:38 ID:
r4ML3yyw
男「……」
幼馴染「……ッ」 バッ ダダッ
男「あ!おい!」
90 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 17:01:26 ID:
r4ML3yyw
男「急にどうしたんだよ!待てって!!」 ダダッ
幼馴染「…!!」 タタタタッ
男(これは不味い…!!)
男(その曲り角にはーー)
幼馴染「……」 タタタタ
男「い、行くな!そこは…!!」 ダダダダ
必死で逃げる幼馴染の後を追う
彼女が向かっているのが自宅のつもりでも
そこには、謎の男が潜んでいた曲がり角がある
予知に出てきたということは
間違いなくソイツは、災いをもたらす
91 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 17:07:47 ID:
r4ML3yyw
男(探せ…!あの男を…!) ダダダダ
男(なにか行動を起こすかもしれない…) ダダダダ
通りを駆けながら、辺りを見渡すが
奴は発見できない
隠れたのだろうか
男「おい!幼馴染!」 ダダダダ
幼馴染「ごめんね…」 ボソ… タタタタ
俺に何かを言ったようだが、聞き取れなかった
そのまま幼馴染は、家の玄関に逃げ込んでしまった
92 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 17:16:33 ID:
r4ML3yyw
バッ ガチャンッ
男「幼馴染…」 タタ…
男「…畜生…」
男「……」
男「…はぁ」
男(幼馴染を…救えたのか…?)
男(一体何なんだ…)
男「……」
後ろを振り返る
そこには、人影は一切無かった
男「……」
93 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 17:41:42 ID:
r4ML3yyw
男「…畜生…畜生…」
何故だかは知らないが、幼馴染を怒らせてしまった事実
そして己への不甲斐なさから
重い足を引きずるように、自宅へと向かう
男「…畜生」
94 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 17:46:55 ID:
r4ML3yyw
男「……」
男「ああ、家だ…随分と遠かったように感じるな…」
男「ただいま…」 カチャ
母「あら、おかえり」
母「ご飯、できて…」
男「晩飯後で良い…」
男「寝てくる…」
母「あら…」
母(何だか傷心のようね)
母「そっとしといてあげましょう…」
95 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 19:18:06 ID:
r4ML3yyw
ー自室ー
カチャ
男「はぁ…」
男「今日は…疲れた」 ボスッ
男「……」
男「俺は…何ができる…?」
男「幼馴染のためにも…何が…」
男(ああ…)
男(考えるだけで…疲れが…)
男(もう……)
男(……)
96 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 19:21:11 ID:
r4ML3yyw
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
男「……」
男「…!」 パチ
男「朝日…」
男「あのまま寝てしまったのか…」 ムクリ
男「……」
男「…よし」
男「幼馴染と、話し合おう」
97 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 19:24:14 ID:
r4ML3yyw
男「…おはよう」
母「あ、おはよう」
母「昨夜は一度もここに来なかったね」
男「うん…」
母「まあ何があったのかは知らないけどさ」
母「無茶はしないでよ」
男「…分かってるよ」
98 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 19:27:07 ID:
r4ML3yyw
男「……」 カチャカチャ
男「おし」 ギュッ
男「じゃあ行ってきます」 ガチャ
99 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 19:31:16 ID:
r4ML3yyw
男「清々しい天気だな」 テクテク
男「俺の気も知らないで…って当たり前か」
猫「にゃ〜お」 スタスタ
男「あ」
男(自由そうだな。猫って)
男「……」
男(今日も幼馴染は、家の手伝いかな…)
100 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 19:35:45 ID:
r4ML3yyw
ー学校ー
友「おっす。おはよ」
男「ああ、おはよう…」
友「あれ?何か…暗くね?」
男「え?」
友「いつにも増して、顔死んでるぞ」
男「ちょ」
101 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 19:44:00 ID:
r4ML3yyw
友「何かあったの?」
男「別に何も」
友「ほーん。なら良いけど」
男(くっ)
男(こういう所で無駄に洞察力が良いなコイツ)
男「あ、そういや数学の課題やってきたか?」
友「!!??」
友「あああああああ!!」
男「うわぁ…ちょっと同情。ほんのちょっとな」
友「手伝ってええええ!!」
男「人は自分で壁を乗り越えるのだよ」
友「鬼!悪魔!数学者!」
男「数学者は悪じゃないぞ…」
104 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 22:27:02 ID:
r4ML3yyw
数学メガネ「ーーーであるからして…」 カッカッ
男「……」 カキカキ
友「うええ…」 カキカキ
男(幼馴染に、いつ会いに行こうか…)
男(今日も昼飯、一緒に食ってくれるかな…)
男「くそ…同じクラスだったら…」 ボソ
数学メガネ「おい男。集中せんか」
男「あ、はい…」
友「おいおい物思いに沈み過ぎだろー」 ヒソヒソ
数学メガネ「友もうるさい」
数学メガネ「課題、後で提出できるんだろうな?」」
友「」
106 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 22:30:42 ID:
r4ML3yyw
先生「1768年にはーー…」
男「……」 カキカキ
友「うぐぐ…」カキカキ
107 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 22:32:57 ID:
r4ML3yyw
古文先生「ーーという訳が可能であって…」
男「……」 カキカキ
友「あ、これは楽しい」 カキカキ
108 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 22:37:46 ID:
r4ML3yyw
キーンコーンカーンコーン…
男(結局一度も幼馴染に会いに行けなかった…)
男「はぁ…」
友「よお、飯食おうぜー」
男「おう、良いけど…」
友「あ、そうそう」
友「幼馴染のクラスメイトから伝言があったんだけどさ」
男「何だよ」
友「今日は幼馴染は学校休んでるってさ」
男「…え?」
109 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 22:43:59 ID:
r4ML3yyw
友「でも不思議だよなー」
友「わざわざクラスメートに伝言を頼むなんてさ」
男「……」
友「やっぱりお前ら、昨日に何かあったのか?」
男「ねーよ…何も」
友「へーえ。無理やり告って玉砕の線が濃厚だったけどな」
男「まだ告ってない…ってうるせーよ」
友(進展無しかー)
110 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 22:48:25 ID:
r4ML3yyw
友「まあ休んでるもんはしょうがない。元気になってほしいな」
男「そうだな…」
友「んで、どこで食べる?屋上か?」
男「屋上は…うん、止めておこう」
友「? 分かった」
男「たまには教室で食おうぜ」
友「おう」
112 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 22:56:28 ID:
r4ML3yyw
友「いただきまーす」 カパ
男「いただきます」 カパ
友「お、この卵焼きめちゃ甘」 パク
男「そうか」
友「ちょっとは気にしろよ…」
男「……」モグモグ
友「……」 モグモグ
男「……」 モグモグ
友「……」 モグモグ
友「あ、そうそう」
男「今度は何だよ…もうむせ返らすなよ」
友「幼馴染のお見舞いって、お前行くの?」
113 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 23:04:12 ID:
r4ML3yyw
男「!?」
男「ぐっはっ!! げほっ!」
友「ええ!?それでむせるとは…」
男「げほっ…」
友「で、行くのか?」
男「……」
男「行くよ。もちろん」
友「そうか」
友「なら、今日はお前だけで行って来い」
男「え?何でだよ」
友「ちょっとは二人でゆっくり話したらどうだ?お見舞いではあるけど、
良い機会でもあるんじゃないのか?」
友「俺は適当な用事で来ないと言っておけ」
男「友…」
115 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 23:09:26 ID:
r4ML3yyw
男「色々と、ありがとな」
友「へっ、良いって事よ」
男「分かった…今日の帰りに、一人で寄るよ」
男「そこで、言いたいことを伝えたい」
友「おうおう。さっさと青春を謳歌してこいよな」
116 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 23:14:02 ID:
r4ML3yyw
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
キーンコーンカーンコーン…
友「じゃあまた明日な」 ガラッ
男「おう。また明日」
ピシャン
男「……」
男「さて、俺も行くか」