男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
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Part3
58 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 06:26:12 ID:
r4ML3yyw
友「それはそうと、お前の気持ちは分かった」
友「あとは告白するだけだろ。チャンスあるじゃん」
男「簡単に言うなよ…」
友「早くしないと、誰かにとられるぞ」
男「う…確かに」
友「お前の他にはない最大の強みは、幼馴染と誰よりも近いってことだ」
友「ガツンといっちゃえよガツンと」
男「だからこそ振られたときが怖いんだよ」
男「あいつと誰よりも近いから…」
59 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 06:28:46 ID:
r4ML3yyw
友「ふー…まあその気持ちも分かるけどさ」
友「自信を持った方が良いぞ」
男「ああ、…ありがとう」
60 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 06:43:13 ID:
r4ML3yyw
友「礼を言われるようなことじゃねーって」
友「そうだ、礼と言えば、さっきは改めてありがとうな」
男「さっき?」
友「階段だよ。階段」
男「ああ、あれか」
男「別に大したことじゃないだろ。むしろ黙っている方がおかしいし」
友「まぁそうかもしんねーけどさ」
友「なんつーか…今思ってみるとさ、懐かしかったんだよ」
友「昔も事前に注意されて、よく助けてもらったなーって」
男「……」
男(そんなことがあったな。予知のおかげか…)
61 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 06:53:46 ID:
r4ML3yyw
友「お前といるとなんか安心するな」
男「幼馴染から言われたいな。それ」
友「えっ失礼じゃね!?」
男「あはは」
幼馴染「はぁはぁ…お待たせー!」 ガチャ
男「おかえりー」
友「待ってないよ(キリッ)」
男「はいはい」
幼馴染「購買のパン、ほとんど売り切れてた…かろうじて2個ゲットしたよ」
幼馴染「ふー、疲れた。隣に座らせてー」 ペタン
男「おかまいなくー」
男(あー…意識しちまう///)
62 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 07:00:10 ID:
r4ML3yyw
友「青春だねー」
幼馴染「え?」
友「いやべつにぃー?」 ニヤニヤ
男(こいつ…シバくぞ)
男「こんな奴の言うことはどうでも良いから、早く食べないと」
幼馴染「あ、確かに早く食べなきゃ」
幼馴染「いただきまーす!」 モフッ
友「俺らもはよ弁当食べ終わろうぜ」 モグモグ
男「そうだな」 モグモグ
63 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 09:58:15 ID:
r4ML3yyw
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
キーンコーンカーンコーン
先生「…ーーー で、先生からの連絡は以上だ」
生徒「起立 」
ガタッ
生徒「気を付け。 礼」
アリガトーゴザイマシター
先生「おう、気を付けて帰れよー」
… ガヤガヤ
64 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 09:59:08 ID:
r4ML3yyw
友「今日ももう終わりか…」
男「どうしたよ。そんなに哀愁漂わせて」
男「そんなキャラじゃないだろ」
友「数学のメガネ野郎に罰として課題倍にされた」
男「そりゃご愁傷様」
男「自業自得だけどな」
65 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 10:04:38 ID:
r4ML3yyw
友「今日は頑張ってみるか…次は4倍にされそうだし」
男「ああ、やりそうだな。あの先生なら」
友「はぁ…じゃあもう帰るわ」
男「頑張れよ」
友「へーい」
友「幼馴染と、上手くいけよな」
男「もちろんだ」
友「じゃあな」 ガラッ
男「おう」
ピシャン
男「……」
66 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 10:11:58 ID:
r4ML3yyw
男「……」
男(今日の帰り道は要注意…だな)
キャッキャッ
男「ん…?」
チャラ男「今日もさー」
チャラ女「えーいいけどぉー」
チャラ男「いっぱい楽しもーぜー」
チャラ女「じゃあ今日もあそこにするぅー?」
男(チャラカップル…)
67 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 10:19:53 ID:
r4ML3yyw
チャラ男「んじゃ、さっそくぅー行こうぜー」
チャラ女「いこいこぉー」
ガララッ ピシャッ
男「……」
男「まさか…」
男(聞き耳)
ガッコウデヤルノッテ スリルパネエヨナー
カイダンデヤルトカ チョウウケルー
男「」
男(マジかよ…あの液って…)
男(お前らかよおおおおお!!!)
男(……)
男(友には言わないでおこう…)
68 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 10:24:40 ID:
r4ML3yyw
男(あー…) テクテク
男(あいつ等のせいで俺が必死になったかと思うと腹立つ…)
ー校門ー
男「あ」
幼馴染「あ、やっほー!」 フリフリ
男「今日はそっちのクラスのHR、早かったんだな」
幼馴染「うん」
幼馴染「男を待たせなくて良かったよ!」
69 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 11:51:27 ID:
r4ML3yyw
幼馴染「じゃあ、帰ろっか」
男「おう」
幼馴染「はい」 スッ
男「?」
幼馴染「豆大福だよ」
70 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 11:52:59 ID:
r4ML3yyw
幼馴染「昨日、おばあちゃん達に和菓子あげたら、凄く喜んでくれたんだ」
男「おお」
幼馴染「それで、お礼も兼ねて一個持ってきたの」
男「あ、ああ。ありがとう」
男(なにこれ嬉しい)
男「三日かけて大切に食べるよ」
幼馴染「生菓子だからそれは危ないと思うけど…」
71 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 12:00:48 ID:
r4ML3yyw
男「それは残念だ…」
幼馴染(本当に残念そう…何でだろう?)
男「ふう、じゃあ気を取り直して出発〜」
幼馴染「あ、男」
幼馴染「ん」 スッ
男「?」
男(え、何?今度も何かくれるのか?)
幼馴染「ほら」
男「…??」
幼馴染「んん〜…」
幼馴染「ほら!手、繋ごう?」
72 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 12:07:55 ID:
r4ML3yyw
男「〜〜〜!!!」
男(お、落ち着け…!平常心平常心…)
幼馴染「はやくー」
男(ニヤけてはならない!ここはクールに決めろ!)
男「あ、ああうん。そうだな。うん」
男「まあな、こ、ここ最近寒いし、俺も繋ぎたかったんだよな〜」
さりげなく手汗をズボンで拭いた
男「うけてたとう!!」 ガッ
幼馴染「えっ?う、うん」
手を繋ぐというより、友情の握手みたいに握ってしまった
全然クールじゃなかった
73 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 12:42:34 ID:
r4ML3yyw
幼馴染「……」 テクテク
男「……」 テクテク
男(ヤバいヤバい鼓動がヤバい) バクバク
男(絶対向こうに気付かれてる)
幼馴染「……」
男(ついでに言うと手汗も半端ない)
男(こういう時に限って話が出てこないのもヤバい)
男「あ…」
男「そういえばさ…」
幼馴染「うん?」
74 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 12:45:13 ID:
r4ML3yyw
男「昨日はメール…ありがとう」
男「嬉しかった」
幼馴染「!」
幼馴染「へへ、そういってくれるとこっちも嬉しいなー」
男「そうか…」
幼馴染「そうだよー」
75 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 12:50:45 ID:
r4ML3yyw
男「でもさ」
男「幼馴染も…無理はするなよ」
幼馴染「え?」
男「あ、いや…深い意味はない」
男「ただ…祖父母の前で、無理してるんじゃないかって…」
幼馴染「……」
幼馴染「…そんなことはないよ」
幼馴染「私は、私にできることをやろうとしているだけ」
幼馴染「やりたいから、やるんだよ」
男「……」
76 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 12:55:11 ID:
r4ML3yyw
男(しまった…)
男(俺、馬鹿だ…)
男(楽しい話をするつもりが…こんな…)
男(幼馴染を悲しくさせるだけじゃないか…)
男「分かった…」
幼馴染「うん…」
男「……」
幼馴染「……」
77 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 13:06:50 ID:
r4ML3yyw
男「……」
幼馴染「……」
男(……)
男(どうしよう)
男(結局何も楽しい話ができずに)
男(家に近づいてきてしまった…)
幼馴染「……」
幼馴染「う…」 ギュ…
男「!」
男(え…)
男(幼馴染が…俺の手を強く握ってくれた…?)
78 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 13:09:26 ID:
r4ML3yyw
男(嬉し…いや、待て)
男(いったいどうして…)
幼馴染「……」 フルフル
男(!?)
男(微かに…震えている…?)
79 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 13:12:30 ID:
r4ML3yyw
幼馴染「……」 フルフル…
男「お、おい」
男「どうした幼馴染?寒いのか?」
幼馴染「…な、なんでもない!」
男「いや、だってお前…」
80 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 13:19:10 ID:
r4ML3yyw
ズキン
男「あーーー」
映像だ 不幸の映像
虫の知らせ
曲がり角 幼馴染と別れる いつもの曲がり角
電柱 ブロック塀
誰かがいる 男がいる
顔が見えない 隠れている
幼馴染を見ている
お前は、誰だ…
81 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 13:24:04 ID:
r4ML3yyw
……とこ
……うしたの!
幼馴染「男!」
男「…!!」
幼馴染「どうしたの…急に立ち尽くして…」
男「えっと…」
幼馴染「また貧血?」
男「あ、ああ。そうみたいだ」
82 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 14:44:24 ID:
r4ML3yyw
男(やはり…)
男(また、予知が起こった…)
男(何だったんだ…今の…)
男(いや、いずれにしても、だ)
幼馴染「……」 オロオロ
男(今度も、幼馴染に関係している…)
男「今は、俺のことなんてどうでも良い」
幼馴染「っ!…どうでも良くなんか…」
男「さっきのお前、様子がおかしかったけど」
男「本当に、何があったんだ?」
幼馴染「…ッ」