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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part2


25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 17:13:41 ID:/lvywGso
男(幼馴染の両親の死因は…交通事故に巻き込まれたと)
男(幼馴染は言っていた)
男(あいつは両親が居なくて、どんなに寂しいだろうか…)
男(人に甘えきれなくて、どんなに苦しいだろうか…)
男(俺には、想像もできないことだ)
男「……」
男「俺は…幼馴染の方が心配だよ」

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 17:18:55 ID:/lvywGso
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
母『男〜ご飯そろそろ食べなさ〜い』
母『早く起きないと〜』
男「ん…」 ゴシゴシ
男「ふあ、あ…」
男「へーい!分かったよー!」
男「今行くからさー!」
男「……」
男「俺は、幸せ者なんだな…」

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 17:25:46 ID:/lvywGso
男「……」 モグモグ
母「何、どうかしたの?」
男「え?」
母「いや、何かあんた、浮かない顔してるから」
男「別に…気のせいだよ」
母「ふーん」
母「もしかして、幼馴染ちゃんに何か言われたの?」
男「!!」 ゴホッゴホッ
男「げほっ・・・何でそうなるんだよ!?」
母「え?違うの?」
男「ち、違うよ!っていうか何もないって!」
母「へえ」
男「と、とにかくご馳走様…!」
母「はい、どうも」

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 17:29:59 ID:/lvywGso
男「じゃあ、部屋に戻るから」 ダダ
母「……」
母(男、幼馴染ちゃんと仲良くしているのかしら…)
母「…まぁ、きっと大丈夫でしょ」 サラアライサラアライット

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 17:42:27 ID:/lvywGso
 
 ー自室ー
男「はーーー…」 ボスッ
男「また布団にダイブしちまった…」
男「……」
男「わーい…」 ゴロゴロ
男「……」 ゴロ…
男「…って、俺がやっても需要ないな」
男「幼馴染がやれば可愛いだろうけど。絶対」
男「見てみたいな…」
男「……」
男「ここからだ…」
男「また…始まるのか…」
男「不幸の…連鎖」

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 19:01:55 ID:/lvywGso
男(予知で知らされる不幸は、連鎖する)
男(それこそが、今回俺が危惧していることだ)
男(予知が発動しない時は、2年くらい何事もなく過ぎることがある)
男(だが、一度起こると連鎖的に次の災いが起こる)
男(これは、今までの経験から学んだことだ)
男(現に今までは…ここ一年半ほどは、予知は発動しなかった)

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 19:07:53 ID:/lvywGso
男(今回の予知は…まだ軽くて回避も容易だった)
男(だが…これからどうなるのか…)
男(もっと悪い予知が起こるんじゃないのか…)
男(俺の杞憂であってほしい)
男(しかし…)
男(本当の所は、俺には見当もつかない)
男「はぁ…」
男「今日は…今日はさっさと寝よう」

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 19:11:50 ID:/lvywGso
 
男「あー、昨日はめっちゃ寝たな」 ムクリ
男「二回寝てるし…睡眠時間10時間はいくんじゃないか?」
男「今日は何事もなきゃいいけどな…」

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 19:14:19 ID:/lvywGso
男「……」 モグモグ
男「ごちそうさま」 カタン
母「どうも」

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 19:18:04 ID:/lvywGso
男「……」 ワシャワシャ
男「…」 ガラガラ…ペッ
男「用意を済ませて、と」 カチャカチャ
男「よし…行くか」 
男「いってきます」 ガチャ
   
     バタン

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 19:25:14 ID:/lvywGso
男(やっぱり幼馴染とは出会わず…か) テクテク
男「今日も幼馴染は家の手伝いで遅れるのかな」 
男(大変だな、あいつ…)
男「でも、予知が起こらない間は大丈夫だ…と信じたい」
男「俺も、周囲には気をつけなきゃいけないしな…」

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 19:34:22 ID:/lvywGso
 
 ー学校ー
男(結局何も起こらずに学校に到着できた)
友「おーう、おはよっす」
男「おう、おはよう」
友「今日の昼も3人で食べよーぜ」
男「朝っぱらから昼飯の話かよ」
男「もちろん良いぞ」
男「あ、そういや友」
男「数学の課題、やってきたか?」
友「…!!」
友「イ…イヤ、ヤッテキタトモ」
男「…その反応はやっていないな」
男「俺に仲間が加わった」
友「って、お前もかよ!」

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 22:35:48 ID:/lvywGso
 キーンコーンカーンコーン
友「はー、こってり怒られちまった」
男「ドンマイ」
友「男!てめーズリーぞ!授業の合間の休憩時間中にやり切るなんて!
  抜け駆けだ!」
男「いや、別に良いだろ…」
男「っていうか数学が昼休憩の直前なんだから」
男「お前も充分時間あっただろ」
友「俺はフリーに生きるんだよ!休憩時間は休憩するためにある!」
男「あー、はいはい」

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 22:38:24 ID:/lvywGso
男「っと、屋上に幼馴染待たせっぱなしだ」
男「早く飯に行こうぜ」
友「あ、そりゃそうだな」
男(立ち直り早いな…)

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 22:49:26 ID:/lvywGso
 ー廊下ー
男「…ーでさ、今期のアニメは豊作なわけよ」 スタスタ
友「ああ、完全に同意だ」 スタスタ
友「ストーリー、作画共に粒ぞろいだよな」
男「そうだよな。はは、こんな会話、幼馴染の前じゃできねーよ」
友「早歩きで会話はキツイ…」 ゼーゼー
男(今のところは何ともない…)
男(どうか、このまま…)
男「…まぁなんといっても大本命なのが------…」 
男「ーーっ!!」 ズキンッ

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 22:56:57 ID:/lvywGso
男(…やはりきやがったか…!)
 脳に様々な映像が流れ込む
 一方的に、ただただ流され続ける
 階段      友との会話
  
 友の笑い声      階段に差し掛かっても喋り続ける
 バランスを崩す      落下
 鈍い音      鼓膜に響く、鈍くて硬い音
      蹲る友

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 23:06:17 ID:/lvywGso
男(これは…)
男「っーー!」 バッ
友「お、どうした?」
 ここから数メートル先に階段が見える
 しかし、一分後にはそんなところはとっくに過ぎているはずだ
男(となると、屋上に向かう最上階の階段か)
男(回避はできる…!) 
友「おい、顔色悪いぞ」
男「気のせいだろ。ちょっと大本命が何か迷ったんだよ」
友「あっ、そうw」

44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 23:13:35 ID:/lvywGso
 最初の階段も念のため、慎重に進む
友「あれ、会談に入った途端遅くなったな」 タンタン
友「もしかしてバテたのかぁ〜?」
男「うっせーよwそれより足元、気を付けた方が良いぞ」タンタン
男(探せ…映像では、友は喋っていたことだけが原因じゃなさそうだった)
男(何かに滑ったようだ…)

45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 23:20:35 ID:/lvywGso
男(いよいよか)タンタン
男(この階段を上ったら屋上…)
男「!」
男「おい!友!」
友「ん?」
男「この階段の上段、少し濡れてるぞ」
友「わ!マジかよ!あっぶねー」
男「掃除の拭き残しか、誰かがお茶でもこぼしたんだろ」
友「おお、男、サンキューな」

46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 23:24:56 ID:/lvywGso
友「よっと」 ヒョイ
男(良かった。友は無事に階段を上れた)
友「あのままだと滑っていたかもなー」 
男(まあ実際滑るはずだったんだが…)

47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 23:31:26 ID:/lvywGso
 ー屋上ー
友「やっほー」 ガチャ
男「どーもー」
幼馴染「あ!男に友君!」
幼馴染「一緒に食べよ!…と言いたいところなんだけど…」
男「だけど?」
幼馴染「ごめん!」
     
幼馴染「今日は弁当じゃなくて、購買のパンを買わなくちゃいけなかったの、
     すっかり忘れてた!」
幼馴染「私、購買に行ってくるから、先に二人で食べてて!」

48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 23:36:22 ID:/lvywGso
男「あ!階段下りるときに濡れてるから!気をつけろよ!」
幼馴染「あ、うん!分かった!」ダッ
   ガチャ バタンッ
男「……」
友「……」
男「……」
友「…なあ」
男「うん?」
友「ここに来たあとに、昼飯忘れたのに気づくって…」
友「どんだけ天然なんだよ」
男「うん。可愛いよな」
友「いやなんか違うぞ」

49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 23:44:49 ID:LkfakGFg
なにこれ面白そう。
期待

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 05:59:21 ID:r4ML3yyw
友「…ま、とりあえず食うか」 カパ
男「そうだな」 カパ
男・友「いただきます」
男「お、友の弁当は鮭メインか」
友「やらんぞ」 モグモグ
男「え?俺欲しいとは一度も…」
友「やらんぞ」 モグモグ
男「いやだから」
友「何か対等な主菜と交換するのなら考えてやらんこともない」 モグモグ
男「…お前それ目的だろ」
友「あ、バレた?」
男「当たり前だよ」 モグモグ

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 06:01:57 ID:r4ML3yyw
友「……」 モグモグ
男「……」 モグモグ
友「…そういやさー」
男「何だ?」
友「お前、もう幼馴染には告白したのか?」

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 06:10:16 ID:r4ML3yyw
男「!!!」 ゴッハッ
男「ごほっ!!げほっ…な、急に何を…!!」
友「え?幼馴染のこと好きなんだろ?今更じゃん」
男(こいつ…俺の家と連携して俺をむせ返らせたいのか…!!)
友「すぐに否定しねーってことは?やっぱり?」
男「うぅ…」
友「だってお前らの関係って甘々じゃん?」
友「今日も放課後一緒に帰る約束してんだろ?」
男「……」

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 06:17:45 ID:r4ML3yyw
男「ああ!そうだよ!」 
男「俺は、幼馴染のことがす、好きなんだよ!(小声)」
友「ひゅーひゅー」
男(くっ…うぜえ…)
友「まあ気持ちは分からんでもない」
友「優しいし、可愛いしな」
友「お前にはぴったりの彼女になるだろうな」
男「な、何だ…?応援してくれるのか?」
友「あたりめーだよ」
男「そ、そうか…お前の性格からしてとことん邪魔してくるかと思った」 ホッ
友「俺はどんな悪役設定をつけられてるんだよ…」