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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part18


475 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:28:29 ID:eYVC60q2
『この犯人は、被害者の女子高生を数年前からストーキングしていたようです』
  『ザワザワ』
『怖いですねー』
『まったくですな』
『これについて、専門家の専羅さん、お願い致します』
『はい、この事件はですねー、公務員、よりにもよって警察官が犯したということで、大変由々しき事態だとーーー』 
 プツ
男「……」
男「…さっさと学校行くか」

480 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:06:13 ID:069AMhcA
 
ガチャ
男「行ってきます」
母「はーい」
  
   パタン

481 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:09:15 ID:069AMhcA
男「……」 テクテク
猫「にゃあ〜お」 スタスタ
男「…お前、久しぶりだな」
猫「にゃあ」 タタッ
男「あ、逃げた」
男「……ふ」
男「…ははっ、平和だな。お前も、この街も…」
男「あ」
「ちょっとっ…止めてください!」
  
「まあまあ…良いじゃないですか」
男「あれは…」

482 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:13:25 ID:069AMhcA
記者「ちょっとですねえ、お話を…」
記者「ちょっとだけですんで、はい」
幼馴染「止めてください。通してくださいってば」グイグイ
記者「いやね、話を聞かせてくれさえすればいいんで」
幼馴染「話したくありませんっ…」 グイグイ
記者「ええー、何でですか」
記者「少しの間ですから、ね?」
記者「どうやって犯人を撃退したのですか?」
幼馴染「ちょっとっ…」 グイグイ

483 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:15:09 ID:069AMhcA
記者「ホント話だけでも…」 ガシ
記者「あ?」
男「止めてくださいよ。そういうの」
記者「…なんですか、あなた」
男「この娘は被害者なんです。事件で疲れているのにこれ以上追いつめて、何がしたいんですか」
男「立ち去ってくれませんか」
記者「…ああ〜」
記者「あなたもしかして、ニュースの〈友人〉とやらですか」
記者「丁度良かった。話を聞かせてください」
男「俺が先程言ったことが聞こえなかったようですね」
男「立ち去ってください。今すぐ」

484 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:17:06 ID:069AMhcA
幼馴染「男…」
記者「っち…」
記者「私はありのままに記事にしようとしているだけですよ」
男「それでも、こっちは迷惑をしているんです」
男「そんなに暇なら、どこかこの事件よりも刺激的な出来事でも探しに行ってください」
男「そして、二度と被害者に纏わりつくような真似は止めてください。」
記者「…分かりましたよ」 
記者「ガキが偉そうに……」 ボソ
 スタスタスタスタ  ガチャッ バルル… ブオーーン…
男「はあ…」
男「…やれやれだな」

485 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:21:57 ID:069AMhcA
男「さてと」 クル
幼馴染「!」
男「おはよう」
幼馴染「うんっおはよう!」

486 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:24:03 ID:069AMhcA
幼馴染「さっきは助かったよ〜。困ってたんだ」
男「今のマスコミみたいなのって、昨日から居るのか?」
幼馴染「うん。夜中に急に来てビックリしたよ」
幼馴染「おばあちゃんとおじいちゃんが真っ赤になって怒鳴りつけたら帰っちゃったけど、諦めてなかったんだね」
男「夜中に来るとか…法的にアウトじゃないか?」
幼馴染「そうじゃないにしても、怖いよね」
男「だな…全くアイツら…」
幼馴染「…ん、もう時間だ!そろそろ急がなきゃ」
男「おっ」
幼馴染「今日も一緒に登校しよっ」
男「勿論」

487 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:25:10 ID:069AMhcA
幼馴染「では」 スス
男「良きかなー」
幼馴染「あはは」
幼馴染「…昨日もありがとね。質問攻めでどうしようって思ってたんだ」
男「別に良いよ。被害者は幼馴染だろ。あのマスコミもそうだけど、無遠慮に質問する奴に一言言ってやりたかったんだ」
幼馴染「そっか。でも、感謝してるよ」
男「困ったときはお互い様、だろ?」
幼馴染「ふふっ、それもそうだね!」
幼馴染「じゃあ、男が困ったときは、私が絶対に助けるからね」
男「了解。期待してるよ」
幼馴染「うんっ、まかせてね!」
男「あはは」
幼馴染「へへっ」

488 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:26:18 ID:069AMhcA
 今回の連鎖は完全に消滅した
 これで暫くは 平穏な日々を過ごせそうだ
 いずれまた予知は起こる だが仕方のない事だろう
 人は生きている限り必ず不幸に遭う 例外は一人も居ない

489 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:27:26 ID:069AMhcA
ならば 俺がやるべきことは 決まっている
 ただ 後悔の無いよう 行動する
 幸せを逃さぬように
 それが 今回の一件で 身にしみて分かった
 もう 恐れることなどないのだ
 未来に向かって 突き進む
 自分を信じてーーーーー

490 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:28:02 ID:069AMhcA
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
  ー春ー

491 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:28:47 ID:069AMhcA
幼馴染「ん〜!」ノビー
幼馴染「口コミ通り、綺麗な桜だね!」 テクテク
男「だなー」 テクテク

492 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:33:57 ID:069AMhcA
幼馴染「この桜並木、淡いピンク色がホントに綺麗…」
男「写真は撮らないのか?」
幼馴染「うーん…なるべくこの眼で見ておきたいかなって」
幼馴染「それに、実物を前にしての幻想的な感じって、私の撮影技術じゃ到底表せなさそうだしね」
男「確かに幻想的だな…和歌中の世界みたいだ」
幼馴染「あっ、良い例えだね。それ」
男「そうか?照れるな…あ、そういえば」
男「あの和菓子屋で桜餅買ってきたんだ。後で食べよう」
幼馴染「えっ!やったー!」
友「やったー!」
男「なにちゃっかり便乗してんだよw」
友「別に良いじーん」
幼馴染「ふふっ」

493 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:35:21 ID:069AMhcA
幼馴染「それにしても、こうやって三人で来られて良かったね」
男「そうだな」
友「おっ」
友「桜も綺麗だけどよ、あの湖も透き通っていて良いな!」
幼馴染「わっ、綺麗!」
男「ほお」
友「水鳥メッチャいるじゃん!水鳥!」
幼馴染「渡り鳥かな?」
友「さあ?」
男「コガモじゃないかな」
友「へえ。あれがか?」
男「そうそう」
幼馴染「可愛いねー」

494 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:36:03 ID:069AMhcA
男「桜並木の次は、湖畔の辺りを散歩でもするか?」
友「おっ良いな」
幼馴染「さんせー!」
男「そうと決まれば、善は急げだ」
友「うおー!」
幼馴染「いえー!」
  ヴー ヴー ヴー ヴー

495 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:37:28 ID:069AMhcA
友「あ、俺の携帯からだわ」 スッ
友「あー、はいはい、友でーす」
友「おおっ、お前か。どうしたんだ?」
友「……」
友「…ふんふん」
友「……えっ!?」

496 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:38:43 ID:069AMhcA
男「お?どうしたんだよ」
幼馴染「何かあった?」
友「…男、幼馴染、スマン!」
友「彼女とのデートの予定の日に、急遽用事が入ったらしくてな…」
友「そのデートが遠出なだけに、今から直ぐに打ち合わせをしに行かなくちゃならん」
男「ああ、成程」
友「ほんっとうに申し訳ないけど、ここからは二人で楽しんでくれ!」

497 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:41:02 ID:069AMhcA
幼馴染「そっか…」
幼馴染「残念だけど、友君の恋路を邪魔するわけにもいかないしね」
友「スマン…」
男「まあ今までのことを考えてみても」
男「友は俺たちのことをずっと応援してくれていたわけだし…」
男「次は俺たちが、お前の恋を応援する番だな」
友「!」
幼馴染「だねっ」
男「行って来い」
友「お前ら…ありがとな!じゃあ!」 タタッ
幼馴染「頑張ってねー!」 フリフリ
男「しっかりやれよ!」 フリフリ
友「おー」 フリフリ
 タッタッタッタッ…

498 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:42:57 ID:069AMhcA
男「……」
幼馴染「……」
男「散歩、再開するか」
幼馴染「うん」
・・・・・・・・・・・・
幼馴染「ねえ男」テクテク
幼馴染「友君にも彼女ができて良かったね」テクテク
男「ホントだな。後輩ちゃんだったっけ?」テクテク
幼馴染「うん。優しそうな娘だよね」
男「ああ。友と相性がピッタリだ」
幼馴染「だよねっ、私もそう思ったよ」

499 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:47:17 ID:069AMhcA
男「今回友が抜けちゃったのは残念だけど」
男「彼女と上手くいって、友情とはまた違う幸せを感じてほしいな」
男「俺たちみたいに、さ」
幼馴染「うんっ」
男「……」
ピタ
男「幼馴染」
幼馴染「んー?」
男「幼馴染は、今幸せか?」
幼馴染「もちろんっ!とーっても幸せだよ!」
男「うん…そうか。良かった」
幼馴染「ふふふっ」 ニコニコ
男「ははっ」 ニコッ

500 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:51:13 ID:069AMhcA
男「よしっ、そろそろおやつにするか!」
幼馴染「わーい」
男「友の分は…一個残るけど、生ものだからな…」
男「よし決めた。帰りに彼女の分も合わせて、桜餅を二つ買っていこう」
幼馴染「おおー良いね!後輩ちゃんと仲良く食べてほしいなー」
男「さて、どこで食べようか」
幼馴染「やっぱり桜餅は、桜の下で食べたいかな」
男「確かに」
幼馴染「うーん…桜ー桜ー…」
幼馴染「あっ、あそこに一本、凄く立派な桜の樹があるよ!」
男「わっ…本当だな。悠然と構えてるって感じだな」
幼馴染「私、あの樹が良いな。あそこで食べる?」
男「俺もあそこが気に入った。行こう」

501 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:57:46 ID:069AMhcA
幼馴染「わー」 タッ
男「おい、走ると危ないぞー」
幼馴染「だいじょーぶー!男がいるもーん!」 タタタ
男「ふふっ…なんだそれ」
幼馴染「あははっもう着いたよー!」 ピョン ピョン
男「待ってろよ、今行くからなー!」 タタタ
幼馴染「うん!まってるー!」
男(ようやく俺たちにも、幸せが掴めたんだ)
男(今ある幸せを、存分に楽しんでやろうじゃないか)

502 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:59:57 ID:069AMhcA
 
俺には予知能力がある
 忌まわしくはあるが 俺に必要不可欠な力だ
 俺はこの能力と 一生付き合うこととなるだろう
 そしてそう在る限り 俺は守り続ける
 大切な 掛け替えのない人を 
 この身果てるまで
         
               
                 
     
ーENDー 

503 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/21(土) 00:03:01 ID:6JkghLGI
これにて終了です
 矛盾だったり誤字だったりと色々あったかと思いますが
 ここまで見てくれた人達、ありがとう…!

504 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/21(土) 00:20:12 ID:SjG1oevU

ハッピーエンドでよかったよかった

508 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/21(土) 10:55:29 ID:Ak7fd1mk
お疲れ様でした
次回作品も期待

509 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/21(土) 18:38:30 ID:q.zQ36bU
お疲れ。