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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part17


449 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:26:16 ID:eYVC60q2
幼馴染「男が私たちを守ってくれたんです」
警察官А「なんと!?では君が直接犯人を…!?」
男「ええーとですね…」
男「あの…秘密にしといてくださいよ?俺も騒ぎになりたくないので」
警察官А「!…ああ分かった。秘密にしておくよ」
警察官А「フフ、ヒーローがこんなにも近くに居たとはな…よし、犯人をパトーカーに運ぶぞ!」
警察官B「はいっ」 
警察官А「勿論君も病院に連れて行くよ。さあ来なさい」
男「…分かりました」
男(ふう…こりゃ周りに説明するのが大変だな…)
男(学校はともかく…家族には何と言おうか…)

450 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:27:35 ID:eYVC60q2
警察官А「……」 グイッ
警官「」グッタリ
警察官B「手錠完了」 カチリ
警察官А「よし、行くぞ」
男「……」
警官「……う」
警官「う…ぐ…」
警官「!?」
警察官А「よお、やっとお目覚めかい」
警官「な…んだこれは!?」

451 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:29:09 ID:eYVC60q2
警官「…ッ」 バッ
警察官А「もうお前は捕まったんだ」
警官「な……」
警察官А「お前の野望もここまでというわけさ」
警官「あ…あ」
警官「あああああああああああああああああ!!!」
警官「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」 バタバタ
警察官А「暴れても無駄だ。おとなしくしていろ」 グイ
警官「うあああああああああああああああ」
男「……」
警官「…!!」 ギロッ
男「!」

452 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:30:39 ID:eYVC60q2
警官「貴様アァァァ……」ギギ…
警官「貴様さえ居なければアァ…計画通りだったんだアァァ…」
男「……」
警察官А「……」 ググッ
警官「呪ってやる…覚えていろよオォ…」 ググググ…
警察官B「おい!さっさと歩け!」
警官「許さん…許さんぞォ…」 ググ…
警官「貴様は…絶対にイィ…」ググ…
   バタン 

453 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:33:01 ID:eYVC60q2
男「……」
男「もし幼馴染が殺されていたら…」
男「俺こそお前を、呪っていたよ…」
幼馴染「……」
友「……」
警察官B「…さあ、男君も一緒についてきて」
男「…はい」 スタスタ
友「…男」
友「また…明日な」
幼馴染「また明日ね…」
男「おう、また明日…」

454 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:34:14 ID:eYVC60q2
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・

455 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:36:22 ID:eYVC60q2
 
 事件解決から一夜明け…
 ー学校ー
友「……」
 ガラッ
友「お」
男「お」

456 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:37:51 ID:eYVC60q2
友「よお!早かったな」
男「おう、おはよ」
友「おはよう。体の調子はどうだ?」
男「ん…元気元気」
友「そうか…しっかし、その制服の肩パッドの下って、やっぱり包帯か?」
男「まあな。でも縫う程度だ。そこまで酷くない」
男「むしろ鎖骨の骨折のほうが痛いな」
友「はああ!?お前骨折もしてたのか!?」
男「あれ?知らなかったっけ?」
友「知らんわ!」

457 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:39:55 ID:eYVC60q2
友「おいおい大丈夫かよホントにさぁ…」
男「とは言っても直ぐに治るらしいぞ」
友「そういう問題じゃねえよ…ハア、無茶しやがって」
男「スマン」
友「…今度からはそんな無茶すんなよ。もっとも、あんなことはもう御免だけどよ」
男「そうだな…心に留めとくわ」
友「ん。それで良し」

458 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:42:18 ID:eYVC60q2
友「…それはそうとして、幼馴染の家の前にあんだけパトカーが集まったら、やっぱり騒ぎになるよなー…」
男「あ、やっぱりなっちゃってるか」
友「でも男のことは全然噂になってねーな。警察も約束を守ってくれたらしい」
男「そりゃあ良かった。俺は家族への説明でヘトヘトだよ」
友「病院でも学校でも質問攻めじゃ耐えられないな」
男「そうそう」
友「あ、でも、今心配するべきは幼馴染だな」
男「え?」
友「幼馴染こそ多分今質問攻めだぜ」
男「!!」 ガタッ
友「お、おい…行くの?」

459 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:44:04 ID:eYVC60q2
男「ちょっと助けてくる!」 ダッ  ガラッ
  ピシャッ
友「ちょっ…」
友「……」 
友「まったく…無茶は止めろって言ったばかりなのによ…」
友「仕方のない奴だな…」
友「はあ…」
友(ま、それでこそ俺の親友だよな)
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・

460 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:44:50 ID:eYVC60q2
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
チッ チッ チッ チッ チッ チッ

461 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:47:25 ID:eYVC60q2
チッ チッ チッ チッ チッ チッ
男「……」 スー スー
男「……」 スー スー
男「…う…ん」 ギシ…
男「……」 スー スー

462 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:50:13 ID:eYVC60q2
「……」
「……」
 もう分かっているのだろう?
「……」
「…ここは…何時ぞやの」

463 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:55:47 ID:eYVC60q2
久しぶりだな 
「…また来るとはな」
 これが最後かもな 
「ふーん…まあこれで二回目なんだ」
「深層心理だか何だか知らないが、何とも思わないね」
 以前に言ったように お前がどう思おうが俺にはどうでも良いことだ
「へえ。そうかい」
 そうだ

464 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:58:23 ID:eYVC60q2
「……」
「で、そんなことよりもだ」
「もう分かっているって、…何のことだよ」
 とぼけるな 
 お前は俺で 
 俺はお前
 お前も本当は理解しているはずだ
「……」
 今回お前は危機を回避した
    しかし
 完全に事態は解決していない
「……」

465 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:59:32 ID:eYVC60q2
「…何が言いたい」
 奴を殺していない
「……」
 生かしておいただろう
「…当たり前だ」
「それがベストだ。人は殺せない」
 だがな それじゃあ…
「奴は暫くは刑務所の中だ。そうなればもう連鎖は起きない」

466 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:00:55 ID:eYVC60q2
 
…ふん 甘いな
 まだ奴が 幼馴染を殺しにくる可能性は 少なからず 残っている
 奴が存在する限りは また連鎖が起きないとも限らない
 
「だからなんだよ」
 …なんだと?
「可能性の話だろ。それは」
「もう今回の連鎖は途切れた。俺はそれで良い」

467 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:07:57 ID:eYVC60q2
「どうせ俺が奴を殺そうが殺すまいが、火種が奴でなくなるだけだろう?」
「いずれ不幸はまた起きるだろう。奴とは関係の無い不幸が」
「もしそれが俺の大切な人に降りかかるのなら、その時はまた、俺が守れば良いだけの話だ」
ほう 守るときたか
 確かに奴を殺したところで いずれ別の不幸は起きる それは逃れられん
 …だがな 今度こそ死ぬかもしれないぞ
「守るさ。必ず」

468 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:11:40 ID:eYVC60q2
 
…はは 生意気なことを
「……」
 その覚悟はあると?
「あるね。どんな運命でも」
 …………
 そうだ そういうことさ 結局はな
「……」
 お前がその覚悟を持っているのならそれでいい
 俺はそれが聞きたかった
「……」

469 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:13:47 ID:eYVC60q2
 
 その覚悟が無ければ お前は未来に怯え 惑い 壊れるだけだ
 今回の件で お前は強くなったようだな 
「ちっ…なんだよそれ」
「お前こそ生意気じゃねえか。回りくどい」
お前がどう思おうと 俺の勝手だ
 さて もう用も済んだ
 俺は引っ込むこととしよう
「あ?もう行くのか」
 寂しいのか?
「馬鹿言え。どうせお前と俺で一つなんだろうが」
 それもそうだな 

470 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:16:09 ID:eYVC60q2
「じゃあさっさとオサラバさせてくれ。こんな空間」
 言われなくてもそうするさ
「そうしてくれ」
最後に言っておく
「またかよ」
 お前 力を過信するなよ
「分かってるよ」
 …これは特権だ お前だけに与えられし特権
 その力に溺れずに 不幸を回避しろ
 そして 幸せを掴め
「……」
 では さらばだ

471 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:19:14 ID:eYVC60q2
男「……」
 チュン…  チュン…
男「……」
男「……」 パチ 
男「……」 ギシ…
男「…朝か」
男「終わったんだな」
男「守れたんだ。俺は」
男「……」
男「…良かった」

472 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:20:55 ID:eYVC60q2
男「……」 モグモグ
母「朝ごはん食べ終わったら、食器片しといてねー」
男「分かった」 モグモグ
男「……」 モグモグ
『次のニュースです』
男「…ん」

473 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:24:00 ID:eYVC60q2
『先日午後四時半ごろ、○○市内の女子高生の自宅内に、その市内の交番に在駐していた元警察官の〈警官容疑者〉が無許可で押し入り』
『その家に居た友人一名を刃物で傷つけたうえ、女子高生を殺害しようとしたところ、危機を感じた友人二名により現行犯逮捕されました』
男「…!」

474 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 23:25:14 ID:eYVC60q2
『容疑者は犯行に及ぶ直前に、以前在駐していた交番に侵入し〈巡査〉さんを刃物で突き刺し大けがを負わせ、そこで制服や拳銃を奪ったとみられており』
『その制服を着て変装し、奪った拳銃を犯行に使用したようですが、幸いそれによる負傷者はいませんでした』
『なお、突き刺された〈巡査〉さんは付近の住民の発見により病院に搬送されましたが、一命を取り留め、現在は命に別状はないとのことです』