男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
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Part16
420 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:18:19 ID:
MYeH4Wl2
友「スマン!!どうしても心配で見に来た!!」 ドタドタ
友「入るぞ!!」
ドタドタドタドタ
警官「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい」
警官「チッ…なんだよ!!」
警官「まだ誰か居やがったのか!!」
男(と、友…)
男(言いつけ破りやがって…)
男(まったく…お前はどうしようもないな)
421 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:22:45 ID:
MYeH4Wl2
男(だが礼を言う)
男(おかげで奴に隙ができた)
警官が突然の第三者に戸惑い ナイフを首から遠ざけ 拘束が緩む
すかさず俺は 肩の傷口に手をあて
鮮血をたっぷりと付着させた平手打ちを 奴の目を目掛け喰らわせる
422 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:27:52 ID:
MYeH4Wl2
男「おらっ!!」 バチイッ
警官「がっ!?…ああああああ!!!」
警官「目がっ…貴様!!」
男(目潰し効果も抜群だぜ!)
間髪入れずに 身を反らした奴の顔面に
肘鉄を撃ち込む
男「ーッ!!」 ゴシャッ
警官「ぎっ!?」
423 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:32:53 ID:
MYeH4Wl2
警官「お…おお…」 フラ…
男「離れろ変態!!」 ドガッ
奴の腹部に思いきり蹴りを入れてやる
背中を地面に着けた状態での蹴りだったが 奴は後方へ倒れ込んだ
警察「ぐっ…」 ドシャッ
友「おい!!ここか!!」 バッ
男「ハアッ…ハアッ…」
男「友!来るんじゃねえ!!」
友「!!…なんだこの状況!?」
男「いいから離れてろ!!」
424 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:44:52 ID:
MYeH4Wl2
警官「うぐぐ…」 フラ
警官「クソ…油断した…」
友「おい!まさかアイツがストーカーか!?」
男「だから離れてろって!!奴は本気で人を殺しにくる狂人だ!!」
警官「クソガキ共がぁ…今度は容赦しない…」
警官「たかが三人。本気をだせば直ぐに片付くんだぁ…」 チャキ
友「お、おい…なんかヤバいぞ」
男(奴が本気になった…楽しむことを放棄して、確実に殺しにかかる気だ)
男「俺がやる!!二人は逃げろ!!」
警官「はぁ?」
警官「私に敵うとでも思っているのか?」
警官「返り討ちにして、切り刻んでやるよ…ヒヒッ」
男(勝算は低い…だがやるしかない)
男(二人を守るーーー)
425 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:48:30 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「そこまでだよ」 チャキッ
幼馴染「そのナイフを下ろして」
男「…!!」
警官「……!」
そこには
ピストルを構えた幼馴染の姿があった
男「幼馴染…」
426 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:54:54 ID:
MYeH4Wl2
警官「フッ…」
警官「フフ…アハハ…」
警官「アハハハハハハハハハハハハハ!!!」
幼馴染「……」
警官「アハハハハッ……ああ面白い」
警官「何だぁお前?そんなモノを拾ってどうするんだ?」
幼馴染「そのナイフを…下ろして」
警官「おお、撃つのか?撃つつもりなのか?」
警官「良いぞ、お前がそのつもりなら」
警官「できるものならなぁ」 ニヤア
幼馴染「…ッ」 カタカタ
428 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:09:21 ID:
MYeH4Wl2
警官「どうした?震えているじゃないか」
警官「怖いんだろう?人を殺すのが」
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 カタカタ
警官「早くしないと殺されるぞ?」 スッ
幼馴染「う……」 カタカタ
幼馴染(守られているばかりじゃ…駄目!) カタカタ
幼馴染(自分で…守る…) カタカタ
警官「…ほら。撃ってみなよ」
警官「愛するお前に撃たれるのなら、まあ悪くはないかもしれないな」
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 カタカタ
幼馴染(早くしないと…男たちが殺される…) カタカタ
幼馴染「ハアッ……」 カタカタ
429 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:10:32 ID:
MYeH4Wl2
友「ヤバい…ヤバいぞ…」
友「何で幼馴染はあんな物騒なモン持ってんだよ!?」
男「……」
男「……」 フラフラ…
友「おっおい男!今二人の方に向かうのは危ないぞ!」
骨折といい 肩の切り傷といい
兎に角痛みは際限なく襲ってくる
だがそんなことはどうでもいい
俺には 向かい合う二人の姿しか映っていなかった
431 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:17:47 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 カタカタ
幼馴染「うう…う…」 カタカタ
警官「なんだよ…結局撃たないのか」
警官「がっかりだな…新たな一面を垣間見たと思ったのに」
警官「しょうがない。じゃ、目標通り殺すか」
幼馴染「……!」 カタカタ
警官「残念だけど、サッと殺すことにするよ」 スタスタ
警官「邪魔者も増えたことだし…」
警官「今まで、楽しかったよ」
432 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:22:07 ID:
MYeH4Wl2
警官「そして!今こそが絶頂の瞬間!!」
警官「長年にわたり積み重ねた私の想い」
警官「受け取ってくれええええええ!!!」 バッ
幼馴染「ッーーーー!!!」 ギュッ
友「!!おさなーーーー」
ダンッ
433 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:29:25 ID:
MYeH4Wl2
友「……あ」
幼馴染「……ッ」
幼馴染「……?」
幼馴染「!」
ズシャアッ
警官「うぐっ…」
警官「な、なにをする!?離せ!!」
男「……首筋に」 バッ
男「直接」
男「押し付ける」 グイッ
バババババババババババハッ
警官「ああああああ!?!?」
434 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:30:51 ID:
MYeH4Wl2
男「……」 ババババババッ
警官「があああああ…ああ…」
男「……」 …スッ
警官「ああ…あ…」
警官「」 ガク
435 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:41:03 ID:
MYeH4Wl2
警官「」
男「ハア…ハア…」 バチチッ バチッ
男「ハア…」 バチ…
友「お、男…」
幼馴染「男…」
男「これで…制圧完了だ」
幼馴染「……」
男「殺す必要なんてない」
男「幼馴染が必死になってくれたのは嬉しいが」
男「殺人者には絶対になってほしくない」
幼馴染「う…」 ポロポロ…
幼馴染「うう…」 ガクッ
幼馴染「うああああ…」 ポロポロ
436 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:52:42 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「うう…ヒック…」
男「……」 ナデナデ
男「…よし、友、警察が来るまでにコイツを縛っておこう」
警官「」
友「お、おう!」
友(男の奴…)
友(躊躇いもなくストーカーに突っ込みやがった…)
友(あんなの…俺にはできそうもねえ)
友(やっぱ凄いな…)
男「リビングの奥の俺が集めた色々なガラクタと一緒に、ロープも混じっているはずだ」
男「持ってきてくれ」
友「了解だぜ!」 タッ
437 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 22:59:28 ID:
MYeH4Wl2
男「……」
男(ああ…)
男(…疲れた…)
男「うわ…まだ肩から血が出てる…痛えな畜生」 ドロ
男(体中をぶつけたり切られたりで満身創痍だな)
警官「」
男「……」
男(あの時、友が来ていなかったら…)
男(あの時、幼馴染がピストルを構えて、奴に隙ができなければ…)
男(俺はもう、とっくに死んでいたかもな)
439 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 23:22:08 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「……」 スン…スン…
幼馴染「……」
男「……」
男「…いつまで蹲っているんだ?もう終わったんだ」
幼馴染「…男…ごめんなさい…」
幼馴染「私…とんでもないことをしようとしてた…」
男「うん…そうだな」
男「でも、今はこうやって犯人を無事無力化できた」
男「それで良いじゃないか」
幼馴染「…私、男に守ってばかりで…」
男「だからそんなことは気にしなくて良いって、前から言っているだろ」
男「俺もお前に命を救われた」
男「俺こそ守ってもらったんだよ」
幼馴染「……」
440 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 23:28:21 ID:
MYeH4Wl2
男「お互いに助け合っているんだよ。俺たちは」
幼馴染「……」
男「これじゃあ納得できないか?」
幼馴染「……」 フルッ
男「…分かってくれて嬉しいよ」 ニコ
幼馴染「うん…」
男「…これだけは言っておくけどな」
幼馴染「…?」
男「俺はそのままの幼馴染が好きだ」
男「自分で全部こなそうと頑張って、一人で悩んで」
男「たまに、俺に頼りっぱなしになっても、迷惑をかけても」
男「いつも俺のことを気遣ってくれて、俺のために必死になってくれる」
男「それが、俺の好きになった幼馴染だ」
441 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 23:34:16 ID:
MYeH4Wl2
男「そのままで良いんだ」
男「そのままが良いんだ」
幼馴染「……!」
幼馴染「うん…うん…!」 グスッ
男「お、おいおいまだ泣くのか?」
幼馴染「だって…嬉しくて…」
男「ははは」
幼馴染「…グスッ」
男「……」 ギュ…
男「怖かったな…。もう大丈夫だ」
幼馴染「うん…」
ーリビング入口ー
友(あはは…お取込み中だな…どうしよう)
442 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 23:35:27 ID:
MYeH4Wl2
今日はここまで
ここまで見てくれて、ありがとうございました
443 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/16(月) 00:05:11 ID:373M3YIs
>>442ちょっと最終回っぽいコメントに焦っちまったじゃねぇか
乙
444 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/16(月) 23:17:37 ID:nwNJ841M
まだまだ序盤だよね
445 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/17(火) 10:04:06 ID:yE/Z2R8k
>>444
これで序章だと幼馴染みと男が不憫過ぎる・・・
446 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:23:38 ID:
eYVC60q2
ウーーー ウーーー
警察官А「…これは驚いたな」
警察官B「ええ…まさか子供たちでストーカーを撃退するとは」
警官「」
警察官А「…ホントに君たちがやったのかい?」
男「まあ…そうです」
友「へへっ、謙遜しなくても良いじゃねえか」
幼馴染「……」 コクコク
447 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:24:37 ID:
eYVC60q2
警察官А「凄いね…」
警察官B「こんなに勇気のある子どもたちを見たのは初めてですよ」
警察官А「兎に角…君たちが無事で本当に良かった」
警察官А「到着が遅れてすまなかった。犯人を捕獲してくれたことへの礼と共に、謝罪させてくれ」 スッ
警察官B「……」 スッ
448 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 22:25:30 ID:
eYVC60q2
男「そんな…良いですよ。謝罪なんて」
警察官А「そうか…」
警察官А「それと、犯人は交番に在駐していた巡査を襲い、拳銃を奪い所持していたと聞く。怪我はしていないかい?」
男「あ…それは…」 ポタ…
警察官B「!」
警察官B「君!肩を怪我しているじゃないか!」
男(うわ、バレた)
警察官А「なに!?すぐさま病院に送ろう!」
警察官А「待っててくれ、パトカーを出すから…」
男「いやいや、大した傷では…」
幼馴染「駄目だよ。男」
友「そうだぞ。その傷は結構深い。病院に行って来い」
男「う…」