男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
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Part15
395 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:43:27 ID:
MYeH4Wl2
男「…まあ大したことじゃない。ほっとけば治る」
幼馴染「それで…予知通りに撃たれたのは、作戦通りだったってこと?」
男「そうだ」
男「予知に逆らわず、その通りに動く」
男「そうすることで、弾道を予測したんだ」
幼馴染「凄い…」
男「命懸けの賭けではあったが…なんとか勝つことができた」
男「この勝負、俺たちの勝利だ」
幼馴染「……!」
幼馴染「うん!!」 グスッ
397 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:18:27 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「あはは…」ポロポロ
幼馴染「男…ホントに心配したんだから」 グスッグスッ
男「悪かったな。黙っていて…」
幼馴染「死んじゃってたらどうしようって…」グスッ
幼馴染「悲しかった。怖かった。何にもできない自分が許せなかった…」
男「幼馴染…」
幼馴染「でも、生きてて良かった…」
男「俺も…」
男「幼馴染を守ることができて良かった」
幼馴染「男ぉ!」 ギュッ
男「おわっ…」
男「はは…よしよし」ナデナデ
幼馴染「ん……」 ギュー
398 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:20:57 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「……」ギュ・・・
幼馴染「ねえ…そのスタンガン?だったっけ」
男「ん?」
幼馴染「その道具が友君に頼んでいたものなの?」
男「その通りだ。このタイプは結構な威力で、服の上からでも十分に効力を発揮する」
男「それに電気ショックだから、相手を傷つけることなく無力化できる」
幼馴染「わあ…そんなところまでちゃんと考えてあるんだね」
男「まあ…俺も好き好んで相手を傷つけたくないからな」
幼馴染「…やっぱり男は素敵だなぁ」
男「う…不意打ちは照れるだろ///」
幼馴染「ふふっ…」
399 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:22:49 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「男…どれだけお礼を言っても足りないけれど、本当にありがとう」
男「おう」
男「でも、礼は友にも言ってやってくれ」
幼馴染「勿論っ」
男「はは、よし、友を呼んでくるか!」 パッ
幼馴染「あ…」
幼馴染(もっとギュっとしていたかったなぁ…)
男「兎に角、これで一件落着だ。後は警察が来るのを待とう」
幼馴染「…そうだねっ」 ニコッ
400 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:26:13 ID:
MYeH4Wl2
男「あー…イテテ…」 サスサス
男「ははっ…寿命が縮んだよ全く…」 クル
幼馴染「あははっ…私もーーーー」
ズ・・・・
幼馴染「!!!」
幼馴染「男っ!!!後ろ!!!」
401 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:29:07 ID:
MYeH4Wl2
男「はっ!!??」
シュガッ
幼馴染「男!!」
男「ーーーーーーーッ!!」
402 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:40:52 ID:
MYeH4Wl2
空を薙ぐ音がし 突如刃が襲ってきた
俺は咄嗟に体を反らし それを避ける
が
左胸のベルトが断たれ そのままの勢いで
生身である肩まで切り裂かれる
男「くあっ…」 パタタッ
肩から噴き出した鮮血が 床に点々と模様をつける
左胸から フライパンや雑誌が滑り落ち 床に転がった
403 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:48:33 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「そんな……!」
男「ハアッ…ハアッ…」 トトッ
男「な…何故だ…」
警官「クク……」 チャキ…
男(奴は電気ショックを受けた。それも強力な)
男(しばらくは動けないはずだろうが…!)
404 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 15:57:56 ID:
MYeH4Wl2
男「クソ…痛えな畜生…」 ポタッ ポタッ
警官「んー…お前には今度こそ本当に驚かされたよ」
警官「まさか、銃弾を喰らって生きているとはね」
男「おい…テメエこそ何故平気なんだ…」
警官「おや、お前は学習不足のようだな」
男「なんだと…!?」
警官「まさかスタンガンまで用意しているとは驚いたが…」
警官「スタンガンは電気ショックで相手を無力化する」
警官「故に、金属繊維を編み込んだ私の制服には無意味、ということだ」
男「なっ!?」
405 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 16:06:00 ID:
MYeH4Wl2
警官「ああ、無意味では無かったか…そうだな、多少は痺れた」
男「……!」
警官「でもすぐに硬直は解けたよ…クク」
警官「その間に女はノコノコ出てきてくれたなぁ」
幼馴染「ッ…」
警官「で、油断したところを殺そうかと思っていたんだけど」
警官「俺が痺れている間に、拳銃がどこかにいってしまった」
男「蹴り飛ばしてやったよ…」 ポタポタ
警官「ふーん。でも残念だったね。見ての通り、私はナイフも持っているんだ」
警官「これで既に人を一人殺した」
男「!!」
幼馴染「え…!?」
406 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 16:16:49 ID:
MYeH4Wl2
男「テメエ…!!」
幼馴染「な……」
警官「実を言うと、この制服もあの拳銃も、ソイツから拝借したんだけど」
警官「いやあ、制服には救われたなあー」 ニヤア
男「糞野郎が!!!」
男「テメエはーーーー」
警官「さて、お前も死ね」 ダダッ
男「うっ!?」 ドガッ
ドシャアッ
男「なあっ…くう…」 ギリギリ
警官「……」 ギリギリ
幼馴染「お、男…!」
警官「……」 ギリギリ
407 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 16:17:43 ID:
MYeH4Wl2
床に押し倒され 抑え込まれた
凄まじい力だ
一瞬で身動きが取れなくなった
この状況は
不味い
408 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 16:24:10 ID:
MYeH4Wl2
警官「逮捕術には自信があるんだ」 ギリギリ
男「ぐううあああ…!!」
幼馴染「ひっ…」
幼馴染(ど、どうしたら…)
警官「おっと、そこの『幼馴染』は動くなよ?」 ギリギリ
警官「動いたらすぐさまこの彼氏を刺す」 スッ
男「…テ…メェ…」
409 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 16:31:45 ID:
MYeH4Wl2
警官「アハハッ楽しいねえ!!」 ギリギリ
警官「苦しむ彼氏と、それを見ながらも何もできない彼女!!」 ギリギリ
警官「最高だ!!最高に面白い!!」 ギリギリ
男「ぐ…」
警官「まあどうせ殺すんだけどさあ…彼女としては希望を持ちたいよなあ?」
警官「お前が動かない間は生かしておいてやるんだから」
幼馴染「……ッ」
警官「お前は何にもできない」
警官「でも悲しむ必要はない」
警官「最後に俺に殺されるという立派な役目を果たせるんだからさあ」
幼馴染「く……」
男「ふざ…けんなぁ…!」
410 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:01:43 ID:
MYeH4Wl2
警察「あ、そうそう」ギリギリ
警察「少しお前に聞きたいことがあったんだよ。彼氏君」 ギリ・・・
男「……」
警官「お前は何者だ?」
男「……」
警官「俺の行動を前もってしっていたかのように動き、さらには準備までしていたようじゃないか」
警官「正直言って、危うく計画が失敗するところだった」
警官「見事だ。敬意を払っても良いくらいに」
警官「しかし、だ」
警官「とても常人にできることじゃないだろう?」
警官「そこが少しばかり、興味深くてね」
411 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:03:42 ID:
MYeH4Wl2
男「……俺は」
男「…俺はただの高校生だ!それ以上でもそれ以下でもない!」
警官「へえ…そうか」
警官「ただの高校生ねえ…」
警官「まあ、今ここでこうやって押さえつけられ、殺されかけているということについては」
警官「確かに特別な人間の創りだす状況とは思えない」
警官「予知がどうこう言っていたのは虚言か?」
男「……!」
警官「…そういうことにしておこう。多少期待外れではあるがね」
412 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:08:16 ID:
MYeH4Wl2
警官「さてと…」
警官「もうお前に対する興味は失った」
男「!!」
幼馴染「!!」
警官「時間がないんだ」
警官「もう警察が騒ぎ出すころだろう」
警官「私のこの計画は、邪魔をされるわけにはいかない」
警官「そろそろ…」
警官「殺すとしよう」 スウ…
413 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:10:20 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「待って!!止めて!!」
警官「……」 ツー
男「………」 フーッ フーッ
首筋に ひんやりとした感触
刃物の冷たい感触だ
体の奥底から湧き出る寒気
冷や汗が滲み出る
幼馴染「お願い…止めて…」 フルフル
警官「ハハ、大丈夫だ。どうせ彼氏彼女共々、あの世に送ってやることになるんだから」
414 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:10:57 ID:
MYeH4Wl2
警官「ただ、最初は私の邪魔をしたコイツから」
警官「そしてコイツを殺した後に」
警官「『幼馴染』、お前を…今まで我慢してきた分ゆっくり、時間が許す限り愛撫してから」
警官「殺す」
幼馴染「ひっ…ひっ…」フルフル
男「ちく…しょうが……」
415 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:11:44 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染「……」 フルフル
幼馴染(私はーーーーー)
幼馴染(何をしているんだろう)
幼馴染(またこうやって、ただ見ているだけ)
幼馴染(男が近くに居るのに…)
幼馴染(何もできない、無力な私…)
幼馴染(ッ…そんなの…嫌だ!)
幼馴染(諦めちゃ駄目!まだ…何か私にできることが…)
幼馴染(何か…何か…)
幼馴染(…!)
416 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:12:20 ID:
MYeH4Wl2
幼馴染(あ…リビングの隅に…ピストルが)
幼馴染(男が蹴り飛ばしたのが…あんなところに…)
幼馴染「……」ゴク…
幼馴染(私が…あれをとれば…)
幼馴染(もしかすると…)
417 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 19:14:00 ID:
MYeH4Wl2
警官「ああああああああああああもう我慢の限界だ」
幼馴染「ッ」 ビクッ
警官「ずっと、何年も待ち続けていた瞬間なんだ」
警官「『幼馴染』を早く殺したくて堪らない」
警官「だから」
警官「早くコイツを殺そう。ああ楽しみだなあ」 スス
男「う……」
プツ ツツ・・・
首筋の皮にナイフの刃が食い込む
声を上げる程度の身じろぎで 喉笛が切り裂かれるだろう
不味い 不味い 不味い 不味い 不味い
不味い 不味い 不味い 不味い 不味い
不味い 不味い 不味い 不味い 不味い
418 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:08:01 ID:
MYeH4Wl2
俺はどうなっても良い
だが
幼馴染が殺されるのだけは
絶対に
許せない
守ると誓ったんだ 約束したんだ
幼馴染の笑顔を守るのは
俺だ
だから ここで死ぬわけにはーーー
419 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 21:12:27 ID:
MYeH4Wl2
警官「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
警官「アハハハハハハーー…」
バンッ
「おいっ!!男!!幼馴染!!無事か!?」
男「!!」
警官「…あ?」