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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part14


366 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:25:34 ID:gJe6PQGo
警官「まさかあの女の家に来てみたら、お前がいるとは思わなかったぞ」
男「…!」
警官「くく…これは面白いことになった」
警官「丁度良い。幼馴染はどこだ?」
男「ふざけるな!!警察に突き出してやる!!」
男「幼馴染はここには居ない!!俺が留守番をしているだけだ!!」
警官「ほう…」
男(勿論そんなことを言ったところで、信じるわけもないだろうな)
警官「そうかそうか…」
警官「…お前、あの女の彼氏か?」

367 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:34:05 ID:gJe6PQGo
男「だったらどうした!!」
警察「…成程な」
男「……」 
警官「あの女が、最近一人で帰らなくなってしまった」
警官「非常に残念だったよ」
男「『あの女』と言うんじゃない!!幼馴染だ!!」
警官「知っているとも。だがどうでも良いことだ」
男「……」
警察「私はあの女の存在自体を愛している。名前なんざどうだっていい」

368 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:41:10 ID:gJe6PQGo
警官「と…まあ、その話はさておき」
警官「今回ここに来たことには、目的があるんだよ」
男「目的だと!?そんなモン持ち込むんじゃねえよ!!」
男「テメエはさっさと逮捕されろ!!」
警官「…こんな状況にも関わらず、案外冷静なんだね」
警官「うん。良い彼氏だと思うよ」
警官「非常に目障りだ」
男「……ッ」 ゾクッ

369 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:47:26 ID:gJe6PQGo
警官「私はね」
警官「ある計画を実行するためにここに来た」
警官「この計画はいずれ実行するつもりではあったんだよ」
警官「でも、それは数年後になるはずだったんだ」
男「……」
警官「しかし、だ」
警官「お前のせいで計画を早めざるをえなくなってしまった」
警官「お前が邪魔をしたせいで。お前のせいで。お前が居たから」
警官「そして今回も、家に入ってみたら、これだよ」
警官「あんまりじゃないか」

370 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:56:21 ID:gJe6PQGo
男「なんだと…」
警官「君は警察がどうこう…などと言っていたようだが」
警官「心配しなくて良い。私はとうにそんな覚悟はできている」
警官「この計画が済んだら、どうせ逮捕されるのだから」
男「幼馴染に…何かするつもりか」
警官「クククッ…ご名答」
警官「あの女の一生を、この私の手で終わらせてやるんだよ」
警官「それこそが私の長年の悲願!!それさえできたらもう何もいらない!!」
警官「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

371 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:01:51 ID:gJe6PQGo
男「お前は…狂っている」
警官「狂っている?愛の形は人それぞれだ」
警官「何がおかしいと言うんだ?」
男「……」
男(いよいよ…か)
警官「私はこの計画に人生を懸けている」
警官「邪魔をする奴は許さない」

372 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:12:57 ID:gJe6PQGo
警官「なあ?あの女が居ないというのは嘘だろう?」
警官「〈いつも履いている〉靴が玄関にあるじゃないか」
男「……」
警官「お前のような番犬がいるとは予想外だったが…」
警官「まあ良い。邪魔者は始末するだけだ」 チャキ
警官「どこに隠れているのかは知らないけどなあ」
警官「お前を殺してから、あの女も探し出して殺す」
男「!!」
男(ははっ…やはりピストルか…確実に殺す気だな)

373 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:17:31 ID:gJe6PQGo
これは…賭けだ
男「撃たせるかよっ!!」 ダダッ
警官「…!」 
男「捕まえーーー」

374 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:18:19 ID:gJe6PQGo
       パンッ

375 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:24:34 ID:gJe6PQGo
男「あ……」
身体が 後方に 吹っ飛ばされる
      ああ
予知通りに なったなあ…
     撃たれた  撃たれたんだ…
男「」 ドサッ
思えば 初めて 予知通りの 未来をーーーー…

376 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:30:10 ID:gJe6PQGo
 
 ーリビングの奥(机の下)ー
 ドサッ
幼馴染「!!」
幼馴染「…お…とこ…」」
幼馴染「男が…」
幼馴染「嘘…そんな…」
幼馴染「嘘…嘘だ…」
幼馴染「そんな…ことが…」
幼馴染「あるはずが…」

377 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:38:12 ID:gJe6PQGo
幼馴染「ま…待っててね男…今すぐ…」 スク…
幼馴染「助けるから…」
幼馴染「…あ」
 『隠れているんだぞ』
幼馴染(男からの…言いつけ…)
幼馴染(破るわけには…)
幼馴染「う…うぅ…」 
幼馴染(一体…どうしたら…)
幼馴染「……」
幼馴染(…悔しい) ツツ… 
幼馴染(悔しい!悔しい!) ポロポロ
幼馴染(私…何にもできない) ポロポロ
幼馴染(ただ…見殺しにするしかないなんて…!) ポロポロ

378 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 23:44:10 ID:gJe6PQGo
警官「……」 
警官「フフ…」
警官「アハハハハハハ!!」
警官「アハ八ッ…ああ、愉快だ」
警官「まさか逃げるでもなく立ち向かってくるとは…驚きはしたが、愚かだな」
警官「スッとしたよ本当に…邪魔者が消えて晴れ晴れとした気分だ」
警官「フフ……」
警官「さて、と…」 クル
警官「かくれんぼの時間かな?」

382 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:04:13 ID:MYeH4Wl2
ー幼馴染宅の裏手ー
友「…おいおい」
友「発砲音か…?今の…」
友(警官が家に入って行ったと思ったら…)
友(発砲が2回続けて起こるだと…?)
友「何が起きてんだよ…一体」
友「まさか…あの警官が…」
友「そんな馬鹿な…」
友「これは…洒落になんねえよ…」
友「……」 
友「男…大丈夫なのか?」
友「……」 グ…

383 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:08:23 ID:MYeH4Wl2
警官「うーん…」 
警官「どこかなぁー」 クル
警官「この近くには居るんだろうけどねぇ」
警官「絶対に探し出して」
警官「殺す」 
警官「……」 ギッ ギッ
幼馴染(ヒッ…)
幼馴染(どんどん…近づいてくる)
幼馴染(怖い…)
幼馴染(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…!)

384 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:09:34 ID:MYeH4Wl2
警官「まずは…」
警官「リビングからかな」
警官「……」 スッ
警官「……」 ガタッ
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 ギュ
幼馴染(椅子とか…机の下を…)
幼馴染(虱潰しに探してる…)
警官「……」 ズズ
幼馴染(このままじゃ…男を助けるどころか…)
幼馴染(私も見つかってしまう…)

385 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:12:56 ID:MYeH4Wl2
幼馴染(駄目…それは最悪の結果)
幼馴染(男が守ってくれたんだ。無駄にするわけには…)
幼馴染「……」 ジッ…
幼馴染「……」
警官「……」
警官「…居ないな」
警官「二階か」
幼馴染「…!」
幼馴染(良かった…奥の方の机には気づいていない)

386 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:15:37 ID:MYeH4Wl2
幼馴染(このままじっとしていれば…隙を突いて、男を連れて逃げられる…!)
  ヴー ヴー ヴー ヴー ヴー

387 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:16:44 ID:MYeH4Wl2
幼馴染「!?」
警官「!!」
幼馴染(え……)
幼馴染(う、嘘…携帯が…)
 ヴー ヴー ヴー ヴー ヴー
幼馴染(あ……)
幼馴染(おばあちゃんが…安否確認のために電話をするって…)
幼馴染(言っていたんだった…)

388 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:19:36 ID:MYeH4Wl2
警官「そこに」  クル
警官「居るのか?」 ギッ
幼馴染(あ…ああ…)
幼馴染(見つかってしまう…)
幼馴染(殺されてしまう…)
警官「……」 ギッ ギッ
警官「……」 ギッ
幼馴染(もう…駄目だ)

389 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:29:06 ID:MYeH4Wl2
幼馴染(あーあ…)
幼馴染(折角…男とも恋人になれたのになぁ…)
幼馴染(ようやく自分に素直になれて)
幼馴染(一杯遊んで、一杯楽しんで)
幼馴染(私…もっともっとやりたいことあったのに…)
幼馴染(こんなところで、終わっちゃうんだ…)

390 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:29:43 ID:MYeH4Wl2
幼馴染(ごめんなさい…)
幼馴染(男…)
幼馴染(おばあちゃん…おじいちゃん…)
幼馴染(友君…)
幼馴染(学校の皆…)
幼馴染(今まで、ありがとう)
幼馴染(お母さん…お父さん…)
幼馴染(私、もうすぐそっちに行くからねーー…)

391 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:32:33 ID:MYeH4Wl2
「なあアンタ。予知って信じるか?」
警官「!!!」 バッ
幼馴染「えっ…!?」
男「これも全てーー」
男「狙い通りだ!!!」 ダッ
警官「なっ……」

392 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:34:30 ID:MYeH4Wl2
男「喰らえ!!!」 ガッ
   バババババババババッ
 呆気にとられている警官の背後に回り込み
 奴の制服の上から スタンガンを思い切り押し込む
警官「がっ…ああ!!」
男「……ッ!!」 バババババババ
警官「ぐ…」
警官「……」ニイ…
警官「」 ドタッ

393 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:38:21 ID:MYeH4Wl2
警官「」
男「ハアッ…ハアッ…」 バチッ バチチッ
男「ハアッ…」 カチ
幼馴染「お、男!?」
男「ハアッ…よ、よお幼馴染」
男「無事で何よりだ」
幼馴染「な、なんで!?撃たれたんじゃあ…」
男「ああ」
男「確かに、俺は撃たれた。予知通りにな」
幼馴染「……?」
男「予知通りの時間に。予知通りの部位に撃たれた」
男「だからこそ、防御が可能だった」

394 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/15(日) 13:40:51 ID:MYeH4Wl2
幼馴染「それはどういう…」
男「つまり、こういうことだ」 ジジ
 上に羽織っていた 厚手のジャンパーのチャックを開ける
 すると中には ズボンのベルトで左胸付近に縛り付けられた
 小型のフライパンがあった
幼馴染「…!」
男「もちろんこんなモン直ぐに貫通されるから、濡らした雑誌もはさんである」
男「案外効果的なんだよ」
男「小口径で助かった…まあ、衝撃は殺せないから、多分鎖骨あたりが折れたな…イテテ」
幼馴染「折れたって…」