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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part13


335 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:42:19 ID:gJe6PQGo
男「さて、俺も食べるとするか」 パク
男「お、美味い」 
幼馴染「ホントだ。美味しいね」パク
男「皮もパリパリに焼けたみたいだ。そこに甘辛いタレがかかって絶妙」 モグモグ
幼馴染「お肉もジューシーだよ」モグモグ
友「あっはっは。食え食え」
男「何でお前は料理店長風なんだよ…」
幼馴染「ふふっ…あ、そうだ」
男「ん?」
幼馴染「あのね、この近くの駅から電車で少し行ったところに、綺麗な湖畔がある公園があるんだって」
男「へえ」
幼馴染「桜も綺麗みたいなの。でね、良かったら三人でまた今度行かない?」
男「……」
友「おっ良いなそれ!」
男「…そうだな!」

336 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:44:23 ID:gJe6PQGo
友「あ、でもよ」
友「俺もついて行って良いのそれ?二人で行って来れば?」
幼馴染「もう///」
男(!…友の奴、幼馴染に言ったな)
幼馴染「二人で行くのはまた違うとこ…あっ」
幼馴染「んんっ…兎に角!今度のは三人で行こうねって話!///」
友「へえー。ですってよ、旦那ァ。楽しみですなァ?」 グググ
男「ぐ…分かった。分かったからグイグイ来るな」
友「ふ…はははっ」
男「ははっ」
幼馴染「ぷっ…あははっ」

337 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:45:46 ID:gJe6PQGo
   楽しい時間は あっという間に過ぎる

338 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:48:28 ID:gJe6PQGo
 
 

   ー15:02ー
  ザーーーーーーーーーー

339 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 12:55:01 ID:gJe6PQGo
  ザーーーーーーーーー
男「……」
幼馴染「……」
友「……」
友「…雨、また降りだしてきたな」
幼馴染「うん。止むかと思ってた」
男「……」

340 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 12:56:21 ID:gJe6PQGo
男「……」
男「友、悪いがもう時間だ」
友「…あ、おお。そうだな」
幼馴染「……」
男「…作戦を始めよう」

341 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 12:59:02 ID:gJe6PQGo
男「…友」
友「なんだよ」
男「何があっても、隠れているんだ。分かったか?」
友「何があってもって…不安になるようなこと言うんじゃねー
よ」
男「……」
幼馴染「……」
男「幼馴染も、もし交戦が激しくなっても隠れているんだぞ」
幼馴染「うん…リビングに、だったよね」
男「ああ。作戦の都合上、一階が最適なんだ」
幼馴染「分かった。隠れているね」
男「…頼んだ」

343 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 17:39:28 ID:gJe6PQGo
   

   ー16:20ー

344 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 17:42:20 ID:gJe6PQGo
 ー交番ー
巡査「ふああ…」
巡査「あーあ。新任でここに来たけど…ずっとここに居るだけで何もやることないな」
巡査「前の奴…勝手に逃げ出して俺の仕事増やしやがって…」
巡査「ストーカーだったか…気持ち悪いな。全く…」
  キイ…

345 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 17:43:39 ID:gJe6PQGo
巡査「…?」
巡査「はいはい。何の御用でしょうか?」 クル
巡査「…!!」

346 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 17:45:49 ID:gJe6PQGo
巡査「なっ……あ…」
巡査「…お、おい」
巡査「何故…ここに居る…?」
巡査「お前は…逃走中のはずじゃ…」
巡査「おい待て…何故近づいてくる…おい、来るな…!」
巡査「何のつもりだ…!?近づくなと言っている!」
巡査「お前はーーーーー…」

347 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 17:48:30 ID:gJe6PQGo
 
       ザグ

348 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 18:59:49 ID:gJe6PQGo
 
  「う…あぁ……」
  ドサリ
「……」
「……」 カチャカチャ
「……」 …カチン カシッ
「……」 ゴソゴソ
「……」 カチッ
「……」
「……」  ニヤア
       キイ…  バタン

349 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:01:06 ID:gJe6PQGo
ーリビングー
男「……」
幼馴染「……」
男(まだ…来ないか)
幼馴染「……」 フルフル
男「!」
男「どうした…怖いのか?」
幼馴染「…少しだけ」
男「…大丈夫だ。必ず守り抜く」

350 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:02:54 ID:gJe6PQGo
幼馴染「ごめんなさい…」 フルフル
幼馴染「落ち着いているフリしていたけど…やっぱり…」フルフル
幼馴染「男のこと、信じてる」フルフル
幼馴染「でも…怖くて…」フルフル
男「……」 ギュ
幼馴染「男…」
男「大丈夫だ…大丈夫」
幼馴染「……」 
  
   ズキン

351 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:03:57 ID:gJe6PQGo
男「!!!」 
男「く…」

352 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:05:52 ID:gJe6PQGo
ああ      奴だ 奴が来る
  
 乾いた発砲音
   扉が開かれる      いや 開かれるというより      破壊される
   奴が入ってくる      土足 
 
       手には
        ピストル 

353 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:10:50 ID:gJe6PQGo
幼馴染「お、男!まさか予知がっ…」
男「ッ…」 ズキンッ ズキンッ
  
        殺意に滾った眼
   薄ら笑いを      顔に浮かべながら  
      
       廊下に乗り込んでくる
   奴にとって近い      リビングを      目指して
       俺達に近づいてくる
   そして       俺はーーーーーーー 

354 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:12:34 ID:gJe6PQGo
男「ーー…!!」
男「ッはあっ…はあっ…」
幼馴染「大丈夫!?」
男「…幼馴染!今すぐ友に、警察に連絡するよう電話してくれ!」
男「もう一分後には奴が来る!」
幼馴染「うんっ!分かった!」

355 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:13:27 ID:gJe6PQGo
男(俺はその間に…!)
幼馴染「あっ友君!?今から直ぐに110番して!!」
幼馴染「もう来るの!!早く!!」
男「急がないと…っ」 ガサッ
幼馴染「電話、終わったよ!」
男「よし!幼馴染は奥に隠れるんだ!!急いで!!」
幼馴染「…うん!」 タッ

356 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:19:14 ID:gJe6PQGo
男(急げ…急げ…!) ゴソゴソ
男「……」 キュ
男「あ」
男(思い出したーー)
男(俺は奴に、昔…小学生の頃に会っていた。すれ違っていたんだ)
男(その時が、奴を初めて見た時だった)
男(…奴は付近の見回りをしていた)
男(すれ違いざまに、俺は見た)
男(奴の虚ろな眼を。何も思っちゃいない空虚な眼)
男(それが俺に、不気味な印象を与えた)

357 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:21:23 ID:gJe6PQGo
男(恐らく奴は…あの時、世の中全てに退屈していた。飽きていたんだ)
男(何かに飢えていた。自分の退屈を埋められる何かに)
男(ずっと)
男(そして、見つけた…)
男(それがーー幼馴染…)
男「……」 ギリ・・・
男「……」
男「…今更こんなことを考えていても仕方ない…か」 

358 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:23:07 ID:gJe6PQGo
ガチャッ  ガチャッ  ガチャッ
 
ドン ドン ドン ドン

359 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:24:02 ID:gJe6PQGo
男「…!!」
男「来やがったな…」
   ガチャ…
    パンッ

360 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:25:00 ID:gJe6PQGo
男(ドアノブが吹っ飛ばされたか…)
   カランカランッ  ギギ・・・
     ギイ…
  ギシッ  ギシッ  ギシッ

361 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 19:26:27 ID:gJe6PQGo
 
ギシッ…  ギシッ…
男「フー…」ドッ ドッ
男(落ち着け…緊張している場合か…) ドッ ドッ
男(覚悟は決めているだろ) ドッ
男「……」 
男(失敗は許されないんだ…)
男(呪われた運命を変えてやる)

362 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 21:59:45 ID:gJe6PQGo
男「……」スッ
リビングの入り口の扉の隙間から 少し目を覗かせる
奴の姿が見えた やはり予知通りの表情だ
ピストル持っている 警官に支給されるものだろう
そして何故か 制服を着ていた
男(アイツ…もう警官じゃないだろうが…!)
男(カモフラージュのつもりか?ふざけやがって…)

363 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:03:31 ID:gJe6PQGo
警官「……」 ギシッ ギシッ
ゆっくりと 周辺を見回している
幼馴染を探しているのだろう
男(まだだ…待つんだ…)
男(まだ出ていく時じゃない)
警官「……」ギシッ…
男(奴はまだこちらには気づいていない…これなら成功する)
警官「……」
男(…そろそろか)

364 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:11:33 ID:gJe6PQGo
警官「……」
男(よし…時間だ)
男「…フー…」
男「……」スス・・・
男(一、二…)
男(三!!)
男「誰だ!!」 バッ
警官「!!」 

365 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 22:18:23 ID:gJe6PQGo
男「お前はっ…!!あの時のストーカーだな!?」
男「何故ここに居る!!」
警官「……」
男「お前っ…あんなことをした上に勝手に人の家に上がり込んで」
男「ただで済むと思っているのか!!」
警官「……」
男(…どうだっ!?)
警官「……」
警官「これは…驚いたな」
男「!」