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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part12


307 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 18:09:14 ID:uj23zh5A
男「随分遅かったけど、何があった?」
友「家出るときお前に持ってこうとしたモン家族に見つかってな」
友「いやー、いくら俺の家族が寛容でも簡単に見逃してはくれなかったな」
男「それで慌てて逃げてきたのか…」
友「あーあ、家に帰ったら質問攻めだぜ」
男「まあ兎に角…来てくれてありがとな」
友「よせや。礼言い過ぎだお前」
友「ま、報酬は頂くけどな!」
男「ああ。事が終わったらな」
友「…っていうかマジで上がらせてくれ。寒い」 ガタガタ
男「あ、スマン。風邪ひかれても困るし、上がってくれ」
友「はー。お邪魔しまーす」
男「靴は並べろよ。人の家だぞ」
友「小学生か俺は…」

308 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 18:25:21 ID:uj23zh5A
  ーリビングー
男「よし、時間も限られている。友にも作戦を話しておく」
友「作戦?そんなモンがあんの?」
幼馴染「(ねえ男)」 ヒソヒソ
男「(どうした?)」 ヒソヒソ
幼馴染「(友君には、男の予知能力の話、するつもりなの?)」
男「(いや、言わない。友は何も関係が無い。俺が一方的に巻き込んでしまった)」
男「(だから、友にはあくまで協力者としていてほしい。これ以上巻き込みたくはない)」
幼馴染「(うん…そうだね。その方が良いよ)」
幼馴染「(でも、男の予知能力の話抜きで、作戦のことを伝えられるの?)」

309 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 18:26:17 ID:uj23zh5A
男「(できる。俺が今から友に頼もうとしているのは家の近くに隠れてくれということだけだ)」
男「(それも非常時において付近の住民に助けを求めたり、110番をする役割)」
男「(直接的にこの作戦に関わるわけじゃない…だから友には必要最低限のことだけ伝える)」
幼馴染「(成程…)」
友「何二人でヒソヒソ喋ってんだよー!ボッチは辛いぜー!」
男「あっ、…いや、何でもない」
幼馴染「…!」 コクコク

310 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 18:50:02 ID:3hCf/6yM
よく考えたら一般人が見てただけのストーカーを暴行を働いて現行犯逮捕した上で警察に突き出さなかった時点で男は犯罪者だな
そのとき没収した携帯も下手すると証拠能力がなくなる

311 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 18:53:21 ID:uj23zh5A
>>310
Oh…  作者が無知でした。すいません…

312 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 20:52:21 ID:uj23zh5A
友「まあこの家に二人きりでいたところを邪魔する形になったけどよー」
友「除け者はよしてくれよー?」 ノゾキコミ
男「そんなことするかっての」
友「あはは、冗談だよ」
男(昨日泊まったことを知られたら何て言われるか…)
男「あー、ゴホン。気を取り直して…とりあえずはお前に作戦のこと、そしてその作戦のために頼みたいことについて話しておく」
友「あいよ」
男「まずは作戦についてだがーー…」

313 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 20:53:55 ID:uj23zh5A
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
友「はえー…そりゃとんでもねえ話だな」
男「まあ中々にぶっ飛んだ話ではある」
友「で、俺は家の裏手とかに隠れておけば良いんだろ?」
男「そういうことだな」
幼馴染「友君は何時くらいから隠れるの?」
男「大体3時くらいから」
幼馴染「えっ…それは早すぎるんじゃない?」
幼馴染「友君も待ちすぎて苦痛になるかも…」
友「ばっか。俺はどうでも良いんだよ。幼馴染が危ないんだろ?だったらやるしかねえじゃん」

314 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 20:55:07 ID:uj23zh5A
友「ま、それに男に飯を奢ってもらうしな!」
幼馴染「え?」
友「げっへっへー」
男「まあ、友の時間を奪っているわけだしな。せめてものお礼だ」
友「へへへ、俺は大食いですぜ」
男「へいへい。分かった分かった」
幼馴染「ふふ…皆優しいね」
幼馴染「友君も、ありがとう」
友「へっ、良いってことよ!」
男「よし…時間がくるまで待機するとするか」

315 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 22:51:10 ID:uj23zh5A
友「そうだなー。何する?」
幼馴染「勉強でもする?」
友「真面目だな…」
男「同意」
幼馴染「そ、そうかな」
男「…じゃあ俺は少し集めるものがあるから、先に勉強なり何なりしていてくれ」
幼馴染「うん。二階に上がっているから」
友「えっ勉強すること確定?嫌だー!」
幼馴染「ほら、テストも近いんだから文句を言わない」グイグイ
友「うえー」
幼馴染(…今の私には、男の邪魔をしないことがとるべき行動)
幼馴染「レッツゴー」
友「うう…」

316 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 22:52:58 ID:uj23zh5A
男「……」
男(なにか…ひっかかるんだよな)
男(…何がだ?)
男(何だ…それは)
男(……)
男「…考えていても仕方ないか…ここまできたらやるしかない」
男「……」ガサガサ

320 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/13(金) 23:45:48 ID:iQw/wLQ.
ー幼馴染部屋ー
幼馴染「はい。入って」カチャ
友「んじゃ遠慮なく」
友「ほー。結構女子っぽい部屋だな」
幼馴染「そう?」
幼馴染(男と一緒のこと言ってる…男の子って皆こう言うのかな…)
友「そういや女の部屋に入ったの初めてかもしれん」
幼馴染「え、なんか意外だね」
友「意外でもなんでもねーよ」
幼馴染「そういえば、友君は誰とも付き合ってないの?」
友「そりゃそうだろ。俺がそんな高スペックに見えるか?」

321 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/13(金) 23:46:56 ID:iQw/wLQ.
幼馴染「ええー、でも友君恰好良いし、女子たちからも人気あるんじゃない?」
友「ないない」
幼馴染「ふーん」
友「俺はお前らみたいに交際には縁がないんだよ」
幼馴染「!!」
友「俺も誰かと相思相愛になってみてーぜ」
幼馴染「な…」
友「…ん?どした?」
幼馴染「お、私たちみたいにって…」
幼馴染「もしかして…」
友「え、付き合っているんだろ?」
幼馴染「ななな…!」

322 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/13(金) 23:47:46 ID:iQw/wLQ.
幼馴染「な、なんで知ってるのぉ!?///」
友「いや、そりゃ気付くだろ」
友「ま、俺は最近色々あって知ったんだけどよ」
幼馴染「///」
友「そもそも傍から見ても分かり易過ぎだって」
幼馴染「うう…///」
友「別に今更照れることじゃねーじゃん」
友「俺は幼馴染が男を選んだのは、間違いなく良い選択だと思うぜ」
幼馴染「///」

323 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/13(金) 23:49:22 ID:iQw/wLQ.
友「男は凄い奴だよ。ホントに」
友「賢いし、人望もある。それに知ってっか?料理もできるんだぜ、アイツ」
友「いつも誰にでも優しくてさ、他人のためでも直ぐに行動してしまう」
友「今回の件でも、俺には躊躇ってとてもできないようなことを計画している」
幼馴染「……」
友「そんな姿を見ちまったら、協力したくなるじゃねえか」
幼馴染「尊敬してるんだね。男を」
友「まあな。幼馴染ほど長い付き合いじゃねーけど、俺は男と友達になれて誇らしく思うぜ」
幼馴染「うん。私も男のこと、尊敬してるよ」
幼馴染「それに、友君もね」

324 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/13(金) 23:50:54 ID:iQw/wLQ.
友「ははっ嬉しいこと言ってくれるじゃねーか」
幼馴染「ふふっ」
友(俺はお前と男がくっついてさ、本当にお似合いのカップルだと思う)
友(俺は幼馴染が異性として好きじゃなかったのか、と言われると嘘になるけどよ)
友(でも何よりも、男と幼馴染には幸せになってほしいからな)
友「まあ男と精々イチャついてくれや」
幼馴染「ちょっとー!///」
友「ひひひっ」

325 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/13(金) 23:52:03 ID:iQw/wLQ.
  トントントン
友「おっ、男が上がってきたみたいだな」
友「さぁーてと。邪魔者の俺はさっさと退散…」 
幼馴染「一緒に勉強でしょ」 ムンズ
友「…はーい」

328 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:30:09 ID:gJe6PQGo

 ー10:35ー
友「ああああ分からん!」
男「また同じところでミスってるじゃねーか」
男「ここはこの定理を使うんだって」
友「だから何でそれがいきなり出てくるんだよおおお!」
男「え、何でって言われてもな…」
幼馴染「あ、そこはね、先に適度に分けて考えるとうまくいくよ」
幼馴染「教科書の107ページに同じような例題があったはずだよ…あっほらここ」 ペラ
幼馴染「だから、これに従って考えるとね……」

329 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:30:45 ID:gJe6PQGo
友「うおー成程!わっかりやすいな!」
幼馴染「えへへ、そう?」
友「それに比べて男の説明はザックリしすぎなんだよなー」
友「幼馴染の説明の分かり易さを見習えい」
男「ええ…今まで散々教えてきたのによー…」
友「それはそれ。これはこれだもーん」
幼馴染「ま、まあまあ!ほら、次の問題を解こう!」

330 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:32:15 ID:gJe6PQGo
 

 ー12:04ー
友「腹減った…」クー
幼馴染「そうだね。今からご飯作るよ」
友「マジで?やったー」
男「あ、俺パン持ってきたし…」
幼馴染「だから駄目だってばー!栄養偏るよ!」
男「うーん…でも申し訳ないな…」
友「だったらお前も手伝えば良いんじゃね?」
友「料理できるんだからよ」

331 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:34:33 ID:gJe6PQGo
男「あ、そうか!」
男「幼馴染は俺が手伝っても平気か?」
幼馴染「うん!むしろ嬉しいよ!」
男「友も手伝うか?」
友「いんや。俺はただ待つ」
男「ええー」
友「(おいおい。折角の接近イベントなんだから二人きりにならなきゃダメだろ)」 コソ
男「!」
男「(…お前、そんなことを考えていたのか?)」
友「(ったりめーだ。さっさと行って来いよ。おらおらっ)」
男「(お前は恋愛マスターかなにかか…)」
友「(いかにも。だから言うこと聞いておけって)」
男「(分かったよ…じゃあ言ってくる)」
友「(まったく、世話が焼けるな)」ヤレヤレ
男「(うるせーw)」

332 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:35:28 ID:gJe6PQGo

 ー12:46ー
幼馴染「できたよー!」
男「はよ来いよ友ー」
男「お前の分無くなるぞこらー」
友「あいあい。それは勘弁…おっ美味そうだなー」
男「鳥の照り焼き。上手くできたと思うぞ」
幼馴染「タレも美味しいよ!」
友「んじゃ、席に着くとしますかー」 カタン
男「早くしないとな…」 チラ
幼馴染「もう…また時計を気にしているね」
男「そりゃ…な。落ち着かねえよ」

333 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:37:43 ID:gJe6PQGo
友「幼馴染は落ち着いているんだな」
友「自分が危険な目に遭うかもしれないっていうのに」
幼馴染「うん…男を信じているから」
幼馴染「男といると、凄く安心するの」
幼馴染「…あ、こんな台詞、男に全て頼り切っているみたいだね…ごめん」
男「あ、いや…頼ってくれて嬉しいよ」
男「それに、確かに落ち着くことも大切だ」
友「よっしゃ、なら早速食べようぜー」
幼馴染「うん」 カタ
男「そうだな」 カタ
   
    「「「いただきます」」」

334 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/14(土) 10:41:06 ID:gJe6PQGo
友「うめーマジウメー」 ガツガツ
幼馴染「ふふ、良い食べっぷりだね」
友「俺は食べる専門だからな。食べっぷりには自信がある」
男「誇れるのか?それって…」
友「おう。バッチリ誇れるね」
幼馴染「でもこういう風に美味しそうに食べてくれると、作った私たちとしても嬉しいね」
男「だな」
幼馴染「この三人で居るのって、本当に楽しいよね」
友「そうだな!俺は飯も貰えるし、良いことづくめだぜ!」
男「いやお前は自炊の練習でもしろ」
友「ぐう」
幼馴染「あはは」