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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part11


278 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/07(土) 22:56:15 ID:YPpGhkhA
男「(おっと…)」
男「……」スッ
幼馴染「むにゃ…」サラ…
男(髪、サラサラだな…)
男(バレたら大変だし…寝よう)スス
男「おやすみ」
幼馴染「」スー スー

279 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/07(土) 23:03:36 ID:YPpGhkhA
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
ー朝ー
男「う……」
男「ふあ…」ノビー
男「ん…香ばしい匂いが…」
幼馴染「あ、起きた?」 トントン
男「幼馴染、起きてたのか?」
幼馴染「私、朝は早いんだよー。えっへん」
男「ああ、家の手伝いしてるからな…今、何してんの?」
幼馴染「朝食作り。本日のメニューはベーコンエッグと、オニオンサラダその他色々だよ」
男「え、いやいや!そんな事までしてもらわなくても…俺、パン持ってきたし」
幼馴染「ダメダメ!ちゃんと主菜とか副菜のバランスとらなきゃ」
男「ええ…(嬉しいけど…申し訳ないような)」

280 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/07(土) 23:05:05 ID:YPpGhkhA
幼馴染「よーし!」
幼馴染「できたよー」 コトン
男「お、ありがとう…本当に頂いていいの?」
幼馴染「遠慮は無用!泊まってくれていることへの、せめてもの恩返しだと思って」
男「そっか…じゃあ、いただきます」
幼馴染「うん!」ニコー
男「……」モグモグ
幼馴染「ど、どう?」
男「うん。美味しい」
幼馴染「ホント?良かったー」ホッ
男「残さず頂く」モグモグ
幼馴染「それは嬉しいなあ」

281 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/07(土) 23:10:25 ID:YPpGhkhA
男「ごちそうさま」
幼馴染「お粗末様でした。片づけるね」
男「あれ、幼馴染は朝食食べたのか?」
幼馴染「ううん。私はこれから食べるよ」カチャカチャ
男「ふーん…なあ幼馴染。突然だけど、一ついいか?」
幼馴染「うん?」 ジャー

282 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/07(土) 23:11:24 ID:YPpGhkhA
男「……今日は」
男「今日は、家から出ないほうが良い」
幼馴染「…え?なんで?」キュ
男「兎に角今日は駄目だ。絶対に」
男「理由を説明するのは難しいが…出ると危険なんだ」
幼馴染「もしかして…あのストーカーのこと?」
男「…ごめん。ちゃんと説明できなくて」
男「でも、今日は俺の言葉を信じてほしい」
男「幼馴染の言うとおりだ。奴が来る。それも今日の…午後だ」

283 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/07(土) 23:14:44 ID:YPpGhkhA
今日はここまで
見る人側からはグダグダになっているかな…と思い、少し急いでみました
もしアドバイスがあったらお願いします

284 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/07(土) 23:31:12 ID:CJEtIkyc
全然グダグダじゃないよ
俺なんて2週間に1回書くか書かないかくらいだし...

285 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/08(日) 11:00:00 ID:6/qjftRA
今までで一番更新が早いと思う

286 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 05:38:35 ID:aH4wm2rQ
追い付いた
支援

287 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:17:32 ID:ot/aW3Xc
幼馴染「……」
男「今は信じられないかもしれない。でも、本当になる」
幼馴染「ねぇ男…」
男「ん?」
幼馴染「…男ってさ」
幼馴染「小さい頃から私のこと、よく助けてくれたよね」
男「…そうだったな」
幼馴染「でさ、それっていつも、危険を前もって教えてくれるよね」
幼馴染「だから私、男のこと、凄いなって思ったりもしてた」

288 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:18:25 ID:ot/aW3Xc
男「そうか?俺はただ、自分の判断に従って…」
幼馴染「ここ最近も、急に行動し始めたよね」
幼馴染「ストーカーの…ううん、もっと前から危険を知っていたように」
男「……」
幼馴染「私ずっと不思議だった。男は何か、私たちには言えないような、とても大きな秘密を
    抱えているんじゃないかとも思っていた」
幼馴染「前にも言ったよね。何か困ったときは、言ってほしいって」
幼馴染「男、なにか抱え込んでいるなら私が助けになる」
幼馴染「ごめんなさい…せっかく男に説得してもらったのに…でも、どうしても納得できなくなったの」
幼馴染「確かに今は、私は男から守ってもらう立場で、口出しをする資格なんてない」
幼馴染「でも…それでも私は、全部男に押し付けて良いと思ってないよ」
男「……」
幼馴染「駄目…かな?」

289 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:21:04 ID:ot/aW3Xc
男「それはーー…」
男「俺が…」
男(…良いのか?ここで…嘘をついて)
男(このまま、黙っているべきなのか…?)
男「………」
幼馴染「男…」
男「……」
男「いや、もう止めよう。嘘をつくのは」
男「いずれは…話すことになっていた」

290 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:21:56 ID:ot/aW3Xc
男「そうだな…俺、一人で格好つけすぎだ」
男「幼馴染に余計なことを心配させないようにしていたつもりが…
  逆に幼馴染を惑わせていたなんてな…彼氏失格かな」
男「分かった。全て話すよ」
幼馴染「!!」
男「ただ、先に言っておくけど、とても信じられるようなものじゃないぞ」
男「聞いて馬鹿らしくなるかもしれない」
幼馴染「ッ…何だって良いよ!男が話してくれるのなら!何だって!」
幼馴染「本当に、話してくれるの?」
男「勿論だ」

291 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:24:10 ID:ot/aW3Xc
それから 俺は洗いざらい全て話した
 
能力が目覚めてから今まで 家族にも言ってこなかった秘密を 何もかも 全て
 いつ予知能力が目覚めたのかということ
 過去に予知能力を使ったこと 夢でも予知夢らしきものが見られること
 そして 不幸の連鎖を断ち切るためには あのストーカーを退けなければならないこと
 
さもなくば 幼馴染の命が失われるということーーーーーーー…

292 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:30:02 ID:ot/aW3Xc
幼馴染は俺の話を聞いている間
何も言わず ただ俺の顔をじっと見て 聞き入ってくれた
驚いた表情を浮かべはしたが 静かに 真剣に 話を聞いてくれた
俺にとってそれは どんなに有難かったか…

293 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:31:14 ID:ot/aW3Xc
男「…これが、真実なんだ」
幼馴染「……」
男「今まで隠しててすまない。信じられないだろうけど…」
幼馴染「ううん。信じる」
男「!」
幼馴染「男がそれが真実だって言うなら、私はそれを信じるよ」
幼馴染「確かに聞いたときはビックリしたけど…とても男が嘘をついているとは思えない」
男「はは、驚いたな…まさかそんなに早く信じてもらえるなんて。嬉しいよ」
幼馴染「…さっきの話だと、このままじゃ私、死んじゃうんだね」
男「…そうなる、らしい」
男「でも俺がそんなことはさせない」

294 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:33:45 ID:ot/aW3Xc
幼馴染「…男」
幼馴染「本当に…ありがとう」
男「仲間を、彼女を見捨てるような奴は、近くにいる資格なんてない」
男「よし…行動を始めるとするか」
幼馴染「そうだね」

295 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:35:38 ID:ot/aW3Xc
 ー友宅ー
友「ふふーんふーん♪」
  
  ブーブーブーブー
友「!」
友「お!男から電話だ」
友「あいあーい。友でーす」 ピッ
男『ああ、友か?予定通り、今から幼馴染の家に来てくれ』
友「そうか。んで、頼まれてたもん持ってきゃ良いんだろ?」
男『そうだ。よろしく頼む』
男『時間があるとはいえない。急いでくれ』
友「了解。直ぐに行くよ」

296 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 23:37:50 ID:ot/aW3Xc
男「……」ピッ
男「友にも連絡した。もう少しでここに到着する」
幼馴染「えっと…ストーカーがここに来るのは今日の午後なんだよね?」
幼馴染「何時かは分かっていないの?」
男「残念ながら。でも、夕方から夜間のはずだ」
男「恐らくだが…奴は幼馴染の祖父母が不在の期間を知っていたんだと思う」
男「前から調べていた…とかな」
幼馴染「ーーッ」 ゾッ
男「多分奴は、お前が在宅している可能性が高いから、そんな時間帯を選んぶんだろうな」
男「小癪な奴だよ。本当に…狂っている」

300 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/10(火) 21:11:38 ID:jGT0EWNY
幼馴染「あ、もう一つ聞きたいことがあるんだけど…」
幼馴染「男の言う『行動』ってそのストーカーを退けることだよね」
男「そうだ」
幼馴染「その…ストーカーが今回の一連の不幸の発端だってことも分かったよ」
幼馴染「その人をどうにかしないと、私が殺されちゃうっていうのも」
幼馴染「でも、具体的にはどうそのストーカーをどうやって退けるつもりなの?」
男「ああ、そのことについてだが…」
男「まずは、予知通りに奴をここにおびき寄せる」
男「そして俺が直接奴を叩く」
幼馴染「…!」
男「ここまで来ると、下手に動くよりその方が確実だ」

301 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/10(火) 21:13:41 ID:jGT0EWNY
幼馴染「え…まさかとは思うけど叩くって、『殺す』わけじゃ…ないよね?」
男「安心してくれ。そんなことはしない」
男「そうだな…作戦の概要を説明する」
男「まあ作戦とは言っても単純だ。ただし失敗は許されない」
幼馴染「う、うん」
男「これも、さっき幼馴染に俺の能力のことを話したからこそ言えるんだが…」
男「今日の夕方から夜間にかけて、奴は来ると言ったよな?」
幼馴染「……」 コク
男「その時まで、俺たちはこの家に待機。奴が来るのを待つ」
男「時間になると奴が現れるだろう」
男「しかしその一分前に、俺はそのことを知ることができる」
男「奴は危険そのものだからな」
幼馴染「凄いね…その能力」

302 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/10(火) 21:18:22 ID:jGT0EWNY
男「そしてその一分間の猶予の間に、幼馴染は隠れる」
男「そして友にも協力してもらう。家の裏手などに隠れている友がその間に警察に殺人が起こりそうだと電話」
男「奴が乗込んでくるのを予測していた俺は、奴と戦う」
幼馴染「!?…え」
男「で、俺はどうにかして奴を無力化し、警察が来るのを待つ」
男「警察が乗込んで来たときには、実際奴は殺人を犯す一歩手前だし、殺人未遂で現行犯逮捕」
男「俺は正当防衛か、過剰防衛で済む…まあこんなもんだ」
幼馴染「ちょ、ちょっと待って…あのストーカーと戦うって言った?」
男「ああ」
幼馴染「あのストーカーは本気で人を殺そうとしているんでしょ?そんなの…男が死んじゃうよ!」
男「大丈夫だ。俺には危険を先読みする能力がある」
男「それに、警察が到着するまで時間を稼ぐだけで良いんだ」

303 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/10(火) 21:19:41 ID:jGT0EWNY
男「ストーカー行為はともかく、殺人未遂では軽い刑罰じゃ済まされない」
男「奴はしばらく牢獄の中。そこまでいったら、流石に連鎖は途切れるだろう」
幼馴染「そうかもしれないけど…」
男「結局、未来を知る俺だけしか運命は変えられない」
男「俺が直接奴と対峙するのは必然なんだ」
幼馴染「そうだとしても危険すぎる…」
男「それしか無いんだよ!!!」
幼馴染「!!」 ビクッ
男「あ…」
男「スマン。つい声を荒げてしまった…」
男「…でも、時間がない中、そうしなければ幼馴染は死ぬ。それを避けるためだ。分かってくれ」
幼馴染「……」

304 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/10(火) 23:25:50 ID:jGT0EWNY
幼馴染「…私を守ってくれるのは嬉しい」
幼馴染「でも、それで男が死ぬのは許さないからね」
男「…当然。幼馴染を残して死にはしない」
男(はは…格好つけすぎだよな、俺)
幼馴染「うん。…分かった」
男「…絶対に成功させるよ」
幼馴染「うん…」
        ポツ…
 
      …ポツポツポツポツ
 ザーーーーーーーーーー
男「…!」
男「…雨、降ってきたな」
幼馴染「そうだね…」
 ザーーーーーーーーー

306 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/11(水) 18:04:37 ID:uj23zh5A

 ー9:06ー
   ピーンポーン
男「お、友が来たみたいだ」
幼馴染「外は雨が降ってるけど、大丈夫だったのかな…」
男「開けてくる」
幼馴染「はーい」
男「よっと」 ガチャ
友「おお、やっと開いたぜ」
友「はよ中に入れてくれ。体が濡れてて寒い」
男「うわ、ビシャビシャだな」」
友「傘持ってくるの忘れた」