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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
Part1

男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1461924268/

1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 19:04:28 ID:3NfJfX0Q
 キーンコーンカーンコーン
   ガヤガヤ...
男「ふう、今日がやっと終わった...」
友「ハハ、なにオヤジ臭いこと言ってんだよ」
男「いやもう暇で暇で」
友「...ったくよー、賢い奴は余裕があって羨ましいぜ」
男「そんなんじゃねーよ」
友「へいへい。あ、電車がもう来るから、俺帰るわ」
男「じゃあな」
友「おう、また明日」ガラッ ...ピシャン
男「......」
男「...さてと」
男「今日も幼馴染と帰るか!」 ワクワク

2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 19:16:18 ID:3NfJfX0Q
ー校門ー
男(まだかな...)
男(幼馴染のクラス、いっつもHR終わるの遅いんだよな...)
男(まあ待っている間も、これはこれで良し)
幼馴染「男ー!」 タタタ
男「おう」 
幼馴染「ごめん!待った?」 ハアハア
男「いや、俺も今来たところだから」
幼馴染「そうだったんだ。良かったー」 ホッ
幼馴染「今日もおしゃべりしよっ?」
男「もちろん」
男(うむ、今日も可愛い)

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 19:28:26 ID:3NfJfX0Q
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
男「でさー、友が授業中に突然『俺も...好きだよ キリッ』とか言ってさ」
男「授業中にどんな夢見てんだよって、クラス中大爆笑」
幼馴染「あはは、友君相変わらずだねー」
男「ほんとアイツは昔から変わんないよ。俺はアイツのああいう所が
  気に入っているんだけど」
幼馴染「面白いしね」
幼馴染「あーあ、私だけクラスが違うなんて理不尽だよー」
男「3人で一緒になれたら良かったのにな」

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 19:33:20 ID:3NfJfX0Q
幼馴染「でもさ」
幼馴染「友君たちとお昼ご飯は一緒に食べられるし」
幼馴染「男とこうやって二人で帰れるから、やっぱり幸せかな」
男「お、おう///」
男(不意打ちは反則だぜ!)
幼馴染「あ、そうそう、こっちのクラスでもねー...」
男「うんうん...」
男「...!!」

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 19:48:55 ID:3NfJfX0Q
 
 突然、脳に直接映像が流れ込んでくる
 通学路
 
 落ちてくる植木鉢   割れる植木鉢
 
 飛び散る破片   皮膚に傷をつける
       幼馴染の悲鳴   
         
男(く……)クラッ
男(きたか……)
幼馴染「お、男!!大丈夫!?」
男「あ、ああ。ただの貧血だよ……」
幼馴染「ほ、本当に大丈夫?心配しちゃうよ……」
男「大丈夫だって」
男「ほら、もうなんともない」
幼馴染「う、うん……男が平気なら良いんだけど……」
男「元気元気。超元気」

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 19:56:17 ID:3NfJfX0Q
男(さて…と)
男(これからの危機に対策しなくちゃな)
男(映像通りだとすると、これから植木鉢が降ってくる)
男(距離的には…ちょっと離れたあそこの家)
男(あの家の二階のベランダから降ってくるのが、一番可能性としては高い)
男(風に吹かれたか…猫に落とされでもするんだろうな)

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 20:35:36 ID:3NfJfX0Q
男「しかも、映像には…不鮮明だけど、松の木が近くにあった…」
男「松の木はあそこぐらいしか見当たらない…となるとやはりあの家だ」ボソボソ
幼馴染「ちょっと…今度はどうしたの?」
男「いや、なんでもない」
男「それはそうと、今日はいつもと違う道を通らないか?
  寄り道しようぜ」
男「こっちの道とか。いつも通りすぎちゃうだろ?」ミギヲユビサシ
幼馴染「うん。いいけど」
男「よし!じゃあ善は急げだ!」グイッ
幼馴染「うわわ!急に引っ張らないでよー!」

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 20:45:27 ID:3NfJfX0Q
幼馴染「びっくりしちゃったよー」テクテク
男「はは、ごめんごめん」テクテク
男「この道をしばらく行くとさ、おいしい和菓子屋があるんだよな」
幼馴染「へえ…あ!おばあちゃんがたまに買ってくる御饅頭って
     そのお店で買っているのかも!」
男「そうかもな。豆大福も美味しいぞ」
幼馴染「うわ、気になるね!」
男(とりあえず危機は脱したか…)
男(今回は怪我をするだけのようだったが…)
男(それにしても久しぶりだな。予知能力が発動したのは…)

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 20:53:22 ID:3NfJfX0Q
ー和菓子屋ー
幼馴染「どれも美味しそうだね」
男「ああ」
幼馴染「やっぱりおばあちゃんが買ってくる御饅頭あったよ!」
男「ほう、酒饅頭か。俺も好きだぞ」
幼馴染「豆大福もあるし、よもぎ餅もあるよ」
男「せっかくだし、おばあちゃんに何か買っていったらどうだ?」
幼馴染「うん!そうするよ」

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 21:03:30 ID:3NfJfX0Q
店主「あら、いらっしゃい。ご注文は?」 カラカラ
幼馴染「うーん…迷うなぁ」
幼馴染「でもやっぱりこれかな…じゃあ、酒饅頭と、この豆大福で」
男「お、俺のおススメじゃん」
幼馴染「男が美味しいっていうものって、本当に美味しいからね」
男「おお、知らぬ間にめっちゃ信用されてた…」
店主「毎度あり。同じ袋に包むけど、大丈夫?」
幼馴染「あ、はい。お願いします」

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 21:14:55 ID:3NfJfX0Q
店主「そちらの彼氏さんと分け合うのかい?」 ガサガサ
男「!」
幼馴染「えっ…///」
幼馴染「いや、そんな///彼氏とかじゃ…ないです///」
男(凄い照れてる…嬉しい)
店主「ありゃ、違うの?あんた可愛いのに」 テワタシ
幼馴染「///」
店主「君も彼女にしちゃいなよ…って君、たまに来るお客さんだ!」
男「そ、そうです(今頃かよ!)じゃ、じゃあもう帰りますね」
幼馴染「///」
男「おーい、行くぞー」
幼馴染「…あ!うん!有難うございました!」
店主「はーい。気を付けてね」

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 21:30:38 ID:3NfJfX0Q
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
幼馴染「でねー幼友がさー……」テクテク
男「ええ、なんだそりゃw」テクテク
幼馴染「ホント笑っちゃったよー」
男「ははは」

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 21:36:58 ID:3NfJfX0Q
男「…お、もう大分日が暮れてきたな」
幼馴染「あ、ほんとだ…」 キョロキョロ
男「ん?どうかしたのか?」
幼馴染「ううん、なんでもないの」
男「ふーん…」
男「あのさ、幼馴染…」
幼馴染「うん?」
男「今日はごめん」
男「俺が無理やり寄り道に誘ったせいで、帰りが遅くなって…」
幼馴染「え、いやいや、謝ることじゃないよ」アセアセ
幼馴染「私も楽しかったし、さ」

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 21:48:55 ID:3NfJfX0Q
男「そうか…なら良かった」
幼馴染「ノープロブレムですよ!むしろどんとこい!」
男「あはは、何そのキャラw」
幼馴染「ふふーん」
男(おお、何でドヤ顔なのかは知らんが可愛い)
男「!」
男「っと…もうそろそろ家が近づいてきたな」
幼馴染「あ、そうだね…」
男「……」 ピタ
男「…じゃあ、この曲がり角で…また明日」
幼馴染「うん。今日も楽しかったよ」
幼馴染「別れるの、ちょっと寂しいな」

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 21:49:42 ID:3NfJfX0Q
男「それ毎回言うね」
幼馴染「毎回言います」
男「さよならー」
幼馴染「バイバイ」

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 23:25:08 ID:3NfJfX0Q
男「ふー、ただいま」 ガチャ
母「おかえり。遅かったわね」
男「ちょっと寄り道してた」
母「ご飯出来てるわよ」
男「あー、後で良い。ちょっと寝てくる」
母「はいはい」
男「じゃ」

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 23:32:12 ID:3NfJfX0Q
男「……」 カチャ
 ー自室ー
男「ふーーー」 ボスンッ
男「……」
男「あー…絶対幼馴染に怪しまれてるだろうな」
男「急に寄り道とか、不自然すぎだろ」
男「……」
男(…いや、問題はそこじゃないな)
男(最近はないと思っていた、予知が発動した)
男(もう、なくなったと思っていた…)
男(こんな…能力なんて…)

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 23:38:37 ID:3NfJfX0Q
男(俺は…どうやら[普通]ではないらしい)
男(俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない)
男(予知の対象となるのは、身の回りに起こる不幸)
男(または、自分にとって大きな存在の不幸)
男(制御は出来ない。ただ、不幸を前もって知らせる)
男(虫の知らせのようなものだ)

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/29(金) 23:51:31 ID:3NfJfX0Q
男(俺がこの能力に目覚めたのは、小学3年生の時だ)
男(ある日、幼馴染が風邪か何かで休み、俺は一人で登校していた)
男(突然、脳に鮮明な映像が流れ込んできた」
男(自分が、横の道から飛び出してきたトラックに撥ねられ、近くの電柱と
  トラックで板挟みになって絶命する…そんな映像だった)
男(突如脳に流れ込んできた、あまりに鮮明なその映像…)
男(俺は信じられないほどの強い頭痛に襲われた)
男(あまりの痛さにその場にうずくまると、しばらくしてから、数メートル
  先をトラックが猛スピードで走りぬけ、電柱に衝突した)

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 00:02:18 ID:/lvywGso
男(もちろん運転手は即死)
男(どうやら、心臓発作だったらしいとかいう話をニュースで聞いた)
男(俺は、近くにいた目撃者として注目されたが)
男(本当だったら、死んでいたはずだった)
男(何で俺にこんな能力が備わったのかは知らないが)
男(俺はその時から、未来予知ができるようになった)
男(だが、自分で予知しようと思ってもできるものじゃない。あくまで
  こちらが一方的に教えられるだけだ)
男(そして、予知はたったの一分後…)
男(しかし、俺はその一分間で随分と助かったこともある)
男(文句は言えない。というより、これから一生、付き合っていくしかない)

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 01:06:09 ID:xElcTDfs
おつおつ〜

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 13:45:28 ID:EsidyeVQ
これは楽しそう。


23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 16:55:42 ID:/lvywGso
   ヴーヴーヴー
男「!」
男「メールか…」
男「幼馴染からだ」
   ー幼馴染ー
『今日は大丈夫?急に貧血になるし、様子もおかしかったから心配したよ。
 何か悩み事があるの?あったら私に相談してね。
 一人で考え込まないでね。私は男の幼馴染だから(^^)』
男「……バレバレか。まいったな」
男「心配されちまったよ……」
男「……」

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/04/30(土) 17:09:38 ID:/lvywGso
男(……幼馴染には両親がいない)
男(あいつが物心つく前に亡くなり、幼馴染は祖父母に引き取られる形で
  この町に越してきた)
男(祖父母の助けを借りているとはいえ)
男(幼馴染は、自分の身の回りのことは徹底して、自分でやる)
男(祖父母にも迷惑をかけないよう、恩返しができるよう、
  日々努力を惜しまない)
男(他人には甘えてほしい、頼ってほしいと思っているのに)
男(自分は一切、他人に甘えようとはしない)
男(それが、幼馴染だ)