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お嬢様「お手洗いで食べるご飯がこんなに美味しかったなんて!」
Part8


330 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:19:48 ID:2BTS5C7k
男「・・・」
友「二言目には決まって、自分みたいな人間はって言うんだよな」
友「・・・男はさ、ただ怖がっているだけだ」
友「繋がりを作ること、それを失うこと、そうして心が傷付くことを」
友「怖がって、避けてるだけじゃないか」
友「俺は、人並みの恋しかしたことないけど・・・誰かを好きになるのに、二番や三番はないんだ」
友「いつだって『誰が一番か』っていうのが、恋をするってことじゃないのか?」

331 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:20:41 ID:2BTS5C7k
友「お嬢様ちゃんにとっては、男が一番で・・・」
友「お互い好き合ってて、一緒にいる理由に、それ以上なにが必要だ!?」
友「彼女の気持ちを、彼女の一番(おまえ)が否定するなよ!!」
男「っ・・・」
男「・・・それじゃあ、どうするのさ」

332 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:21:09 ID:2BTS5C7k
友「とりあえず、どこか遠くへ二人で逃げちまえば・・・」
男「それこそ、この五日間となにも変わらない!」
友「帳尻なら、あとでいくらでも合わせればいいだろ!」
男「後ろめたさを抱えながら、彼女と暮らすのなら・・・僕は彼女の一番失格だ」
友「・・・っ」

333 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:21:49 ID:2BTS5C7k
男「それに、ほんの少しだけど・・・気後れしたんだ」
男「・・・住む世界が違うんだなぁって、そう思っちゃったんだ」
男「彼女を一番傷付ける考え方をして、僕は彼女の気持ちに背を向けた」
男「彼女から逃げたんだ! ・・・結局僕は、弱くて情けない、ダメな人間のままで・・・」
男「そんな男が・・・いまさら、どんな顔して会いに行けるんだ・・・?」
友「・・・」

334 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:22:23 ID:2BTS5C7k
友「・・・どんな顔だっていいじゃないか・・・」
友「誰だって、そんなに強くないだろ? みんな弱いところいっぱいあって・・・」
友「お嬢様ちゃんだって、そういう弱いところ全部裸になって、男に見せてきたんじゃないか」
友「男だって弱いところあって当たり前だろ」
男「・・・」
友「『僕は弱くて情けない、ダメな人間です』って・・・」
友「そういう顔していけばいいだろ!」

335 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:23:53 ID:2BTS5C7k
男「・・・・・・」
友「男が躊躇うのも仕方ないさ。・・・性格や価値観って、一朝一夕で変えられるほど単純じゃない」
友「だからおまえが、弱くて情けない自分を、どうしても信じられないのなら・・・」
友「お嬢様ちゃんを、信じてみたらどうだ?」
男「お嬢様さんを・・・?」
友「『あなたはダメじゃない』って、そう言ってくれた彼女の言葉を」
友「おまえが好きになった・・・お嬢様ちゃんが変わったと信じる『男』ってヤツのことを」

336 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:24:43 ID:2BTS5C7k
男「・・・」
友「・・・部外者の俺が、なに勝手なこと言ってんだって思うだろうけどさ」
友「俺は、男とお嬢様ちゃんの出会いは、特別なものだったんだって信じたいんだよ」
友「運命だったんだって」
男「・・・運命・・・」
友「俺も」
男「?」
友「お嬢様ちゃんが言うように、男は変わったって、信じてる」

337 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/08(水) 10:26:49 ID:2BTS5C7k
友「彼女と出会って、おまえは変われたんだよ」
友「だからもう一度、理屈や建前は抜きで、自分がどうしたいのか考えてみてくれ」
男「どうしたいか・・・」
友「おまえが前へ進む気になったのなら・・・。俺が、必ず何とかしてやる!」
男「友・・・」
友「連絡、待ってるからな」
男「・・・」
男「・・・僕は・・・!」グッ

344 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 13:56:12 ID:QFYmIAUU

プルルルル・・・プ゚ルルル
・・・。
メイド「・・・もしもし? メイドです」
メイド「こちらは、さきほど学校に残った、お嬢様の荷物をまとめ終えたところです」
・・・。
メイド「・・・大旦那様は、お帰りなりましたか?」
・・・。
メイド「・・・そうですか」

345 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 13:56:37 ID:QFYmIAUU
・・・。
メイド「・・・お嬢様なら、今しがた、担任の教師へご挨拶へ伺ったところです」
・・・。
メイド「・・・それは、そうでしょう。いえ、少なくとも、表面上は・・・」
・・・。
メイド「・・・わたくどもより先に、大旦那様が帰られるようなことがあれば、しっかりとお出迎えを」
・・・。
メイド「・・・ええ。こちらも、あと数刻ほどで戻ります」

346 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 13:57:38 ID:QFYmIAUU
・・・。
メイド「・・・。ところで・・・」
メイド「あの、男という方が・・・屋敷に顔を出したりといったようなことは・・・?」
・・・。
メイド「・・・そうですか。もし・・・」
メイド「もし、彼が訪問してきたら、すぐにわたくしへ連絡しなさい」
・・・。
メイド「・・・もちろん、大旦那様には内密に」

347 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 13:58:04 ID:QFYmIAUU
・・・。
メイド「・・・構いません。責任は、全てわたくしが取ります」
・・・。
メイド「・・・そうであるのなら、なおのことです」
・・・。
メイド「・・・ええ、よろしくお願いします。・・・では」
ピッ
お嬢様「・・・?」スタスタ

348 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 13:59:14 ID:QFYmIAUU
メイド「お嬢様、お帰りなさいませ」
お嬢様「ええ・・・メイド?」
メイド「はい、なんでございしょう」
お嬢様「誰と電話をしていたの?」
メイド「屋敷の使用人です」
メイド「いくつか片付いてないままの雑務がありましたので、それを言伝たのと」
メイド「わたくしが帰る前に、大旦那様が戻られるようなことがあれば、しっかりお迎えするようにと」
お嬢様「そう・・・」

349 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 13:59:49 ID:QFYmIAUU
メイド「担任教師へのご挨拶は、お済になったのですか?」
お嬢様「ええ・・・」
メイド「なにか、お嬢様に仰ってましたか?」
お嬢様「そうね。向こうへ行っても、頑張るようにと」
メイド「・・・左様でございますか」
お嬢様「・・・」
メイド「・・・あの、お嬢様・・・」

350 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:01:07 ID:QFYmIAUU
お嬢様「帰りましょう」
メイド「・・・はい」
友「自分の教室には、寄っていかないの?」
お嬢様「? あなたは・・・」
メイド「! あの時の・・・!」
友「・・・男に、なにも言わないで行くつもりかい?」

351 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:01:41 ID:QFYmIAUU
お嬢様「っ・・・」キョロキョロ
友「男なら、ここにはいないよ」
お嬢様「!」
メイド「・・・どういった用件でしょうか?」
友「今日は、あのコワーイお兄さんたちはお留守番?」
メイド「・・・ええ、そうです」
友「そう、よかった。なら、まともに話ができそうだ」

352 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:02:35 ID:QFYmIAUU
お嬢様「はなし?」
友「そっちのクラスの先生問い詰めたら、今日の午後に来るって言うじゃないか」
友「昼休みからこっち、午後の授業全部サボって待ってた甲斐があったよ」
お嬢様「・・・メイド」
メイド「はい」
お嬢様「この人と、二人で話をさせて」
メイド「しかし・・・」
お嬢様「お願い」
メイド「・・・かしこまりました」ペコリ、スタスタ

353 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:03:30 ID:QFYmIAUU
友「・・・」
お嬢様「友さん、ですよね?」
友「そうだよ、お嬢様ちゃん」
友「お互い、男を通して話は聞いてるわけだけど・・・こうして話すのは、初めてだね」
お嬢様「そう・・・ですわね」
友「最初で、最後になるかもしれないけど」
お嬢様「っ・・・」

354 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:04:04 ID:QFYmIAUU
友「さっきはああ言ったけど」
友「男、学校には来てないんだよね」
お嬢様「! ・・・そう、ですか・・・」
友「気になる?」
お嬢様「・・・」
友「・・・・・・小学校の頃はさ」
お嬢様「?」

355 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:04:35 ID:QFYmIAUU
友「・・・俺たちが、ランドセルを背負ってそうしないうちまでは、男もああじゃなくってさ」
友「母親が旧友同士ってのもあったのかな。どこへ行くのも、何をするのも、二人つるんでヤンチャしてた」
友「俺って上も下も女だから、男のことは幼馴染っていうより、兄弟ってかんじなんだよなぁ」
友「誕生日、俺の方が少し早いのもあって、しょっちゅう兄貴風吹かせてさ」
友「あっちこっち連れまわして・・・俺はいつでも男の前を歩いて、後をついてくる男の手を引いてた」
お嬢様「・・・」

356 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:04:55 ID:QFYmIAUU
友「俺って、自分で言うのもなんだけど、器用な方でさ」
友「男にもよく、『友は何でもできるよね』なんて言われるんだけど・・・」
友「ほとんど、あいつのおかげみたいなところあるんだよね」
友「男が興味を持ったこととか、先回りして必死に調べてさ」
友「『友はやっぱりすごい』って、ニコニコしながら言われると、弟ってこんなかんじなのかなって」
お嬢様「・・・」

357 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:06:10 ID:QFYmIAUU
友「・・・小学校四年生の、夏休みの時だったかな」
友「男の親父さん、突然いなくなっちゃったんだよね」
お嬢様「・・・!?」
友「出かけたっきり、家に戻ってこないでさ。蒸発っていうの?」
友「もちろん捜索願いとか、できることは全部やったんだけど・・・」
友「もともと、あまり家にいる人じゃなかったみたいでさ。俺も、数えるくらいしか会ったことないんだ」
友「だから、そんなことになっちゃった理由は分からない。 きっと、男も、おばさんも・・・」

358 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:06:33 ID:QFYmIAUU
友「・・・それからは、目に見えて男と会って遊ぶ時間は減ったよ」
友「クソガキだった俺は、よく母さんに不満垂らしてたけど・・・当たり前だよな」
友「男は、おばさんの手伝いをするんだって、必死に家事を覚えはじめた」
友「掃除に洗濯・・・料理も。遊びたい盛りの子供がだぜ?」
友「俺からしたら、男のほうがよっぽどすごいヤツなんだよ」
お嬢様「・・・」

359 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:07:08 ID:QFYmIAUU
友「でも、おばさんは・・・。無理、してたんだろうなぁ・・・」
友「あんまり強くない人なんだなっていうのは、たまに男から聞く話で、思ってはいたけど・・・」
友「・・・・・・」
お嬢様「・・・?」
友「・・・俺たちが、中学へ上がってすぐだった」
友「強い雨が降る日だった」
友「・・・・・・おばさんは・・・・・・」

360 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:10:38 ID:QFYmIAUU
友「男と、無理心中しようとした」

361 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:11:08 ID:QFYmIAUU
お嬢様「――!!」
友「その日は、月に一度のご馳走の日だって・・・」
友「おばさんは、自分の作った料理に毒物を混入させて、服毒自殺を図った」
お嬢様「・・・りょうり、に・・・?」
友「男が気付いた時、目に入ったのは、テーブルに突っ伏して口から血と泡を溢したおばさんの姿だ」
お嬢様「・・・っ!!」

362 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:11:46 ID:QFYmIAUU
友「男はその光景を見て、その場で胃の物を全部ぶち撒けた」
友「そのうち吐くものが無くなってからも、涎と胃液を垂れ流し続けた」
お嬢様「・・・っ」ポロッ
友「・・・それが生理的、精神的な反応であったとしても・・・結果的には、それが良かったのかもしれない」
友「次の日、学校に来ないまま連絡のつかない男の家を訪ねた俺が見たのは・・・」
友「変わり果てたおばさんと・・・・・・涙と、自分の吐瀉物に塗れながら気絶する、男だった」

363 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:12:05 ID:QFYmIAUU
友「あの後、どう対処したのか・・・よく覚えてない。とにかく救急車がきて」
友「――男はそのまま三ヶ月間、家には帰れなかった」
お嬢様「・・・っ、ぅ・・・」グスッ
友「肉体的な後遺症が残らなかったのは奇跡だと、医者は言ってたけどね」
友「・・・ハハッ、なにが奇跡だ。ふざけんじゃねえよ・・・!」
友「あの時の・・・っ、男の姿を見ても、同じことが言えんのかよって・・・!」
お嬢様「ぅ・・・ぐす・・・っ」ポロポロ

364 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:12:23 ID:QFYmIAUU
友「・・・それから男は、人が変わったようになった」
友「ほら、そんなに大きくない町だろ? 噂も、すぐに広まって・・・」
友「心にひどい傷を負ったまま、あいつは独りになった」
友「・・・あとは、お嬢様ちゃんも知ってのとおりだよ」
お嬢様「・・・っ、・・・」ゴシゴシ
友「・・・」

365 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:13:04 ID:QFYmIAUU
お嬢様「・・・どうして、その話をわたしに・・・」
友「フェアじゃないと思ったからさ。 ・・・男には悪いけど、これからする頼みには」
お嬢様「頼み・・・わたしに?」
友「・・・・・・男を」
友「あいつを、拒絶しないでやってくれ」
友「・・・高校に入って、環境が変わってからも、男は独りでいることをやめようとしなかった」

366 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:13:37 ID:QFYmIAUU
友「でも本当は、救って欲しかったんだと思う」
友「他の人間との交流は頑なに避けるくせに、学校へは毎日律儀に通い続けて」
友「もう二度と辛い思いはしたくないと思いつつも、完全に独りきりになってしまうことが、怖かったんだろうな」
お嬢様「・・・」
『イヤなら、鍵を掛けてしまえばいいでしょう!』
『掛けたことなんてないよ・・・怖いじゃないか』
お嬢様「・・・ぁ」

367 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:13:57 ID:QFYmIAUU
友「実は俺、お嬢様ちゃんのこと、少し恨んでるんだよね」
お嬢様「え・・・」
友「お嬢様ちゃんは『蜘蛛の糸』なんだよ」
お嬢様「い、いと・・・?」
友「それがさ、引っ張り上げるだけ引っ張っておいて、最後の最後でそれを切っちゃう」
友「ひどいじゃないか? 中途半端で、男はどうするんだよって・・・」
友「だから、恨み言の一つでも言ってやろうかなって」
お嬢様「ぅ・・・」シュン

368 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:14:25 ID:QFYmIAUU
友「さっきの、男の話・・・ひいた?」
お嬢様「・・・・・・正直に言って、すこし」
お嬢様「嫌悪感ではなくて・・・。わたしでは、とても想像もつかないような出来事だから・・・」
友「そりゃあそうだ」
友「人間って、他人の痛みには残酷なくらい鈍感だよ。 まして心の痛みなんて、本人にしか分からないさ」
友「でも、お嬢様ちゃんは、男のために泣いてくれたじゃないか」

369 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:15:06 ID:QFYmIAUU
お嬢様「・・・でも、わたしは・・・」
友「俺に言わせればさ、二人して意気地なしなだけだ」
友「困難だから、それで諦めるの? 本当に、それで終わっちゃっていいの?」
友「・・・男のこと、好きじゃないの?」
お嬢様「好きですっ!」
友「!」
お嬢様「愛しています・・・!」
お嬢様「きっともう、こんなに誰かを好きになることありません」

370 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:15:44 ID:QFYmIAUU
友「・・・そっか。・・・それだけ聞ければ、十分かな」
お嬢様「・・・?」
友「明日、何時の飛行機?」
お嬢様「え、ええと・・・××空港から、十二時丁度初の、トルコ行きの便ですけれど・・・」
友「わかった」コク
お嬢様「でも、男さんは・・・!」
友「必ず間に合うよ。だって、男とお嬢様ちゃんは・・・家族なんだろ?」
お嬢様「・・・」

371 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:16:40 ID:QFYmIAUU
友「男を、必ずキミの所へ送る。それは、俺の役目だ」
友「誰にも譲るつもりはない」
友「だから信じて待っていてくれ、キミの一番を」
友「お嬢様ちゃんが好きになった、男って人間を」
お嬢様「・・・はい」クス
ポッ・・・

372 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 14:17:18 ID:QFYmIAUU
お嬢様「あら・・・?」
友「雨か・・・」
ポツ・・・ポツ・・・
友「まるで、あの日みたいだ・・・」ボソ
お嬢様「え、なにか?」
友「・・・あ、なんでもないよ」
友「・・・・・・」ジッ
友「・・・強く、なりそうだな・・・」

374 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/10(金) 20:06:02 ID:PPZ6Sa9.
友の言動がいちいちかっこよすぎる

376 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 16:48:52 ID:CP.7AEjs

ポッ・・・
男「・・・雨・・・?」
男(箪笥の奥に仕舞っていた、父さんと母さんと僕が映った家族写真・・・)
男(それが収められた、小さな木製のフォトフレームを持つ僕の目の前の窓を、水滴が小さく叩いた・・・)
男「・・・」

377 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 16:49:15 ID:CP.7AEjs
男「母さん・・・」
男「僕、一晩考えてみたけど、もう一度彼女に会うよ」
男「会って、どうするかは決めてないし、分からないけど・・・」
男「きっと、彼女が好きになった僕なら、そうすると思うからさ」
男「だから行くよ。行ってくる」
男「・・・」

378 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 16:49:32 ID:CP.7AEjs
男「ねえ、母さん」
男「・・・どうして、僕と一緒に死のうとしたの?」
男「・・・僕は、愛されてなかったのかな・・・」
男「・・・」
ピンポーン!
男「? 誰だろう・・・?」
男「友かな?」スタスタ