2chまとめサイトモバイル
お嬢様「お手洗いで食べるご飯がこんなに美味しかったなんて!」
Part3


102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 08:11:25 ID:9IMSg2cg
男「?」
お嬢様「女性を・・・き、きちんとエスコートするのは、男性の務めでしょう?」
お嬢様「だから、そのっ・・・///」モジモジ
男「・・・手、繋ごうか」
お嬢様「! しょ、しょうがないわね・・・」

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 08:15:39 ID:9IMSg2cg
男「両手で握ってると、歩きにくいと思うんだけど」
お嬢様「そんなことないわ!」
お嬢様「いっ、いいのよ・・・これで///」
お嬢様「・・・もう、気付くのが遅いんだから」
お嬢様「でも・・・」クス
お嬢様「ふふっ、許してあげる!」ニコッ

105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:24:07 ID:8QWMkuVA

お嬢様「ここ?」
男「うん」
お嬢様「立派な一軒家ね」
男「そうかな・・・。いま、開けるから」
お嬢様「ええ、・・・あ。ちょ、ちょっと待って!」

106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:24:46 ID:8QWMkuVA
男「?」
お嬢様「・・・///」サッサッ
男「どうしたの?」
お嬢様「身だしなみを整えてるのよ・・・っ、お、おうちの方にご挨拶するんだから・・・」
男「ああ・・・」
男「大丈夫。誰もいないから」

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:25:31 ID:8QWMkuVA
お嬢様「え? お母様は・・・?」
男「いないよ。・・・誰もいないから」カチャッ
お嬢様「そ、そう」
男「気を使わなくていいよ。 どうぞ、あがって」
お嬢様「・・・お邪魔します」ペコリ
男「とりあえず、そっちの部屋で・・・って」

108 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:26:05 ID:8QWMkuVA
男「あの、お嬢様さん? なにしてるの?」
お嬢様「見れば分かるでしょう? 脱いだ靴を揃えているのよ」
男「そんなのいいのに・・・」
お嬢様「ダメよ。ご家族の方が帰られた時に、はしたない女だと思われてしまうじゃない」
男「・・・」

109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:26:28 ID:8QWMkuVA
男「スリッパ、これ使って」
お嬢様「ありがとう、お借りするわね」
男「僕、着替えてくるから」
お嬢様「そう、わかったわ」
男「すぐに行くから、適当に座って待っててくれる?」
お嬢様「ええ。 あ、ちょっと待って!」

110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:26:54 ID:8QWMkuVA
男「どうしたの?」
お嬢様「あの、・・・お手洗い・・・貸してくれないかしら?」モジ
男「トイレなら、そのすぐ横のドアだよ」
お嬢様「あ、ありがとう」
男「・・・」
お嬢様「・・・」

111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:27:27 ID:8QWMkuVA
お嬢様「なぜ、そこで立ったままこちらを見ているのかしら?」
男「・・・ちゃんとは入れるかなぁって」
お嬢様「・・・そう」
お嬢様「まさか、わたしが入るところ、見ているつもりじゃないわよね?」ニコ
男「え、ダメかな?」
お嬢様「だ、ダメに決まってるでしょう!?///」

112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 12:28:48 ID:8QWMkuVA
男「一応、心配して・・・」
お嬢様「いいから、行きなさい。行くのよ・・・ね?」ニッコリ
男「お嬢様さん、こわい顔してるよ?」
お嬢様「! 誰のせいよ!」
男「わ、分かったよ」
お嬢様「・・・もうっ・・・///」

113 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 19:03:13 ID:CUUQHg6.
高校三年間ボッチメシだったけど、こんな出会いなかったぞ

115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 23:16:31 ID:VHifXXtg
>>113
トイレで食べないとだめなんだよきっと

114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/27(金) 20:35:04 ID:6l1qd222
冷やかしてくる奴ならいたな

116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:02:42 ID:UFKzqMDo

男「お待たせ」
お嬢様「あら、お帰りなさい」
男「・・・」
お嬢様「どうかしたの?」
男「・・・いや、あ・・・座ってていいって言ったのに」

117 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:05:57 ID:UFKzqMDo
お嬢様「勝手に座ったりできないわよ」
男「和室、珍しいかな?」
お嬢様「そういうことではなくて、お行儀が悪いじゃない」
男「気にしすぎだよ」
お嬢様「そういう風に躾けられてきたのだから、仕方ないじゃない」
男「そういうものかなぁ・・・」
お嬢様「そういうものよ」

118 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:07:29 ID:UFKzqMDo
男「とりあえず、座ろうよ。 はい、座布団」
お嬢様「ありがとう」
男「・・・」
お嬢様「・・・」
男「・・・」

119 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:09:43 ID:UFKzqMDo
お嬢様「な、なにか喋りなさいよ・・・」
男「なにかって?」
お嬢様「なんでもいいわよ」
男「あ、それじゃあ・・・」
男「僕、ずっと気になっていたことがあったんだけど、聞いてもいいかな?」
お嬢様「ええ、いいわよ。なにかしら?」

120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:11:38 ID:UFKzqMDo
男「なんであの日、僕のところに来たの?」
お嬢様「あの日・・・」
男「初めてキミがトイレに、僕が食べてるところに来た理由」
男「ずっと気になってたんだ。なんでなんだろうって」
お嬢様「・・・あなたのことを、ずっと見ていたからよ」
男「え?」

121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:16:33 ID:UFKzqMDo
お嬢様「ふふっ、少し端折りすぎたわね」
お嬢様「わたしが、あなたのクラスへ転入した日のことは、覚えている?」
男「うん、覚えてるよ」
お嬢様「あの時、自己紹介が終わって、みんながわたしのことを笑っていたわ」
お嬢様「被害妄想なのかもしれないけれどね・・・、少なくとも、誰もわたしと目を合わせようとはしなかったわ」
お嬢様「・・・あなたをのぞいてね」
男「・・・」

122 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:21:30 ID:UFKzqMDo
お嬢様「皮肉なことにね」
お嬢様「他人と自分の価値観に、そんな風にズレがあるなんて、ずっと気付かないままでいたのよ」
お嬢様「・・・・・・あなたは、運命って信じる?」
男「運命?」
お嬢様「あの瞬間・・・頭の中が真っ白になってしまって」
お嬢様「小さい頃から、何不自由なく、それが当たり前のように生きてきたから」
お嬢様「だからこそ逃げられないんだな、って。 『わたし』はずっと『わたし』のまま」

123 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:23:35 ID:UFKzqMDo
お嬢様「人は・・・変われないんだって、これが運命なんだって。 大袈裟かもしれないけど、そう・・・思ったの」
お嬢様「・・・あなたの、小さな拍手が聞こえるまでは」
男「・・・僕は、ただ・・・」
男「キミが一生懸命なのが伝わったから」
男「きっと、頑張って話すことを考えたんだろうなって分かったから・・・」
お嬢様「・・・」

124 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:24:41 ID:UFKzqMDo
お嬢様「それから、あなたのことをそれとなく見ていたの」
お嬢様「そうしたら、他の人とは必要以上に言葉を交わさなければ、何をするにも一人でいる」
お嬢様「休み時間やお昼になったら、決まって姿が見えなくなるし」
お嬢様「・・・なによ。この人だって、十分変わってるじゃないって」
お嬢様「そう思ったら・・・ふふっ、なんだか興味が湧いてきたのよ」

125 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:29:13 ID:UFKzqMDo
男「それであの日、僕の後を尾けてきたの?」
お嬢様「ええ、そうよ」クス
お嬢様「びっくりしたわ。どこで食べるのかしらと思っていたら、お手洗いへ入っていくんだもの」
男「それで個室にまで付いてきちゃうんだから、僕の方がビックリだよ」
男「でも・・・そっか」
お嬢様「これでわかった?」

126 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:30:32 ID:UFKzqMDo
男「僕が変わってたからってことだよね」
お嬢様「・・・もう少しロマンチックに言えないのかしら」
男「ねえ、お嬢様さん」
お嬢様「なに?」
男「僕の友達が言ってたんだけどね」
男「しっかり見れて、はっきり喋れて、元気に走ることができれば・・・。人間に、違いなんか無いって」

127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:33:07 ID:UFKzqMDo
男「二週間・・・短いけど、キミと一緒にいた僕が保証するよ」
男「キミは、他の人と何も違わない」
お嬢様「・・・」
男「頑固で、見栄っ張りで、図々しくて・・・」
男「でも、優しくて、照れ屋で・・・よく笑って、たまに泣いちゃう」
お嬢様「・・・」
男「僕にとっては、ただの可愛い、一人の女の子だ」

128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:34:26 ID:UFKzqMDo
お嬢様「・・・っ」ポロッ
お嬢様「あ、あれ・・・なんで・・・うそ?」ポロポロ
お嬢様「・・・ぁ、・・・ぅ」
男「お嬢様さん・・・」
お嬢様「なっ・・・なにか喋ってとは言ったけど・・・っ」
お嬢様「泣かせてとは・・・ひっく・・・言ってないわよぅ」グスッ

129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:36:20 ID:UFKzqMDo
男「・・・」
お嬢様「なによぉ・・・言いたいほうだい、言っちゃって・・・」
男「ごめん」
お嬢様「でも・・・ぐすっ・・・嬉しいの」
お嬢様「・・・すごく、嬉しいのよぅ・・・っ」ポロポロ
男「うん」
お嬢様「・・・っ」ゴシゴシ

130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:41:22 ID:UFKzqMDo
男「・・・」
お嬢様「・・・」
お嬢様「あ、あなたといると・・・なんだか泣いてばかりだわ、わたし」
男「そういうところも、可愛いと思うけどね」
お嬢様「な、なに言って・・・///」

131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:42:18 ID:UFKzqMDo
お嬢様「・・・・・・あ。あの、ね」
男「なに?」
お嬢様「あなたに、聞いて欲しいことがあるの」
お嬢様「わたし、じつは――」
ぐぅーーーー

132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 11:42:41 ID:UFKzqMDo
男「・・・」
お嬢様「・・・」
男「僕じゃないよ」
お嬢様「っ///」
男「えぇと、さきに、ご飯にしようか?」
お嬢様「そっ・・・そう、ね・・・///」

133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/28(土) 16:48:31 ID:wdoXShBE
全力で支援

134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:12:17 ID:FdhB8vhE

男「食材、あったかなぁ・・・」
お嬢様「あら、あなたが作るの?」
男「うん。冷蔵庫の中、見てみるね」ガチャ
お嬢様「・・・・・・卵ばっかりじゃない」
男「そうだね」

135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:14:18 ID:FdhB8vhE
お嬢様「ずいぶん偏ってるわね」
男「・・・僕の家の冷蔵庫がこうなったのは、キミのせいでもあるんだからね?」
お嬢様「あなた、そうやってなんでもわたしのせいにするの、やめてくれないかしら」
男「一度、僕のお弁当に玉子焼きが入ってなくて、大騒ぎしたのはキミでしょ」
お嬢様「それは・・・たしかに、そうだけど」
お嬢様「・・・あなたって、けっこう底意地の悪いところあるわよね」

136 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:15:42 ID:FdhB8vhE
男「そうかな? 初めて言われたよ」
お嬢様「見る目がないのね、みんな」
お嬢様「・・・・・・ないままでいいけど」ボソ
男「なにか言った?」
お嬢様「な、なんでもないわよ・・・///」
男「そう?」

137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:16:37 ID:FdhB8vhE
お嬢様「・・・・・・ねえ」
お嬢様「もしよかったら、わたしが作りましょうか?」
男「・・・え?」
お嬢様「・・・」
男「料理、できるの?」
お嬢様「・・・あなたがわたしをどういう風に見ているのか、少し分かったわ」

138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:18:35 ID:FdhB8vhE
お嬢様「人と比べたことがないから、基準は分からないけれど・・・」
お嬢様「レシピと材料があれば、大体のものは作れるわよ」
男「家で、自分でご飯を作ったりするの?」
お嬢様「しないわよ?」
お嬢様「決まった日に、お料理を教えてくれる人がいるの」

139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:20:01 ID:FdhB8vhE
男「料理教室みたいなものだね」
お嬢様「お料理だけじゃないわよ?」
お嬢様「華道に茶道にピアノ、それからお着物の着付けに・・・小さい頃はバレエの先生もいたわね」
男「・・・」
お嬢様「ふふっ、すごいでしょ?」
男「本当に、お嬢様なんだね」
お嬢様「ええ、そうよ」クスッ

140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:22:03 ID:FdhB8vhE
お嬢様「それで、どうするの? わたしが作ってもいいのかしら?」
男「あの、でも・・・僕・・・」
お嬢様「いいじゃない。ね、ねっ?」
男「・・・」
男「えっと・・・・・・、じゃあ・・・」
お嬢様「きまりねっ」パァッ

141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:23:09 ID:FdhB8vhE
男「僕も手伝うよ」
お嬢様「いいわよ、あなたは座ってて?」
男「でも・・・」
お嬢様「道具の場所とか、分からなかったらあなたに聞くから」
男「う、うん・・・」
お嬢様「それじゃあ、えーっと・・・」ゴソゴソ
男「・・・」

142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:24:21 ID:FdhB8vhE
お嬢様「あ、ねえ? このエプロン、借りてもいいかしら?」
男「あ、うん」
お嬢様「ありがとう。〜〜♪」
男「・・・」
お嬢様「あ、ねえ? 冷蔵庫の中にあるものは、みんな使ってもいいの?」
男「あ、うん」
お嬢様「わかったわ。〜〜♪♪ ふふっ」

143 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:25:45 ID:FdhB8vhE
男「・・・」
お嬢様「〜♪、〜〜♪」
男「・・・」
男「あの」
お嬢様「あら、どうかした?」
男「やっぱり、僕も手伝っていいかな?」

144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:27:37 ID:FdhB8vhE
お嬢様「・・・そんなにわたしって信用ないかしら?」ムス
男「そうじゃなくって・・・なんだか、落ち着かなくて・・・」
お嬢様「そうなの?」
男「うん・・・」
お嬢様「もう、しょうがないわね」
お嬢様「じゃあ、こっちの野菜を洗って、皮を剥いておいてくれる?」
お嬢様「わたしは、卵を溶かして下拵えしてしまうから」
男「わかったよ」

145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/29(日) 11:28:29 ID:FdhB8vhE
お嬢様「〜♪〜〜♪」カシャカシャ
男「・・・」
男「すごく、楽しそうだね」
お嬢様「そう? 普通じゃないかしら・・・ふふっ♪」
男(料理するのが好きなのかなぁ・・・)
お嬢様「〜〜〜♪」

150 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/31(火) 11:23:17 ID:PJEBMrR2

お嬢様「それじゃあ、いただきましょうか」
男「・・・う、うん」
お嬢様「どうかしたの? やっぱり、どこかおかしいかしら?」
男「ううん。すごく、美味しそうにできてるよ」
男「ただ、人が作ったものを食べるの、久しぶりだから」
お嬢様「あら、そうなの?」
男「うん」

151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/31(火) 11:23:50 ID:PJEBMrR2
男「・・・いただきます」
お嬢様「ええ、どうぞ召し上がって」ニコ
男「・・・」
お嬢様「食べないの・・・?」
男「・・・あ・・・」
お嬢様「もしかして、嫌いなもの入ってたかしら?」
男「だ、だいじょうぶ」
お嬢様「そう?」

152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/31(火) 11:24:24 ID:PJEBMrR2
男「・・・っ」ゴクッ
男「あむ・・・」
お嬢様「・・・どう、かしら? おいしく・・・できてる?」ドキドキ
男「あ・・・はは。う、うん・・・。おい――」
『――どう? 男ちゃん、美味しい?』
男(!!!!)